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更新日:2016年8月31日

知事会見(平成28年(2016年)8月31日(水曜日)11時00分~11時37分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. アメリカ合衆国(コロラド州)訪問を終えて、部局長会議を開催(G7長野県・軽井沢交通大臣会合、信州大王イワナの出荷開始について)、全日本空輸(ANA)による県産品のPRについて

取材者からの質問

  1. 任期2期目折り返しを迎え、今後注力していきたい分野について
  2. リニア工事に係るJR東海の対応について
  3. 大型事業の県財政への影響について
  4. 今後のオリンピック・パラリンピックへの関わり方について
  5. 浅川ダムについて
  6. 信州大王イワナについて

本文

阿部知事からの説明

 1 アメリカ合衆国(コロラド州)訪問を終えて、部局長会議を開催(G7長野県・軽井沢交通大臣会合、信州大王イワナの出荷開始について)、全日本空輸(ANA)による県産品のPRについて

長野県知事 阿部守一
 皆さん、こんにちは。今から会見を始めます。本日のテーマは3点です。よろしくお願い致します。(※手話で表現)
 まず、アメリカ合衆国コロラド訪問について、お話ししたいと思います。8月21日の日曜日から27日の土曜日まで、県立大学理事長予定者であります安藤国威氏、そして経営者協会の海外経済視察団の皆さんと一緒にアメリカ合衆国コロラド州を訪問してまいりました。その状況等についてお話し申し上げたいと思います。まず、時間的には前後しますけれども、25日(木曜日)にコロラド州のヒッケンルーパー州知事と会談を行わせていただきました。その際、産業、観光、そして人材育成、こうした分野における相互協力に関する覚書を締結したところであります。今後、具体化に向けて取り組んでまいります。ヒッケンルーパー州知事とは、昨年の10月にも、安藤理事長予定者のご紹介でお会いしています。そのときはコロラドのイノベーションネットワークの取り組みを日本のジャパンイノベーションネットワークと連携していこうという会合の場でありましたけれども、非常にイノベーティブな州をつくっていこうということに強い意欲を持たれているということを、そのときも感じましたし、今回コロラドを訪問して、改めてさまざまな具体的な政策、取り組みのお話を聞き、また現場を訪問して実感をしてまいったところであります。例えばGalvanize(ガルバナイズ)という起業促進・支援機関を訪問してまいりました。ヒッケンルーパー州知事のリーダーシップの下でイノベーティブな州づくりということに取り組んでいるわけでありまして、その中でベンチャー企業のスタートアップに力を入れていらっしゃいます。Galvanizeを22日に視察したわけでありますけれども、日本ではあまり見られないようなオープンスペースで多くの人たちが起業に向けた取り組みをしている、一緒になっていろいろなプロジェクトの検討をしている、あるいはGalvanizeという機関自体が人材育成、養成の機関にもなっているという組織であります。大変自由な雰囲気の中で自由な発想が生まれて、そうした中から新しい事業が生み出されていくということを改めて実感をしたところであります。Galvanizeにおいては、通常われわれは海外を訪問するときは、訪問してこちらがプレゼンすることも時々ありますし向こうからの話を聞く、どちらかというと一方通行的な対話が多いんですけれども、今回は安藤理事長予定者にもだいぶ準備していただいて、ネットワーキングステーションということで、実際にコロラドで起業された皆さんと私どもは、私と安藤さんあるいはジャパンイノベーションネットワークの事務の方、そして山浦会長とのネットワークステーションということで、双方向の対話も行ってきたところでございます。またデンバー市では、デンバー市が進めているCityNOW(シティナウ)と言っています消費者プロジェクト、いわゆるスマートシティをつくっていこうという構想についてお話を伺ってまいりました。この構想にはパナソニックが重要な役割を担っているという状況でございます。こうしたスマートシティづくりというようなことは、これから私どものリニアバレー構想の実現というようなことにも大変大きな参考になるものと思っています。それからコロラド州は長野県と非常に共通点が多い地域でありますが、特に山岳高原観光という観点では強い類似性を持った地域だと思っております。そういう中で、今回ベイルというスノーリゾートを訪問させていただきました。世界からお客さんが集まるスノーリゾートでありますが、夏の誘客についても力を入れていらっしゃるということで、そうした取り組み、あるいは単にスキーをするということだけではなくて、文化的なさまざまなイベント企画を行っているといったようなお話も伺ってまいりました。こうした地域と長野県の山岳高原観光地がこれから連携して、世界に向けて発信していくということも大変重要だろうと私も思っています。それから、いろいろ盛りだくさんで申し訳ないですが、米国のオリンピック委員会を訪問してまいりました。コロラドスプリングスというところにアメリカのオリンピック委員会の本部があるわけでありますけれども、そこのCEOのスコット・ブラックマン氏ともお会いさせていただきました。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたアメリカ選手団の長野県での事前合宿について、長野県の優位性についてプレゼンさせていただいて、対談させていただいたところでございます。