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更新日:2013年8月18日

平成22年12月16日開催 県政タウンミーティング資料

テーマ:『活力ある地域の振興について』

日時・会場

  • 平成22年12月16日(木曜日)18時~20時
  • 南木曽会館多目的ホール

会議録

 

本文

事前説明
【司会】

 本日は大変お忙しいところ、「県政タウンミーティング」にご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。私は本日の司会を務めさせていただきます、長野県総務部広報課の青木弘と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 これから「県政タウンミーティング」を始めさせていただきますが、本日の進行につきまして、私のほうから事前の説明をさせていただきます。最初に阿部知事からごあいさつを申し上げます。そのあと皆様方からご意見を伺ってまいりますが、その意見交換に先立ち、県の取り組みにつきまして担当者からご説明をさせていただき、その後、意見交換に入らせていただきます。

 本日はあらかじめご案内いたしておりますように、「活力ある地域の振興について」をテーマといたしております。テーマに沿ったご意見をいただければと思っておりますので、ご協力の程をよろしくお願いをいたします。

 ご発言を希望される方は手を挙げていただければと思います。私のほうからご指名をさせていただきますので、そのあと係の者がマイクを持ってまいります。差し支えなければお名前、または活動されている団体名等をおっしゃっていただきまして、ご発言をいただければと思います。この際、前の人の発言に続きまして関連する発言ですというようなことでございましたら、引き続きご発言をいただければと思っておりますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。

 ご発言をいただいたところで一旦区切りまして、知事から、また場合によりましては県の立場からそれぞれに回答といいますか、お話をさせていただければと思ってございます。

 本日はせっかくの機会でございますので、できるだけ多くの皆様方からご発言を頂戴いたしたいと考えております。大変恐れ入りますが、ご発言の際は、要旨を簡潔にお話しいただければ幸いに存じます。

 それから、本日のこの集会の会議録につきましては、お名前などの個人情報を除くなどいたしまして、後日、県のホームページに公開をさせていただきますので、あらかじめご了解をお願いいたしたいと思います。

 最後に皆様のお手元にお配りした資料でございますが、この後、県からの説明の際にごらんいただくA4判の資料を配布させていただいてございます。ご確認をいただければと思います。長くなりましたが、私からは以上でございます。

 それでは阿部知事、よろしくお願いいたします。

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 知事あいさつ
【長野県知事 阿部守一】
 どうも皆さん、こんばんは。本当にお忙しい中、そしてこういう夕方の何かとせわしい時間帯に、本当に大勢の皆様にお集まりいただきまして、ありがとうございます。9月1日から知事をさせていただいております、阿部守一でございます。

 今日は「県政タウンミーティング」ということで、これは私の公約の中でうたわせていただいておりますけれども、私は、行政を行うに当たって、行政は別に行政のための行政でないわけですから、県民の皆様方のお役に立つことをやってこそ県であり、市町村であるわけでありますから、そのためにはまず住民の皆様方、県民の皆様方と対話をする場、ご意見を伺う場をしっかりと作らなければいけないということでタウンミーティングをやりました。他にもランチミーティングだったりとか、あと、住民の皆様方に呼んでいただければ、できるだけそういうところにもお伺いをさせてもらっていますし、なるべく県民の皆様方の思いとか声をしっかりと承りたいというふうに思っております。

 今日は『活力ある地域の振興について』ということで、ぜひ皆さんの忌憚のないご意見、思い、もっと県はこうしろとか、こんなことはおかしいとか、こんなのはけしからんとか、そういう何でも結構でございますので、ぜひいろいろご意見をいただければありがたいなというふうに思っています。

 今日は木曽地域の皆様が中心だというふうに思いますけれども、私、この「なぎそねこ」を先程いただいて、暖かくていいなと思って早速着用させていただいています。

 木曽は、選挙でお伺いした時も少しお話をさせてもらっていたんですけれども、私は東京で学生生活を送っていた時に何か全然やる気が出なくなったことがあったんですね。もう何か勉強なんか嫌だなと、大学行ってもおもしろくないなと、人生これから、おもしろいことなんかあまりありそうもないなと。何かそういういろいろ思い悩んでいた時期があって、これはちょっとどこかに気晴らしに出かけようと、気分転換に出かけようと思って、時刻表をぱらぱらめくって、日本いろいろなところがあるなと、北海道もあれば、沖縄もあれば、九州もあれば、四国もあれば、いろいろなところがあるなと思いながら、どうしようかなと思った時に、なぜかこの木曽に行こうと、なぜかはよくわからないんですね、なぜ木曽を選んだのかよくわからないんですけれども、何と言うか、悶々としていた時に、なぜか木曽に行きたくなったということで。

 今日も、先程妻籠宿を歩かせていただきましたけれども、本当に妻籠、馬籠、この木曽路を一人で歩く中で、何というか、元気をもらったなと。その時は、まだ今みたいに、癒しとかそういう用語がなかった時代でありますけれども、今、考えると、この木曽の地に来させていただいて、大変に私自身は癒されたなというふうに思いますし、また、もう一回しっかりと勉強しようという気になったきっかけは、この木曽でいただいたというふうに思っています。

 あと、いろいろ観光の話とか森林セラピーの話とか、今日も町村長の皆さんとお話ししましたけれども、やっぱりこの木曽というのは、ある意味で一つのブランド力を持った地域だとも思いますし、それと同時に人を癒す、人の気持ちをやわらげる、そうした力がある地域だというふうに私は思っていますので、ぜひその点、また皆さんのお知恵とお力を借りて、そういう個性を伸ばしていければというふうに思っています。

 後で市町村課長のほうからご説明をさせていただきますが、この木曽地域、全ての町村がいわゆる過疎地域になっていますね、過疎地域。私は、実は田中県政で長野県の副知事をさせていただいて、そのあとちょっと田中知事とはいろいろあって東京に戻ることになりましたけれども、戻ったところは総務省の過疎対策室というところで、私はそこで室長をさせていただきました。それで、木曽地域全体、過疎地域ですけれども、私は、過疎地域というのは、読んで字のごとくというか、人口がどんどん減っていて地域の活力が低下しているから、いろいろなことで活性化しなければいけないと、そのために、これずっと国会で議員立法で何度も何度も過疎法、新しい過疎法が作られてきたわけですけれども。

 昭和45年に第一次の一番最初の過疎法ができて、今までずっと過疎地域をどうやって振興するかというのは、これ日本全国のテーマであったわけです。

 私は、実は昔の過疎の問題と今の過疎の問題は、大分、性格が違っていると思っています。昔の昭和40年代、あるいは30年代、40年代の過疎の問題というのは、過疎と過密がセットですよね。木曽からは人が出て行ったかもしれないけれども、東京とか名古屋とか大阪とか、そういうところはどんどん、どんどん人が行って、今でもそういう傾向はありますけれども、それ非常に急激です。減るところはどんどん減って、増えるところはどんどん増えたと。

 ところが、今は日本全体が人口減少社会ですよね、ご承知のとおり。日本全体も人口が減り始めているわけですから、私は実は、これはちょっと変わった見方かもしれませんけれども、総務省の過疎対策室長をやりながら過疎のことをずっと考えて、私は思っているのは、日本全体が、人口が減っているから過疎だというのであれば、ある意味で日本全体過疎地域なわけですね、これからの社会は。私は、東京とか、あるいは去年まで横浜市で副市長をやっていましたから、大都会を見ていて、私は非常に都市は危ういと思っています、いろいろな意味で危ういと思っています。

 皆さん、東京へ最近行かれるとよくわかると思いますけれども、昔は電車なんかほとんど遅れなかったのが、最近、ほとんど毎日のように電車が遅れていますよね。もうあまりにも過密スケジュールで電車が走り過ぎています。ちょっと事故があると、もう駅のホームはあふれます。横浜駅なんかもう大変です。それから、エネルギーとか食料のことを考えたら、私は長野県の農業を何とかしなければいけないというふうに思っていますが、都会で大災害が起きたりしたら、もう食べる物が翌日からどうしようかと、もう大変な騒ぎですよね。長野県は、親戚の親戚ぐらいまでたどれば何とか食料を確保できるのではないかという方が、おそらく多くいらっしゃるというふうに思いますし、それからエネルギーですよね。エネルギーはもう、地球温暖化の問題もありますけれども、やっぱり、これはそれぞれの地域でしっかりとエネルギーを確保していく時代にこれからなっていくと思いますけれども。長野県全体で、例えば太陽光とか、あるいは水力発電とか、あるいは地熱利用とか、そういうことをやっていけば、何とか地域で自立できる道を模索しようと思えば可能性がゼロではないと、私は思っていますが、大都会は絶対無理ですね。

 そういう意味で、実は都市の人達というのは、これはあと、水の問題もそうですね、木曽川は本当は水源であるわけです。大都市の人達は、ともすると自分達が何かいっぱいお金を稼いでいると錯覚しているので、自分達は自分達だけで成り立っているという錯覚を持ちがちですけれども、実は地方が、過疎地域と言われている地域だったり、農山村と言われている地域が実は都会を支えているという部分があるわけであります。

 私は、そういう意味では、過疎地域という指定を木曽の全町村は受けていますけれども、実はそんなにマイナスに思う必要はないし、逆に、私はこれから都市型の社会ではなくて、だんだん分散型の社会、あるいは農山村型というか定常型というか、どんどん都市をつくって人工的につくって発展させていくという社会ではなくて、もっと人と人とのつながりを大切にして支え合う社会、そういう社会に変えていかないと、環境問題にしても、財政的にももう持続可能性がない社会になってしまいますから、そういう意味で、実は過疎地域こそ、これからの未来社会を考えていく上では、実は優位性がある地域ではないかというふうに思っています。

 人口減少、これまでさんざん過疎だ過疎だというのは、日本全体、人口減少になりますから、ある意味で人口減少の先進地域をつくれば、これは後追いで人口減少になってくる都市部に対しても、先駆的な取り組みを提供することができると、私は思っています。そういう意味で、ちょっと後で過疎のお話がありますけれども、私の思いはそういう思いです。

 あとは、私は選挙の時に、県民主権の長野県を実現したいということで皆さんに訴えました。その思いは今も全く変わっておりませんが、県民主権を実現するということは一体なんだということを改めてお話をさせていただくと、一つは、県民の皆様方と県政の距離を縮める、あるいは関係を改善するということだと思っています。

 冒頭言ったように、県政は皆さんの思い、皆さんの声をしっかりと形にしてこそ役割があるわけでありまして、何となく皆さんの思いとか考えと違うことをやっているなというふうに思われているような状況であっては、これは何のための県政かと、何のための行政かというふうに思いますので、そこはいろいろな形で皆さんと県政の関係は変えていきたいと思っています。

 皆さんからいただいた問題意識、今、まだちょっと打ち返す仕組みは必ずしも十分ではないと思いますけれども、もう少し丁寧にお返しするような仕組みを考えていかなければいけないというふうに思っていますし、先般、県議会でいろいろご議論いただいた末、ご議決いただいた予算の中には、事業仕分けの予算も入っています。

 これ、事業仕分けは、無駄の削減と国が言っているので、ちょっとお金をいくら切るかという話に、マスコミの皆さんも県民の皆さんもとかく目が行きがちかもしれませんけれども、本当は仕分けというのは、これは本来だれがやる仕事なんだと。県がやっているけれども、それは国がやったほうがいいのではないかとか、実はそれ、市町村がやったほうがもっとうまくできるのではないかとか、いや、それは民間でやっているから、それは民業圧迫ではないかとか、そういう議論がそもそもの仕分けです。

