野生鳥獣に負けない集落づくり事例
1 はじめに
「野生鳥獣に負けない集落づくり事例集」は、平成20年度から平成22年度までに、県内各地域で、地域の皆さん、各市町村、県現地機関の野生鳥獣被害対策チーム(対策チーム)が協力して実施した対策の事例をまとめたものです。
この事例集は、野生鳥獣被害対策本部(対策本部)の策定した長野県野生鳥獣被害対策基本方針の長期目標である、「野生動物との緊張感ある棲み分けの実現」のための「野生鳥獣に負けない集落づくり」を、現地において実践するために活用するものです。
2 事例集利用上の注意
野生鳥獣の被害対策は、対象とする種、加害される対象、現地の地形、集落で対応可能な予算や労力などによって有効性に差が生じます。事例集を参考に「地域の実情に合った対策」を検討してください。
野生鳥獣の被害対策は、「集落が主体」になって「地域に合った対策」を「自らが考えながら」継続していくことが重要です。事例集だけでは、そのための地域合意や体制整備その他については伝わらないことが沢山あります。それらについては、地域の対策チームにお問い合わせください。
野生鳥獣の被害対策には、「これをやったら終わり」という特効薬はありません。紹介した事例も、全てが途中経過です。今後状況変化等により、更なる見直しが必要になる場合もあります。その他、事例集の有効な活用方法については、地域の対策チームに御相談ください。
3 野生鳥獣被害対策本部(対策本部)
平成19年11月に設置された、県庁内の部局横断組織で、野生鳥獣による「人身被害の回避」や「農林業被害の軽減」を図ると共に、「棲み分けによる人と野生鳥獣の共存」を目指すため、一体的・横断的な体制を整備し、野生鳥獣に関する情報の収集・共有を図り、総合的・効果的な対策を推進することとしています。
4 野生鳥獣被害対策チーム(対策チーム)
対策本部の実働部隊として、各地域に地方事務所の農政課、林務課、農業改良普及センターを中心に組織しています。対策チームは、市町村協力し、「野生鳥獣に負けない集落づくり」を目指して、集落ぐるみの被害対策をサポートします。
なお、実施にあたっては必要に応じ、試験研究機関で組織する野生鳥獣被害対策支援チームが、専門的な助言・指導をすることになっています。
5 野生鳥獣に負けない集落づくり事例集
|
番号 |
年度 |
地域 |
市町村 |
場所 |
テーマ |
対象獣種 |
事例 |
写真 |
発表 |
|
1 |
H20 |
佐久 |
小海町 |
五箇地区 |
ワイヤーメッシュ柵(縦使い)によるニホンジカ被害対策 |
ニホンジカ |
○ |
|
○ |
|
2 |
H20 |
上小 |
上田市 |
丸子 荻窪地区 |
環境整備と電気柵の設置によるクマ侵入防止対策 |
ツキノワグマ |
○ |
|
○ |
|
3 |
H20 |
上小 |
長和町 |
松沢地区 |
森林整備、遊休農地解消と防護柵の設置による侵入防止対策 |
イノシシ、ニホンジカ |
○ |
|
|
|
4 |
H20 |
諏訪 |
諏訪市 |
神宮寺地区 |
地元関係者による『平成のシシ垣』づくり |
イノシシ、ニホンジカ |
○ |
|
○ |
|
5 |
H20 |
諏訪 |
諏訪市 |
上野地区 |
忌避作物(エゴマ)の実証試験と集落ぐるみの防除対策 |
ニホンジカ、イノシシ、ハクビシン |
○ |
|
○ |
|
6 |
H20 |
上伊那 |
中川村 |
柳沢地区 |
地域全体で取り組む総合防除対策 |
イノシシ、ニホンジカ、ニホンザル |
○ |
|
○ |
|
7 |
H20 |
下伊那 |
飯田市・喬木村 |
上久堅地区・冨田地区 |
集落単位を越えた地域ぐるみでの防護柵の設置 |
ニホンジカ、イノシシ |
○ |
|
○ |
|
8 |
H20 |
下伊那 |
高森町 |
牛牧地区 |
緩衝帯と電気柵を組み合わせた集落ぐるみ対策 |
ニホンザル、イノシシ |
○ |
|
|
|
9 |
H20 |
木曽 |
木祖村 |
菅地区 |
防除・生息環境整備・捕獲対策と遊休荒廃地の解消による集落の活性化 |
ニホンザル |
○ |
|
○ |
|
10 |
H20 |
松本 |
松本市 |
稲倉地区 |
地域ぐるみによる総合的なシカ被害対 策 |
ニホンジカ |
○ |
|
○ |
|
11 |
H20 |
北安曇 |
池田町 |
広津地区 |
過疎地域における広域的な自衛対策 |
ニホンザル、イノシシ |
○ |
|
○ |
|
12 |
H20 |
長野 |
長野市 |
豊栄地区 |
簡易型電気柵を中心とする集落ぐるみ対策 |
イノシシ |
○ |
|
○ |
|
13 |