長野県はオリンピック・パラリンピックを開催した地ということで、アメリカのオリンピック委員会の建物の中にも長野冬季オリンピックのときの写真が一部飾られているとのことで、非常に友好的な対話ができたと思っています。スポーツコミッションも私が不在中に設立したわけでありますけれども、ぜひ関係の皆さま方と一緒になって、アメリカをはじめとするオリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致に力を入れていきたいと思っていますし、米国からの誘致ということについても、今回の訪問を契機に具現化をしていきたいと思っています。またコロラドスプリングスにはアメリカのオリンピック委員会のトレーニングセンターもございます。大変大規模な施設で、プール、体育館といったような体育施設、そして科学的なトレーニング指導あるいは食事面での指導を行う施設も見学させていただきました。アメリカは今回のリオのオリンピックでも他の国とは図抜けた数のメダルを獲得していますけれども、こういうところにアメリカの強さの源泉があるということを実感してまいりました。レスリングの吉田選手とか伊調選手もこのトレーニングセンターで訓練されていたというような話も聞いております。アメリカの選手だけではなくて世界からそうした一流の選手を受け入れることによって、常にオリンピック・パラリンピック的な雰囲気をつくっているんだというような説明がありました。単に体力をつくるということだけではなくて、メンタルの面とか栄養の面とか、非常に多面的、科学的な取り組みをしているということを実感致しました。他にも訪問先ありますけれども、コロラド州と長野県は大変共通点が多いと思っています。全米の中で最も平均標高が高いのがコロラド州。日本の中で最も平均標高が高いのが長野県。標高が高いということは気候風土が似ている中で、先ほど言った観光でも共通点がありますし、あるいはコロラドの航空宇宙産業であるとか、あるいはヘルスケア産業であるとか、そうした産業イノベーションに極めて力を入れているところでもございます。また先ほど申し上げたように、大変気候、風土的に多くの人たちを引き付ける地域、アメリカの中でも他の州から移り住んで来られる方が多い地域だと伺っていますが、長野県も移住したい県ナンバーワンということで、そうした地域間の類似性が非常に強いということを実感致しました。ぜひ先ほど申し上げたような産業、観光、人材育成をはじめとする分野でコロラドとの協力関係を深めていきたいと思っています。
 それから2点目でありますが、部局長会議についての報告でございます。大きく二つ申し上げたいと思います。まずG7長野県・軽井沢交通大臣会合についてでございます。交通大臣会合まであと24日となりました。準備に万全を期していきたいと思っております。会合の概要については先日、国土交通省からプレスリリースがあったところでございますので、すでにプレス関係の皆さま方はご承知かと思いますが、9月23日から25日にかけて軽井沢プリンスホテルでG7各国、そしてEUの交通担当大臣が参加し開催される予定になっております。23日は歓迎夕食会、国と私ども地元の共催でございますし、主な会議は9月24日ということになっています。議題としては「交通インフラ整備と老朽化への対応のための基本的戦略」、そして「自動車および道路に関する最新技術の開発・普及」ということであります。先ほどスマートシティ、デンバーのスマートシティの話も申し上げましたけれども、これからの長野県の地域づくりにもこうした道路、自動車の最新技術を活用していく道をぜひ長野県としても考えていきたいと思っています。地元としては、まずはこの会合が無事に開催されるように万全な対応をしていきたいと思いますし、今回の交通大臣会合を契機に長野県の素晴らしさということが関係各国に伝わるような努力もしてまいりたいと思っております。それから部局長会議の2点目でございますけれども、信州大王イワナが9月からいよいよ本格的に出荷されます。信州大王イワナは大きくなっても卵を持たないということで、従来のイワナと比べまして成長が早く、また年間を通じて肉質、味が共に優れているという特色を持っております。高タンパクでありながら低脂質、低カロリーでヘルシーな食事でもございます。海なし県の長野県、先ほど申し上げたコロラドも海なし州でありますが、コロラドもやはりマス料理が出てきておりましたけれども、海なし県としては信州サーモン、シナノユキマス、あるいは佐久鯉、こうしたものと並んで信州大王イワナを長野県の主要な食材としてしっかり確立していきたいと思っております。旅館、ホテル、あるいは飲食店の皆さま方には積極的に活用いただきたいと思っております。出荷量は初年度6トン程度ということで少な目ではございますが、近い将来30トン程度まで供給量を上げていきたいと思っております。長野県を代表する魚としてのブランド化を進めていきたいと思っております。すでにプレスリリースしておりますが、明日9月1日に長野市内のホテル信濃路で信州大王イワナのお披露目会を開催致しますので、ぜひそちらの方も報道いただければありがたいと思っております。それから最後3点目でございますが、全日空の皆さま方による長野県産品のPRがいよいよ9月1日、明日から始まります。本日は全日空の販売事業本部マネージャー橋元伸也様にお越しをいただいておりますので、このことの詳細については、まず橋元様からご説明いただきたいと思います。よろしくお願い致します。

