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更新日:2016年7月25日

知事会見(平成28年(2016年)7月25日(月曜日)11時15分~12時26分会場:県庁)

≪阿部知事からの説明≫

1 部局長会議を開催(性暴力被害者支援センター設置、子どもの居場所づくりモデル事業、信州ミュージアム・ネットワーク事業、芸術監督団からの提案・企画による事業、第1回「山の日」記念全国大会について)、信州の伝統工芸品のご紹介(信州紬〈上田紬〉ワイシャツ、軽井沢彫)

≪取材者からの質疑≫

2 リニア伊那谷自治体会議について

3 リニア乗車の感想について

4 子どもの居場所づくりについて

5 県内大学の看護学部設置について

6 ジビエ「移動式解体処理車」について(1)

7 ジビエ「移動式解体処理車」について(2)

8 性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」について(1)

9 性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」について(2)

10 芸術監督団からの提案・企画による事業について

11 アプリ配信に対する受け止めについて

12 性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」について(3)

13 山の日について

 1 部局長会議を開催(性暴力被害者支援センター設置、子どもの居場所づくりモデル事業、信州ミュージアム・ネットワーク事業、芸術監督団からの提案・企画による事業、第1回「山の日」記念全国大会について)、信州の伝統工芸品のご紹介(信州紬〈上田紬〉ワイシャツ、軽井沢彫)

