インターネット版広報ながのけんNAGANO 2017年5月号(平成29年4月28日発行)Vol.36 特集:県内10地域で スタート、「地域振興局」! ■1ページ目 (写真:10地域振興局長が新しい看板を設置・除幕する様子) 地方事務所――― パスポートの申請や自動車税の支払いなどで訪れたことありませんか? 地方事務所は、昭和17年に県内10地域に設置されて以来、70年以上にわたり、地域の皆さんに親しまれてきました。 この春、その歴史に幕を閉じ、新たな組織「地域振興局」としてスタートしました。 地域振興局長のリーダーシップのもと、地域の課題は地域で解決。 人口減少や少子高齢化が進んだ現在、インターネットの発達や交通網の整備が進むにつれ、モノの豊かさが満たされるようになってきました。 そのような社会では、これまでの固定観念にとらわれることなく、さまざまな価値を尊重しながら、サービスや暮らしの質を高めていくことが重要です。 特に全国の中でも小さな町村が多い長野県は、市町村と一緒にこうした課題にいち早く取り組み、魅力ある地域づくりを進めていく必要があります。 そこで、「地域振興局」を新設。地域振興局長が現地機関のリーダーとなり、皆さんの声を聞きながら、関係機関と連携して課題解決に取り組みます。 「地域振興局」を設置しました。 旧 地方事務所 新 地域振興局(佐久、上田、諏訪、上伊那、南信州、木曽、松本、北アルプス、長野、北信) 地方事務所からの変更点 地域政策課→総務管理課      →企画振興課 税務課→県税事務所 建築課→建設事務所建築課 ※※県税事務所、建設事務所建築課ともに所在地はこれまでと変わりません。 平成29年度組織改正について詳しくはこちら http://www.pref.nagano.lg.jp/jinji/kensei/soshiki/soshiki/soshiki/h2904.html ■2ページ目 こんなことに取り組んでいきます (10地域振興局の取り組み内容を写真とともに紹介しています) 長野地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/nagachi/nagachi-somu/index.html) 「果物の産出額が県内1位」という強みを踏まえ、今年度は、果物を生かしたインバウンドの促進や稼ぐ力の強化、新商品開発支援など「果物を軸とした魅力ある地域づくり」を進めます。 北信地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/hokuchi/hokuchi-somu/index.html) 観光と農に強みがある地域です。グリーンシーズンの観光をさらに強化して、通年型の観光地域づくりに取り組みます。また、有数の豪雪地帯であるこの地域で、安心安全に住み続けられるよう生活基盤の維持確保に努めます。 北アルプス地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/kitachi/kitachi-somu/index.html) 北アルプスの自然や安曇野の田園風景を生かし、登山・スキーはもとより、新たに自転車を活用したアウトドア観光や、体験・修学旅行の受け入れ等を推進し、1年を通じて旅行者が訪れる観光地づくりに取り組みます。 上田地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/uedachi/uedachi-somu/index.html) 真田氏発祥の地で、歴史的建造物や温泉、おいしい農産物やワインなど多彩な魅力に溢れています。地域資源を活用した健康増進や地消地産、産学官連携による産業振興などを推進します。 松本地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/matsuchi/matsuchi-somu/index.html) 県内唯一の空の玄関口である信州まつもと空港を利用して訪れる皆さまが、松本地域の恵まれた自然や歴史的遺産等を周遊していただく観光プランを提案するなど、空港を拠点とした観光地域づくりを進めます。 佐久地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/sakuchi/sakuchi-somu/index.html) 高原野菜やカラマツの産地、地域に根差した保健医療体制などの特性に、美しい星空、高い晴天率、首都圏との近さといった優位性を掛け合わせ、地消地産と健康を核とした地域づくりや移住・二地域居住などを推進します。 木曽地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/kisochi/kisochi-somu/index.html) 木曽地域は昨年「日本遺産」の認定を受けました。より安全に、安心して「木曽らしい」上質な生活が営める地域であり続けるため、防災力の着実な向上と地域資源を生かした観光地域づくりを進めるとともに、生活基盤の維持に努めます。 諏訪地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/suwachi/suwachi-somu/index.html) ものづくり、農業、諏訪湖、八ヶ岳・霧ヶ峰など、地域の魅力を生かした産業振興や人材育成を推進します。また、御柱祭や縄文文化に親しむ心豊かな暮らしの実現と移住・定住の促進に取り組みます。 南信州地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/minamichi/minamichi-somu/index.html) 南信州地域は、リニア中央新幹線と三遠南信自動車道の整備により、「長野県の南の玄関口」となる新たな時代を迎えます。10年後のリニア新時代に向けて広域観光の推進や移住定住の促進に取り組みます。 上伊那地域振興局(http://www.pref.nagano.lg.jp/kamichi/kamichi-somu/index.html) 二つのアルプスによる豊かな自然環境を生かし、ものづくりを支える人材の育成・確保、バイオマスによるエネルギーの地消地産、世界との交流拡大を進め、10年後に迫るリニア中央新幹線開業に備えます。 (画像:魅力発信ブログバナー) 地域振興局の職員が、各地域の魅力をブログで発信中! ここでしか手に入らない旬な情報があるかも!? 長野県魅力発信ブログはこちら http://blog.nagano-ken.jp/ ■3ページ目 リーダーインタビューVol.1 南信州地域地域振興局長 (写真:山本 智章(やまもと・ともあき)) 「南信州にはいろんなお祭りがあるけれど、中でも地芝居で初めて国の重要無形民俗文化財に指定された『大鹿歌舞伎』の定期公演が5月3日にあるよ」と耳寄り情報を教えてくれました。 (写真:市田柿、大鹿歌舞伎) 個性豊かな14市町村 南信州は、二つのアルプスと天竜川を有する雄大な地形の中で、県内の広域圏では一番数が多い14の市町村があります。「民俗芸能の宝庫」と呼ばれるように、個性豊かな歴史や伝統文化を有し、産業面でも水引や半生菓子などの地場産業に加え、航空宇宙産業の取り組みも始まっています。また、市田柿や秘境、星空など本当に個性あふれる魅力的な地域です。 リニア新時代に向けて 10年後、南信州はリニア中央新幹線が開通することで、新たな時代の幕開けを迎えます。今と比べて交流人口が飛躍的に増加することから、広域観光の取り組みが非常に重要になってきます。この地域に点在する、小粒だけれどもキラリと光る多くの観光地をきちんとつなぐことが大切です。また、他の地域に比べ高齢化・人口減少が進んでいるため、移住・定住の取り組みも積極的に進めます。 「南信州」が一体となり、力を合わせて 今は、都会の人が南信州にある町村名を聞いても「どこにあるんですか」となってしまい、場所が分かりません。そこで、この地域が「南信州」として一体となって取り組むと同時に、「南信州」の知名度を高めていくことが重要です。 観光面では、点在している観光地を掘り起こして、つないだ新たなツアーの作成や、秘境駅で有名なJR飯田線が今年、全線開通80周年を迎えるため、記念イベントの共催を計画しています。 移住・定住面では、昨年から南信州が一体となって始めた移住の取り組みを今年度はさらに進めます。例えば、東京だけでなく大阪や名古屋で移住セミナーを開催するほか、移住には「仕事」とセットであることが大切なので、昨年作った「南信州移住促進ガイド」の「仕事編」を作ります。また、この地域では、高校を卒業すると多くの学生が県外に進学してしまうので、早いうちから地元企業と学生との交流の場をつくって、Uターン就職の促進にも取り組んでいきます。 地域の活動を応援します。 地域発!元気づくり支援金 活力ある元気な長野県をつくるため、知恵と工夫を凝らし自主的・主体的に取り組むモデル的で発展性のある事業を支援します。 対象団体…市町村、広域連合、一部事務組合NPO、地域づくりを行うグループ など 対象事業…地域の協働の推進、教育・文化の振興、安全・安心な地域づくり など 補助額…ソフト事業 3/4以内     ハード事業 2/3以内(市町村は1/2以内) 募集時期…毎年1月ごろ 問 企画振興部 地域振興課 電話026-235-7021 活用事例 「来て! 観て! 感じて!」伝統芸能の継承と担い手育成事業 (実施主体:飯田商工会議所) (写真:お練りサロンの様子、ラッピングバスで情報発信した様子) 7年に1度の「飯田お練りまつり」を観光客の誘客はもとより若者の里帰りの機会と捉えました。継承に苦労している伝統芸能に興味を持ってもらうよう、ポスターデザインや伝統芸能体験デーの開催など若者を巻き込んだ積極的な広報に取り組み、当日は過去最高の出演団体数、来場者数となりました。 ■4ページ目 まもなく信州DCスタート Vol.1 長野県は「宇宙県」 今年7月から9月にかけて、JRや地元の自治体、観光関係者などがタッグを組んだ大型観光キャンペーン「信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)」がスタートします。今回からスタートする新連載では、観光業に携わる方が信州の魅力を語ります。 (写真:八ヶ岳グレイスホテル代表取締役 河本 玲子(わかもと・れいこ)さん) 「一番好きな星はシリウス。恒星の中で一番輝いている瞬きはとてもきれい。」と語る河本さん。 (写真:星空観察会の様子、野辺山から見える星空の様子) ここだからこそ見られる星空 都会で見えない星をここで見てほしいという思いで、ホテルの横にあるグラウンドで星空観察会を約10年前から毎晩開催しています。また、天気が悪い日は、プロジェクターで天井に星空を映しながら説明しています。参加者は子ども連れの家族からご高齢の方まで、年齢層は幅広いのですが、最近は学生が多くなってきました。首都圏だけでなく、遠く九州から来る方もいます。皆さん、私の説明を聞いたり望遠鏡をのぞいたりして「こんなにも星が見えるんだ」とビックリ。また、リピーターが多く、前回来たときにとてもきれいに見えたので、家族を連れてきましたという方もいました。 見るだけではもったいない もともと星を見るのは好きでしたが、専門的に勉強していたわけではありませんでした。星空観察会を始めた頃は星を見るだけでしたが、おととし、星空や宇宙の楽しみ方を伝えることができるよう「星空案内人」の資格を取って、今は宇宙の中の地球を感じてもらえるようなお話をしながら星の見方を案内しています。 星空を見て幸せに 星は、標高が高く、暗くて、空気が澄んでいる場所でとてもきれいに見えます。長野県にはそういったところがたくさんあります。特に野辺山の立地は空が開けているので空全体が見え、お客さまから「プラネタリウムみたい」と言われたことがあります。本当はプラネタリウムが自然の星空を真似しているんですよね。また、県内には天文台や観測所など宇宙に関連した施設も多いので、「長野県は『宇宙県』」ということをぜひ広めていきたいです。 キラキラ光る星を見て嫌な気持ちになる人はきっといないと思います。宇宙に吸い込まれるような星空は、毎晩見ている私でも見飽きません。星空を見ることで、地球を大事にする気持ちを持つと同時に、幸せを感じてもらいたいです。 (画像:信州デスティネーションキャンペーンのバナー) 信州デスティネーションキャンペーンについて詳しくはこちら http://www.shinshu-dc.net/