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更新日:2016年3月25日

知事会見(平成28年(2016年)3月25日(金曜日)11時16分~12時26分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質問

  1. 大北森林組合補助金不適正受給について(1)
  2. 子どもを性被害から守るための取り組みについて(1)
  3. 県立武道館の建設について
  4. 油井宇宙飛行士の活躍について
  5. 大北森林組合補助金不適正受給について(2)
  6. 子どもを性被害から守るための取り組みについて(2)
  7. 大北森林組合補助金不適正受給について(3)
  8. 女性職員の活躍に関する職員アンケート調査結果について
  9. 火山防災対策について
  10. 大北森林組合補助金不適正受給について(4)

本文

知事からの説明

 部局長会議事項、ごみ排出量が日本一少ない長野県、大北森林組合補助金返還履行期限の延長処分等、「子どもを性被害から守るための条例(仮称)骨子案」に係るパブコメ及び県民との意見交換の実施について

長野県知事 阿部守一
 それでは3月25日の会見を始めさせていただきます。部局長会議が長引いたので少し開始が遅れましたことをお詫び申し上げたいと思います。
 私の方からは、まず部局長会議の概要についてお話をさせていただきます。その後、部局長会議案件以外では3点お話を申し上げたいと思います。
 まず本日は、今年度最後の部局長会議ということで大変案件が多い会議でございました。私の方からいくつか少しコメントさせていただきますが、会議に入られた方もいらっしゃると思いますので、その部分は重複致しますけれども、まず長野県の強靱(きょうじん)化計画、これについては一昨年の長野県のさまざまな災害の教訓をしっかり生かして、本当に災害に強い長野県をつくっていかなければいけない、そういう決意の下、この計画を取りまとめさせていただきました。人命の保護をはじめとして七つの基本目標を掲げているところでありますけれども、今後、強靭化計画が国土強靱化の観点から、あるいは県の強靭化の観点から、長野県におけるさまざまな分野の指針となるものであります。そういう観点で危機管理部のみならず、関係部局もしっかり念頭に置いて取り組んでいきたいと思っております。特に今回、強靭化の中身自体が非常に広範にわたります。他方で、今回の計画は2年間の計画でありますので、やはり重点目標を定めて取り組もうということで三つの項目を重点項目として設定致しました。一つが「絆」で生命を守る地域防災力の充実、それから地震から生命を守る建物の耐震化、そして土砂災害から生命を守る対策、この三つの重点項目に各部局挙げて全力で取り組んでいきたいと考えています。それから、次に信州創生戦略であります。昨年10月の段階で人口定着・確かな暮らし実現総合戦略を取りまとめたわけでありますけれども、その後、地域戦略会議でさまざまな検討を行って出てきた取り組みの方向性も踏まえて、今回改定をさせていただいたところでございますし、また戦略策定後に県として具体化をさせてきた取り組み、例えばひとり親家庭の子どもたちに対する居場所づくりをはじめとして、その後、追加修正すべきものを盛り込むと同時にKPIの一部を変更させていただいたところでございます。オール信州で信州創生を取り組んでいこうということで当初から申し上げてきておりますので、信州創生戦略についても、県全体挙げて取り組むことはもとより、関係団体、関係機関の皆さま方ともしっかり問題意識を共有して成果が上がるように取り組んでまいります。それから女性職員の活躍推進計画でございます。これについては日本全体の課題であると同時に、長野県としても大変重要なテーマだと考えております。片方でコンプライアンスの推進、しごと改革を進めていかなければいけないわけでありますので、私、各部局長をはじめ管理職がしっかりとこの女性職員の活躍ということも念頭に置いて、ここに掲げている目標がしっかりと具体化されるように取り組んでまいりたいと思っています。それから子どもの貧困対策推進計画、新年度予算の柱の一つとしても掲げているわけでありますけれども、特に教育の問題であったり、居場所の問題であったり、経済的な格差によって子どもたちの夢や希望が絶たれることがないような社会づくりに向けて県全体で取り組んでまいりたいと考えています。それから廃棄物の話は飛ばしまして、科学技術振興指針、部局長会議で申し上げましたように、私としては先進的な科学技術を長野県の産業振興に結び付けていくと、それから進んだ技術を県民生活の質の向上に役立てていく、こういう視点で科学技術振興指針を生かした取り組みを進めていきたいと考えています。あと耐震改修の促進、県の主要な公共施設の耐震化はほぼ完了でありますけれども、さらに県の公共施設が大規模地震の発生後も機能が継続されるように取り組むと同時に、住宅の耐震化、あるいは子どもたちの施設の耐震化、あるいは旅館・ホテルの耐震化、こうしたものが総体として進むように関係部局の力を合わせて取り組んでいきたいと考えております。あとは報告事項でございますので省略をさせていただきたいと思います。それから本日は部局長会議の案件以外で3点お話を申し上げたいと思います。