長野県知事 阿部守一
 皆さん、こんにちは。今から会見を始めます。(※手話で表現)
 大変スタートが遅くなりましたことをまずはお詫び申し上げたいと思います。
 私の方からは、本日の部局長会議で報告等がなされた点について5点と、それからもう一つは信州の伝統工芸品関係で2点冒頭お話ししたいと思います。
 まず先般の県議会で、「子どもを性被害から守るための条例」が制定されました。その中にも被害者支援ということがうたわれているわけでありますけれども、今回それとも関連して、長野県として「性暴力被害者支援センター」を開設する日時、内容が確定致しましたのでお知らせ致したいと思います。お手元に資料をお配りしているかと思いますけれども、愛称「りんどうハートながの」という形にさせていただいております。県民の皆さま方に親しみやすい名前ということでリンドウは県花でもございますし、またリンドウの花言葉には「悲しんでいるあなたを愛する」という花言葉もございます。そうした思いも込めて、「りんどうハートながの」という通称にしていきたいと思っています。これを7月27日、今週の水曜日、午前8時半に開設致します。ぜひ多くの皆さま方にお伝えをいただければと思っております。この「りんどうハートながの」でありますけれども、まず24時間ホットラインで電話での相談に対応してまいります。保健師あるいは看護師など一定の資格を有する方、経験を有する方、こうした方々が専門の研修を受けて支援員として相談対応を行ってまいります。また今回の支援センター、条例は「子どもを性被害から守るための条例」という形にして子どもを対象にしておりますけれども、今回の「性暴力被害者支援センター」は大人、子どもを問いません。大人の方であっても性暴力、性被害を受けた方はぜひご相談していただければと思いますし、また性被害というと女性が被害者という形の印象が強いですけれども、場合によっては男性も被害者になり得るという状況でございますので、大人も子どもも性別を問わずどなたでもという形で相談対応を行ってまいります。また、警察に届け出をしていない方でももちろん結構でございますし、また、本人だけではなくて、ご家族、友人、関係の皆さま方から、こういうことで困っているということにも対応していきたいと思っております。特に今回は県内の四つの医療機関と提携させていただきます。24時間いつでも医療面での対応も行えるようにしてまいります。例えば緊急避妊が必要な場合等もあろうかと思いますし、また、性被害を受けてしまった後の、例えば性感染症の検査など医療的な対応もしっかりと行ってまいります。また、心のケアを受けるためのカウンセリング、あるいは弁護士への相談、ご希望に応じてさまざまな支援も行ってまいります。特に長野県は広い県土でございますので、県内各地に現地支援員の方々を配置してまいります。県内どこからでもぜひご相談いただければと思いますし、こうした性暴力、性被害というのは二次被害ということで、一度相談したことをまたあっちの機関、こっちの人たちに、繰り返し同じことを、本人にとっては心の傷が大きくなるようなことを繰り返し話さなければいけないような事態が生じることもありますけれども、今回、この相談センターでは支援員がしっかりと寄り添って対応するということによって、何度も被害を受けた方が同じ説明を繰り返さなくても済むように対応していきたいと思っております。性暴力、性被害を受けた皆さま方にしっかりと寄り添って最善の支援をしていきたいと思っております。性暴力については、もちろん被害を受けた直後の相談も受け付けてまいるわけでありますけれども、ずっと長い間、悩みを抱えていらっしゃる方々も存在しているのではないかと思いますので、そういった方々も含めてしっかりと寄り添っていきたいと思っています。
 それから2点目でありますけれども、「子どもの居場所づくり」であります。これは長野県として子どもの支援、今までもさまざまな取り組みを進めてきているわけでありますけれども、今年から「子どもの居場所づくり」ということで、学習支援、食事提供あるいは悩み事の相談、こうしたものを複合的に行う居場所づくりを、まず県としてモデル的に行っていこうということで、今回松本市、それから飯田市において2カ所開設してまいります。部局長会議に出られた方は聞かれていると思いますが、私からはしっかりしたネーミングを付けて、県民の皆さま方に伝わるように、親しまれる居場所になるようにしてほしいということを県民文化部に伝えてありますので、至急検討してしっかりとした名前を付けていきたいと思っております。開設の会場、日時は記載のとおりでございます。この事業においてはフードバンクとも連携をして取り組みを行ってまいります。フードバンク信州の皆さんと一緒になって取り組みを進めていきますし、6月の補正予算では「官民協働による居場所づくり応援プラットフォーム構築事業」を予算計上しました。単に2カ所で終わるということではなくて、こうしたモデルをしっかり軌道に乗せることによって県内さまざまな地域で「子どもの居場所」が広がっていくように、すでに自主的に取り組まれている皆さんも多いわけでありますので、そうした皆さんとも十分連携し、またノウハウを共有しながら取り組みを進めていきたいと思っております。
 それから3番目でありますけれども、これもネーミングをもうちょっと工夫しろと私から指示していますけれども、プレスリリース資料だとやることが羅列しているので分かりづらいと思いますが、端的に言って夏休みに信州のミュージアムに子どもたちが親しんでもらう企画と申し上げればいいのではないかと思っています。ちゃんとした名前はまた別途お知らせしていきたいと思います。長野県は美術館、博物館の数が日本で最も多いと、これは長野県の強みでもあり特色だと思っております。しかしながら、これまでなかなか美術館、博物館の連携が十分取られてこなかった。諏訪湖アートリングみたいに、もちろん自主的に取り組まれていることはさまざまあるわけでありますけれども、しかしながら県全体で方向性を共有して取り組んでいこうというようなことが、今までやや手薄だった。これだけの素晴らしい美術館、博物館を有しながら、これは、私としては県の怠慢だと思っています。そういう中で、今回の信州ミュージアム・ネットワーク事業という中で、特に今回、夏休みのお子さん、子どもたちを対象にして具体的な連携事業を行ってまいります。まず7月23日から8月31日の間、県内の106の美術館、博物館にご協力いただいて中学校3年生まで、当該年度末まで15歳以下の子どもたちについては入場無料ということに致しております。それから子どもたちと、もちろん保護者の皆さまも一緒に回られることが多いと思いますけれども、一緒になって長野県の美術館、博物館に親しんでもらおうということで、ミュージアム・スタンプラリーを行います。これは「信州 山の日」、あるいは今年は国民の祝日「山の日」が制定されますので、参加館を訪れていただいて、山をテーマにしたクイズにお答えいただいてスタンプをゲットしてもらうという企画でございます。3個スタンプを集めていただくと、参加館の入館無料チケットを漏れなくプレゼント、それから抽選で信州の特産品がもらえるという企画でございます。さらに子どもたちにはせっかくこれだけ数が多い長野県の美術館、博物館にもっと関心を持ってもらいたい、親しんでもらいたいということで、絵日記・作文コンクール、そしてフォトコンテストも行ってまいります。なかなかこれだけ多くの美術館、博物館を有しているわけですけれども、県民の皆さま方、特に子どもたちに対するアピール度、まだまだ十分ではないと思っておりますので、今年の夏はぜひ子どもを中心に長野県の美術館、博物館を大いに回って楽しんでいただきたいと思っております。
 それから四つ目でありますが、四つ目というか今のとのセットで芸術監督団の関係でございます。先般、4名の方を芸術監督団にお願いをさせていただいたわけであります。串田和美氏、小林研一郎氏、津村卓氏、本江邦夫氏。それぞれ舞台、音楽、プロデュース、美術それぞれの分野で活躍をされている皆さま方でありますが、この芸術監督団の皆さま方にはそれぞれ県内でいろいろな取り組みをしていただくと同時に、長野県の文化芸術をさらに盛り上げていただく、あるいは進化をさせていただくために協力して取り組んでいただきたいと思っています。そういう観点で、お手元のプレスリリース資料は時系列で並んでしまっているかと思いますけれども、8月27日に芸術監督団が集まって、一堂に会してのスターティングイベントを上田市のサントミューゼで開催致します。ここの場においては芸術監督団の皆さん全員にご出席いただき、まず長野県の文化芸術の未来について県内の文化施設関係者、あるいは若手アーティスト、さらには学生の皆さん、こうした方々と語り合っていただきます。その上で、芸術監督団として今後どのような取り組みを進めていくかということについて、この場で県民の皆さま方に発表していただこうと考えております。これからの取り組みがこのサントミューゼからスタートしますので、ぜひ皆さま方には注目していただきたいと思います。そして、それと併せまして、これも先ほどの美術館、博物館と同じでありますけれども、県内の文化芸術のいろいろな取り組みもこれから広域で連携協力、ネットワーク化を図っていかなければいけないと思っております。その第1弾と致しまして、今回、串田和美氏の新作公演、これを津村卓氏のプロデュースによりまして、サントミューゼに特設の野外劇場を設けて公演をする予定にしております。これが8月27日それから28日、両日でございます。これはサントミューゼとまつもと市民芸術館との極めて強力なタッグで実現する催しでありますし、芸術監督団の皆さま方同士の企画での連携ということで、その第1弾でございます。今後こうした文化芸術活動の地域間連携ということもどんどん広めていきたいと思っております。また各芸術監督の皆さんにもそれぞれ取り組んでいただくわけでありますが、まず音楽の分野では小林研一郎さんに、「蓼科高原みずなら音楽祭」におきまして、ここでまず県の若手演奏家への指導等も行っていただきますし、また、中南信の高校生との共演、あるいは障がい者をお招きしたコンサート等を行ってまいります。今、芸術監督団の皆さま方からはさまざま具体的なご提案を頂いておりますので、文化振興事業団ともしっかり連携をしながら、近藤理事長のご意見も十分お伺いをしながら、これまでの文化芸術に対する長野県の取り組みとはレベルの違う確固とした施策、取り組みを着実に進めていきたいと思っております。
 それから大きな4点目、今のを別扱いにすると5点目になるんですかね。「山の日」についてであります。記念すべき「山の日」記念全国大会まであと17日という形になりました。現在、松本市が設置をした山の日記念大会推進室が中心になって鋭意準備を進めているところでございますが、大会の概要がほぼ決まってまいりました。まず、10日の松本城公園におけるオープニングセレモニーを皮切りとして、11日までの2日間、山に関連した多彩な行事を開催してまいります。大会期間、行事概要等、記載のとおりでございますけれども、今回の式典は上高地会場とまつもと市民芸術館の2会場で開催をする予定になっております。ぜひ大勢の皆さま方の記憶に残るような素晴らしい、山をメインテーマとした式典にしていきたいと思っております。また後で申し上げますけれども、当日はケーブルテレビによります4K画像、高精細映像によりまして、ケーブルテレビで全国に生中継していきたいと考えております。ケーブルテレビによる4K生中継というのは全国で初めてと伺っております。また「山の日」記念国際フォーラムにおきましては、山岳ユニバーサルツーリズムということをテーマと致しまして、各国大使館、関係者の皆さま方に集まっていただいて国際フォーラムを行っていきたいと思っております。長野県でも、先ほども手話でごあいさつさせていただきましたけれども、どんな方でも、障がいがある方もない方も、お年寄りも子どもたちも、あるいは外国人の皆さんも、すべての方たちが信州の山に親しんでいただけるようにユニバーサルツーリズムを広めていきたいと思っておりますが、今回の記念フォーラム、国際フォーラムでは、このユニバーサルツーリズムをテーマにして、各国の皆さま方と語り合っていきたいと思っております。また、当日ご参加いただける行事と致しましては、上高地と松本城公園におきます「信州四方山(よもやま)祭り」がございます。コンサート、トークイベント、あるいは協賛企業の皆さま方にいろいろな展示等を行っていただきます。長野県としては、先般の全国植樹祭に続いて今年2回目の行政が関わる大きな記念大会、行事でございますので、松本市をはじめ関係の皆さま方としっかり協力をして、いい大会にして成功させていきたいと思っております。皆さま方のご協力を心からお願いを申し上げます。
 それからもう1点、部局長会議に関連して、今申し上げましたが、県の4K映像による魅力発信についてでございます。県としては、このたび4Kモニターを銀座NAGANOと県庁本庁舎の1階に設置して、さまざまな情報発信、そして県の魅力のPRを行っていくことと致しました。4Kにつきましては次世代の映像技術でございます。これを生かして、長野県、特に自然の美しさ、景観の素晴らしさ、こうしたものはいくら文章とか口で説明しても全く伝わらないわけでありますので、これから映像コンテンツを県としても制作をして、しっかり国内外に長野県の素晴らしさを発信していきたいと思っております。ちなみに県の機関に4Kディスプレーを設置するのは全国で3番目と伺っておりますけれども、大きさとしては全国最大ということで98インチでございます。県庁のディスプレーについては8月8日午後2時45分からお披露目を行いますし、私も参加をさせていただく予定にしております。また、日本ケーブルテレビ連盟の信越支部長野県協議会に委託をして長野県の自然や地域資源を題材としたコンテンツの制作中でございます。「NAGANO綺麗(きれい)」と題して制作中でございます。これも8月以降放映していくように予定をしているところでございます。また先ほど申し上げましたように、8月11日の「山の日」記念式典記念行事等については生中継が予定されておりますので、今回県が設置するディスプレーでもパブリックビューイングを実施してまいります。長野県、これまでもCATVがかなり進んだ地域でございますけれども、県行政としてもこうした情報インフラを積極的に活用し、そして進んだ技術も前向きに取り入れながら、長野県のPR、そして情報の発信に生かしていきたいと思っております。今申し上げたのが部局長会議の関連でございます。お話しすることが長くて申し訳ないです。
 あと大きな項目として伝統工芸品関係について2点お話し申し上げたいと思います。まず伝統工芸品の振興を県としても積極的に取り組んでいるところでありますけれども、今回、まず1点目としましては信州紬を利用したワイシャツでございます。今私も着用させていただいておりますし、こちらにも展示をさせていただいておりますけれども、信州紬につきましては4月22日の会見におきましても、上田紬赤備えタペストリー、それから伊那紬の着尺をご紹介させていただき、知事室に展示させていただいてきたわけでありますけれども、今回は佐久市にございます高山CHOYA(こうやまちょーや)ソーイング株式会社信州工場におきまして、信州紬を利用したワイシャツを開発していただきました。今日は工場長の大平裕介さんにお越しいただいておりますので、まずは大平さんの方から商品についてご説明いただければと思いますので、よろしくお願いします。