 私は、そういう議論に加えて、県民の皆様の前で、今まで県庁の政策とか、県庁の行っている施策が公開で議論されたということはほとんど例がないと思っています。もちろん審議会とかでは議論していますけれども、別にそれは、今、やっている政策の当否を議論しているということはほとんどないわけで、これからどうしようか、ああしようかというご議論をいただいているわけで、今やっている事業がどこに問題がありそうだとか、これはおかしいんじゃないかという議論を公開の場で行ってきたことはないわけでありまして、私は、実はそういうことを通じて、県民の皆様方の声をしっかりと県政に反映させる形に持っていきたい。そしてある意味で、行政の中だけで議論していると、もうある意味で、いろいろなことが当たり前みたいになってしまい、当たり前に。例えば、公務員の人達は、皆さん法律とか結構頭に入っていますから、そんなことを言っても、法律でこうなっているからしようがないというふうに頭の中で思っている人達がいっぱいいます。

 でも、もっとさかのぼって考えてもらえば、法律というのは、誰が考えているのか、誰が決めているのかといったら、国民の代表者である国会が決めているわけですから、法律が書いていることと、実際に県が行っている仕事が、やっぱりそれは法律どおりやっているけれども、何か自分達の考え方と違うなと思ったら、それは法律を変えるべきなんですよ、私に言わせれば。そこは、そういうところまで議論を深めてもらいたいというのが私の思いです。

 法律で決まっていることを、私は、知事ですから無視できないです。もう国会が決めたことを知事が無視したら、それは違法なことをやっているという話です。ただ、でも県民の思いと、この法律はずれているということであれば、それは法律を変えるべきだということを皆さんと一緒になって言っていかなければいけない、そういうふうに思っています。そういう形で、この事業仕分けも、実は私は、県民主権を実現していくための一つの大きなツールだというふうに思っております。

 ちょっと、冒頭、私があまり長く話してしまってはいけませんけれども、ぜひ今日は「地域の振興について」というテーマでございます。本当に地域の振興、いろいろな角度のいろいろな問題があると思いますので、ぜひ皆さんから積極的なご提案をいただいて、そして、私は皆様方の声を政策とか施策に変換する、言わば、ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、翻訳者だと思っていますので、翻訳者。皆さんの思いを受けて、それを政策にしていく、形にしていくのが、知事としての一つの役割だというふうに思っていますので、ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせいただければというふうに思っております。今日はよろしくお願い申し上げます。

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【司会】

 それではここで、意見交換に入る前に、本県の過疎対策等の取り組みにつきまして、市町村課の青柳課長からご説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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 <県からの説明>

説明資料は、こちらからご覧下さい。

資料(P1)(PDF:10KB)

資料(P2)(PDF:43KB)

資料(P3)(PDF:109KB)

資料(P4)(PDF:24KB)

資料(P5、6)(PDF:18KB)

 

【市町村課長 青柳郁生】

 市町村課長の青柳でございます。よろしくお願いいたします。

 タウンミーティングに入ります前に、県の取り組みにつきましてご紹介をさせていただきたいと思います。お手元にお配りされております資料の1ページ目から順次、説明をさせていただきます。

 1つ目は、長野県の過疎対策についてということでございます。これは、今ほど知事からお話が触れられておりましたが、いわゆる国の特別措置法という法律がございまして、いわゆる過疎地域に指定された市町村、ここで言いますと町村ですが、こちらに対して有利な起債を活用した事業を進めていただくという国の制度でございます。本年4月に従前の法律が、3月いっぱいで期限失効されましたが、この4月から6年間、法律が延長されたところでございます。それに伴いまして、過疎地域の指定の見直し追加が行われまして、現在、長野県では37市町村が過疎地域と指定されております。

 特にこの特別措置法、今までの法律は、いわゆるハード事業、道ですとか建物をつくる場合に活用してくださいという制度でございましたが、本年の延長に伴いまして、その下に書いてございますように、ソフト事業への追加、ソフト事業に対してもこの過疎債が使えるということでございまして、ソフト事業の中身につきましては、米印のところに書いてありますように、地域医療の確保ですとか、地域交通の確保など等々、そういったものにも活用できますということでございます。

 これに4月の法律改正、法律延長に伴いまして、2番といたしまして県の取り組みでございますが、これは長野県と県下37市町村に影響を及ぼします、過疎方針というものを8月に策定させていただきました。この大きな過疎方針というもの、基本的な方向といたしまして、その四角の中に3つを掲げさせていただいたところでございます。この過疎方針に基づきまして、県は県として、また37市町村は市町村として、それぞれの過疎推進計画をそれぞれ立てるということになるところでございます。

 この過疎方針に基づきまして、県といたしましても、県の過疎計画を11月に策定したところでございます。

 この中では、県といたしまして、県が事業主体となって行う事業のほか、いわゆる過疎市町村に対する行財政上の援助というような形で、側方支援、あるいはバックアップというような形での支援をさせていただくというようなことでございまして、主な事業の例といたしましては、この四角の中にあります、比較的広域で行われていくような事業について、県が関わるというような仕組みにしてあるところでございます。

 一番下、3番目の市町村の取り組みでございますが、県が作りました過疎方針に基づきまして、それぞれの町村の皆さんが過疎計画を策定しておりまして、こちら木曽地域では、既に10月までに全ての町村で過疎計画を立てられ、実行に移されているところでございます。

 一番下の四角の囲みでございますが、今回の過疎債を活用いたしましたソフト事業の例といたしまして、それぞれ掲げてございます。この中では、最近非常に話題になっております、有害鳥獣の保護対策ですとか、あるいは、スキー場の活性化等がご当地のほうではとりわけ関心があるところかというふうにも考えております。

 2ページのほうに移ります。地図でございます、長野県の地図ですが、これが長野県の過疎地域を示したものでございます。濃く色を塗っているところが、その町、村、全てが過疎地域と指定されているところでございます。

 また、薄く塗られているところにつきましては、市町村合併が行われた後に旧町村の区域のみが過疎地域と、いわゆる一部過疎地域と言われる部分でございまして、木曽地域でいいますと、塩尻市に合併されました旧楢川村がその部分に当たるということでございます。

 一番下の表を見ていただきますと、長野県全体では、77市町村のうち37が過疎地域となっておりますし、人口で見ますと9.2%がそちらの地域にお住まいでございます。また、面積で見ますと48.8%、長野県のおおむね半分は過疎地域という状況でございます。

 続きまして、県の取り組みの2点目ですが、3ページ目をお願いいたします。「地域発元気づくり支援金」ということでございまして、地域の活力が長野県の活力の源泉ですということで、地域の皆様が地域づくりに実践しているさまざまな取り組みを長野県として応援したいということで、本年度も予算額10億円を用いまして、それぞれの取り組みに対して支援をしたところでございます。本年度22年度につきましては、1,101事業の応募がございまして、それぞれ事業選定委員会の審査を経まして、785事業が採択され選定したところでございます。

 下の写真につきましては、見づらくて恐縮でございますが、例というようなことで、それぞれ4つほど掲げさせていただいているところでございます。

 4ページ目に移ります。この元気づくり支援金の交付対象となる事業ということでございまして、表の中、対象事業ということで、縦に地域協働の推進から、その下にそれぞれ保健・医療等、あるいは教育等に使うということで事業の例といたしまして、その横に掲げてございます。

 表の下ですが、交付対象者でございますが、いわゆる市町村、それから広域連合等はもちろんでございますが、一部事務組合のほか、公共的団体等も含まれております。この公共的団体等というのは、米印に書いてございますが、公共的な活動をされている団体ということで、任意な団体が対象となりますので、実行委員会ですとか、あるいは地域の自治会ですとか、それぞれの活動が対象となるということでございます。

 5ページ目につきましては、この木曽地域におきます平成21年度の実施事業ということでございまして、それぞれ掲げさせていただいてございます。また、中身はご覧いただければというふうに思います。

 6ページにつきましては、平成20年度の木曽地域の事例ということで紹介させていただきました。また、地方事務所、あるいは町村の窓口を通じましてご要望があればお話をさせていただければというふうに思います。以上でございます。

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【司会】

 どうもありがとうございました。それでは、これから皆さん方からご意見を承ってまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構でございます。挙手をしていただきますと、私のほうからご指名をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。いかがでございましょうか。

(以下、司会の発言は省略)

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 1.中津川田立線の早期着工について

【男性(No.1)】

 こんばんは。私は、岐阜県境の田立地区と申しますけれども、300世帯、ほぼ1,000人くらいの集落でございます、南木曽町の中の。

 この田立地区の通る主要地方道、今度名称が変わって、中津川田立線と変更されたと聞いておりますが、この道路は、私たち地区の住民にとっては、岐阜県中津川市坂下地区と結ぶ生活道路として欠かすことのできない道路でございます。長野県では、20数年前から全面改良工事に着手いただいて、現在、国道19号線田立入り口から岐阜県中津川市坂下の上金地区までのうち、長野県側のおよそ3キロのうち2キロを2車線区間として、また道幅も広く歩道もあり、車や人が危険を感じず安心して通行できる道路となりました。住民一同、感謝しております。

 しかしながら、当時、県境までの予定で着工された2工区まで完了しましたけれども、あとのいわば1キロ、1工区ですが、大体1キロに相当しますが、いまだ車両の行き違いができない狭い区間でございます。大型バスも通れません。そんな中で通院、そして通勤ということで大変苦慮しております。岐阜県側についても、退避所を数カ所設置していただいておりますけれども、まだまだ困難な区間が大変残っております。平行している国道19号線において事故や災害等が発生しますと、迂回した車両が入り、そのたび身動きがとれなくなる状況が発生しております。

 私たち田立地区では、全住民が加盟して、主要地方道中津川山口線改良促進期成同盟会ということで、住民主体で立ち上げて、長野、また岐阜の両県関係に要望しております。先月には、木曽建設事務所さんにもお骨折りをいただきまして、県の建設部長さんにも要望させていただきました。岐阜県側についても、中津川の市長さんや県の土木整備部長さんにもそれぞれお会いして、田立地区の住民総意としての早期改良の要望をしてきたところでございます。

 今日はまた知事さんには、寒い中、遠いところへ来ていただきました。知事さんに直接、お話ができるということで、私たち地域住民の要望について、以下2点についてお願いしたいと思います。

 子供達に接する時間を作って欲しい、授業をする時間が欲しい。そのためにはやはり教職員の配置がどうしても必要だと、私は心から訴えたいと思います。

 1つは、主要地方道中津川田立線を安心・安全に通行できるよう未改良区間の早期着工をお願いしたい。もう一つは、岐阜県側についても、岐阜県との接点を早期に決定していただき、岐阜県にも早期に着工していただけるよう働きをかけていただきたい、こうお願いいたします。

 以上2点について、お願いをしたいと思います。長々と申し訳ありませんでした。よろしくお願いいたします。

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【長野県知事 阿部守一】

 建設事務所のほうからちょっと具体的なお話はさせてもらいたいと思います。今、道路のお話がありました。本当に、私も知事になって、県内各地から道路のご要請、強くいただいています。

 今、お話にあった路線についても、町長のほうからもお話を伺っています。私としては、長野県内全体、確かにまだまだ道路整備を進めていかなければいけない箇所が多いなというふうに思っています。