全日本空輸株式会社販売事業本部マネージャー 橋元伸也 氏
 私の方から今、知事からご説明がありました通り、ワイン、伝統的工芸品、農産品といった、この三つをご説明させていただきます。
 まず初めに、全日本空輸としては長野県の魅力を幅広くPRすることを目的としまして、このたび、国際線で長野ワイン機内搭載と、あとセントレア国際線スターアライアンスラウンジへの伝統的工芸品の配布及び農産品の提供ということで、こちらはセントレア空港の免税店でということになります。では、項目の1番のワインからご説明をさせていただきます。このたび、提供品としましては株式会社アルプス様のミュゼ・ドゥ・ヴァン・松本平ブラッククイーン2014をご提供いただきまして、路線につきましてはセントレア発着のANA上海、香港線、1日1往復しておるのですが、こちらの2路線に搭載する予定でございます。クラスに関しましてはビジネスクラス、こちらにつきましては1日平均、2路線で約24名様ご搭乗いただける機内となっております。期間につきましては9月1日から11月30日と3カ月間を予定しております。提供方法なんですが、今、香港線、上海線には赤ワインを2銘柄を搭載しておるのですが、こちらに今回、2銘柄のうち1銘柄にブラッククイーンの方を搭載させていただくという形となりますので、こちらの方を私の方から説明させていただきました。実はワインにつきましては、2年前に阿部知事と私どもの当時名古屋支店の役員でありました小川と対談させていただいた際に、知事から長野県のワインを世界に発信したい、あと長野県には素晴らしいワイナリーがあるというお話を力強く頂戴致しまして、私ども何とか長野県産ワインを機内に搭載すべく調整を図ってきた次第でございます。ここにきて、ようやく名古屋路線ではございますが、ワインを搭載することができたというところで、私も素晴らしいと思いますし、すごく喜んでいる次第でございます。
 続きまして、2点目の伝統的工芸品の方に移らせていただきます。こちらの伝統的工芸品につきましては、木曽漆器ヒノキ箸を1,000膳、あと飯田水引箸置を200個無償提供いただきまして、私どもANAとセントレア空港、あと長野県の名古屋事務所の西原所長と調整を図りまして、こちらも9月1日から、なくなり次第終了にはなるのですが、1週間程度、私どものセントレアの国際線スターアライアンスラウンジで提供を図っていくということになります。こちらも明日からスタートということになるのですが、ワインと同じタイミングでできて良かったと私自身も思っておりますし、ANAとしても長野県のPRができるというところ、すごくうれしく思っておる次第でございます。
 最後の3点目の農産品の方に移らせていただくんですが、こちらにつきましては、長野県の名古屋事務所の西原所長と、あとセントレア空港の鈴木様で打ち合わせを行って、今回、セントレアの国際線出発エリアの免税店でシャインマスカットを展示及び販売という形になります。こちらのマスカットなんですけれども、実際のところ長野に海外の方がお越しになられて、やはり持って帰るというところなると、どうしても出発制限エリアのところでブドウを持ち込めないということで、捨ててしまうケースがほぼあるということになります。しかしながら、今回、免税店エリアでありますので、ここでご購入いただいたものにつきましては、皆様の国へ持って帰っていただけるということになりますので、幅広く長野のブドウを知っていただけるチャンスではないでしょうかというところは思っております。
 最後に1点だけ伝え忘れてしまったのですが、ワインの部分で、名古屋セントレア発の香港、上海線の国際線につきましては、日本のワインを搭載するというのはなかったことでございまして、私が記憶しているところでいきますと初めてというケースになりますので、こちらはすごいことというところで私も感じております。引き続き、私ども全日空と長野県におかれましては、私は長野担当としまして力強くバックアップしまして、長野県のPRに今後も努めてまいりたく思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。今日はありがとうございました。