高山CHOYAソーイング 信州工場長 大平裕介 氏
 本日は信州紬を使ったシャツを取り上げていただいて本当にありがとうございます。開発までの経緯を私の方から簡単にご説明させていただきます。事前に皆さんの方に資料をお配りさせていただいていると思うんですけれども、そちらの方に付け加えさせていただく形でご説明させていただきます。開発のスタートはもうだいぶ前からで2012年の後半からスタートしております。これも最初は紬をということではなくて、生産工場というのはどうしても受け身というか、外から仕事をもらって生産をしていくという形がございまして、今後のことを考えると、やっぱり何とか工場の方から発信する、そういったものができないかということをいつも考えておりました。そんな中、いろいろな方とお話しする機会がありまして、そういった中で、今やっぱり日本の伝統や文化の素晴らしさ、こういったものを見詰め直して、それをどうやって引き継いでいくか、つないでいくかという気持ちがやっぱり非常に強くなったという方が増えておりました。私もやっぱり伝統商品として何とかできないかということで、いろいろ県内、県外も探しました。そうしましたら、隣の上田市に上田紬という本当に素晴らしい、古くから伝統のある紬が、もうちゃんと工房も持っていて現在も生産しているというのが見つかりまして、見つかったというと失礼ですけれども、私の方でちょうど探しまして、実際に工房さんにもお邪魔していろいろとお話を伺いました。そうしましたら、やはり紬というのは皆さんのイメージもそうだと思うんですけれども、どちらかというと着物ですとか高い、高級品という形で、確かに紬の生地自体も非常に高いものです。やっぱり安い物でも1メートル当たり5,000円、高い物ですともう万を超えるという形でいくと、なかなか上田紬を使ってどのようなシャツを開発していけばいいのかということには非常に苦労したんですけれども、やっぱりぜひこの伝統的な織物、素材を使用していきたいと。そのときにちょうど今こういう時期、夏のクールビズっていうスタイルは、節電ということが大きく日本全国でなっていましたので、これをちょっと利用してワイシャツとそれをコラボさせて何とかできないかということで、ここに商品を飾らせていただいておりますけれども、ちょっと多めに紬を使うというのは非常になかなか、ちょっと難しいんですけれども、襟の一部分であるとかポケットの周りであるとか、カフスの周りであるとかということで、今、知事に着ていただいているのは半袖の縁の周りに付けさせていただいているんですけれども、そこそこインパクトがあってファッション性があって、紬もちゃんと使えるというシャツをこのたび開発することができました。また、これによって伝統ある上田紬がより皆さん身近に、気軽に受け付けていただけるようなシャツを開発することができました。また、長野県で長くやっているこの信州工場として、地域の活性化のためにも地元の商品を使って全国に発信をできればというつもりで今まで開発してまいりました。今回こういう機会を頂きましたので、何とかこれから大きく販路を広げていきたいと思います。今のところ、ちょっとなかなかどこでというような形のところまでいってないのでうちの工場で生産という形になるんですけれども、ゆくゆくはこれを機会にいろいろなところで、長野県内で販売していきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