 他方で、ご承知のとおり、県も非常に財政が厳しい状況であります。今年の、今年度の当初予算でいけば、8,600億円の当初予算で、皆様方から直接頂戴している税金が1,800億円で、あとは国からの交付税とか補助金とか、借金でやっているという状況でありまして。

 私は、決して財政原理主義で財政が健全化だけすればいいというふうにも思っていませんが、他方で、子供達、孫達の世代に、どんどんつけ回しをしていくということも、一定の歯止めはかけなければいけないというふうに思っていますので、そういう観点で、これは皆様からの非常に強い要望をいただいておりますが、優先順位をつけさせていただきながら着実に進めるという形で取り組んでいきたいと思っています。

 それで、具体的な箇所については、建設事務所のほうからお話をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

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【木曽建設事務所長 石井杉男】

 皆さん、こんばんは。建設事務所長の石井杉男でございます。

 先程、県道田立線ということで、私、この4月からまいりましたけれども、現地のほうを何度も見せていただき、また地域の皆さんともお話をさせていただき、つい最近は所長室までおいでいただいて陳情いただきました。ありがとうございます。ご一緒に部長まで陳情させていただきました。

 平成12年まで道路改良をしてきて、それ以降、止まっていると。当時の止まった理由について、私もいろいろ聞いてみますけれども、具体的なものというのは、どうもはっきりはしないんですが、当時、だいぶ予算が減ってきた中で後回しになったのではないかという考え方と、もう一つは、先程のご要望の中にありました岐阜県との接点が、いずれにしろ山地部ということ、横には木曽川が流れているということで、工法的にも金額的にも非常に難しい路線の一部でございます。

 私も岐阜県のほうへ行って、着任早々に行って、何とかこの道、形にならないのかというお話をしてきました。答えはまだはっきり出ておりませんけれども、いずれにしろ、先程のご意見の中にありますように、19号が止まる、その時のご苦労、もともとの狭い道を昔から使われている地域の皆様のご苦労には、何とか応えていかなければいけないと、重要性、必要性を十分承知しております。計画をしっかり岐阜県と立てていくことがまず第一段階だと。

 岐阜県側も何もまだしていない、長野県側も何にもしていないのではなくて、当時は絵も描いてやっていく気があったんですね。気があったんだけれども、いつの間にかスッと影が薄くなってきて、その影をまた私は濃くしたいと思っております。濃くして、とにかく県境の玄関口であることは間違いございません。やらなくていいなんていう道路とは思っておりません、やらなくてはいけないと思っております。ぜひとも、私も一生懸命やらせていただきますので、地域の皆さんの、またご支援をいただきながらやってまいりたいと、こう思います。

 先が見えないような話で申し訳ございませんけれども、いずれにしろ一生懸命やらせていただきます。

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 2.なぎそねこ等特産品の普及について
【女性(No.2)】

 すみません、どうも。「なぎそねこ」の組合をやっています、○○を申します。よろしくお願いします。

 今日は早速着てもらって、ありがとうございます。元気づくり支援金のお金をもらって、もらうことで組合を立ち上げることができました。ありがとうございました。私達がそれをもらったおかげで、タグとかパンフレットとかを作ることができまして、それを南木曽の特産品として売り出すことができました。

 私達の組合員の人は、なるべく地元のものを使って地元の店も元気になれるように、それから地元の方のお手伝いをいただき、お年寄りがテレビばかり見ているのではなくて、手を動かしてできるというふうに、楽しくやらせてもらっているという声が多く聞かれるようになりました。

 それで、これからまだ広めていきたいと思うんですけれども、なかなか地方や東京や何かの物産展や何かに持っていきたくても、出展料やなんかが高くて出せないという、「ねこ」だけじゃなくて、他の「ろくろ」の方達とか、いろいろな若い方でも、いろいろなところへ広めたくてもそういう店を出すことができないという声がたくさんあるので、ぜひそういうところへも無料でできるような、何か対策ができたらいいなと思っているんですけれども。

 これからも南木曽が元気になるように、少しでも私達は若い人達と一緒に力を合わせていろいろなものを作って、県外やいろいろに出していきたいと思いますので、どうぞ力を貸してもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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【長野県知事 阿部守一】

 長野県のいろいろな物産、ぜひ全国にも世界にもどんどん売っていかなければいけないんだろうというふうに思っています。これはちょっとこれから、県としてどう対応するか、よく考えなければいけないと思っています。

 一つは、都道府県、結構アンテナショップを出しているところが多いですよね。今、長野県は他の県に比べると、ちょっとそこら辺は正直弱いと思っています。ただ、他の県は、実は県だけじゃなくて物産協会みたいなところも一緒になってやるので、私は長野県の売り込みというのは、県ももちろんしっかり頑張りますけれども、経済団体の皆さんと、もう少し一緒に力を合わせてできないだろうかというふうに思っています。

 それから、これは逆に、去年横浜にいた時に実はこういう話がありました。伊勢崎町の商店街で、いろいろ土地を持っているというか、店舗を持っている方がたまたまいたので、これは何かうまく使えないかという話があって、実は、長野県の物産を、その時にイメージしていたのは農産物だったんですけれども、そういうのを置けるようにできないかという話を途中までしたんですけれども、ちょっと条件がうまく折り合わなくてできなかったということもあるんです。そういう都会側のニーズも、こちら側からお願いするばかりではなくて、都会側でもいろいろなそういう地域の物産を扱えればいいなと思っている人達も中にはいるわけです。

 これは、私がこういうことを言うと、ちょっとセコイ話になってしまいますけれども、県が例えば全部、100%お金を出してやるのはすごく簡単です、私がやろうと言えば、やれてしまうという感じになって、ただ、それだと限られた予算で、これは皆様方から本当に貴重な税金をいただいているわけですから、私とすれば、できるだけお金をかけずにやれないかと。

 そういう意味では、都会のいろいろなグループとか、そういうところお互いさまみたいな形で、例えば都会の物をこっちの南木曽で売る場所は確保して提供してあげるから、その代わりにそっちにも何か考えて欲しいと、少しそういう市民レベルでも可能性は、私は、実はあるのではないかなと。

 私は常々思っているのは、行政の役割というのは、実はこれからは変えていかなければいけない部分があると思っています。変えていかなければいけないというのは、今までは、県はどちらかというと、国が法律で決めたことを粛々と執行して、お金も国から補助金いただいて、それを市町村とかに分配すると。その役割は、全部否定するつもりはないんですけれども、でも、それだけではダメだというふうに思っていまして、むしろ皆様方と、皆様方のニーズをうまくコーディネートする。例えば都市と農山村でもっと交流したほうがいいと思えば、その橋渡し役をやるとか、あるいは地域のいろいろな活動を、私が見ていても、実はすごく縦割りになってしまっていると思っています。

 子供達のことをめぐっても、私のところにいろいろな人が要請に来ます。これ、補助金をくださいと。でも、何かちょっと私は違っているのではないかなと思うことが時々あるんです。学校の先生達は学校の先生達のグループで来るんですね。保護者の人達は保護者の人達だけで来るんですね。例えば発達障害の子供達を応援しようとしている人達は、その人達だけで来て、何でみんな同じ問題意識なのに一緒にならないんだろうというところが不思議でしようがないんですが、そういうところをもっとうまくつなげる。

 だから、この「なぎそねこ」の話も、例えばこれを単体でどこかへ持って行くのではなくて、では、今、農産物結構持って行っている人がいますよね。ではそういう人達と一緒に組めないんですかとか、そういうところで実は知恵を出さなければいけないというふうに思っていますので、今のご要請の趣旨はもっともだと思っています。

 ただ単に、では行政がお金を出せばいいかという話ではなくて、少し工夫をしながら一緒になって考えていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

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 3.256号線の工事、国民健康保険制度について
【男性(No.3)】

 妻籠の上の蘭(あららぎ)地域の振興協議会長をやっております、○○と申します。

 256号線の関係について、お尋ねをしたいわけでありますが。現在、清内路から下の漆畑地域で工事は進捗いたしておりまして、その点につきましては厚く御礼を申し上げたいと思いますが。梨の木橋から下につきましては、見通しはどんな状況でしょうか。

 それからもう1点は、これは制度上のことでございますが、国民健康保険の関係であります。ご承知のように、国民健康保険につきましては、人口が減って被保険者が減りますと、これは一応、危険分散といいますか、一つの互助制度のようなもので成り立っておるわけであります。したがいまして、被保険者の数が少なくなれば成り立たなくなるというのは、今、どこの町村でもそんなような現状かと思います。

 そこで、国の報道関係を見ますと、これは県が保険者としてそういった調整機能を果たしながら健康保険を維持をしていく、そういうことがいいのではないかというようなことも聞かれるわけでございますが、長野県の場合には、そういったことについて、これは全国知事会ではどうも反対の意向が強いようでございますが、長野県としては、その辺はどのように考えておられるのか。その辺について、その2点について、お尋ねをしたいと思います。

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【長野県知事 阿部守一】

 道路の話はちょっと個別の話なので、建設事務所長のほうからお答えします。

 国民健康保険の話、今、実は国では後期高齢者医療制度を廃止するという動きの中で、保険者の単位をどうするかということで、今、お話あったように、新聞でも報道されていますけれども、議論がされています。

 実は知事会の全体のトーンはやや消極かなと。消極というのは、要するに、今、市町村単位で国民健康保険が運営されていますから、後期高齢者医療、それからその先の国民健康保険全体、だれが保険者になるべきかということで、より広域の自治体である都道府県が主体になるべきだという考え方の中で、知事会としてはやや消極的な雰囲気があるかなと。

 ただ、知事会も47都道府県知事、全然、必ずしもみんな同じ考えではないわけで、私は、広域自治体である県が責任を持つほうが、市町村単位よりも望ましいと思っています。

 知事会の中でもそうなんですけれども、どうして都道府県知事が積極的にならないかというのは、私は、実は国の姿勢に大きな問題にあるというふうに思っています。何故かというと、今の現行制度は、ご存じのとおり、市町村が保険者で皆さんの国民健康保険を運営しているわけですけれども、ほとんど厳しいんです。財政的に非常に大変な状況です。

 特に被保険者保険が別途ある中で、国民健康保険は、いわゆる自営業の方とか、あるいはご高齢の方とか、もともと所得が低い方が多く加入されている保険制度でありますから、そういう意味では非常に保険の運営が厳しい。これは市町村の運営を単純に県に移しても、結局、どういう方向で改善するかという方向性が見えなければ結局同じ話、単に大きくなったというだけで同じ話になってしまう。

 実は私は、そこは国が、先程の話で言えば、法律で制度設計しているわけですから、もう少し財政的にどうするかということを明確な方針を出すべきだと思っています。そこがほとんど示されていないという中で、知事会としてはやや消極的な意見が強いなと。

 どちらかと言うと、私と同じような意見の人も多いです。ただその人、私も含めて、もっと国がしっかりとした方針を示すべきだというふうに思っていますので、これは少しちょっと財政的な話とか、あるいは、今、ねじれ国会の中で法案が通るのか、通らないのかという話がありますので、単純にストレートに物事が決まらないような気もしますけれども、私の意見はどうかと聞かれれば、国がより財政責任を明確にした上で、運営は市町村より広域な県が責任主体になったほうが望ましいというふうに私は思っています。