長野県知事 阿部守一
 橋元マネージャー、そして全日空のご協力に心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。先ほど、交通大臣会合の話もしましたが、サミット首脳会合においても本県産ワインがご提供いただけたということもあります。これからも長野県の強み、特色をしっかり生かしていきたいと思いますし、全日空はじめ関係の皆さま方にはいろいろご協力いただきながら、県産品の振興に努めていきたいと思っています。
 私からは以上3点でございますので、よろしくお願い致します。

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取材者からの質問

 1 任期2期目折り返しを迎え、今後注力していきたい分野について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 2点お願いします。最初に、明日9月1日で知事、折返し任期、6年間の任期になるかと思うんですが、今後注力されていきたい分野について、各社インタビューでお伺いしますが、改めて教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 もちろんいろいろな分野それぞれ重要なので力を入れていかなければいけないと思っていますけれども、まずベースとして、やはり県民の皆さま方の暮らしに直結したテーマとしての教育、子育ての充実であったり、あるいは医療、介護、地域医療構想も現在策定中でありますが、そうしたことを通じて安心して暮らせる長野県になるべく、引き続き取り組んでいきたいと思っています。それから、もう1点は、先ほどコロラドの話でも申し上げましたけれども、やはり地域の経済、産業の活性化。これは人口減少社会の中で、これまでとは違った視点、切り口から図っていかなければいけないと思っています。長野県の主力の製造業、ものづくり産業については、航空宇宙だったりヘルスケア産業であったり、こうした分野への転換支援を強力に行っていかなければいけないと思っています。航空機産業ビジョンも先般策定致しましたし、また、これから国とも連携する中で、具体的な産業集積を図っていかなければいけないと思っています。それから先般、観光戦略推進本部をつくりましたが、これまでとは次元が異なる観光政策を進めていかなければいけないと思っています。今、若干観光部で努力して苦労してもらっているとこでありますけれども、できるだけ早い段階で新しい観光の方向性、戦略を作って、新しくできた観光機構、そして県の各部を挙げて観光県づくり、観光大県づくりに取り組んでいきたいと思っています。ちょっといろいろ個別にはありますけれども、大きく言うと県民の暮らしの充実、それから産業の振興、こうしたことに引き続き全力投球していきたいと思っています。