長野県知事 阿部守一
 高山CHOYAソーイングの皆さん、そして大平工場長、皆さんのご努力で大変素晴らしい製品作っていただけてありがたいなと思っています。長野県も地消地産を推進しようということで取り組んでいるわけでありますけれども、エネルギーあるいは食料の地消地産は非常にとっかかりが多かったんですけれども。衣食住の「住」も県産材の利用があるので、衣・食・住・エネルギー、こうしたことを考えたとき、衣料の「衣」のところが非常に課題だなと思っておりましたところ、こうしたいい製品、商品を作っていただけたということで今回ご紹介をさせていただきました。ぜひ多くの皆さんにご愛用いただけることを期待しております。
 それから伝統工芸品に関連してもう1点でございますが、軽井沢彫、こちらに素晴らしい作品を持ってきていただいておりますけれども、ご紹介致しますのは軽井沢彫の「楕円手付き盆」と「軽井沢彫ドレッサー」でございます。ご承知の通り軽井沢彫は昭和58年に長野県知事指定ということで伝統的工芸品の指定をしております。明治初期から避暑地として発展してきた軽井沢におきまして、外国人の別荘用の家具として制作されたのが始まりだと伺っております。代表的な彫刻柄の桜、これは日本をイメージする代表的な花ということで、外国人の方に好まれ、その伝統が現在も軽井沢彫家具組合の職人の皆さま方によって継承されているところでございます。本日は軽井沢彫家具組合 組合長 堀川正久さんにお越しいただいておりますので、堀川さんの方から作品等についてぜひご紹介いただければと思います。よろしくお願い致します。

軽井沢彫家具組合 組合長 堀川正久 氏
 今、知事の方からもご紹介いただきましたけれども、軽井沢彫はやっぱり軽井沢の歴史、避暑地としての歴史とともにでき上がってきたというか、需要とともに発展してきたものでして、当時、最初宣教師の方たちとか外国の外交官の方とか、軽井沢に別荘を建てまして、その別荘を建てたことによって、そこに当時はテーブルと椅子、洋家具が必要となりまして、そういった家具を作るようになりました。その中でその当時、日本の彫刻というものをそこに入れたらいいのではないかということで、そういった需要が増えまして、その当時いろいろな柄、松竹梅ですとか日本の象徴的な柄も彫刻をしていたんですけれども、中でも桜というものはやっぱり日本の象徴ということで海外の方にとても受け入れられまして、今も伝統で桜を彫るようなものになっております。歴史的には始まって120年近くなっておりまして、職人の数も今は組合としては4店舗ですけれども、携わっている家具職人ですとか彫刻職人ですとか、あと販売する人たちというかあと大体50名ぐらいの人たちが携わってやっております。今、後継問題とか伝統工芸なんかはとても問題になっておりますけれども、軽井沢彫は、そういった点ではとても恵まれておりまして、結構全国からこういったものをやりたい、伝統的なものをやりたいということで応募があったりしまして、どこの工房でも、長野県内の方も当然いらっしゃるんですけれども、もうちょっと離れた所からも、関西とか九州とかそういった所から来てやっている方もいます。今はこういった感じで、ちょっと前までは3点セット、婚礼家具みたいなものなんかをすごく自分の父の時代なんかは必要とされて納品しておりましたけれども、今は生活習慣が変わってきまして、そういった収納的なものもそうですけれども、テーブルですとか椅子ですとか、そういったものに戻ってきまして、ダイニングセットですとかソファーセットですとか、そもともとがオーダー家具ですので、その場所にあった寸法ですとかデザインですとか、そういったものを作ったりしています。また今、このところ最近はお仏壇というか、ちょっとしたマンションとかに置ける、あんまり大きなものではなくて小さなお仏壇を作るようなことがすごく増えてきまして、そういった注文も多く入っております。だいたい木地を作ってから彫刻して仕上げたりするものなので、時間がやっぱりかかりまして、どの工房でも3カ月から6カ月とか、混んでいたりすると1年ぐらい納期がかかったりする場合もあります。軽井沢は避暑地として恵まれていますので、全国から皆さんに来ていただているので、長野県内にとどまらず全国いろいろなところに、今のところは発送したりしております。なので、こういった機会に知事室の方に置いていただけると、いろいろな方が来て見ていただけると、また軽井沢彫の発展にもつながってくるのではないかということで期待しておりまして、またこれからもよろしくお願い致します。