 ただ、これは、実はこの点だけは皆さんに逆に理解しておいていただかなければならないのは、今、市町村単位で運営しているということは、市町村ごとに保険料が違うわけです。ところが、これ、県がやるということになれば、それは、暫定措置は講じる可能性はあるかもしれないんですけれども、一元的な運営をすれば保険料も同じになります。そうするとどうなるかというと、すごく保険料が安い皆さんにとっては上がる可能性もあります。すごく保険料が高くとられている人達は下がる可能性があります。だから、個々人の方から見ると、広域化することで自分にとって、個人にとってはメリットになる場合も、デメリットになる場合もあるということはぜひご理解いただかなければいけないし、おっしゃったように、私はこの保険制度というのは、やっぱり支え合いの制度ですから、より多くの人達が支えたほうが安定的になる。

 実際、私、市町村長の皆さんと話していて、やっぱり保険単位が小さいところは、ほんのお一人すごく医療費がかかる方がいらっしゃると、結構それだけで大変になってしまうということがありますから、そういう意味で、私は広域化したほうが望ましいというふうに思っています。

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【木曽建設事務所長 石井杉男】

 ただいま、国道256号漆畑の件についてご質問をいただきました。ご質問は、梨の木橋からこちら側ということですけれども、はっきり申し上げて、まだ着工の目途は立ってございません。

 前回、私ども皆さんとご一緒に現地を歩いたときに、私、申し上げましたけれども、国道である以上、やらなくてはいけないと思っています。やるべきだと思っていますし、ただ、今、準備が実際はまだそこまで行っておりません。国道256号というのは、県内の中でも、この地域にとっても重要な道路、特にこの地域にとってみれば、木曽谷と飯田の谷を結ぶ数少ない道路の一つであります。その道をさておいて、これはもう終わりでいいんだと、こんなことは決して思っておりません。言われております未改良区間も承知しておりますし、いずれにしろ、やっていかざるを得ない。

 ただ、順番待ちといいますか、あれが終わって次はこれと、そういう番を待たざるを得ない状況にあると、こういうことであります。残念ながら、今、私が順番を決めているわけではございませんけれども、私は高い順番にあると、こう思って取り組んでおりますので、またどうぞ、ご支援のほどをお願いしたいと思います。

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 4.高齢者の年金問題等について
【女性(No.4)】

 こんばんは。はじめまして、木曽町在住の○○と申します。意見をまとめて文章にしてきましたので、聞いていただきたいと思います。

 先日、私が子供のころ保育園で大変お世話になった、現在ご高齢者になられた先生とお話をする機会がありました。話の中で見えてきた様々な厳しい問題点が挙がってきました。

 まず1つ目として、年金問題です。その先生は定年まで保育事業の仕事を勤め終え、年金もしっかりと満額支払っていました。しかし、行政側のミスで13年間分の年金は受けとれず、現在も木曽町で心臓病を抱え、酸素を吸いながら苦労しながらも、一人暮らしています。

 2つ目として、安くて広くきれいな条件のいい住みやすい賃貸は、役所の方が手を打って住んでしまうという問題点です。一番住みやすい環境に優先するべき地域のご高齢者の方々は、古くて、冬はとても寒くて、雨漏りがする手直しの入らない賃貸へ移されたそうです。その後も、役所側の都合で強制的に住居の引越しを命じられ、弱い立場のご高齢者に対して無理な引越しを転々とさせていたとおっしゃっていました。そのご高齢者の方が少しでも住みやすくなるように、雨漏りをしているところなどを手直ししてもらいたいと行政にお願いをしたところ、結局、そのまま放置されたそうです。

 そして3つ目として、ひとり暮らしのご高齢者の方にとって、非常に要となるヘルパーの問題です。ひとり身の方にとっては、年々体力もなくなり、食事の準備や身の回りのことなどは、一人で厳しく生活困難であります。ある日、その先生がヘルパーの方に「夕食をお願いできないか」とお願いしたところ、そのヘルパーの方は、「食事だけのことでは行けない」と言ったそうです。一体、何のためのヘルパーであり福祉であるのか、行政の方々には、以上の問題点を深く受けとめ、改善のために即実行、行動していただきたいと思います。

 先生のお話を聞いている中で、私は怒りと同時に、はっきり申し上げて、一人のご高齢者を救えない現実でありながら、何がまちづくりでしょうかと叫びたいです。多くのご高齢者の方々は、行政に対してどんなに心の悲痛な叫びを訴えても声がなかなか届くことはなく、一人孤独と不安と心配を抱えながら、どこにもぶつけることのできないやるせない思いでいる方もいます。

 私自身、保育時代の頃、その先生からたくさんの愛情をいただき今の自分がいます。先生から愛情をいただいたたくさんの方々からも、同じ気持ちですという声をたくさん聞きます。最も重要で大切な子供教育に貢献され、人の何倍も苦労されてこられた方に対して、行政は年金も満足に支払わず、不十分な設備の住居に移し、お金を払っても助けてもらいたい時にヘルパーは来てもらえない、こんなひどい現実でいいわけがありません。

 それに伴いまちづくりも、観光や表面的なことばかりに目を向けるのでなく、大切なご高齢者の方々や、子供達や住民の皆さんが安心して満足する生活の保障の基礎体制の基盤をしっかりしていただいた上で、まちづくりというものに尽力するべきだと思います。

 まちづくりは、健康で若い世代だけでつくるものではないと思います。今、私たちの暮らす地域、町が存続しているのも、全て今のご高齢者の方々の尽力あってのことだと私達は忘れてはならないと思います。その方達をないがしろにして、決して地域の活性化も、復興も、まちづくりも成り立たないと思います。まずは行政が意識改革をしていただき、一人一人のご高齢者を守る組織づくりに全体で取り組んでいただきたいと思います。そこから初めて、本当の意味での地域の活性化、復興へつなげていけると、私は思います。

 長くなりましたが、最後に、大問題でもあります、この木曽路を通る国道19号です。まず大きな問題としまして、大型トラックのワースト3に入る死亡事故の多発です。そして住民の方々、特にご高齢者の方達は、大型車が走ることにより安心して走れません。昨年私の後輩もこの南木曽町の19号で命を落としました。やはりそのときも大型車相手の事故でした。

 この問題は早急に解決するためにも、早く大桑村部分の右岸道路をつなげてもらいたいです。そして、私達住民や観光客の方々が安心して走れる木曽路にするためにも、高速道路を通し、大型車の高速道路無料化を徹底し、木曽路、19号に大型車を走らせない対策をしていただきたいと思います。全て住民を守ることにつながると思います。一日でも早く安心して暮らせる町にしていただきたいと思います。長時間ありがとうございました。

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【長野県知事 阿部守一】

 ありがとうございました。19号の問題は地域にとって重要な課題、問題だというふうに思っていますので、右岸道路を、今、工事中のところも先程見てきましたけれども、できるだけ促進が図られるように、私も十分念頭に置いて、木曽の皆様方からは非常に強くご要請をいただいていますので、取り組んでいきたいと思っています。

 それから、前段のほうの保育園の先生のお話ですか。ちょっとこれ、年金の話と住宅の話とヘルパーの話と、それぞれ微妙に問題は違うような気はしています。これは例えばどこかに相談されたことというのはどうなんですか。あるんですか、今、3点あって、こうなっているけどどうなんですか、というご相談は何かどこかにされたけれども、全然ダメだったということなんですか。

 

【女性(No.4)】

 私自身がどこかに相談をした、してという意味でしょうか。

 

【長野県知事 阿部守一】

 先生か周囲の方か、ご本人でもどなたでもいいんですけれども。

 要は、まずちょっと私の感覚からすると、年金の話は、今、年金記録の問題がずっと、まだちゃんと整理し切れていない状況の中で、何と言うか、十分な対応がとれていない人達がいるということは事実だと思うんです。これは日本年金機構なりが、今どういう状況で、今のこの具体的なこの方の場合、どういう状況になっているのかというのがまずわからないと、私としてもこうするべきだ、ああするべきだ、ああしたほうがいいですということを、なかなか正直に言いづらいと。ただ年金記録の問題は、やっぱりかなり問題があったということも事実だと思いますので、どういう状況で受けとれない形に今なっているのかというのは、相談をちゃんとされたほうがいいのではないかというふうに思います。

 それから、2番目の住宅の話は、これはちょっと私も聞いていて、これは、何ですか、公務員がいいところをとってしまってという話に聞こえたんですが、そういうことなんですか。

 

【女性(No.4)】

 その保育園の先生はそのようにおっしゃっておりました。

 

【長野県知事 阿部守一】

 それはちょっと、これも何か具体的なケースなんで、よく聞いてみないと何ともわからないんですけれども。

 多分、公営住宅は入居基準とかがあるので、それに合致しているのか、していないのかというので、出されてしまったということはあり得るとは思うんですが。ただ、今、聞いたようなお話で、何か途中で退去させられるということはあるんですか・・・あまり、そういうケースはないような気がするんですけれども。

 今まで住まわれたんですよね。それ、ちょっと個別の個人の話になるので、もし必要があれば、個別にご相談いただいたほうが多分いいんじゃないかと思います。ちょっとまたそれは地方事務所に、個別にどういう状況で、具体的なお話で、個人情報にもなってしまうので、それはご相談いただいたほうがいいと思います。

 それから、最後のヘルパーの話です。これはうちの母親にもよく言われる話で、介護保険制度は型にはまって使いづらいと。何と言うか、今の制度を、私があまり言ってはいけないかもしれないんですけれども、例えば食事だけ作って欲しいというのは、基本的にダメなんですよね。

 ちょっとこれ、要は融通が利かないのは確かだと思います。何でかというと、介護保険のルールは全部国が決めているからです。国が決めているので、多少、現場とか地域からすれば、ちょっと融通利かせてしまったほうがいいかなというところも多分あると思いますね。多分あると思いますけれども、これ全国一律の制度設計になっていますから、そういう意味で、かゆいところに手が届かない場合もあるのではないかと思います。

 そういうところは、私はもう少し地域の声を出して、改善していくべきところは改善させなければいけないというふうに思いますので。ちょっと、もしそのヘルパーの話で、皆さん、もし他にご意見があれば、ぜひまたお聞かせいただきたいと思いますし、そういう意味で、私は国と地方の関係を変えなければいけないと思っています。

 さっきの国民健康保険もそうですけれども、社会保障系統の制度というのは、基本的なルールは全部国が決めていますから、そういう意味では、なかなか柔軟な対応が現場でとりたくてもとれていないというところは、正直言ってあるのではないかなと思います。そういうところは仕組みを変えていく努力をしなければいけないと思いますので、また具体的な、これがおかしい、これが変だということは、ぜひ県庁に言ってもらうようにしてもらえればと思います。

 今回、今、事業仕分けの対象事業というのを募集しています。明日の5時までですけれども。皆さんがちょっと日頃、こんな制度はおかしいんじゃないか、これは変だなと思っているのはどんどんそこにも出していただければ、ちょっと介護保険だと、直接県の事業ではないのでなかなか対象にはしづらいですけれども。ただ、問題意識としては受け止めたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。

 

【女性(No.4)】

 ありがとうございました。

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 5.蘇南高校について

【男性(No.5)】

 すみません、地元にあります蘇南高等学校の同窓会及び育む会、蘇南高校育む会という会の会長をしております○○といいます。よろしくお願いします。

学校のことですので、これは教育委員会の所管だと言われるかもしれませんが、本日のテーマから、木曽南部の地域振興に大変大きく関係してくると思いますので、今度は質問ではなくてお願いなんですけれども、2点ほどお願いしたいと思います。