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 2 リニア工事に係るJR東海の対応について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点、リニアの関係でちょっとお聞きをしたいんですが、JR東海の方で、大鹿村のリニア関連の県の道路改良工事の説明会について、昨日私どもで報道しているんですが、改良工事の説明会に地元の自治会長の皆さんがリニアの対策委員の方の同席を求めたところ拒まれたという事実があって、これは県の方でも把握されていると思うんですが、まずこのJRの対応についてどのようにお考えになるかというのを教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 対応悪いですよね。悪いので、県の方からも対応を見直してくれという話をさせていただいています。今後は、われわれの方としては、これまでも求めてきましたけれども、より丁寧で誠実な対応してもらいたいということをJR東海にはお願いしてきています。その中で、説明の対象者についても広く門戸を開いていくということが重要だと思っております。今申し上げたことについては、JR東海に既に担当者の方から申し上げているところでございますので、適切な対応をしていただけると思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 具体的に対応が悪いとおっしゃったのは、それは出席を拒んだというか、それは制限すべきではなかったというふうにお考えなんですか。

長野県知事 阿部守一
 JR東海が、まず自治会長が村のリニア対策委員会の委員の方の同席を求めたところ、JR東海が出席を拒否したということのようでありまして、先ほど申し上げたように、県のリニア整備推進事務所の方からJR東海に申し入れをさせていただいています。住民の理解に向けて幅広い意見を聞いて、誠実で丁寧な説明に努めてほしいという申し入れをさせていただいておりまして、JR東海の大鹿分室長が自治会役員にお詫びをされたと報告を受けています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 県とすれば、昨年4月の基本合意書の中ではJRに対して説明を丁寧にするようにと求めていらっしゃると思うんですが、その基本合意が今回のケースは履行されなかったというか、それに反するという認識なんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 履行されなかったというか、どなたのどういう判断でこういう対応になったかというところまで承知していませんけれども、ぜひ地元の皆さま方の理解が、工事を進めていく上では不可欠だと私は思っていますし、JR東海にもぜひそうした考え方は共有していただいた上で取り組んでもらいたいと思っています。

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 3 大型事業の県財政への影響について

信濃毎日新聞 井手拓朗 氏
 知事の折り返しに関連して1点伺いたいんですけれども、財政のことなんですけれども、最近、新しい県立大だったり県立武道館、信濃美術館の改築といった大型事業を相次いで打ち出していらっしゃるんですけれども、こうした事業を一気に進めることで県財政への影響っていうのをどうお考えになっているかと、あともう1点、こういう事業を一度に進めることで、また将来、一度に耐用年数を迎えて改修が必要になるということも考えられるんですけれども、そこら辺に対する知事のお考えを聞かせてください。

長野県知事 阿部守一
 まず財政問題は当然のことながら、財政の健全性あるいは財政の弾力性、そうしたものを確保しながら、さまざまな取り組みを進めていくということが重要だと思っています。しかしながら、その時々の状況によって、必ずしも対応は同じではないだろうと思っています。私が知事に就任したときは、臨時財政対策債の発行がどんどんまだ増えている時期だったわけでありまして、そうしたことを含めて、県債残高がどうしても増加傾向、建設事業債については残高縮減ではありますけれども、総体として見ると増えてしまっていると、ただ財政の健全性の観点からすると、臨時財政対策債の評価のところは微妙なところでありまして、見掛けは増えていますけれども、本来は交付税で償還されるべきもの、本来は交付税の代わりに起債になっているわけでありますから、財政の健全性という観点とか財政指標から見れば、本来は建設地方債のところが減っていれば県債残高縮減といっても嘘ではないだろうというところでありましたけれども、しかしながら、見掛け上の県債残高が増加基調にあったわけでありますので、毎年の県債発行、当初予算ではキャップを設けて、そういう意味で県債残高が増加しないように努めてきました。その結果、県債残高も相対的に臨時財政対策債も含めて減少基調になっていることは、すでにご承知の通りだと思います。それと連動して実質公債比率等も毎年どんどん下がっている状況でありますし、逆に県の貯金も右肩上がりで増やしてきているという現状であります。そういう中で、今お話があったような事業を当面推進していくことが県の財政に悪影響を及ぼすというような状況ではないと認識しています。ですから、必要な投資事業は行わなければいけないわけですけれども、当然そのときの状況とか、財政の現状をにらみながら行う必要があるわけですけれども、今申し上げたような財政の状況ですので、ぜひそこら辺は信濃毎日新聞も十分調べていただいて、調べてというか調べなくてもわれわれはデータを出させていただいていますので、過去の財政状況と比較していただければ、今の財政状況がかつての状況と比べるとだいぶ改善基調に転じてきているということはご理解いただけるのではないかと思います。