長野県知事 阿部守一
 堀川組合長、ありがとうございました。ということで、知事室に置かせていただいて発信していきたいと思いますけれども、先週も木曽に移動知事室に行ってまいりましたけれども、木祖村でお六櫛を制作されている方とも懇談してきました。生産するとすぐ売れるというような状況で、確かに私も楽天市場とかインターネットで見ると、今、品切れですとなっています。だんだんいわゆる伝統的なものに対する関心というものも高まってきているのではないかと感じております。ただ一方で、後継者不足の問題をはじめとして、伝統的工芸品を取り巻く環境は決して易しいものではない部分もあります。県としてもしっかりと振興に取り組んでいきたいと思いますし、ぜひこれは、まずは多くの皆さま方に触れていただいて、そして実用的なものについては実際にご利用いただくということが大変重要だと思いますので、ぜひメディアの皆さま方には特にこうした伝統工芸品の素晴らしさ、あるいは作っていらっしゃる職人さんはじめ関係者の皆さま方の思いや努力、苦労、こうしたことを発信していただければありがたいなと思っております。私からの説明は以上にさせていただきます。よろしくお願い致します。

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 2 リニア伊那谷自治体会議について

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 先週、リニア伊那谷自治体会議の有識者部会が開かれましたが、知事は具体的な施策をする段階に来ているんだと仰っています。でも、そこにこぎつけるにはまだ時間がかかる印象だなと思っていまして、リニアバレー構想というのがありますけれども、大都市圏からですね、アクセスが良くなる伊那谷というものを、どんな場所として都会の方々に売り出して、何をキラーコンテンツとして、そういった方々をどうやって受け入れていくのか。まだまだという印象を持ったんですが、県が施策を行っていくそこまでの進め方、今後の進め方についてどういうふうに進めていくお考えかお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 今、お話がありましたように、先週、伊那谷自治体会議の有識者部会を開催して、リニアを活用した地域づくりというのは、これから最低でも11年後、そして、それから魅力ある地域を継続していく上では、やはり最低でも20年、30年。そうしたスパンを見渡したプランニングをしていかなければいけないと思っております。そういう意味で、いろいろな分野の有識者の皆さんからお知恵を頂きながら、そして地域の皆さんの思い、市町村はじめ関係者の皆さま方の考えとキャッチボールをしながら進めていくということが大事だと思っています。要は日本全体あるいは世界で急速な、例えば技術革新が行われていくであろうということの反面、地域の皆さんの考え方、思いがあるわけで、そこはやっぱりしっかりと調和が取れたものにしていくということが重要だと思っています。そのために今回の有識者部会を作ったわけでありますけれども、今回もいろいろ具体的なご提案を頂いておりますので、そうしたものをまず県の事務局として少し整理をした上で、伊那谷自治体会議の場でさらに具体的な検討につなげていきたいと思います。その上で、これは前回から申し上げているように、関係者が取り組もうということで合意できたものについてはプロジェクトチームをしっかり作って、単なる構想を作ったり意見交換するということから歩を進めて、具体的な事業化に向けた取り組みにつなげていきたいと思っています。今、いろいろなご意見を頂いたところでありますので、これから具体的な形にできるだけ早め早めに対応していけるようにしていきたいと思っています。それからもう1点、前回、先週の会合で出た中で、今回われわれは伊那谷の振興、あるいはリニア中央新幹線の飯田駅を活用した長野県全体の振興という観点を中心に考えてきておりますけれども、複数の委員から他県との連携、特に中間駅を持っている岐阜であったり山梨との連携の重要性というご提案も頂きましたので、そうした観点もしっかり持って、関係県にはわれわれの側からも積極的な協働の検討の提案等もこれから行っていきたいと思っています。

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 3 リニア乗車の感想について

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 もう1点、リニア絡みで。22日に知事はひょっとするとL0系に初めて乗られたのではないかと思うんですが。今の実験車両なんですけれども。このご感想をお聞かせいただけますか。

長野県知事 阿部守一
 以前も副知事のときだと思いますけれど、今の実験線がもっと短いときには乗ったことがありますけれども。実験線が今42キロですか、長くなってからは初めて乗車させていただきましたけれども、速いよねということです。これは実験線ではありますけれど、42キロの間は1往復と少ししたわけですけれども、あっという間ですから、これはやはり今までの鉄道とは全く違う受け止めをしながら、地域振興につなげていく必要があるということを改めて確認させてもらいました。

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 4 子どもの居場所づくりについて

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 話題が変わりまして、“一場所多役”の「子どもの居場所」の関係で質問したいんですが、本当に困っている子どもはお家から出られなかったり、もっと言うと義務教育年齢にありながら学校が捕捉していないような子どもがほんの少数ではありますけれども、そういう子がいるというふうに私も聞いています。松本の並柳団地といいますと外国籍の子どもが多かったりしまして、いろんなケースがあると聞いています。まずこの場所に通えるかということも一つの問題としてあると思いますし、こういう場所ができたという情報から距離がある子ども。それはいろんな壁があると思います。言語の壁だったり学校の壁だったり、いろいろあると思います。こういう子を居場所とつなぐっていうことが課題になるんじゃないかなと思いますが、その点についてはどうお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 全くご指摘の通りだと思います。これは先ほど申し上げたように、県だけがこの取り組みを行っているのではなくて、すでに各地域で、例えば私が住んでいます小諸でも、私の家に、小諸でも子ども食堂をやっていますよというご案内を投函(とうかん)していただいたりしてますので、いろいろなところで子どもたちを支える動きが出てきます。これは大変いいことだと思っていますので、先ほど申し上げたように、これはまず県としてモデル的にこの2カ所で実施するわけでありますが、決してこの2カ所で終わるとか、ここの2カ所に子どもたちがみんな来てくださいねということではなくて、いい仕組み、いい事例をつくり、あるいはノウハウを蓄積して、それを県内に広く広めていくと、あるいはすでに取り組まれている皆さんとも共有していく、先ほど申し上げたとおりですけれども、こういうことを通じて重層的で広がりのある子どもの居場所づくりにつなげていきたいと思っています。