 蘇南高校は、我々同窓生はもちろんですが、地元にとって大変思い入れの強い学校でございまして、設立してからもう60年になろうとしています。この間、多いときで600名程の全校で生徒がおったんですが、現在は200名弱ということで、3分の1以下になってしまっていまして、寂しい限りなんですが。

 そんな中、高校再編に伴って蘇南高校を魅力ある学校にしていこうということで、我々育む会を作って地域を挙げて取り組んできているわけです。従来の普通科、商業科、電気科の学科制から、生徒の多様な希望をより多くかなえられるようにということで、21年度から県の教育委員会のお許しをいただいて、地域型総合学科の高校へと生まれ変わりました。

 また、育む会では、学校と連携して、今までに6回の地域フォーラムを開催するなどして皆さんの声を聞かせていただく機会を設けていますけれども、地元の南木曽中学校から入学する生徒が半分以下という現状になっていまして、大変強い危機感を持っています。生徒のニーズや保護者の意見などをいただきながらやっているわけなんですが、現在、同窓会による学校紹介のレターを中学3年生の保護者の方に直接届けるべく作業をしております。このようにして、地元からたくさんの生徒に入学してもらえるよう努力しているところです。

 ついては、この総合学科に生まれ変わって2年目になるわけですけれども、様々な課題が出てきていまして、その一つが、電気科の流れをくむ「ものづくり系列」というものがありますけれども、その生徒さんが使っている現在の建物が、県の発表によりますと、耐震強度がなくて、改築しなければ危険な建物であるということのようです。また、電気科として建てられた建物で、現在も機械系の実習もここで行われております。実習が大変やりづらいという面もございますので、ぜひ1日も早く、生徒が安心して勉学に励むことができるように、建物の建てかえにつきましてご配慮をいただきたくお願い申し上げるということが1点です。

 2点目に、高校の生き残りをかけて総合学科を選択して受け入れたわけですが、学校の充実を図ろうとスタートしたわけですけれども、当初は教員の数が増えるということだったんですけれども、実際には逆に減ってしまったという現実がございます。これでは何のための総合学科だったのかなという思いが正直ありますので、学校のことは教育委員会が所管ではあっても、予算査定は知事さんが行うものだと思いますので、その中では、当然、知事さんのお考えを県の教育委員会に伝えていかれると思いますので、ぜひ地域の人材育成や地域の活性化といった観点から、蘇南高校への絶大なるご支援をいただきますように格別なご配慮をお願い申し上げます。

 この木曽南部は、仕事や買い物などで大変地元を大事にしなければいけませんが、実際には、中津川市等、県外に生活圏が依存しているという部分が大変強い地域です。その中にあって、この蘇南高校というのが、この地の唯一の県の機関です。

 ぜひ十分なお力添えをいただいて、この電気工業関係のことを学びたいという生徒が、県を越えて外で学ばなければならないというような状況だけはぜひ避けたい。ですので、この点の充実をぜひ心にとめていただいて、お力添えをお願いしたいと思います。お願いばかり申し上げて恐縮ですが、申し訳ございません、よろしくお願いします。

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【長野県知事 阿部守一】

 ありがとうございました。教育は教育委員会の権限ですけれども、私は教育再生をやりたいと。教育についても、私は選挙で、教育委員は選挙で選ばれる立場ではないので、住民の皆さんに責任を負う立場は私ですから、教育の問題についても、ぜひご発言をどんどんいただければというふうに思っています。

 今の耐震化の話は、これは私はできる限り早期に、安心して学べるようにしていかなければいけないというふうに思っております。これは財源との見合いと、あと優先順位というか、非常に問題が多いところから順番にやっていかざるを得ないというふうに思いますけれども、問題意識はしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。

 それから教員の数です。これ、ちょっと増えるはずだったのに減ってしまったというところが、そこの経緯がどういう経緯だったのかというのは、ちょっと聞いてみないとわからない。ちょっとまた教育委員会に聞いてみますけれども、教育の場合は、ある意味で先生方の数と先生方の質、この両方とも、いずれも重要な問題だというふうに思っています。

 ただ一方で、先生方の数を増やすと、今、全体的に子ども達の数が減っているわけですから、普通にしているとだんだん少しずつ教員全体は、小中高、全体的な余裕はもちろん出てくるわけですけれども。人件費1人数百万円、あるいは1,000万円近く、いろいろな経費をかければかかってしまうというようなところもあるので。教員の数自体を増やすことについては、そうした財政的な問題もしっかり踏まえて考えなければいけないというふうに思っています。

 今、蘇南高校の場合がどういう現状になっているのかというのを、ちょっと、私が全て把握できていないので、こういうご意見があったということは、私のほうで持ち帰って、少し教育委員会から状況はお伺いするようにしてみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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 6.森林整備について
【男性(No.6)】

 地元の森林組合の役員をやっております、○○といいます。よろしくお願いをいたします。

 木曽郡南木曽町だけではなくて、木曽郡全体はほとんど93%ぐらい山林であると、こういった状況の中でありますので、森林整備について1点、お伺いをしたいと、こういうふうに思っております。

 今、国の政策によりまして、平成23年度以降につきましては、今、一番山林の手入れの中で必要な間伐という作業がございます。この間伐の作業は、平成23年度以降は、間伐を搬出しなければ補助金が出ないと、こういう方針が国のほうから打ち出されたわけであります。こうなりますと木曽郡、あるいは今日は南木曽町の話をさせていただきますけれども、南木曽町には、民有林でいいますと、杉、ヒノキが生えた人工林が約3,200ヘクタール程あります。このうち、国の方針に従って搬出間伐をするとすれば、せいぜい1割程度しか搬出ができないだろうと。そうすると、約300ヘクタール程度くらいが手入れができる山となってしまいます。なぜそう搬出ができないかと言いますと、やはり大きくその理由を申し上げると、3つくらいあるかなと思っています。

 まずその1つは、非常にこの木曽というのは雨量が多くて、雨量が多いということは、各山に沢がたくさんあります。したがいまして、搬出路をつくるのに非常に大きな経費がかかってしまう。ですから、生産にコストが非常にかかるということ。

 それから今、木材の価格が、ここ50年間で一番、今、安くなっています。そういった材価が安く、それも現在、円高等の影響もありまして、ここ当分の間は、木材等はおそらく価格は上がらない、上がるような見込みは一つもないと、こんなような現状が一つです。

 それからもう一つは、妻籠地区というのは、見ていただいておりますが、あそこは約1,245ヘクタールにわたりまして重要建築物に指定をされております。この地区というのは、山林のみならず、現状を維持していこうということの指定を受けております。したがいまして、この間伐方法につきましても、採算の合うような間伐方法というのはとれない。要するに現状維持していく、こういったこと。

 それから、非常に急傾斜地、あるいは雨量が多いというようなことから、過去にも災害がたくさん発生をしております。

 こういった大きな3つの理由から、木材搬出には非常に問題がある。ですから、せいぜい1割ぐらいしか出ないだろうと、こんなこと。あとの9割の山の手入れを、今まではちゃんと補助金がついて手入れができてきたわけですが、23年度以降は、ほとんどの山が手入れができなくなってしまうわけなんです。こうなりますと、やはり知事さんもおっしゃっているような、過疎化がますます進み、今、うちの森林組合だけでも、30人の家族が生活をしております。そういった事業量が減ってきますと、またそういう問題も出てきます。

 そんなことで、今日は知事さんにお聞き、今後、ご検討もいただきたいわけですが。手入れが行き届かない、そういう山について、今後どうしていったらいいのかと。こんなことをご質問、申し上げます。以上であります。

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【長野県知事 阿部守一】

 今の国の補助金の話は、先だっても林業関係者の皆さんとお話した時に、問題提起されました。やはり地域、長野県の特性に合ったような補助制度でなければ、それは県としては困るという部分はあります。

 今後、ただ、私は昨日と一昨日、実は東京へ行って、永田町と霞が関を回って、国会議員の先生と霞が関の役所の人達にいろいろ要請をしてきました。それで鳥獣被害の問題とか、あるいは山小屋のトイレの補助金の話とか、いろいろ要請をさせていただきました。

 私は、新聞にも一部書かれていますけれども、こんなことは繰り返す仕組みを変えなければいけないと思っています。こんなことというのは、要は、鳥獣被害の対策で畑の周りに柵をめぐらさなければいけないと、それは地域の切実なニーズだと私は思っています。ただ、ではそれを国から補助金がもらえなければできないということでは、国が右を向いたり左を向くたびに、地域はできたり、できなかったりしてしまっていいのかというふうに思っています。

 まさに今の間伐の補助の話も、国が右だ左だと言うたびに、困ったり笑ったり、頭を下げに行ったり、頭を下げに行っても実現しなかったりということを繰り返してきたのが、今までの日本の社会だと思っています。

 右肩上がりで経済成長をしている時期で、右肩上がりで税収が国も地方も伸びている時期は、そういう仕組みであまり困らなかったと思うんです。要するに今年より来年、来年より再来年のほうが税収が増えれば、「わかりました」と、「では1年待ってくれれば来年、それは頑張ってやります」というふうに霞が関も今までは言えていましたし、県だって同じ状況が、かつてはあったわけですけれども。

 これからは、毎年毎年、別に事業仕分けが、私は全部悪者にされているような気がしてなりませんけれども、事業仕分けという手段をとろうが、とるまいが、国の財政は厳しいですから、削るものは削る、集中するものは集中すると、当然、ならざるを得ないわけですね。来年、仮にいろいろな県の思いが通って、来年はほっと一息しても、ではまた再来年、ではこれ財政厳しいからここ切れとなったら、また同じことを地域で議論して、またお願いしに行かなければいけないと、その繰り返しは私はどこかで断ち切らなくてはいけないというふうに思っています。

 地方分権、民主党政権は地域主権と言っていますけれども、地方分権の議論というのは、どうも何か国と地方の権限争い、財源の分どり合いみたいな感じで、メディアで報じられがちであります。私は、そうではなくて、むしろ住民の皆さん、県民の皆さん方が使い良い制度にするためには分権が必要だと思っています。

 もちろん、例えば地方議会で、いや、それやめようという話になれば、それは、もしかしたら使い勝手が悪くなってしまう可能性もありますけれども、皆さんの身近なところで、やっぱり優先順位、それは木曽郡においては木曽郡の優先順位が当然あるわけです。これは、例えば鳥獣被害の問題とか、あるいは、今、お話の出たその間伐の補助の問題というのは、正直言って、例えば横浜市の人達がそういう議論をするかといったら、全く関係ないですね、全く関係ないです。

 オールジャパンであれば、そういう人達の声とか、では横浜市には何が必要かというところまで含めて、どう再編配備しようかという議論になりますから、そうすると、全ての制度が過疎地域向きでもなかったり、あるいは木曽から見たら、何でこんな使い勝手が悪い制度になってしまっているんだということになりかねないので、私はそういう観点でも、ぜひ地方分権というのは、皆さんでサポートしてもらいたいと思います。

 今の補助金の話は、県としても、現行制度の中では、問題意識を持って取り組んでいかなければいけない課題だと思っていますけれども、中長期的には、ぜひ、国へ頼まなければいけないような制度ではなくて、ここに知事がいるのなら、知事に言えば、わかりましたというふうになるほうが私は望ましいと思っていますので、まずそういう方向でご協力いただければありがたいと思っています。