 まず、部局長会議でも報告がありましたけれども、本県のごみ排出量の1人当たりの数値で日本一少ないということになりましたのでご報告を申し上げます。プレスリリース資料をご覧いただければと思います。平成26年度の一般廃棄物の排出量等に関する調査結果がこのほど確定致しました。本県の県民1人1日当たりのごみ排出量は838グラムということで、前年度比9グラム減少させております。この数字は、正式には本日の午後、環境省から発表される予定でございますけれども、環境省への聞き取りによりますと長野県の1人1日当たり排出量が全国で最も少ない、第1位だと伺っております。これは市町村、一般廃棄物の責任行政主体でありますけれども、市町村のさまざまな取り組み、あるいは県民のごみ減量意識の浸透、そして県職員からもごみ減量をしっかり取り組もうという提案が政策提案で出される中で、県としても、例えば食べ残しを減らそう県民運動であったり、あるいはチャレンジ800減量推進事業であったり、こうしたことに精力的に取り組んできた結果だと考えております。本日の部局長会議で廃棄物処理計画の第四期、次年度からの計画を決定したわけであります。特にリデュース、リユース、こうしたことをしっかり意識した取り組みによりまして県民総参加で廃棄物のさらなる減量化に取り組んでまいります。引き続き日本一を維持して、さらなるごみの減量化が図れるように県民、そして市町村の皆さま方と一緒になって取り組みを進めてまいります。
 それから、大北森林組合の補助金の不適正受給についての県の新たな対応についてご説明を申し上げたいと思います。大北森林組合の補助金不適正受給事案の対応につきましては、昨年末の記者会見でもご説明致しました通り、事案に関わった県職員に対して厳正な懲戒処分等を行うとともに、組合等に対しての補助金返還請求、損害賠償請求、こうしたことによりまして可能な限り公費の損失の回復を図るという方針で取り組んでおります。こうした中で組合に対する補助金返還請求につきましては、2月16日、第4回請求を行った段階で一応終了ということで、今後は返還をしていただくということが課題でございます。現在、組合におきましては今後の事業経営計画、そして補助金返還計画を策定中でございますが、私ども長野県としては組合が管理費の削減等徹底した改革を行い、その上でそうした内容を返還計画に的確に反映させるよう求めているところでございます。また、返還請求できなかった案件については、組合あるいは組合役員、関係した県職員に対する損害賠償請求も検討していくことにしております。こうした事案の対応に関連して2件処分を行いましたので、お手元のプレスリリース資料をご覧いただければと思います。まず1点目でございます。大北森林組合の補助金返還債務に係る履行期限の延長処分でございます。大北森林組合から3月23日に補助金返還債務に係る履行期限の延長申請がございました。本日、この履行期限を延長する処分を行ったところでございます。これは組合が無資力に近い状態と認められ、返還請求している補助金を直ちに一括返還することが困難である中で、計画的に補助金を返還させるため地方自治法施行令、そして県の財務規則の規定に基づき行ったものでございます。延長の期間については組合が平成27年度決算書や補助金返還計画等を作成され、そして県がこうした内容を精査するための期間として、当面7月29日までということに致しております。なお組合からの履行期限の延長申請と併せまして、組合から長野県への返還を請求しているもののうち1,000万円を返還する旨の申し出があり、本日納入されたところでございます。それから、もう1件の処分でございますが、元県職員に支給致しました退職手当の一部返納命令処分についてでございます。この元職員につきましては在職期間中に懲戒免職処分を受けることに相当する行為を行った疑いがあるため、退職手当の返納を命ずる処分を検討してきたところでございます。昨日、この元職員に対しまして、平成23年4月に支給致しました退職手当のうち約950万円について返納を命ずる処分を行ったところでございます。この処分を行うに当たりましては条例の規定によりまして、県人事委員会の意見を聴取した上で妥当であると思量する旨の回答を頂いた上で処分を行ったところでございます。
 それから最後3点目でございますが、子どもを性被害から守るための取り組みについてでございます。子どもを性被害から守るための条例骨子案について、県民との意見交換を行ってまいります。これにつきましては先の県議会でさまざまご議論いただいたわけであります。こうしたことを踏まえまして、まず骨子案につきましては県民運動を定義するなど必要な見直しを行うことと致しました。その上で本日から4月25日月曜日までの1カ月間、パブリックコメントを募集することと致しました。また、このパブリックコメントの募集に際しましては、県議会でのご意見もまとめさせていただく中で、これまでの青少年健全育成に関する長野県の取り組みも付記させていただき、そして今回の子どもを性被害から守るための取り組みについてのこれまでの検討経過も併せてお示ししてご意見を頂こうということでございますし、また威迫等による性行為等の禁止における処罰関係規定に関する考え方を中心として、より丁寧なご説明をした上で条例骨子案と共に提示をして県民からのご意見を頂こうというものでございます。また、私ども県としての考え方をより丁寧にご説明するという観点から、県政タウンミーティングを県内2カ所で行うということに致しました。1回目は4月9日土曜日の午後1時半から県庁講堂におきまして、そして2回目は翌4月10日の日曜日午前10時から伊那合同庁舎の講堂におきまして開催する予定でございます。条例骨子案をお示しして私ども県の考え方を十分ご説明をさせていただき、県民の皆さま方とこの問題についてしっかり対話をしていきたいと思っています。ぜひ大勢の皆さま方にご参画をいただきたいと思っております。私の方からは以上でございます。