H20 |
長野 |
千曲市 |
森地区 |
ワイヤーメッシュ忍び返し柵を中心とする集落ぐるみ対策 |
イノシシ |
○ |
|
|
|
14 |
H20 |
北信 |
木島平村 |
池の平地区 |
簡易型電気柵を中心とする集落ぐるみ対策と安心農業の実現による集落の活性化 |
ツキノワグマ |
○ |
|
|
|
15 |
H21 |
佐久 |
小諸市 |
南ヶ原地区 |
防除技術及び先進技術の実証導入 |
イノシシ・ツキノワグマ |
○ |
○ |
○ |
|
16 |
H21 |
上小 |
上田市 |
丸子荻窪地区 |
電気柵の設置によるハクビシンとクマ侵入防止対策 |
ツキノワグマ、ハクビシン |
○ |
○ |
|
|
17 |
H21 |
諏訪 |
諏訪市 |
上野地区 |
地区の特産「上野大根」を中心とした集落ぐるみの防除対策 |
ニホンジカ、イノシシ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ |
○ |
○ |
|
|
18 |
H21 |
上伊那 |
駒ヶ根市 |
中沢地区(12集落) |
地域全体で総合的に取り組む防除対策 |
ニホンジカ、イノシシ |
○ |
○ |
○ |
|
19 |
H21 |
下伊那 |
高森町 |
吉田地区 |
防除技術及び先進技術の実証導入 |
ニホンザル・イノシシ・ニホンジカ |
○ |
○ |
○ |
|
20 |
H21 |
木曽 |
上松町 |
西小川地区 |
獣の出没しにくい環境と追払いによる集落ぐるみ対策 |
イノシシ、ニホンザル、ツキノワグマ |
○ |
○ |
○ |
|
21 |
H21 |
松本 |
生坂村 |
草尾地区(上野巨峰団地) |
早期解決 被害が拡大する前に産地ぐるみの取組事例 |
ニホンザル、ハクビシン |
○ |
○ |
|
|
22 |
H21 |
北安曇 |
小谷村 |
島・塩坂集落 |
集落での協働圃場で集中的な野生鳥獣被害対策 |
ニホンザル、イノシシ、カモシカ他 |
○ |
○ |
○ |
|
23 |
H21 |
長野 |
須坂市 |
仁礼地区 |
仁礼地区における緩衝帯整備、防護柵(トタン+電気柵)設置による地域ぐるみの被害対策 |
イノシシ、ニホンザル |
○ |
○ |
○ |
|
24 |
H21 |
北信 |
中野市 |
日野地区 |
集落で取り組む被害対策 |
イノシシ他 |
○ |
○ |
|
|
25 |
H21 |
北信 |
木島平村 |
池の平(H21継続) |
簡易型電気柵を中心とする集落ぐるみ対策と安心農業の実現による集落の活性化 |
ツキノワグマ、イノシシ |
○ |
|
○ |
|
26 |
H22 |
佐久 |
南佐久
地区 |
川上村・南牧村・佐久穂町 |
ニホンジカ防護柵設置と効果の維持 |
ニホンジカ |
○ |
○ |
|
27 |
H22 |
上小 |
上田市 |
秋和地区 |
生息環境整備と集落防護柵の設置による対策 |
イノシシ |
○ |
|
|
28 |
H22 |
上小 |
上田市 |
小泉半過地区 |
集落防護柵の設置、捕獲対策、シカ肉の食肉利用 |
イノシシ・ニホンジカ |
○ |
|
|
29 |
H22 |
諏訪 |
茅野市 |
霧ヶ峰地区(八島ヶ原湿原) |
野生鳥獣との共存に向けた生息環境等の整備モデル地域における防鹿柵の設置 |
ニホンジカ |
○ |
○ |
|
30 |
H22 |
上伊那 |
辰野町 |
沢底地区 |
特用林産物の被害防止対策 |
イノシシ・ニホンジカ |
○ |
○ |
|
31 |
H22 |
下伊那 |
平谷村 |
|
平谷村における野生鳥獣被害対策 |
ニホンザル、イノシシ |
|
○ |
|
32 |
H22 |
木曽 |
王滝村 |
東地区 他 |
口コミによる防除対策の広がり |
ニホンザル・イノシシ・ハクビシン |
○ |
○ |
|
33 |
H22 |
松本 |
松本市 |
東山部地区 |
「東山部地域(入山辺、内田、里山辺、中山、神田、大嵜ア集落)」における広域的な対策 |
ニホンジカ、イノシシ |
○ |
○ |
|
34 |
H22 |
北安曇 |
池田町 |
広津地区 |
集落自衛組織による総合的な野生鳥獣対策 |
ニホンザル、イノシシ、ニホンジカ、ハクビシン |
○ |
○ |
|
35 |
H22 |
長野 |
小布施町 |
雁田地区 |
自立型 鳥獣被害対策の推進 |
ニホンザル、イノシシ |
○ |
○ |
|
36 |
H22 |
北信 |
野沢温泉村 |
虫生地区 |
集落で取り組む被害対策 |
イノシシ・ツキノワグマ |
○ |
○ |