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更新日:2014年6月20日

「パイセス」の循環式薬浴方法

最終情報更新日:2006年12月18日

技術情報 安全安心な養殖魚生産のために!


水カビ防除剤「パイセス」の使用方法

 受精卵における水カビ類寄生繁茂の蔓延抑制を目的にノバルティスアニマルヘルス(株)(本社・東京)から「パイセス」が水産用医薬品として発売されています。パイセスはブロノポール(CBrNO)を有効成分とし、化粧品や歯磨き粉など広く日用品の抗菌性保存剤として使用されており、水カビ防除剤としては既にイギリス、ノルウェー、カナダ、チリなど10か国以上で使用されている実績のある薬剤です。
 「パイセス」の用法・用量は受精後24時間から発眼卵として検卵するまで飼育水1L当り薬剤0.1mLを均一に混ぜ、1日1回、30分間薬浴することとなっています。薬浴方法には流水式(滴下式)または循環式があり、その概要は次のとおりです。
【流水式】
 流水式は薬剤が規定濃度に達するまでの時間を考慮し、滴下時間と使用薬剤量を次式で求めます。使用薬剤は用水で希釈し、滴下用水槽から求めた滴下時間で均一に滴下します。大規模な施設に向いています。薬浴の規定濃度の維持が非常に重要で、水カビ防除の成績に大きく影響します。高価ですが薬剤を均一に滴下できる定量ポンプの使用が望まれます。

             卵収容槽容量(L)
  滴下時間(分) = --------------- + 30
               流量(L/分)


               流量(L/分)×滴下時間(分) + 滴下用水槽や配管容量(L)
  使用薬剤量(mL) = ------------------------------------------------
                                10

【循環式】
 循環式は、規定濃度に調整した用水をポンプで循環させる方法です。
 卵収容槽の排水をバケツ等で全て受け、バスポンプ等を用いてバケツから卵収容槽の注水部に用水を戻し、30分間循環させます。酸欠予防のためエアレーションを注水部に入れます(写真1)。必要な薬剤量は卵収容槽とバケツの水量分だけです。使用時薬剤を希釈して卵収容槽全体に散布します。流水式に比べ薬剤使用量が少なく、薬浴の規定濃度の維持が正確に行うことができます。発眼期に近い卵にはわずかですが水カビが発生し、水カビ胞子が用水中に多数あると予想されます。他水槽からの水カビ蔓延を防止するため薬浴は卵収容槽毎に用水を循環させる方法を勧めます。ポンプはホームセンターで購入できる安価なバスポンプで十分です。

写真:循環式薬浴方法の例 
写真1 循環式薬浴方法の例
拡大したものは、こちらです。

 薬浴方法は流水式、循環式ともそれぞれ特徴があります。正しく使用すれば両者の成績は変わらないので施設にあった方法を採用するのがよいでしょう。流水式及び循環式の薬剤経費を試算しました。注水量が20L/分で40万粒収容した200Lの卵収容槽1個を使用し、20日間毎日処理した場合、卵1万粒当たり流水式の経費は約300円、循環式は約100円でした。
 「パイセス」の作用は穏やかで、水カビの繁茂を強く抑制しません。長野県水産試験場の流水式による実験では、薬浴を毎日、2日に1回、3日に1回処理および無処理における死亡卵の水カビ付着率はそれぞれ0.2、4.1、9.1、32.6%でした。毎日処理が必要です。
 また、「パイセス」をより効果的に使用するには水カビが繁茂しにくい状況を作り出すことが大切です。
 ○親魚の選別を確実に行い良卵のみを得る。
 ○受精前には洗卵により血液や壊卵を取り除く。
 ○受精後吸水を十分に行い、余分な精子は流してから収容する。
 など原点に戻った卵管理が必要です。

(参考:卵の水カビ防除には「パイセス」を使用してください。

 

お問い合わせ

水産試験場 

電話番号:0263-62-2281

ファックス:0263-81-2020

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