取材者からの質問

 1 大北森林組合補助金不適正受給について(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 最初に、大北森林組合の関係で職員の方に対する退職金の一部返納命令についてお伺いしたいんですが、一つは、懲戒処分相当だとすれば退職金全額だと思うんですが、今950万という数字は全体から見た場合、どのくらいの数字になるかというのと、理由の一番下のところに「生計の状況を勘案した」というのがあるんですが、普通懲戒処分相当の場合はご自身の生活ぶりというのはあまり考慮されないかと思うんですが、その2点について教えてください。

人事課長 土屋智則
 退職手当について、懲戒免職になった場合にイコール全額返納であるという取り扱いでは現在ございません。国家公務員の退職手当もそうでございますが、県の退職手当条例で懲戒免職になった場合でも一部の支給制限というものもございますし、返納の場合も一部返納ということがございます。生計の状況の勘案につきましては、これも条例上一部返納、返納の処分を行う場合には生計の状況を勘案せよということで、これも国家公務員も同様でございますが、そのような規定に現在なっておりますので、そういった退職手当条例の規定に基づいてわれわれは今回の処分を行ったということでございます。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 何人かいらっしゃる中でこの方が懲戒処分相当になったという判断の根拠を教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 本来であれば処分できないです。県の職員ではないという状況になっていますので。しかしながら、今回極めて重大な事案であるということで、厳正な対応が必要だということで、懲戒免職相当だという判断をさせていただいた上で処分しておりますので、そこの具体的なプロセスについては人事課からご説明をさせていただきたいと思います。

人事課長 土屋智則
 職員の懲戒処分につきましては12月25日に処分を行いまして発表させていただいているところでございます。同時にこの元職員につきましても、今回の大北森林組合の補助金不適正受給問題に関しましては、その関与の度合いが非常に高いということで、その段階で懲戒免職相当に該当するのではないかということを考えまして、今回返納処分をするかどうなのかという手続きに入ったところでございます。最終的に返納処分をしたわけでございますけれども、その理由につきましては、プレスリリースの懲戒免職相当であるとした理由、それから返納額を950万円とした理由、そこに記載してある通りでございます。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 少し具体的に言いますとその19年当初、不適正な対応が始まったのをある意味主導したというかそういった形だと県の調査でこの方を認定したということになるんですか。19年というのは始まった時期かと思うんですが、その時点でこの方が課長でいらっしゃったということで。

長野県知事 阿部守一
 発生当初の基本的に責任ある立場の職員でありますから、そうしたことをわれわれとしては十分勘案した上で処分させていただいたところであります。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 これに関してもう2点だけ、ご自身がこの返納処分について返還の意思を示していらっしゃるかどうかというのと、この方以外に対して同様の処分をされるのか。先ほど知事がおっしゃられたその、従前から損害賠償の検討もされていると思うんですが、それはまた今後あり得る、これとはまた別にあり得るということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず、職員も含めた関係者に対する損害賠償請求の話はこの話とは別の次元でしっかり検討していかないと思っておりますし、本人の対応は人事課長の方からお話ししたいと思います。

人事課長 土屋智則
 処分は昨日付けで行っております。ご本人に対して私どもの職員が処分書、それから返納額についての納付書を手交してございます。そのときの対応をお聞きしますと、ご本人は返納の意思を示されているとお聞きしておりますので、そういった状況であるということでございます。他には返納の対象になるということで検討している職員はございません。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 大北森林組合の関係で、昨日あった第2回の公判の関係で、冒頭陳述の内容についてお聞きをしたいのですが、知事は従前から県側とすれば全くの架空請求はなかったと考えていると、そのお考えを踏まえた上で、昨日の冒頭陳述の内容をご覧になって、まずどのように考えられますか。