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 5 県内大学の看護学部設置について

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 また話題が変わりまして、先週ちょっとニュースになったんですが、長野市の清泉女学院大学と長野保健医療大学、この二つの大学がともに看護系学部の設置を目指しておりまして、4年生の1学年80人定員ということで需要の対象が重なっているという、このままでは共倒れの危険性もあるのかなと思いますが、この問題に対する県のスタンスをお考えを聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 それぞれの大学において、これからの大学の在り方ということで看護系の学部の設置についてご検討されているということは承知しています。だた、これはそれぞれまだ検討されている段階だと思いますので、今の段階で、報道等ではいろいろな課題とか問題点の指摘もされているようでありますけれども、私のところでどうこう具体的に話をする段階ではまだ今の時点ではないのかなと思っています。まず、それぞれの大学が関係者の皆さま方としっかりどういうお考えなのかということを今まとめられている段階ではないかと思っております。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 将来的な調整とか、県に対する相談というものがあった場合には、知事の方でもご対応を考えるというそういうお考えでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それはケースバイケースだと思います。長野県内でもいろいろな大学関係の動きがあります。もちろん県としては県立大学の設置の準備を進めているわけでありますけれども、大学の例えば公立化の動きとかいろいろあるわけでありますけれども、必ずしも県の関わり方が一律ではないわけでもありますし、私大学は私大学で大学の自治であったり主体性があるわけでありますので、それぞれの取り組みの方向性とか、あるいは各大学の考えとかあるいは地元の市町村のお考えとか、そういうものを踏まえて県としては対応していくということになるかと思います。

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 6 ジビエ「移動式解体処理車」について(1)

日本経済新聞 白岩ひおな 氏
 有害鳥獣対策について1点お伺いしたいんですけれども、今日の午後に移動式の解体車の発表もあるかと思うんですけれども、長野県内で駆除した有害鳥獣の多くが食肉ですとか、製品加工に回されずに廃棄されてしまうという現状があるかと思うんですけれども、こういった現状に対して、今後解体車の実験ですとか導入というのも期待される部分もあるかと思うんですけれども、これも含めて担い手の流通に関わる担い手の育成であるとか関連施設の整備であるとか、そういった今後の流通拡大に向けた課題をどのように認識されているかを伺えますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ジビエ振興は県としても、これは森の恵みを生かしていくという観点、それから非常に鳥獣被害が増えている中で、そうした被害の防止にも寄与するというような観点から、これまでも積極的に取り組もうということで解体施設の整備に対する支援とかハンター養成学校をつくって狩猟免許を取られる方を応援したりとか、いろいろな取り組みを進めてきています。今回、移動解体車については、やはり食に供する上では捕獲した後できるだけ適切かつ速やかに処理をすることが必要だということで、そこに課題があったわけですけれども、一つは大きな前進をすることにつながるのではないか、これから実証実験等を行っていくわけでありますけれども、課題の一つをクリアしていくことに大きく寄与するのではないかと期待をしているところでございます。これからもジビエの振興は、長野県としてしっかり取り組んでいきたいと思いますので、食肉としての利活用はこれまでも県内のスーパー等でも置いていただけるようにしていますし、また肉だけではなくて皮の利用とか全体を含めた利活用がさらに進むように取り組んでいきたいと思っています。

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 7 ジビエ「移動式解体処理車」について(2)

読売新聞 大木隆士 氏
 今の質問の関連でお聞きしたいんですが、移動解体車ですね、かなり高額のものになるというふうに聞いているんですけれども、実証実験しなければ分からないとは思うんですが、今後購入ですとか利用について、県が補助したりというようなことも検討することになるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今の時点では全くするともしないとも言う段階ではないです。まず県としては、移動解体車を許認可する側でもありますので、もちろんジビエ振興とういうことと、しっかりしたものを作ってもらうということで、そういう観点でこれまでも助言をしてきたわけであります。これからどういう形で展開するかということと関係者の皆さんのお考えを伺いながら、ジビエ振興に県としては積極的に取り組んでいきたいと思いますので、そういう中でこの解体車の位置付け、在り方というものは考えていきたいと思っています。

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 8 性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」について(1)

読売新聞 大木隆士 氏
 もう1点別件で、「りんどうハートながの」のことでお聞きしたいんですが、ワンストップの支援センターというのは、これまでも他の都道府県ではすでに設置の実績があると思うんですが、今回、長野で設置するに当たって、そうした事例について研究もされたと思うんですが、長野独自のこととか意識された点などありましたら教えていただけないでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げましたけれども、長野県は広い県土でありますので、1カ所だけで相談してそこでしか対応しないということですと、必ずしも十分な対応ができないだろうということで、現地の支援員という形で委嘱をさせていただきます。資料にも書いてありますようにチーフコーディネーター1名、そして電話相談員2名、現地支援員15名という体制でスタートさせていただきます。先ほど申し上げましたように、保健師さんとか看護師さんとか、そうした経歴がある方にお願いをしておりますので、なおかつ研修もしっかり受けてもらっておりますので、そういう意味で、すでに他の都道府県でも設置されてきてはおりますけれども、長野県としてはスタート時から他県の取り組みにも学びながら、しっかりと対応できるような準備をこれまでも進めてきておりますので、スタートの段階から責任を持って十分な対応ができるような体制になっていると思っております。

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 9 性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」について(2)