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 4 今後のオリンピック・パラリンピックへの関わり方について

テレビ信州(TSB) 佐々木渉 氏
 先週にアメリカのオリンピック委員会を訪問されてプレゼンをされたということなんですけれども、長野県での事前合宿の可能性というか感触についてと、あと長野県の東京オリンピックに関しての関わり方、そして期待することについてお願いします。

長野県知事 阿部守一
 アメリカのオリンピック委員会は先ほど申し上げたように、長野県が冬季オリンピック・パラリンピックを開催した地域であるということは当然ご承知なわけで、非常に関心を持っていただけたと思っています。スコット・ブラックマンCEOをはじめオリンピック委員会の皆さま方、これから東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本に来られる機会があると思いますので、ぜひ、その際には長野県にお越しいただきたいということでお話をしています。ぜひ、それは具体的に実現していきたいと思っていますし、長野県としては1998年冬季オリンピック・パラリンピックを成功させた地域ということで、世界のオリンピック・パラリンピック関係者からは非常に注目をされている地域だと思っています。特に2020年東京オリンピック、パラリンピックの前後に韓国の平昌(ピョンチャン)、そして北京。2つの冬季オリンピックがあって、東アジアでいわばオリンピックが3回続けて開催されるわけでありますので、ぜひ、このことを契機に中国であったり韓国であったり、そうした地域との冬季スポーツを通じた交流もさらに深めていきたいと思いますし、また夏、冬、両面のこれは事前合宿等も含めて、積極的に誘致していきたい。そのために先般スポーツコミッションも設立したわけでありますので、ぜひ、関係の皆さま方の力を結集して、オリンピック・パラリンピックに向けた事前合宿招致活動は成功させていきたいと思います。それからもう一つ。これは他の県とも一緒になってやっぱり文化的な取り組みもしていきたいと思っていますので、オリンピック開催県として東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツのみならず文化面においてもどのような取り組みができるかということは、これから文化振興事業団の近藤理事長あるいは芸術監督団の皆さんともしっかり相談していきたいと思っています。

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 5 浅川ダムについて

読売新聞 小池望 氏
 浅川ダムの件で伺いたいんですが、10月から試験たん水が始まるということで、まだ係争中の中でそういった準備が進むことについて、知事から受け止めを伺えますか。

長野県知事 阿部守一
 安全確認のために試験たん水をやっていくわけでありますから、私は、これまで浅川ダムの進捗(しんちょく)については折に触れて安全面の確保を最優先に取り組んできています。そういう意味で、今回の試験たん水もしっかりと計画通り行って、安全性の確保に努めていきたいと思っています。

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 6 信州大王イワナについて

信濃毎日新聞 高野裕士 氏
 知事のご報告の3点目について質問させてください。信州大王イワナは主要な食材として確立していきたいと仰っておりましたが、確立していく上で、今後、具体的にどのように県外などへアプローチを掛けていく必要があるとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず先ほど申し上げたように、長野県は内陸県で海の幸が基本的にないところであります。いろいろなところで言っているからあえて申し上げれば、長野県に観光でいらっしゃるお客さまは、長野県にたぶん海の幸を求めてくる方はほとんどいらっしゃらないと思いますので、そういう意味では、信州大王イワナ、今、県外へというお話もありますけれども、まずは長野県内へ観光で訪れる皆さま方をはじめ飲食店等にしっかり置いていただける、メニューに加えていただく、そうした取り組みを通じて長野県の代表的なブランド力のある魚として育てていきたいと思っています。そういう意味で、先ほど申し上げたように、明日、ホテル信濃路のお披露目会がありますが、お披露目会には観光関係者、飲食店関係者、そうした皆さま方にもお越しいただいて、しっかりPRしていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

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企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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