長野県知事 阿部守一
 私もその場に居合わせたわけではありませんけれども、今日の報道であったり公判の概要を間接的に聞いている限りでは、私どもが認定している、あるいは検証委員会の報告で出されているものと基本的には同じような公判でのやりとりがなされているのではないかと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 架空かどうかということについて考え方が違うというような印象も受けるんですが、それについては、あくまで検察側が言っている架空かどうかの申請というのは、そこは同じような見方をされてらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 検察側が言っているというのは、例えば信濃毎日新聞の記事は何て書いてあるんですか、「検察『県側に不正のきっかけ』」ということで報道されているわけでありますけれども、「『事業が未完了なのに完了したとの虚偽申請をすることになると認識しながら組合に予算消化を依頼し、既設道路を利用した申請を助言した』と指摘」と検察の冒頭陳述であったとされていますが、私どもの検証委員会の最終報告も皆さんご覧いただいているかと思いますけれども、この中でも北安地方事務所林務課が予算消化を目的とした作業道に関する補助金申請の依頼を組合に対して行ったことが、平成19年度の第6回申請から組合による森林作業道不適正申請の契機となったという指摘があるわけであります。また、それに関連して、その時点で未着手の現場でも申請するように組合に依頼したという記述もあるわけで、こうした検証委員会の報告と、例えば信濃毎日新聞がかぎかっこ付きで報道されているので、検察側の冒頭陳述を切り取られているのだと思いますけれども、そうした部分については基本的に同じ方向性のものと受け止めています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 将来行うか行わないかは別にして、申請時にすでに行われていないという時点が架空かどうかという判断もあると思うんですが、それについてあくまで県側の説明では「全く」という言い方をされてらっしゃるんですが、そこは若干ニュアンスが違うような気がするんですが、それは一致しているということですか。将来にわたって行われる可能性が、将来行われる可能性があるので県とすればそれは全くの架空請求ではないという従前から説明していらっしゃると思うんですが、申請時においてすでにもう行われていないという時点で架空というふうに取るという、そういう考え方もあると思うんですが、それは知事とすれば全くという部分に。

長野県知事 阿部守一
 ですから、それはこの前も申し上げたように、架空というものの取り方の話ですよね。ですから私ども、これは信濃毎日新聞社からも何度も、本人には確認しているのかというようなご指摘もいただきました。われわれ、そうしたご意見も真摯(しんし)に受け止めなければいけないということで、改めて懲戒処分を受けた、そして今回の事案に関係するであろう職員から説明を求めたところでありますが、私どもとしては、私ども県に対する職員の説明と、それから捜査当局に対する説明と、同じ内容のものが行われていると確かめさせていただいたところでありまして、そういう意味では、警察、検察が事実認定をどうされているかということは、捜査に関する話で私が踏み込むべき話ではありませんが、少なくとも県職員の説明については同じものがなされていると職員から確認をしているところでございます。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 確認ですが、それは4人の方からはお話を聞かれたということですか。それはご自身の4人の方についてはご自身が書類送検されたかどうかという認識は持ってらっしゃるのか。

長野県知事 阿部守一
 全くの架空うんぬんの話は補助金適正化法違反に係る部分であると思っていますので、それに関連する職員からの聞き取りということであります。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 何人くらいから聞かれたか、その方だとお一人だけになると思うのですが、それとも虚偽公文書の3人も含めて4人、お一人から聞かれたということですか。

長野県知事 阿部守一
 虚偽公文書作成の部分は、今までのメディアの皆さま方とのやりとりの中でもわれわれの認識と全く齟齬(そご)はない。われわれが確認しているのも、実際に行われていないものを行った、検査していないものを検査したという記載をしているということも把握した上で、懲戒処分を行っているわけでありますので、そこについては改めて確認する内容はないのではないかと思っています。

 2 子どもを性被害から守るための取り組みについて(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、子どもを性被害から守る条例の骨子案についての意見募集なんですが、パブコメとタウンミーティングを行うという話なんですけど、進め方として、パブコメで過去いろいろなケースで取り組んだ場合でも、なかなかこういう意見が寄せられたケースもあったりすると思うのですが、できるだけ多くの方から意見を聞く方策としては何か、例えばですけど当事者の18歳以下の方に聞くのでしたら、そういった方に何かアプローチをするとか、何かこうできるだけ幅広く聞くために考えていらっしゃることというのはありますか。

長野県知事 阿部守一
 それは、随時メディアの皆さんのご協力いただきたいと思いますが、われわれは大勢の皆さま方に意見を寄せられるように工夫はしなければいけないと思いますけれども、何というか18歳未満の方だけが当事者というものでなくて、むしろ処罰の対象から18歳未満を外してますから、長野県の皆さん全員が当事者でありますし、むしろ子どもを性被害から守るための取り組みは県民全体で県民運動としても支えてもらいたいと思ってますから、そういう意味では18 歳未満の皆さんに特にどうこうということではなくて、広く大勢の皆さま方から意見を出していただけけるように取り組んでいきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 今回、パブコメに加えてタウンミーティングを行われるのは、知事とすればどういうお考えがおありになるのですか。もう少しこうやって意見をお聞きになりたいというお気持ちがある、お考えがあるということですか。