朝日新聞 井口恵理 氏
 同じ「りんどうハートながの」についてなんですけれども、先ほどお話もあったように、これまで性被害について人に話すことをためらっている人はたくさんいると思うんですが、知事からそういう被害者の方に向けて呼び掛けというのがあれば聞かせてください。

長野県知事 阿部守一
 性暴力による被害というのはなかなか人に話しづらいことが多いと思います。しかしながら、われわれ行政としても社会としても深刻な問題だと受け止めております。ぜひ一人で悩み続けることなく安心してご相談いただきたい。先ほど申し上げたように、専門の支援員がしっかりと寄り添ってサポートさせていただきますし、もちろんプライバシーについてはしっかりと守っていく。そういうことで、ご心配な方あるいは被害を受けて悩まれる方、あるいは被害を受けてしまった直後の方も含めて、ぜひ「りんどうハートながの」にご相談をいただければと思っております。できる限りの対応、さまざまな分野の専門から皆さんの力も結集して、しっかりとサポートしていきたいと思っています。

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 10 芸術監督団からの提案・企画による事業について

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 長野県の芸術監督団の関係でお伺いをしたいんですけれども、今日、リリースで発表された7、8月分の予定を拝見していると、すでに県内の音楽祭でも取り組まれているような内容であったりとか、あと松本と上田の連携についても今回のこの事業に限らず、すでに両者独自に先駆けてやっていたりもするものですから、屋上屋を架しているような感覚もしますし、芸術監督団の手掛けるものに支援をしているというふうにも映るんですけれども、改めて知事の方で芸術監督団を設けて、また県がやる意味、意義というのはどんなところを考えていらっしゃるのか改めて教えてください。

文化政策課長 中坪成海
 この事業につきましては、基本的に長野県の文化芸術の底上げを図るという目的の下で、県内さまざまな文化施設がございますけれども、そうしたところの連携ですとか、あるいはそこで努めていただいている人材の方、また芸術家という形でいらっしゃる方の。

長野県知事 阿部守一
 今の質問は、小林研一郎さんがやっている事業は今までと同じではないかとか、そういう話ですよね。

信濃毎日新聞 河原千春 氏
 そうではなくて、他の所でも結構やっている内容のものを改めて県が芸術監督団としてやる意味であったりですとか、結局、芸術監督団が手掛ける事業であるとかイベントを手厚くサポートしているような印象を受けるんですけれども、他にももちろん県内ではいろんな取り組みを独自に市町村を含めてやっているかと思うんですけれども、改めてこれをやる意味と意義と知事のお考えをお伺いしたいんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 もう少し具体的な話をまずしてもらった方がいいかな。今までの取り組みとの違いを担当課から説明させますけれども、私の思いは先ほど申し上げたように、長野県としての芸術文化への取り組みは、これまで必ずしも、しっかり十分に取り組めてきてなかったという問題意識の中で、まず文化振興事業団に近藤誠一理事長をお迎えし、そして文化振興基金をつくって、これまでとはレベルが違う形で文化振興に取り組みましょうと、近藤理事長は文化庁長官をされていらっしゃいますけれども、近藤さんご自身が、ご自分がアーティストで必ずしもないので、まずは文化振興事業団と県が連携して取り組んでいく上で、やはりそれぞれの分野の専門家の皆さま方の知見、思い、そうしたものを入れていくことが必要だろうということで芸術監督団を設けています。それと同時に単なるアドバイザーということではなくて、芸術監督団はそれぞれ皆さんご自身もプレーヤーになっていただいて、いろいろな県内の芸術文化活動をさらに深めていただきたい、さらに振興していただきたいと思っています。そういう中で、芸術監督団をお願いした小林研一郎さんであったり串田和美さんであったり、すでに県内で活躍されて実績もお持ちの方でありますけれども、ただ、活躍のフィールドっていうのは特定の地域ですよね、例えば串田さんであればもちろん全県的な視野もお持ちですけれども、今まではどちらかというとやはり松本中心ということでご活躍いただいているわけですけれども、これからはもう少し全県的な視野も共有をしていただいて、演劇の分野であれば串田さんにリードしていただく、あるいは音楽振興の分野であれば小林研一郎さんにリードしてもらうということで進めていきたいと思っています。今回打ち出している事業が、部局長会議でも私は指摘したんですけれども、この出し方はただの時系列で良くないということで、本当は修正させた方が良かったのかもしれないですけれども、今回お示ししている中で一番重要な部分は8月27日のスターティングシンポジウムのところであります。先ほど申し上げましたけれども、ここで芸術監督団の皆さんに長野県の文化芸術の未来について語っていただき、そこでこれからの長野県の文化芸術のビジョン、特に芸術監督団の皆さま方が進めていこうとされるビジョンを出してもらおうと思っておりますので、まずそこでお話を聞いていただいていろいろご意見を出していただければと思っています。芸術監督団の皆さんの独自の活動とそれから文化振興事業団あるいは長野県が連携して、県全体として取り組んでいく事業と両面あると思いますで、8月27日が実質的なスタートでありますので、今私がここで申し上げているのは、芸術監督団が具体的にこうするああするという中身にはまだなっていないので、ぜひそこで聞いて、内容についてご批評をいただければありがたいと思っております。