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 7.事業仕分け等について

【男性(No.7)】

 テーマに添うかどうかはちょっとわかりませんけれども、申し上げたいと思います。阿部知事さん、ようこそ南木曽へ今日お越しいただきまして、ありがたく思います。お願いがあり、申し上げますが、話せば長くなりますので、簡単に申し上げます。

 以前に行われました県知事選挙において、私は2人の演説をテレビ、新聞等で見聞きしました。いろいろと考えさせられました末に、若いこの人ならば、間違いなく県民のために活躍してくれる人と確信を持って、一票を投票しました。が、ひやりとした場面がありました。それは思いもしなかった大接戦でありました。わずかでも当選は当選です。本当によかったと安堵しております。改めておめでとうございます。

 その後の会見ですが、県としては、町村を育成するために、豊かで明るい、そして元気なまちづくりをしなければなりませんとのお言葉を聞きました。必ずその言葉を守ってください。お願いします。

 また、今はやりの事業仕分け作業について、県では、信州型事業仕分けを設けて始めようとしています。仕分けのやり方はいろいろあると思いますが、まず、国は県の予算削減をしようとしているのではないでしょうか。また県は、国の影響によって、町村の予算削減をするのではないかと私は思います。このようないじめ仕分けは、絶対にやめていただきたいと思います。

 先日、この場において区長会議が行われました。その時に町長さんがいわく、地方財政は非常に苦しい苦しいと、2、3回繰り返しました。そのとおりだと思います。私達の部落では、町からの交付金をいただいております。万が一、交付金等が減らされるようなことがありますと、部落としては大変困ります。どうか町の予算の削減等をしないようにしてください。

 次に、知事さんはご存じかと思いますが、数年前に起きました県の入り口、山口村のことですが、大切な県民の約半分の人達が岐阜県中津川市へ行ってしまいました。誠に残念だと思います。県としては、特に県境の地域を守るべき義務があるのではないでしょうか。例えば人間にたとえますと、入り口は口です。口があってこそ生き続けることができます。県としても、入り口があって、文化、経済等が生き続けてきたと思います。当町は県境の入り口となっています。二度と山口村のようなことがないようにしてください。そして当町に対して温かい手を差し伸べてください。

 終わりに、町の財政について、町長さんを初め議員さん、そして職員さんは懸命な努力をしていますが、できないことはできません。国、または県の支援が必要になります。知事さん、よろしくお願いします。

 先日、知事さんが、今年の漢字に、困難の「難」という字を書かれました。そこで来年はうさぎ年です。うさぎのごとく「難」を飛び跳ねてください。県民が安心して明るい生活ができる県として暮らせますよう、重ねてお願いいたします。

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【長野県知事 阿部守一】

 ありがとうございます。私は今年の漢字に「難」という漢字を選びました。さっきの財政難だったり、就職難だったりとか、あるいは買い物難民という言葉もありますけれども。

 やや暗めの言葉ではありますけれども、ただ、私は後ろ向きな話で使っているつもりではなくて、私は県の職員に、一番最初に姿勢としてお願いしたのが、新しい課題とか、難しい課題にチャレンジしましょうということを言っていまして、本当に世の中、大きく変わっています。人口も減少です。右肩上がりの経済成長がどんどんする時代ではありません。地球環境の問題、エネルギーの問題、様々な課題が新しく出てきている中で、今までどおりの仕事を今までどおりに続けていては、これは県民の皆さんの期待に応えられないと思っています。

 そういう意味で、新しい課題、そして難しい課題ですね。難しい課題というのは、県庁の中だけで議論してできる課題は簡単な課題で、県民の皆さんと多分かんかんがくがく議論して、何か反対の人達もいっぱいいるというような問題でも、本当に必要だったらやっていかなければいけないと思っていますので、そういう意味で難しい課題にもチャレンジすると、そういう前向きな気持ちも込めて、「難」という言葉を選ばせていただきました。

 後段のほうからお話すると、県境の地域も、私は県の中心部に地理的にあろうが、県の県境にあろうが、私は同じ長野県だと思っていますので、全くそういう区別をするつもりはありませんし、むしろ、私はよくいつも思っているのは、長野県の、どこの県でもそうなんですけれども、県の地図というのは、大体、何か県境をこう書いて、県の外へ行ってしまうと何か白地になっている地図が多いですけれども、ああいう地図は、実はあまりよくないのではないかと思っています。

 むしろ長野県の場合は、多くの県と県境を接していて、しかも、例えば観光の問題にしても、常に隣の県とセットで考えていかなければいけない問題がいっぱいあります。

 まさに、山口村は岐阜県に行ってしまいましたけれども、妻籠と馬籠は本当にこれセットで、いつまでも大切にしていかなければいけないと思いますし、軽井沢のほうへ行けば草津と軽井沢、群馬県側も北軽井沢という形で同じようなエリアになっていますし、あるいは上高地と高山とか、本当に長野県の地域を元気にしていくという観点で考えていった時に、長野県の内向きの論理では、私は展望は開けない、むしろ隣の県との連携とか、あるいは県境に位置しているところをやっぱりしっかりと大切にしていかなければ、長野県全体の活性化にはつながらないのではないかというふうに思っています。

 二度と山口村にならないようにと、これは私のほうがぜひ皆さんにお願いしたいところでありますので、当然、絶対そうならないように私としてはしていきたいと思いますし、ぜひ、何というか、不満があれば、何か県政がおかしいと、我々のほうをちっとも向いていないのではないかということがあれば、どんどん言っていただければというふうに思います。

 それから、前段のほうで仕分けの話がありました。市町村の予算削減をしようとしているのではないか、市町村をいじめようとしているのではないかというのは、全くそんなつもりはないです。

 これは、何と言うか、あえて申し上げておけば、私は、県の財政は厳しいですから、仕分けがあろうがなかろうが、廃止したり、削らなければいけない事業は、当然そうしなければいけないと思っています。それは市町村向けを切るとかそういう意味ではなくて、いろいろな政策をやっていますけれども、時代に合っていないのではないかと思えば、それは切らなければいけないと私は思っています。もちろん反対意見もあると思いますけれども。

 県財政全体の持続可能性ということを考えた時に、優先順位をつけていかざるを得ないと思っています。それは、事業仕分けをやるやらないは、私の頭の中では全く関係ないです、全く。事業仕分けの対象にしないと、事業は切らないなんていうことは絶対ないですね。むしろ対象にしなくても、これは本当に必要なのかどうかと私が思えば、申し訳ないですが、切らせていただく事業も当然出てくると思っています。ですから仕分けにかけなければ切れないとも全然思っていません。

 仕分けは、先程言ったように、本来国がやるべきかどうかと、そういう議論をそもそも論から、県民の皆様の前でやってもらうという話でありますから、仕分けの話と予算を切る、切らないというのは直接的な関係性はないということで、ぜひ理解いただきたいです。

 もちろん仕分けの議論で廃止になって、私も廃止したほうがいいなと思う事業は廃止するということになると思いますけれども。では、仕分けにかけない事業は、必ず存続するのかといえば、全然そんなことはないと、私はそんなつもりは全然ないので、そこはぜひ仕分けと予算削減は別物だと思ってください。

 それから、私は市町村にいたずらにしわ寄せをするということも、もちろん考えていないです。市町村に対する補助金は、実は今回の仕分けの対象にはしないことにしています。

 それはなぜかというと、来年の1月15日・16日に仕分けをやりますから、私は市町村の皆様方との関係は大事にしなければいけないと思っていますので、来年の年明けの15日・16日に仕分けをやって、やっぱりこれは削りましょうという、そこで結論が出て、そこから市町村の皆様方と調整するには、正直、時間が足りな過ぎると。不十分な調整のまま削減すると、これはまた国の事業仕分けと同じような話で、理屈はわかるけれども唐突じゃないかみたいな話になりかねないので、私としてはそこは丁寧にやりたいという思いで、今回は市町村への補助事業は仕分けの対象にしないという形にさせていただいております。

 ただ、国、県、市町村の役割分担を考えた時に、県としてより強化すべき分野と、逆に市町村でより強めに取り組んでいただかなければいけない分野というのは、私はあると思っていますので、何と言うか、単純に今の県、市町村関係を続けるというよりは、むしろ住民に身近な市町村でやっていただくほうが望ましい事業はやっていただいて、その代わり、市町村がこれは手に負えないと、県がやるべきだと、広域自治体がやるべきだというようなことは逆に県が引き受けるとか、そういう健全な自治体関係にしていきたいと思っています。

 それから、今日も町村長の皆様方との席ではくどいほど申し上げましたが、私は、国と県と市町村の関係は、私がこんなことを言うとまずいかもしれませんけれども、本当の意味での対等・協力にはまだまだなり切れていない部分があると思っています。

 さっき言ったように、私は霞が関に頭を下げなければいけないことが山程あります。それと同じように、町村長の皆様方もわざわざ県庁にお越しいただいてご要請いただくこともまだまだいっぱいあります。それは今の制度上、致し方ない部分はありますけれども、ただ気持ちの上では、私は町村長の皆様方とはぜひ対等な関係、協力関係でやりたいと思っています。

 ですから、一方的に県が要請をされるだけではなくて、逆に県から市町村にもお願いすることもこれからは出てくると思いますし、これは要請、お願いする、される、するという関係ではなくて、やっぱり必要なことは一緒に力を合わせて取り組んでいくということで頑張っていきたいと思っていますので、一つよろしくお願い申し上げます。

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 8.知事訪問について
【女性(No.8)】

 私は木曽町の「みたけグルメ工房」からまいりました○○と申します。

 実は本当の御岳は過疎です。それで、平成12年に道の駅ができまして、それから付加価値をつけるがために、グルメ工房が15年にオープンすることができました。それで地域の、今、高齢者の人が、85歳の方が2名で働いております。新商品を作るためには日々、組合員一同で努力をして頑張っているところでございます。

 それで、やはり地産地消でいろいろ作っている中でして、高齢者の方達が県庁へ行ったことがないと。新しい物を作ったら、ぜひ知事さんのところへ行ってこういうものを食べてもらいたい、と日々考えているところでございますので、そうすると、また高齢者の人達が本当に元気が出ると思います。ぜひ、そういうことが可能かどうかと、簡単なあれかもしれませんけれども、それを知事さんにお聞きしたいと思います。以上でございます。

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【長野県知事阿部守一】

 県庁にお越しいただくということですか。それは、遠くて面倒くさくなければ、ぜひお越しいただきたいと思います。

 今日はお昼、本当に地産地消のおいしいお弁当をいただかせていただきましたので、ぜひ皆さんに、大変おいしいお昼をいただいて知事が喜んでいたということをお伝えいただければありがたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。ごちそうさまでした。ありがとうございました。

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【女性(No.8)】

 ありがとうございました。それでは、何か新商品ができた時に、お伺いするかもしれませんが、そのときはよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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 9.山林行政について
【男性(No.9)】

 大桑の○○と申します。実は、今日発言する予定もありませんでしたけれども、遅くなって来たら真ん前に座らされて、知事さんとじかに話ができるなんて、本当に喜ばしく思っております。

 それともう一つは、知事さん、冒頭のあいさつで、木曽は癒しの地域だと。私ももともとそう思っているんです、木曽に生まれて。それで元気をいただきまして、ちょっと発言をさせていただきたいと思います。

 先程森林組合の方が、林業についてお話をされました。実は私も、知事さんから指名を受けた指導林家という制度がありまして、製炭協議会のほうの関係で指導林家になっております。