長野県知事 阿部守一
 これは、私はこの問題については極めてこれまでも丁寧な対応してきたと思っていますし、これからも丁寧に県民の皆さま方と対話を行いたいと、そういうことで今回タウンミーティングを行うことといたしました。特に今までは、条例モデルを基にして、県民の皆さま方のお考えを聴かせていただくということに主眼があったわけでありますけれども、今回条例についての基本的な方針、そして骨子案、県として条例モデルの検討委員会ではなくて、県として取りまとめさせていただいておりますので、このことについて私ども長野県として十分ご説明をさせていただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 この後、パブコメの時期と、あと2回、4月9日と10日でそれ以降のスケジュールというのは条例の今後の進め方も含めて、現時点で決めてらっしゃるということというのはございますか。

長野県知事 阿部守一
 今申し上げたように、タウンミーティングとそれからパブリックコメントを行っていくということであります。

 3 県立武道館の建設について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問で、先ほどの部局長会議で出ました県立武道館についてお伺いしたいのですが、具体的な県教委の方からは、共用開始の時期ですとか全体の額が出ているかと思います。先ほども知事から部局長会議の中で財政状況ですとか、多目的に利用するですとか、いくつか検討課題があるとおっしゃったのですが、県教委とすればこういう提案が来たと思うんですが、県とすればどのような観点から着工する、しないも含めてだと思うのですが、どんな検討を進めていかれますか。

長野県知事 阿部守一
 これはまさに部局長会議でも私からは申し上げましたし、教育長の方からも全庁的な検討というお申し出があったわけであります。もちろん教育委員会の立場からすると、武道館の必要性あるいは武道館の機能という観点でご検討いただいているわけでありまして、このこと自体は私は尊重して対応するべきものと思っておりますが、他方で多様な利用に配慮をするというようなことであったり、あるいは建設費、多額の建設費用を要するものでありますから、県財政においてどういう対応をとるべきかということも含めて、今後、庁内でしっかり検討していきたいと思っております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 着工の可否の判断というのはめど的には、例えば2019年度中の共用というのがあるかと思いますので、そうするとそこの共用開始とすれば、いつまでに作る、作らないの判断というのは考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 教育委員会サイドとしての適切な時期が31年度中にということで、この方針の中にもお示しいただいているわけでありますので、こうしたこともわれわれは念頭に置きながら、しっかり対応していきたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 確認ですが、現時点で着工するかしないか含めて、それは白紙というふうに考えてよろしいですか、それとも前向きに考えてよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 教育委員会としての基本方針でありますから、県としての考え方はしっかりと先ほどのどういう対応とかあり得るのかとか、あるいは財政的に無理なく対応できるのか、そうしたことも含めて十分検討して、県民の理解が得られるようなものにしていかなければいけないと思います。

 4 油井宇宙飛行士の活躍について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あともう1点だけ、先日、宇宙飛行士の油井さんに知事表彰を川上村でお渡しになったと思うんですが、いろいろお話を聞かれて、これから何か長野県にご協力いただく方法ですとか、非常に作業的な意味でいった場合に、航空宇宙の振興ですとかそういった部分もありますし、子どもたちの教育ですとか何かこんな形で協力をお願いしたいなというか、そんなようなビジョンみたいなものはございますか。

長野県知事 阿部守一
 私は油井さんのミッション報告会へ行かせていただいて、とても素晴らしい報告会だったと思っています。それはもちろん宇宙飛行士として、信州の川上村から宇宙で大変難易度の高いミッションを実行された方の話を、直接大勢の皆さんが伺えたということもありますが、何よりも会場に来ていた子どもたちを含めて多くの子どもたちに、本当にいろいろな夢、希望、そういったものを与えていただけたと思っています。これは、私とすれば油井さんにはぜひこれからも子どもたちに夢を与えていただくような活動をしていただければありがたいと思っています。県内の子どもたち、川上村を中心に佐久広域の子どもたち、本当に元気で明るい顔をあの場では見せてくれていましたので、そういう意味では子どもたちに対する、非常にいい経験の場になったんじゃないか、非常にいい、学校の机に座って勉強するものとはまた違う意味での学習の場にもなったのではないかと思います。ぜひ、JAXAの皆さんの取り組みにも心から感謝したいと思いますし、ああした活動は長野県の子どもたち、あるいは全国の子どもたちに対して、しっかりとこれからも継続的に行っていただけるとありがたいなと思っています。

 5 大北森林組合補助金不適正受給について(2)

読売新聞 戸田貴也 氏
 まず、大北森林組合の関係でお伺いします。先ほど、いわゆるおひとかた、職員の方に改めてお聞きになられたというふうに伺っておりますけれども、事実確認なんですが、差し支えない範囲で、いつごろ実施したのかということと、その答えが、先ほどは、話で齟齬はないというお話でしたけれども、工事が完了すると思ってやっていたのかということについてどういうに言及されているのか教えていただけますか。

