長野県立総合リハビリテーションセンター

しあわせ信州

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更新日:2016年8月30日

高次脳機能障害患者の看護

当センターでは、高次脳機能障害の方の入院に際してそれぞれの方の障害特性に合わせた看護を心がけています。

入院中はただ無難に過ごせれば良いということではなく、病棟の生活の中でそれぞれの方が自分でできることと、支援が必要なことを見極めて、家庭に戻った時にも役立つ支援のアイデアをご家族に示せるように日々努めます。

病棟で行なっている看護の一部をご紹介いたします。

服薬管理

内服薬は、血圧やけいれんなどにかかわる大切なくすりがありますので、慎重に進めています。入院時より、内服の自立の状況に合わせ、次のように検証しながら進めます。

1.時間薬

時間薬

入院したばかりのときは、写真のように薬を各食後に看護師が配ります。患者さんが内服できたかを看護師が確認し、飲み忘れなどないようであれば、次にステップUPします。

2.1日薬

1日薬

それが、この写真で1日薬といいます。

看護師が朝に一日分の薬をこのように朝、昼、夕、寝る前とそれぞれの箱に入れて、ベッドサイドの机に置き、各食後に朝の薬は飲めてるか、昼の薬は飲めてるかと箱の中を確認します。この方法での飲み残しがないようなら再びステップUPです。

3.1週間分

1週間分その1

1週間分その2

今度は、1週間分の薬を一度にお配りします。一気に量が多くなり難しくなります。左の写真はベッドサイドに看護師が用意したものです。右のピルケースは100円ショップで販売されていたものです。高次脳機能障害の患者さんに必要なことのひとつは、生活の環境を整えて差し上げることです。それは、必ずしもお金をかけなくてもできるのです。

4.自己管理に向けて

服薬の自己管理に向けて

1週間分自己管理で問題なければ、次にステップアップし、この写真になります。

袋ごと1週間分お渡しして、飲み忘れがないようチェック表を付けます。これでも問題がなければ、チェック表も卒業となり、自己管理となります。

日程・スケジュール管理のツールを使う

使用の目的

記憶の障害、遂行機能の障害、発動性の低下、知的機能の低下などの高次脳機能障害がある患者さんが生活のリズムを築くためや、一日の日課を予定通りに進めていく代償手段として生活するためのツールとしています。

使用方法

患者さんの症状(視野の問題、半側無視、文字・数・図形の理解、色彩、時計の理解)などを考慮してその人に合わせた日程表をつくる。表示形式は、ボード、用紙、ノート、模造紙、写真付き、日めくり仕様、立て看板仕様があります。

種類

1.次の予定のみを一つ記載したもの
2.1日の日程を記載したもの
3.日課が組み込んであり、予定を書き入れるもの
4.時間枠組のみのもの
5.チェック機能、自由メモ欄、約束事が組み込まれているもの

病棟での実際の対応

病棟での対応について、なるべく早く新しい病棟環境に慣れていただくために、手作りの説明書を示します。

入院生活の案内
入院生活の案内

日程表
入院生活の日程表

日課表

日課表

一日の生活スケジュールに定例的な訓練時間を入れたものを使用しています。

以下は日課表の例です。

定例訓練時間と時間の変更

定例訓練の時間割
定例訓練の時間割(ワード:36KB)

訓練時間変更
訓練時間変更(ワード:31KB)

訓練時間はなるべく固定化しますが、変更にも対応できるように書式を定めてあります。

カレンダー
カレンダー

今日が何日で、何曜日かが分からなくなってしまう患者さんには、カレンダーを見えやすい位置に張り、○印など記載してもらいます。このようにすることで、日付、時間、曜日が分かるようになってきます。

タイマー1
タイマー

タイマーは訓練に出かける時間(出訓時間)が分からなくなってしまう患者さんに使います。出訓の10分前になればアラームがなるように看護師がセットします。何のリハビリか分からない方には、リハビリの絵入りのものもあります。そこで何のリハビリであるか、どこにいくのか場所、時間などが分かるように訓練を重ね、いずれは一人で出訓できるようにしていきます。

タイマー2
タイマー

タイマー

タイマー2はクォーターアワーウォッチ(QHW)という、元々は発達障害児(者)の行動支援用に開発されたタイマーで、絵カードを貼りつけたプレートに時間が設定されていて、これを変えることでスケジュール管理ができるものです。必ずしも一般的とは言えないので、目ざまし時計にスケジュールの付箋を貼りつけるのが実用的です。

ベッド・サイド・メモ
ベッド・サイド・メモ

時間の間隔が難しかったり、ルールを忘れてしまいやすい方には、このように字を書いてベットサイドに貼り、ルールを思い出しやすくします。このようにすることで、自分で生活のルールを整えられていきます。

私の部屋は?

人形

お部屋を忘れてしまいやすい方のために、お部屋の番号の説明だけでなく、目立つぬいぐるみなどを置くようにしています。トイレの場所がわからなくなってしまう方のためには、お部屋とトイレを結ぶ線を床に引いたり、壁にトイレの場所を示す看板を貼っています。このようにして、日常生活の自立へとつながるように目指しています。

支援のポイントは

  • 適切な視覚的刺激を利用する。
  • 生活環境を整え、余分な刺激を極力減らす。
  • 一度に多くの指示を出さない。
  • 抽象的な話ではなく、具体的な話をする。
  • 否定・禁止ではなく提案型の声かけを行う。
  • 急な予定変更は避ける。
  • 一定の手順で行う。
  • 物の置き場所などは一定に。
  • 無理に障害を認めさせようとしない。

 

看護部では、家族サポートの一環として『高次脳機能障害患者・家族の集い』を定期的に開催しています。

 

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