インターネット版広報ながのけん5月号 2016年4月28日発行 特集:魅力再発見!信州の伝統工芸 ■1ページ目 伝統工芸って、どんなイメージですか?  「伝統工芸品」と聞いて何を思い浮かべますか?骨董品のようなお皿や壺、竹細工・・・などかしこまった物?高級品というイメージ?そんなイメージを払しょくして、伝統工芸品をもっと身近なものにしようと奮闘する作り手がいます。その作り手によって新たな魅力を引き出された信州の伝統工芸を見直してみませんか。 タイトル:信州の伝統工芸  私たちが日常で使う生活用具のうち、一定の地域で、50又は100年以上受け継がれた技法によって、天然素材を用いて手作りで創られるのが「伝統工芸品」。織物、染色品、繊維製品、陶磁器、漆器、木工品、仏壇、和紙、文具、人形、こけしなど、さまざまな物が創られています。特に、経済産業大臣、都道府県知事が指定したものを「伝統的工芸品」と呼んでいます。陶磁器の「九谷焼」、織物の「西陣織」を始め、日本には、現在、222の経済産業大臣指定の伝統的工芸品があります。信州には、7つの経済大臣指定伝統的工芸品と、18の長野県知事指定の伝統的工芸品があります。 信州の伝統的工芸品 マップ  経済産業大臣指定 伝統的工芸品:内山紙、飯山仏壇、信州打刃物、信州紬(上田・松本・伊那・飯田)、松本家具、木曽漆器、南木曽ろくろ細工。  長野県知事指定 伝統的工芸品:栄村つぐら、桐下駄、あけび蔓細工、秋山木鉢、信州竹細工、信州手描友禅、信州からまつ家具、松代焼、長野県農民美術、軽井沢彫、白樺工芸品、曲物、お六櫛、木曽材木工芸品、蘭桧笠、信州鋸、龍渓硯、飯田水引。 ■2ページ目 タイトル:伝統を支える匠たち ○上田紬 (信州紬)〜優しい色合いの林檎染め〜 匠:小岩井紬工房 代表 小岩井 良馬さん 真田家由来のもの 上田紬は、かの真田昌幸が上田城を築城した際に始めた「真田織」が発祥とされ、その後江戸時代に発展したもので、400年近い歴史があります。縞と格子柄が特長で、丈夫な上田紬は、昔から人々に愛用されています。また、上田紬をリンゴの樹皮で染めた「林檎染め」は、種類によって色合いや濃淡が違ってくる、上田紬ならではの技法と言えます。  伝統を継ぐ  戦後間もなく「着物ブーム」があり、その当時上田には、織元が4〜50軒あったそうですが、今では6軒。親も私が継がなければ廃業を考えていたと言いますが、400年も続く伝統・文化工芸を継がないのはもったいないと思ったのです。  上田紬の新たな発見!  着物も若い人には敷居が高いイメージかもしれませんね。以前のように、店を構えていれば売れた時代と違い、だれも着物を着てくれない。着方や着る場所を提供しなければ着物は着てくれないと思い、5年前から上田市内で春と秋に「着る」イベントを提案しました。イベントでの着こなしは自由!着崩しても、洋風なテイストを入れてもOK!着方もそんなに難しいものではないですよ。古きを残しながら、現代に合ったものややり方で、これからも呉服業界を盛り上げ、着物文化を定着させたいですね。 ○ろくろ細工〜18世紀前半からの伝統〜  カネキン小椋製盆所  木片を「ろくろ」で回転させながら鉋で挽いて形を削り出し、昔ながらのお椀やこね鉢などを創っています。カネキン小椋製盆所の伝統工芸士は、ろくろ細工の特長である、「木を丸く挽くこと」「柔らかな曲線の造形ができること」を活かし、新たに木製の音響スピーカーを開発。その音色は、実際の演奏会場にいるような空間が生まれ、豊かな音楽の世界に包み込まれます! ■3ページ目 タイトル:まだまだある!伝統的工芸品 ○松代焼〜「青流しの流れ」が独特〜 長野市  約200年前の江戸時代後期、真田氏が治めた松代藩の奨励により生産されたのが始まり。