人事課コンプライアンス推進室長 宮下克彦
 今週の火曜日に確認させていただきまして、本人の協力の下、司法当局への説明の状況等を確認させていただきました。それで内容につきましては、今まで県の見解と違うようなことをあったのかということで、それにつきましては全く私どもが県議会等を通じて説明している内容と同じ、全くの架空申請というのは認識することがないということと、いわゆる「期ずれ」ということで容認してしまった部分はあるということで、私どもの今までの見解通り向こうへ述べている。それでご理解をいただいているということです。

 6 子どもを性被害から守るための取り組みについて(2)

読売新聞 戸田貴也 氏
 あと別の問題で、性被害の関係で2点お伺いします。今回パブリックコメントとともにタウンミーティングを実施するということですけれども、先ほど知事の方で丁寧な対応をしていきたいという狙いはお答えしていただきましたが、県として制定方針を示して、知事としてこの場で県民に伝えたいというのは、もう一歩踏み込んでどういった狙い、例えば制定に向けてこういった思いがあるんだとか、どういった思いを伝えたいという部分を教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 今ご指摘いただいたように、県としてあるいは私としては必要性があると、条例制定の必要性があるということで考えているわけでありますので、そうした私なり、長野県としての考え方について、しっかりお伝えをしていきたいと思っています。特に何度もこの場でも申し上げておりますけれども、淫行処罰条例というような表現がよくされているわけでありますけれども、まず第1に他県が作っているような包括的網羅的な青少年健全育成条例ではない。はっきり県民の皆さんにお伝えをしなければいけないと思っていますし、また罰則規定についても極めて限定的、他県のものに比べていただければ一目瞭然だと思いますけれども、むしろ私はそうした限定した処罰規定で本当にいいのかというような議論もこれまでもなされていますけれども、そうした部分については本当に県民運動が不可欠だと思っておりますし、加えて人権教育、性教育、こうしたことがなければ対応できない。ぜひ県民の皆さま方にはそうした点をご理解いただいた上で、ご協力いただきたいというような趣旨も含めて、ご説明をして理解をいただくように努力していきたいと思っています。

読売新聞 戸田貴也 氏
 最後に、知事が制定方針を示されたときに会見等でもおっしゃっていましたが、いわゆる社会情勢が急に変化しているという部分で条例の必要性等をご説明いただいた。いわゆる今やるべきというそのスピード感という部分と、先ほどご説明いただいたようないわゆる丁寧な説明という部分というのはなかなか両立が難しいと思うんですが、いわゆるスピード感っていう部分と丁寧な説明という部分を今後どういうふうに両立していくのかという点についてお伺いできますか。

長野県知事 阿部守一
 これまで相当な時間をかけてこの問題は丁寧に検討してきました。2月議会の前の段階でも条例モデルを基に県民の皆さま方としっかり意見交換させていただきました。これほど丁寧に条例を検討しているということはあまり例がないのではないかと思いますけれども、しかしながら長野県は、やはり私は大事にしなければいけないのは、長野県の大事な部分は県民力、県民の力だと思っています。先ほどの県土強靱化のところでもやはり、地域の支え合いの重要性ということに着目した重点目標を定めていますけれども、いわゆる今回の子どもを性被害から守るための条例も、いろいろな批判が今回の条例案に対して出されていますけども、私はむしろこうした条例が県民運動なり、県民の皆さんがしっかりとこの問題に目を向けてもらう大きな契機になり得るものと思っています。そういう意味で大勢の皆さま方と議論を重ねてきたわけでありますけれども、しかしながら方向性を出さなければいけないということで、2月県議会の前に私あるいは県としての判断を示させていただいたわけでありますので、そういう意味で丁寧な側面と、それから進めるべきところ、決めるべきところは決めていくと、両面しっかり意識をしながら進めていきたいと思っています。

 7 大北森林組合補助金不適正受給について(3)

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 大北森林組合の関係でいくつかお伺いしたいんですが、課長さんの一部返納命令ですか、ちょっとやっぱり全体の金額に占めるこの950万円の割合っていうのが、非違行為の程度にも関わる部分だと思うので教えてください。

人事課長 土屋智則
 950万円ということのみ申し上げてございますが、その割合を申し上げますと元職員に支払われた退職金の額ということにもなってまいります。個人情報ということもございますので、それについてはここでは申し上げられないということでご理解願いたいと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 個人情報というより、やはり非違の内容及び程度というところですかね。これが分からないと、950万円と言われても全く分からないんです。どの程度だと捉えられているのかというのが。

人事課長 土屋智則
 非違の内容及び程度につきましては、本人がやった行為はここに書いてあるとおりでございまして、それについて懲戒免職相当であるというような判断をわれわれはした上で、今回の返納命令を行っているということでございます。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 それはお答えできないってことですね。