 もともと私は間伐材、先程申し上げた間伐材とか、循環型社会を作っていくには、これ日本の一番、これからの進むべき道だと思っているんです。それで木曽は、ご存じのとおり96%ですか、ほとんど山の中です。山林行政がしっかりいかないと、木曽の癒しの産業もだんだん衰退していくと。それで、だんだんと荒廃をしていきます。今、問題のCO2の問題、この対策もありますし、それから国土保全の対策もあります。ただ単純に財政が、目に見えたものではなくても、将来的にそういった政策を進めていくことによって雇用の創出もできますし。

 私は、実際のことを言って、森林に携わっている人達、本当に生活給に満たない収入しかないと思っております。それで、先程の話の方々は森林組合で生活をしておるわけですが、実は私も、地域で郷土の森というボランティアに近い活動をしておりまして、10何年かやっております。間伐作業を、これはやっております。2、3年前に林野庁の長官賞もいただいて、広島まで受賞にみんなで行って来ましたけれども、そういったボランティアに近い人達が携わっていることも多々あります。

 それで、鳥獣被害とか、そういうものがありますけれども、まずその間伐をしないと荒廃します。山林の荒廃が進んでいきます。それをぜひお力添えをいただきたいと思います。今、地方事務所の皆さんも一生懸命でお力添えをいただいてやっているわけですが。

 もう一つは、長野県は県民税をいただいております。500円という県民税を、これも先進的な活動をしておるなと思っております。その県民税によって、私ども若干の補助をいただいて、ガソリン代だとかそういうものに使っておりますが、それにしても限りがあると思います。ぜひ、私は、先進的な活動を長野県はやっていますが、今、長野県ばかりでなくてもそうですが、木曽の山が荒廃したら一番困るのはどこでしょうかというと、濃尾平野の、平野の方なんです。それで町の人も、先程知事さんが言った、横浜の人は感じないと言うわけですが、実際のことを言って、山が荒廃してくると一番困るのは町の人達、平野の人達、都市の人達だと思います。

 それで、今、愛知用水公団で1立方1円というお金をいただいていると思いますが、それはもう本当に限られたものです。それで、長野県の県民税を全体的に拡げていただければ、もうちょっと森林行政のほうにも予算が拡大していくのではないかなと、そんなことを思っております。

 本当に木曽は、昔から御料林とかで、もう山が、木一本に首一つというぐらいで、ものすごい戒律があって山を守ってきたわけです。伊勢湾台風で山が、風倒木で倒れ、そのときに徹底して切ってしまったんですね、山を間伐してしまった。その結果起きたのが、濃尾平野に水害が発生して何千人という方々が亡くなっているわけです。

 ですから、そんなことも含めて、県外の皆さんにもPRをしていただいて、ぜひ長野県でやっているような県民税、このようなものに匹敵するような、税金といっていいか、協力金といっていいかわかりませんけれども、そんなことを啓蒙していただければありがたいなと、そんなことを思っております。

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【長野県知事 阿部守一】

 私も、今お話あったように、冒頭の話とも関係しますけれども、都会に住んでいる人達に、もう少し森の問題とか水の問題とか、理解をしていただくことがこれからますます重要になってきているのではないかと思っています。

 今日の午前中、町村長の皆様方とお話した時も、今の木曽川の上下流の交流の話がありましたので、私はぜひ、今、ちょっと愛知県と名古屋市はいろいろ政治的に、やれ市議会のリコールだ、あるいは知事選もかなり候補者、いろいろな候補者が出て、来年の2月を過ぎないと愛知県、名古屋市、政治的にはあまり落ち着いた環境ではないのではないかと思いますけれども。ぜひ落ち着いたら、私も名古屋市とか、あるいは愛知県の市町村とか、あるいは愛知県庁、愛知県の知事、誰になるかはあれですけれども、少し木曽川の交流、あるいは森林の関係、そうしたものも含めてお伺いするなりして、よくお話はしなければいけないと思っています。

 こういうことを言うとちょっと変な話かもしれませんけれども、私が行くことによっていろいろな、例えば向こうの新聞とか、向こうの広報誌にもそういうことをぜひ取り上げてもらって、名古屋とか、あるいは愛知県の人達に、長野県の森林は我々のためになっているんだということを、ぜひそういう機会に広めていきたいというふうに思いますし、単にそれだけではなくて、より深い都市との交流、名古屋とか愛知とか、そういうところとの交流を私はぜひやっていきたいと思いますので、そういう姿勢で取り組みたいと思います。

 それから、県民税超過課税で森林税をいただいています。これは県民の皆様方お一人お一人のご協力に感謝申し上げなければいけないというふうに思っています。これはまた今後、5年の期間が切れた後どうするかということについては、広く県民の皆さんのご意見を伺いながら考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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 10.木曽ものづくりの会等について
【男性(No.10)】

 木曽ものづくり会の会長をやっております○○と申します。

 今日は意見というよりも、木曽の過疎地でこんなに頑張っている企業もあるというPRに来ました。また私事で、あとで少し意見を2つぐらい言わせていただきたいと、そう思っています。

 我々の木曽ものづくり会は、設立が昭和58年で約27年間になります。製造業が主な業種なんですけれども、会員各社は16社おりまして、今、会員、雇用数が、木曽の工業統計によると、今、木曽では2,800名なんですけれども、そのうちの1,300名が我々のものづくりの会で雇用していると、そういう会でございます。木曽の産業出荷額は年間、雇用出荷額ですけれども、480億円なんですけれども、ものづくり会はそのうちの360億円、全体の75%を占めていると、そういう会でございます。

 主な事業の概要としては、経営交流会とか会員交流会、先進企業の視察会等をやって、経営、それから人的ネットワーク、そのようなものを作るような年間活動をやったり、あと若手社員育成支援事業ということで、将来を背負って立つ若手を育成するための、企業単体では得られないような場を提供しております。

 また、あとはインターンシップ事業ということで、木曽郡内の高校生に会員企業で就職体験をしていただくと、そのような場もやっております。あとは地方事務所のご協力を得て情報提供ということで、企業や技術動向、講習会等をやっております。

 その他としては、県政の施策への参加ということで、元気づくり支援金の委員をやったりとか、木曽地域産業活性化企業委員会の委員もやったりとか、いろいろな意見を言わせてもらっている会でございます。

 私は、阿部知事さんも今日木曽に来られているんですけれども、ぜひとも次は、忙しい中だと思いますが、世界にはばたいている優秀な企業もたくさんございますので、一度我々の企業を見ていただいて、また会員の意見を聞いていただければいいかなと、それが一つのお願いでございます。

 私、個人的な意見で、これは全く個人的な意見でお話、意見を一つ言わせていただきたいんですけれども。今日、やっぱり阿部知事さんがここへ来てみんなの意見を聞くということは、私はちょっとおかしいなと。やっぱりこれは県なり村長なりのシステムがあって、我々の選んだ議員さんとか、そういう行政から当然、知事さんのほうへ我々の思っていることがスムーズに流れて、その意見がスムーズに返ってくるというのが、昔からのシステムになっているはずなんです。これが、知事さんが直接来て我々の意見をここで聞くということは、やっぱり血液の流れがうまくいっていない一つの証拠ではないかなと、そういうふうに思っています。

 ぜひとも、やっぱりそういうところをきちんと改革していただいて、いつでも、知事さんが来なくても我々の意見が届くような県政に、個人の意見としてひとつ改善をしていただきたいと、そういうことをお願いします。以上です。

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【長野県知事 阿部守一】

 ありがとうございました。まず、ものづくり、そのイメージは多分、外から見た方は、ものづくりというイメージは少ないような感じがしますけれども。今日もいろいろと、いわゆる木曽のものづくり企業の話は地方事務所長からもしっかり聞いていますし、私自身もぜひ皆様方とそういう機会を作っていただければ、どんどん一緒になって議論していきたいというふうに思っています。ぜひよろしくお願いいたします。

 それから、私が来るのが変だというのは、いろいろな見方があると思いますが、ある意味で、私はおかしくないと思っているんです、実は。これは、私は内閣総理大臣みたいな立場と違って、実は県民の皆さんから直接選挙で選ばれている立場でありますから、やっぱり県民の皆様方の声は、もちろん市町村長の皆様方とか、あるいは県議会の議員の皆様方から聞くということも大事だと思っています。それは別に否定もしませんし、私は、県議会の皆様方とは、長野県を良くしたいという立場で同じ立場だと思っていますので、ぜひしっかりと議論していきたいと思っていますし、市町村長の皆様方とは、先程申し上げたように、対等・協力の関係でやっていきたいと思っています。

 ただ私は、ある意味で県の組織、私の立場というのは実は二つあって、私と言うか首長の立場は、私はずっと思っているんですが、二つ立場が実はあると思っていまして、一つは、県庁という組織をマネジメントする立場ですよね、組織のトップとして。それで、もう一つは、県民の皆様方の代表者として、皆様の声を、先程言ったように、声や思いを形にするという、二つ仕事と言うか、立場があると思っています。

 実は、私はいろいろな、県でいろいろな知事とか市長と一緒に仕事をしていて、非常にそのバランスというのは実は難しいと思っています。例えば、あまり固有名詞を言うとまずいかもしれませんけれども、例えばかつて改革派知事というのがいっぱいいましたね。例えば宮城の浅野さんとか、あるいは、今、総務大臣の鳥取の片山さんとか、結構ああいう人達は、県庁の中では結構大変な知事だというか、大変というか、嫌がられていると言うと言い過ぎかもしれないんですけれども、大変な人だという感じで、だけど県民の皆さんの支持はすごく高いわけです。

 逆にかつての田中知事というと、ちょっと問題あるかもしれないんですけれども。県民の皆様方の、最初の頃は非常に支持率が高くて、でも県庁の中は、最初は良かったんですけれども、だんだんちょっとモチベーションが下がってしまったりして、私、知事とか市町村長の立場というのは、組織もしっかりまとめなければいけないと同時に、組織べったりということでは県民の皆さんの期待に応えられないと、私は実は思っています。

 そういう意味で、私は県庁の中にじっとしていれば、つつがなく仕事はできると思っています。県庁の職員もみんな優秀ですし、今、おっしゃったように、市町村長の皆さんも年中県庁に来てもらいますから、そこからお話を聞けば普通に、何と言うか、可もなく不可もなく知事の仕事をやろうと思えばそれで全然十分できてしまうと、私は思います。

 ただ、それではおそらくここにいらっしゃる皆さんの一人一人が感じている感覚と私の感覚は、確実にずれると思っていますね、確実に。それはシステムが悪いということとか、議会の皆さんとか職員が悪いということではなくて、やっぱり直接現場を見たり、直接声を聞いたりということと、間接で話を聞くということは、私は雲泥の差があると思っています。

 そういう意味で、私は、これからもぜひこういう形をとらせていただきたいというふうに思っていますので、またものづくりの皆様方とも、そういう意味で意見交換をさせていただければありがたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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 11.国民健康保険制度について
【男性(No.11)】

 蘇南高校に勤めております、○○と申します。よろしくお願いいたします。

 今日、全く発言するつもりもなく、こちらに来させていただいたんですけれども。

 前段のところの知事さんのご発言の中、それから、ここにお見えになった方々の意見の中から、私も一つ疑問に思っているので、これはぜひ、知事さんのところで働きかけをしてもらいたいと思う部分があります。