鉄分の多い粘土を使い、灰、白土など天然素材で調合した釉薬により、独特な青緑色の光沢があります。近年では、湯呑み、お皿だけでなく、お地蔵さんや土鈴なども創られています。 ○軽井沢彫〜和と洋の融合〜 軽井沢町  1888年から軽井沢では、多くの宣教師、外交官などが別荘を持つようになり、家具の需要が急増しました。当初は、日光彫の職人を招いて家具の彫刻をしていました。その後、桜彫とその周りに星打ちの独創的なデザインが施されました。椅子、テーブルの他、手鏡やボールペンなどもあります。 ○松本家具〜松本城と共に発展〜 松本市 等中信地域  起源は、天正10年(1582年)、松本城を中心に城下町が形成された頃です。ケヤキなどの無垢材を使用し、漆、柿渋でたんすなどを塗装します。また、堅牢性も特長です。現在は、ウィンザーチェアなどが好評です。 ○飯田水引〜元禄時代からの伝統〜 飯田市 等  飯田は、強く丈夫な和紙の産地で、江戸時代にその和紙で「元結」が造られたことが始まり。飯田の元結は現在も大相撲力士の髷まげに使われています。その後水引は、金封、結納品からお守り、コサージュや羽子板まで創れています。全国シェアは、およそ70%を占めています。 その他の信州の伝統工芸品 http://www.pref.nagano.lg.jp/mono/sangyo/shokogyo/seikatsu/kogehin.html 信州の伝統的工芸品を創ってみましょう! 元気な体験工房ホームページ http://www.pref.nagano.lg.jp/mono/sangyo/shokogyo/gijutsu/taikenkobo/index.html 長野県には、工芸品等の製作を体験することができる「元気な体験型工房」が数多くあります。 信州の伝統的工芸品を購入するには 伝統工芸 青山スクエア オンラインショッピング http://kougeihin.jp/aoyama/ 銀座NAGANOで展示販売会 平成28年6月17日(金曜日)から18日(土曜日)まで 県内巡回による伝統的工芸品展示会 平成28年11月11日(金曜日)から16日(水曜日)まで アリオ上田にて ■4ページ目 連載:イベント満載!今年の信州 Vol.1 全国植樹祭  今年の信州は、イベントが満載。その数々のイベントを裏から側面から支えている人たちを紹介していきます! タイトル:私たちが「おもてなし弁当」のメニューを考案しました! お話は 茅野 桃子さん にお聞きしました。  県短期大学生のとき、参加者用の「おもてなし弁当」のメニューづくりに参加しました。  県短期大学と長野女子短期大学と松本大学、飯田女子短期大学の栄養学を学んでいる学生で、メニューを出し合い、お弁当の九つのメニューを決めました。  お弁当一つで、信州の魅力を伝えなくてはならないので、各地域の特産・食材を取り入れることが必要でした。  信州の食材は、茶色系が多いので、彩りが難しく、とても苦労しました。また、生野菜が使えないので、野菜の入れ方も試行錯誤しました。  半年間、メニューを考え、意見をまとめたり、また、内容を絞らなければならなかったりと苦労もあったけど、とても勉強になりました!  完成!全国植樹祭の「おもてなし弁当」  見た目も味も美味しい自信作のお弁当で、信州の魅力と私たちの想いが伝わればうれしいです!  現在は、県短期大学を卒業し、念願の食品会社に就職した茅野さん。毎日お仕事に奮闘中です。 第67回全国植樹祭ながの2016 式典 平成28年6月5日(日曜日) 県民植樹10ヵ所開催 平成28年5月21日(土曜日)から平成28年6月5日(日曜日)まで 全国植樹祭の詳細 http://zensyoku-nagano.com/