長野県知事 阿部守一
 私も小松記者と同じ投げ掛けを人事課にさせてもらいました。皆さんもメディアに関わる皆さんですから、個人情報の取り扱いの仕方についてはいつも検討されているのだと思いますが、ここは個人情報として取り扱わざるを得ないというのが判断でありまして、私も同じ問いを発しておりますので、念のため付け加えさせていただきたいと思います。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 あと、昨日の公判の中でちょっと1点気になったところがあって、林務部の本庁の責任という点で、これまでも検証委員会の中でも林務部からの予算消化のプレッシャーっていうのは挙げられていて、処分の中でも本庁に勤務していた方が一定の処分は受けていたというのが前提なんですが、昨日の冒頭陳述の中では、課長さんが1,500万円の予算消化を林務部から求められて、これを大北森林組合の方に要請したら、もうこれは不適正な申請にならざるを得ないということを課長さん認識していながら組合に頼んだっていうことはあったんですが、そうすると林務部側としてこの1,500万円の予算消化を北安曇の方に押し付けたというか、頼んだ時点で林務部側の方も最終的には事業執行者から大北組合なり、組合側から不適正な申請になってしまうのではないかということを認識できたのではないか、知っていたのではないかというふうに感じたんですが、その点はちょっと検証委員会の最終報告書ではそこまでは触れてなかったと思うんので、ちょっとそこら辺の見解を教えてください。

長野県知事 阿部守一
 受け止め方にもなるのかもしれないけど、通常、例えば補助金が、あるいは県の予算がこれくらいまでは年度末残っているので使わないかというときには、違法性、不正、不当、そうしたものが行われる前提で頼むという職員はありえないと思っています。もしそういう職員がいたらとんでもない職員だと思いますし、われわれ、今回の一連の調査の中では、そうした悪用されることを前提で本庁が働き掛けているというようなことではないと思っています。最終報告書の中にも今の関係の記述はなされているわけでありまして、平成19年度末本庁から北安地方事務所林務課に対し、1,500万円の予算の追加執行の依頼があった。林務課長は管内の事業体が施業を完了させた上で、正規に申請してくる箇所だけでは補助し切れないことを承知の上でこれを引き受け、補助金申請時に完了していなかったり、施業等に着手していない箇所等についても、翌年の4月ごろまでに完了すると約束があれば翌年度の事業を前倒しする形で申請を認めるように係員に指示した。というようなことで、今、ご指摘いただいたようなことは検証委員会の報告書であったり、あるいはわれわれが職員から聞き取りの中でも出てきている事実関係だと考えています。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 そうすると、もう林務部側からしたら通常の予算消化というか、多少過度なプレッシャーを与えたものの、別に違法なものまで要請したものではないということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 そのように私は考えていますし、そこは職員から聞き取りをしている中でもそうした問題は出てきてないと思っています。

人事課コンプライアンス推進室長 宮下克彦
 今、知事が申しましたとおりで、本庁側の予算消化のプレッシャーっていうことは当然、普通の業務の中で行われるものもありまして、その辺は12月の懲戒処分の中でも当時の課長につきまして、訓諭ということで指導上の措置をしているところでございますけれども、全体として今知事が申し述べたとおりでございます。

長野県知事 阿部守一
 われわれも当時の現場の職員側とすればプレッシャーを感じていたということは認識をしています。ただ、それが不正行為を前提としてプレッシャーをかけるということとはだいぶ違う話だと思っています。

朝日新聞 小松隆次郎 氏
 あと最後に1点なんですが、先日不起訴処分、起訴猶予になったときの知事のコメントは見させていただいたんですが、厳正な司法当局の厳正な判断と受け止めるとあるんですが、いまいち何ていうか温度感がちょっとその字面だけでは分からなくて、不起訴処分になったから良かったというか、県側の調査に間違いはなかったんだっていうようお気持ちなのか、それとも補助金適正化法違反容疑で書類送検されて、起訴猶予ということで一定の事実は認められて、もともと県の方は補助金適正化法違反に該当する県職員は恐らくいないと判断して告発も見送っていたと思うんですが、そういう意味で多少残念というか調査不十分というんですか、そういう残念な気持ちなのか、先ほどちょっと言ったように、不起訴で良かった良かったというお気持ちなのか、ちょっとその温度感をちょっと教えていただきたいです。

長野県知事 阿部守一
 これはまず、良かった良かったなどという、感覚は全くありません。少なくとも今ご指摘がありましたように、起訴猶予という形で不起訴になったわけでありまして、県民から信頼を得ながら県政を進めていかなければいけない県の職員が、こういう形で処分を受けた、処分というのは不起訴ではありますけれども、われわれが事実認定をしている通り処分の対象になり、そして送検を受けて、起訴猶予という形にならざるを得ないというような事件が発生してしまったわけでありますから、このことについては、われわれはしっかり重く受け止めなければいけないと思っています。ただ、何度も繰り返して申し上げますけれども、警察、検察の刑事事件としての対応と、われわれ県として懲戒処分も含めて対応するものというのは、並列的に行われているものでありますから、そういう意味で私がそのこと自体の是非についてどうこう言う立場ではないだろうということで、抑制的な表現にはさせていただいているところでございます。