先程支え合う社会というお話がありましたけれども、過疎化が進んでいる町村、市町村が多くあると。過疎化が進んでいるところというのは、同時に高齢化も進んでいるというふうに、私は、素人ながらに考えております。そうすると、先程の、あの健康保険の保険料の問題があると思うんですけれども、過疎に苦しんでいる市町村に住んでいる方の保険料が高いというのが、果たして支え合う社会なのかなと。

 国民健康保険、頭に「国民」とついているんです。であるならば、国が同じ保険料でまかなうべきなのではないかなと。どこに住んでいようと生存権は保障されなければいけない。であるならば、地域の人口が多いから、税収が多いから保険料が安く済む。人口が少ないから、税収が少ないから保険料が高くなる。それはやはりおかしいのではないかという思いがあります。

 あと同じように、先程どなたかのご発言にもありましたけれども、介護保険、使い勝手が非常に悪いというのが、もし本当にいろいろなところであるのであれば、やはりそれは国のほうに働きかけて、改善を要望してもらいたいというふうに考えております。

 実際、私の妻も老人ホームで介護の仕事をしておりますが、介護保険制度が入ってから非常に仕事がやりにくくなったということは申しておりました。なので、ぜひいろいろなところからそういう話をお聞きになっていただいて、問題点を探り出し、国のほうへ働きかけていただければというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。

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【長野県知事 阿部守一】

 ありがとうございました。まず介護保険は国も見直しをする形の時期になってきていますから、これは地域の実態、問題提起はしていなかければいけないというふうに思います。

 それから、国民健康保険、「国民」とついているので地域によって異なるのはおかしいということで。まさに、さっき言った、知事会で、何で知事が都道府県レベルの、都道府県単位に対して抵抗感を持っているかというのは、国が最終的に財政責任をしっかり持たなければいけないだろうという問題意識の中で、必ずしもそういう姿勢が厚生労働省から見えてこないというところに問題意識を持っていますので、基本的には同じような発想だと思います。

 ただ私は、最終的には国が運営主体ということもあり得るとは思いますけれども、他方で、さっきから言っているように、地方の独自性というものが全く認められないという形で本当にいいのかどうかというところがあって、だから保険の中で、例えば平素の健康づくりみたいなことをやった時に、一生懸命そういうことをやって保険料を抑えようという頑張るインセンティブが、国が一律にやると、全然それは反映されなくなってしまうと。

 長野県は、これまで先人の皆様方の様々の本当に努力で健康長寿県と、高齢者医療費も低いということになっているわけですから、やっぱりそういう何かインセンティブはあったほうが私はいいのではないかというふうに、ただ、財政的に、例えば本当に破たんしてしまいましたと、これはもうどうしようもないという時に、やっぱり最終的な財政責任は国がしっかりと持たなければいけないと思いますし、例えば医療保険と裏腹の診療報酬制度みたいなものは、これは国が診療報酬の単価を決めているわけですから、そういう意味で、国が全く財政的に責任を負わないということは、これはいかがなものかというふうに思っています。

 そういう観点と、あと保険の話は、例えば事業者の、国民健康保険以外にも、国民の中にはいろいろな制度があるわけです。あるいは、公務員であれば共済組合に入っていて、本当に国民全体の公平性という観点を突き詰めれば、その事業主ごとの保険制度も視野に入れてというか、一緒になって支えていくような仕組みを将来は考えていかなければいけないのではないかというふうに私は思っています。

 今、そういう議論にはなっていないですけれども、おっしゃる方向性は、基本的にはそのとおりだというふうに思います。ありがとうございます。

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 12.「KISOMURA木の匠」プロジェクトについて
【男性(No.12)】

 木祖村からまいりました、木曽産業協同組合理事長の○○と申します。

 木祖村商工会及び木祖産業協同組合の「KISOMURA木の匠」プロジェクトへの取り組みについて、概要、課題等につき発言させていただきます。

 木祖村では、江戸時代から続く木工芸品である「お六櫛(おろくぐし)」に見られるように、木曽郡内の各町村同様、豊富な森林資源を活用した木工品製造が盛んに行われてきました。とりわけ、絵画に使用されるキャンバス画枠に至っては、かつては木祖村だけで国内シェアの80%以上を製造しておりました。

 しかしながら、木工業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、近年では、プラスチック製品と木以外の代替素材にとってかわられたり、個人消費の低迷、さらに他の工業製品同様、安価な外国製品に押され衰退の一途をたどっています。

 また、衰退傾向にあるにもかかわらず、木工業界は中小零細企業がほとんどであり、販売のすべを持たない職人、いわば卸売り事業者、販売業者頼みの他力本願の構図から、経営革新を図りにくい状況になっています。企業の衰退は、ともすれば後継者の不在、すなわち匠の技の生命線である技術伝承の危機であることは言うまでもありません。

 このような中、木祖村内にある木工業者等で構成される木祖産業協同組合では、県の地域資源製品開発支援センターよりご支援を受け、平成21年度より「ものづくり塾」を開催し、専門家のご指導をいただきながら時代のニーズに合った新商品開発に取り組んでまいりました。商品の構成としては、櫛や桶、皿、いすやテーブル、アクセサリーなど多岐にわたり、伝統的な技による昔ながらの商品の中に新感覚のデザインを取り入れたり、工程の中で端材として廃棄されていた材料を活用して商品化に結びつけたり、若い女性や本物志向の顧客ニーズに対応した、ぬくもりある木工品を製造し、「KISOMURA木の匠」ブランドとして商標登録をし、プロジェクト事業として積極的に推進をしているところです。

 先ごろ、東京ビッグサイトで開催されたインテリア見本市においても、県中小企業振興センターによる地域産業活性化基金助成事業として木祖村商工会が支援機関となり、ブース出展ができ、伝統的な匠の技に裏打ちされた新感覚の木工品として「KISOMURA木の匠」ブランドの紹介を行い、業界での情報発信が図られたほか、百貨店のバイヤーとビジネスチャンスの創造の糸口を見出せました。

 今後も引き続き、「KISOMURA木の匠」ブランドの浸透を図るべく、事業活動を積極的に行っていく所存ですが、商品開発や販路開拓に結びつけることは中小零細事業所にとっては困難を極めるため、願わくば、今後も引き続き継続的なご支援をいただき、さまざまな情報提供をいたきながら、「KISOMURA木の匠」プロジェクトを推進してまいりたいと考えています。ぜひとも、よろしくお願いしたいと存じます。

 木曽のみならず、本県にとって木は貴重な地域資源であり、それに携わる伝統工芸の技術者は、人という最も重要な経営資源にほかなりません。私たち自身も自らの経営課題に真摯に取り組み、鋭意努力してまいりますので、匠の技の伝承の危機といった観点から、県による一層の支援施策を期待しております。以上でございます。

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 13.木曽川右岸道路について
【男性(No.13)】

 すみません、ここの町の○○と言います。手を挙げるのが遅くて、救っていただいたところでありますが。また、くどいと言われるような気がしておるんですが、木曽川右岸道路について1点だけ、お尋ねをしておきたいと思います。

 実は、ご存じのように、ここはふるさと林道ということで、林道づくりから始まった道路が県の道になったということであります。先程視察をしていただいたというところですが、その工事現場の近くに住んでおります。

 平成14年でしたか、9月18日に田中元知事も見えて、早急に完成をするということでありましたが、いまだに工事をしていただいております。この頃工事が進んでまいりましてありがたく思っておりますが、実はさっき通っていただいたと思うんですが、あの狭い橋を通っていただいて工事現場、道路につながるようになっていると思います。

 この道路は、北の端は木曽町にありまして中央道につながっておりますが、南の端がないわけであります。この南の端をぜひ知事にご決定をいただきまして、早急に道路ができるようにお願いをするところであります。

 建設事務所長さんも大変苦労をしておると思うんですが、これは知事の決定がなければ、起点と終点というので道路ができないと思いますので、ぜひ早い時期に、南の接点を見出していただきたいとお願いをするところであります。あわせて、早期に全通ができるようにお願いをするところであります。どうぞよろしくお願いします。

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【長野県知事 阿部守一】

 木曽川右岸道路は、本当に地域の皆さんの要望は強いと思っていますので、でも先程言ったように、どんどんお金が使える環境であれば、もうたちどころに完成させます、というふうに胸を張って申し上げますけれども。

 今、どこを切り詰めなければいけないかなということを考えていかなければいけないという状況ですので、皆さんのご要請が非常に強いということも重々念頭に置きますし、また木曽川右岸道路の整備というのは、これは私は県全体を見渡したときに、優先順位が高い道路であるというふうに思っていますので、そうした中で考えて対応していきたいというふうに思っておりますので、ぜひご理解をいただければと思います。

 それから、木祖村の「木の匠」プロジェクトですか、これはぜひ、どんどんいいプロジェクトにしていっていただいて発信していただければと思います。私もぜひまたいろいろ見せていただきたいと思いますし、私は、長野県、いろいろないい財産があると思っているんですけれども、その中で、今、出てきた、例えば匠の技というか、伝統文化の技術、技、そうしたものをやっぱりしっかりと引き継いでいく。

 これはいろいろな産業でもそうだと思いますね。ものづくり産業でもそうですし、農業とか林業でもみんなそうだと思うんですけれども、やっぱりそういうことをしっかりと引き継ぐことができる地域にしていきたいというふうに思っておりますし、今までの社会というのは、例えば産業があって、そこに人が集まるという形ですね。それ自体、否定するわけではありませんけれども、これからは、いろいろな意味で人が人を呼ぶ。

 要するに、この間も信州大学の医学部の学生と話してきました。信州大学の医学部の学生に、ぜひ医者が足りないから長野県に残ってねという話をしているときに、どういう魅力があればいいのかなという話をした時に、やっぱり、この人について一緒に仕事をしたい。この人の、このお医者さん、この先輩の技を学びたい。そういうお医者さんがいれば、ぜひそこの病院に行きたい、あるいはそこで仕事をしたい。これ多分、たまたま医学部の学生との話だったんですが、他の分野でもみんなそうだと思うんです。

 だから私は、長野県はこの人がいるから、私は長野県に住みたいとか、長野県で居続けたいとか、そういう地域にぜひしていきたいと思いますので、ぜひ今の「木の匠」プロジェクト、ぜひ伝承をどんどんしていくような形を続けて、県としてもしっかりと応援するように考えていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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 知事あいさつ
【長野県知事 阿部守一】

 8時までの予定のところを、若干オーバーしてしまいまして、大変失礼いたしました。今日は本当にいろいろなご意見、まだまだ多くご意見をいただきたい部分もありますけれども、時間ですので、これで閉じさせていただきたいと思います。

 本当に私は長野県をぜひ元気にしていきたいと思っています。長野県を元気にするのは、これは県だけが頑張っても元気にならないんですね。本当にそれぞれの地域で皆さんと力を合わせて、県庁も皆さんの一員に加えてもらって、一緒になって頑張っていきたいというふうに思います。

 ぜひ、しつこく、私は県民の皆様方のところに出かけさせていただくようにしていきたいと思っていますので、なんだ、また来たかというふうに言わないように受け入れていただくことをお願いして、そしてまた、これから県政運営、来年度の予算編成、今、いろいろお金がかかるご要請もいただきましたので、どういう優先順位をつけるかということが、私の真価が問われてくる部分になってくると思います。

 皆様方の声にしっかりと応えられるような県政を行うように、全力で頑張っていきたいと思っていますので、引き続きご支援、そしてご協力をいただきますことをお願いいたしまして、結びのあいさつとさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

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