インターネット版広報ながのけんN A G A N O 2017年2月号(2017年2月2日発行)Vol.34 特集:ただいま「信州ACE(エース)プロジェクト」実践中 ■1ページ目 (ロゴマーク) 生きがいを持ち健やかで幸せに暮らせる「健康長寿県」を目指して 長野県の平均寿命は、世界トップクラスとなりましたが、これからは「健康で長生きに暮らしていく」ことが大切です。県民一丸となって生活習慣の改善に取り組む健康づくり県民運動、信州ACE(エース)プロジェクトがスタートして2年。プロジェクトのこれまでの取り組みなどを紹介します。「世界一の健康長寿県」を目指して、引き続き健康づくりに取り組みましょう。 生活習慣病予防の重点項目A・C・E Action 体を動かす 毎日続ける速歩と体操 1日の歩数、男性で9,000歩、女性で8,000歩が目安。それには、長野県発のインターバル速歩や信州の自然を満喫できるウォーキングがオススメ。また、地域のオリジナル体操やラジオ体操・ストレッチ等で体を動かしましょう。 Check 健診を受ける 家族そろって必ず健診 健康は自分の体を知ることから。家族全員が年に1回は健診や歯科チェックを受け、生活習慣を見直す機会にしましょう。また、血圧が高めの人は、毎日の測定を忘れずに。 Eat 健康に食べる 減らそう塩分、増やそう野菜 食事は健康の基本。食べすぎないようにしながら、調味料の使い方を工夫した食事や野菜を使った料理を楽しみましょう。また、外食などの際にも塩分量に注意しましょう。 3/12 SUN 開催 しあわせ信州ご当地体操コンテスト(パンフレット表紙) それぞれの地域で健康づくりや介護予防のために行われている体操に体験参加してみませんか。 健康づくりの「やりがい」と「楽しさ」を広げていきましょう! 「しあわせ信州 ご当地体操コンテスト」の詳細はこちら http://pedam.org/news/detail.php?no=20160913063200&_page=1 ■2ページ目 健康経営に取り組む企業 健康な人材は企業の財産になる!? 従業員の健康と企業の利益。一見つながりがなさそうですが、従業員の健康に配慮することで、明るく元気に働くことができ、それが企業の利益にもなります。そんな従業員の健康を第一に考える取り組みを実践されている信濃電気製錬(株)の榊社長と、工場で従業員の健康づくりを担当する清水さんに、企業内の健康づくりの取り組み、健康経営についてお聞きしました。 (写真)信濃電気製錬(株)代表取締役社長 榊 昌生 氏 社 (写真)柏原工場 管理部 事務課 清水 悦代 氏 清 (写真)社長さんの声掛け (写真)工場内ウォーキング    Q:健康づくりに取り組むキッカケは? 社:小さい会社ゆえに   従業員1人休むだけでも業務に支障がでます。健康で仕事に来てもらうことが大事と実感しました。 清:従業員の悪玉コレステロール値が心配   動脈硬化の原因にもなり改善しなければと思いましたが、一人ではできないので、専門家の支援を受けるため「健康づくりチャレンジ宣言※」に参加しました。その頃信州ACE(エース)プロジェクトが始まったので、県の方にも支援を仰ぎ、取り組みを始めました。従業員への動機づけにもなり、大変助かっています。 Q:どんな取り組みをしましたか? 清:当社独自のものも   @自動販売機に飲料水のカロリーを表示 A朝はラジオ体操第一、昼はラジオ体操第二を毎日B東海道五十三次になぞらえたウォーキングポイントカードを配布し、目標達成者を表彰 C「健康づくり応援弁当」を食べながら、全従業員でランチミーティング など (写真)従業員全員で体操 (写真)ランチミーティング Q:取り組みの成果は? 清:健康に対する「意識」は高くなりました   目に見える結果はまだ出ていませんが、外部の保健師さんによると、意識の変化が感じられるようです。確かに従業員の会話を聞いていると、「痩せたよ」「たばこを止める」「運動始めたよ」などの健康に関することが聞こえてきます。健康づくりは大変ですが、一人じゃない、みんながいるという安心感・一体感が大事だと思います。 Q:健康経営から見る健康づくりの良さは? 社:会社にとって一番大事なのは「人」   毎朝、工場の中をあいさつして回りながら従業員の顔を見ると、体調の良し悪しがすぐ分かります。そして声を掛けて様子を聞きます。重要なのは従業員が健康で、会社に来たら100%の力で仕事してもらうこと。それで利益が出なければ社長の責任です。「健康経営」というのは、経営者にとって良い言葉だと思います。 Q:他企業へオススメすることは? 清:食べることなら取っ掛かりやすい   当社の「健康づくり応援弁当」でランチミーティングは、どこの企業でもやりやすいと思います。健康づくりを話題にコミュニケーションを図るのは、すごく良いですよ。 社:お金を掛けずに出来るところから   健康づくりは一部の人だけで行うものではなく、会社全体で取り組むことが大事です。そこにどのようなアイディアを出して取り組んでいくかだと思います。それにより、従業員が健康に注意したり、ストレスなく仕事することが少しずつ浸透していけばいいと思います。 ※健康づくりチャレンジ宣言とは、事業所全体で健康づくりに取り組むことを宣言し、実施することで、心身ともに元気な職場「健康企業」を目指す協会けんぽの取り組み。職場の健康づくりに取り組みたいが「どのように進めたらよいか分からない。」などの悩みに、保健師等が訪問し、取り組みの支援を行っています。 ■3ページ目 自分でできるさまざまな取り組み 皆さん、寒い冬は外に出るのもおっくうで運動不足になったり、温かい料理をついつい食べ過ぎたり、健診の予約を先延ばしにしていませんか? ここでは、自分でできる取り組みを紹介します。 