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 11 アプリ配信に対する受け止めについて

テレビ信州(TSB) 塩澤涼 氏
 先週の金曜日に「ポケモンGO」が配信されて、長野県は観光県でさまざまなところですでにプレーしている方をお見受けしたんですけれども、長野県内の夏休み、小中学生も入ってくると思うんですが、長野県として何か「ポケモンGO」に対して注意喚起ですとか、歩きスマホ、自転車乗りながらの問題、熱中症の問題あると思うんですが、何か今後予定ですとか考えていらっしゃいますでしょうか。また「ポケモンGO」に関して知事の今回のいろんな海外での騒動だとか事件事故相次いでいるという点の受け止めをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まず、いろいろな側面があると思います。先ほどリニアの話で申し上げたように、どんどんいろいろな技術が進化する中での一つの現象だろうと受け止めています。そうした技術革新が進んでいくときには、プラスの面とマイナスの面と両面あり得ると思いますので、マイナス面としては歩きながらスマートフォンをいじって、くれぐれも交通事故とかさまざまな事故につながらないようにしていかなければいけないと思いますし、もう片方では観光等での利用ということは検討する余地はあるのかなと思っています。ただ私は、関係の皆さんがどう考えるのかよく聞かなければいけないですけれども、私は長野県の強みはバーチャルな世界ではなくてリアルな世界だと思っています。リアル。子どもたちにも信州型自然保育、やまほいくで自然の中で楽しんでもらいたいと思っていますので、そういう意味では、私としてはやはり長野県はもっとリアルなもの、あるいは本物、そういうものを追求することを基本に観光振興や地域づくりは考えていくことが望ましいかなと思っています。

テレビ信州(TSB) 塩澤涼 氏
 知事は実際に「ポケモンGO」はされていますか。

長野県知事 阿部守一
 私は一遍試してみようと思ってダウンロードして、ポケモン4匹ですか、4匹ゲットしていますけれども、私自身はあまりポケモン世代ではなくて、私はどっちかというとウルトラマン世代でありますので、ポケモン世代の皆さんの受け止め方とか、もうちょっと聞いてみたいと思いますし、私個人的には、バーチャルな世界ではなくて、今もセミの声がいっぱい聞こえていますけれども、長野県は山に行けばカブトムシやセミもいっぱいいるし、川に行けばサワガニや魚もいるし、そういうリアルな生物がいっぱいいるわけですから、やはり子どもたちにはバーチャルな世界だけではなくて、リアルな世界にももっと目を向けてもらえるように取り組んでいくことが、われわれ大人の世代としては必要なのかと思っています。

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 12 性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」について(3)

信濃毎日新聞 河田大輔 氏
 りんどうハートについてなんですが、医療的な措置、この後詳しい話があると思いますが、医療的な措置とかに関わる経費というものの県の公的な支援について、あとその範囲についてどういう考えでそう定めているのかということも含めて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 公費で一定のものについては負担をしていこうと思っておりますけれども、私どもの今の考え方としては、まず緊急避妊あるいは妊娠検査、性感染症検査、それから人工妊娠中絶の費用、こうしたものを公費で負担していくことを考えております。また、臨床心理士等よるカウンセリングであったり、あるいは弁護士の皆さんによる法律相談についても、一定のものについては公費負担をしたいと思っております。

信濃毎日新聞 河田大輔 氏
 これはその他県の事例等を踏まえて、そういった範囲のものは支援するというふうに。

人権・男女共同参画課長 宮村泰之
 支援の内容につきましては、望まない妊娠、出産を回避するということを基本的な考え方とする中で、他県の状況ですとか県警におきます支援ですとか、そういったものを参考に決めさせていただいたというものでございます。

信濃毎日新聞 河田大輔 氏
 相談する方にとっては、そういった安心感というか、補助も大事なことだと思うんですが、検討の過程では県の直営じゃなくて民間委託へという案も、検討中ではセンターについて、そういう話もあったんですが、今言ったようなその補助の中身ですとか、県直営という形、これはある意味その恒久的なものとして、ずっと続けていくと現段階でお考えなんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 もちろん改善すべき点があれば改善はしていきたいと思いますけれども、われわれとすれば、これは県として、先ほど申し上げましたけれども、条例も作りました。性暴力に対する被害者支援についても県としては責任を持って取り組んでいきたい。ただ、これは決して行政の職員だけでやるわけではなくて、先ほど申し上げたような、コーディネーターとか支援員の皆さま方、あるいはそれぞれの分野の専門家の皆さま方にご協力いただき、さらには医療機関とも連携してしっかりした総合的な体制で被害者の応援支援を行っていきたいと思っています。

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 13 山の日について

信濃毎日新聞 河田大輔 氏
 もう1点だけ、山の日についてなんですが、かねて言われているんですが、初年度は「信州 山の日」と祝日の「山の日」といろんなイベントがあって、恐らく盛り上がりはすると思うんですが、それ以降、二つある山の日というのが一般の人にとって分かりにくい面もあったり、それぞれどういった性格なのかというすみ分けとか相乗効果っていう言葉よく言われるんですが、具体的にそのニつの山の日をどう連携させていくのかっていうちょっと観念的な質問なんですがそのビジョンのようなものを。

長野県知事 阿部守一
 私も一時期そういうふうに考えたこともありましたけれども、現時点で併存させていこうと思っています。それはやはり何よりも私もいろいろなところで最近山の日の話をすることが多いですけれども、やっぱり信州といえば山、山といえば信州ということで、私たちの暮らしとか産業とか、あるいは教育とか、すべての分野において山と密接な中で暮らしているという長野県において、これは国民の祝日として日本全体で祝うということも大事ですけれども、やはり長野県としても「信州 山の日」という形で信州の山に感謝をして、そして守り、育み、活かしていく、こうしたことを県民全体でしっかりとした取り組みとして後世にもつないでいきたいと思っています。特に私ども「信州 山の日」には、山の日という7月の第4日曜日の1日だけではなくて、山の月間ということで、7月15日から8月14日まで、1カ月間を「信州 山の月間」ということで、いろいろなイベントとか取り組みをこれまでも行ってきています。今回の国民の祝日の「山の日」は、その中に収まっていますので、この1カ月間全体で長野県の山に関するいろいろな取り組みを進めるとともにさまざまな行事やイベントを市町村あるいは関係の皆さんと一緒になって、これからも企画をして盛り上げていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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