Action 冬の今だからこそ自分でできる運動をしましょう! プラス10分体を動かしましょう 室内でできる体操 (写真) ご当地体操 効果的な歩き方を教わる インターバル速歩※の講習会 (写真) ※インターバル速歩とは、ややきついと感じる「速歩き」と呼吸を整える「ゆっくり歩き」を交互に行う歩行法。 雪が融けたら外で歩きましょう 長野市裾花川ウォーキングロードの整備中 (写真) ゴムチップ舗装された全長2.8qのコース。川の景色や音を聞きながら歩けます。 Check もう受診しましたか? 全県の特定健診受診率 H24(円グラフ)49.6%→H26(円グラフ)52.5% 40歳から74歳までの医療保険加入者全員が毎年受診の対象となる特定健診、通称「メタボ健診」。受診率は少しずつ改善していますが、まだ半数近い人が受診していません。自分の健診の際、家族にも健診を受けるようススメましょう! Eat 減塩のコツ、実践してみましょう! 県内モデル地域の木祖村で減塩の取り組みを実践したところ、1日の平均食塩摂取量を減らすことができました。 減塩の取り組み ○汁物の回数を減らす ○めん類のスープを飲まない、飲み干さない ○調味料は味をみてから使う ○減塩調味料や減塩食品を上手に使う  など 木祖村(女性)の1日の平均食塩摂取量 (グラフ) 目標7g 実践前10.2g→実践後8.3g 1.9g 減 ※長野県民の平均値(女性)10.0g 忙しいあなたの味方! コンビニやスーパー、飲食店等と連携して、塩分や野菜の量に配慮した信州ACE弁当・信州ACEメニュー(3つの星レストラン)を提供しています。 信州ACE弁当・信州ACEメニュー提供店舗数 ○コンビニ・スーパー H26 431  H27 709 ○飲食店 H26 76 H27 101 ○社員食堂 H26 なし H27 42 H27 計 852店 (写真)信州ACE弁当 あんかけ鶏唐揚げ (写真)信州ACEメニュー提供店 3つの星レストランプレート 信州ACE弁当を販売しているお店はこちら http://www.pref.nagano.lg.jp/kenko-choju/kenko/kenko/kenko/kenkoouen/documents/ichiran20161201.pdf 信州ACEメニューを提供しているお店はこちら http://blog.nagano-ken.jp/mitsuboshi/ 「健康長寿」が気になった方 信州ACE(エース)プロジェクトはこちら http://ace.nagano.jp/ ■4ページ目                                               オール信州で取り組む地消地産 Vol.3 信州の木自給圏の構築 (写真)(株)山崎屋木工製作所 クリエイティブディレクター 竹内 港(みなと)氏 長野県では、オール信州で「地消地産」に取り組んでいます。その地消地産を実践している人たちを紹介します。第3回は、木曽ひのきなどの県産材を使用して、断熱性の高い木製サッシを開発、製品化した(株)山崎屋木工製作所。木の可能性などを広げようと取り組んでいる同社の竹内さんに、「需要と供給による循環」と「地消地産」について伺いました。(写真) 1 木製サッシの開発と製品化 弊社は「特注家具製造業」として創業し、今日まで家具・建具などをオーダーで作り続けています。6年前の東日本大震災の際には、資源には限りがあり、有効に使わなければと思い知らされました。また地球への環境負荷も低減しなければなりません。こうした中で、ヨーロッパで盛んに作られている「木製サッシ」を知り、また同時に、お客さんからも木製サッシを作ってほしいという要望もあり、それならばと地元の木材を使ってチャレンジしてみました。今までは、窓枠にできる木材がほとんどありませんでしたが、地域の製材所で作ってもらうようにしました。 2 県産材の良さから地消地産へつなぐ 木製サッシは、アルミサッシなどと違い断熱効果が抜群です。その木製サッシの窓枠には「木曽ひのき」をメインに使っています。「木曽ひのき」は何と言っても「ブランド力」があり、木のぬくもりや香りなども抜群で、材料の供給も安定しています。海外の安価な材木で作ると、日本の気候、風土、環境に合わず、腐ってしまうこともあります。木も生き物なので、育ってきた風土や環境に合う木材がいいんです。したがって信州で使われる木製サッシには県産材が一番良いと思います。私たちは、消費者のニーズに応えるために木製品の新しい使い方、新しい木製品を開発することにより、県産材への需要が高まり、地域の林産・木材業者や木工加工業者などと、経済循環の一翼を担っていけたらと思います。 3 一人でも多くのお客さんに届けたい 木製サッシの課題はやはりコスト。現在、少しずつコストを下げ、安定価格・安定供給できるように整えています。注文は一窓(いっそう)の方や建物全体などさまざまですが、一窓だけでも、自分の家の「顔」となる場所に入れたいというオーダーは本当にうれしいです。(写真) 私たちは、「一人でも多くのお客さんに、良い製品を届けたい」という理念で作っていますので、コスト面や生産体制などもニーズに応えられるようにしていきたいです。そこが大事だと思います。さらにこの想いが、少しでも林業の活性化につながれば最高です。(写真)                                              県ホームページ地消地産についてはこちら http://www.pref.nagano.lg.jp/senryaku/sangyo/shokogyo/tisyoutisan/tisyoutisan.html