 8 女性職員の活躍に関する職員アンケート調査結果について

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 先ほどの部局長会議のお話の中で大きく二つお伺いしたいんですが、一つは、女性職員活躍推進計画の中で、女性の方の昇進についての意識調査の結果かなり男女でギャップがあるかと思うんですが、これについてどういうふうにお考えになるか、それと併せて今後いろいろ民間の企業にでも、これからこの点をいろいろと女性の登用ですとかお願いして呼び掛けていくお立場とすると、ちょっと心もとないと言いますか、説得力に欠ける部分もあるのではないかという気もするんですが、職場としての県についてどういったところ、力を入れていく具体策といいますか、この中にもいろいろ取り組みが盛り込まれているかと思うんですが、どの点を重点的にやりたいとか、意識したい点、そういった点があれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まず、今回のアンケート調査の中で、今ご指摘いただいたように、女性があまり県庁の中で昇進することを望んでいない、期待してないということ自体は、しかも男性と極めて乖離(かいり)が大きいということについては、私は極めて重要な現状、重要というか、率直には問題だと思います。というのは、もとより女性の皆さんのいろいろな思いとか感覚があると思いますけれども、少なくとも男性も女性も活躍できる社会をつくろうと言っている中で、県の職員の中で男性と女性の意識がこれだけ大きく乖離しているということは、これはやはり大きな問題が県の中にあるんだろうと思います。私も女性職員と対話しましたけれども、部局長会議でも言いましたけれども、残業して当たり前というような風土がまだ一部には存在しているということも言われていますので、そうしたことにしっかり向き合っていかなければいけないと思います。各所属の管理職が漫然と今までの仕事の仕方、そして超過勤務命令を出したり、あるいは年休取得の承認をしたりするわけでありますから、そうしたことも含めて、施策の推進と同様、あるいは当面はそれ以上に職員の管理っていうと拘束するみたいな感じになりますけども、マネジメントに対してしっかりと責任を持って目を向けてもらいたいと、そのための基本的な方向性が今回の女性職員活躍推進計画だと思っています。

 9 ホテルや旅館の耐震化の推進について

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 別の件で恐縮ですが、耐震化の方の件で、この中でホテルや旅館について耐震化を啓発および促進というものも盛り込まれているかと思うんですが、それで一般的に営業目的でやっている旅館ですとかホテルというところにどういうふうに関わるかというのは行政として兼ね合いというのがあるかと思うんですけれども、そこについて県側の基本的な考え方といいますか、姿勢としてどういうふうに関わるかというをお伺いしたいのと、もう1個は具体的にどういう対応するかという部分で業者の方のお話伺っていると、やはり一つは補助金ですとか、小規模なものも含め、今一定規模の大きなものをやっていますが、小規模なものでも補助金欲しいっていう方もいらっしゃるし、あるいは県が今年の予算の中で、旅館とかホテルの経営改善ですか、体力をつけるという方向で関わるというのもあるかと思うんですが、どういうふうに関わるか、県として関わるかという姿勢とか、具体策の考え方ですとか、その辺りを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今、ほとんど答えを言っていただいたような感じがしますけれども、まず、耐震化の推進は県庁の各部局がそれぞれ自分の問題として取り組んでいくようにしていきたいと思っています。例えば保育園、幼稚園みたいな子どもの施設は建設部が直接担当しているわけではありません。こうした県民文化部をはじめとする関係部局が、保育の充実みたいなものとは別の観点から耐震化についてしっかり向き合って考えていくということが重要だと思っていますし、今お話ありました旅館、ホテルについては、そういう意味では観光部がしっかりと対応を考えていく必要があると思っています。もちろん民間の皆さま方が企業経営等として行われているわけでありますので、そういう中ではやはり資金的な問題等さまざまな課題が出てくるものと思います。そういう意味では、それぞれの部局が関係の皆さま方の問題意識、悩み、課題そうしたものをしっかり聞き取った上で、県として何をするべきなのかということをきちんと整理をして、次のステップにつなげていく必要があると思っています。そういう観点で、今日の部局長会議でも私の方からは関係部局長には今申し上げたような姿勢で取り組むように指示をさせていただいたところでございます。

信濃毎日新聞 島田隆一 氏
 補助金等については拡充ですとかそういったことをすぐにやるというか、その辺のお考えはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 例えば、今申し上げたように、学校であったり、保育所であったり幼稚園であったり、旅館、ホテルであったり、それぞれ経営主体であったり、あるいは現状における耐震化に対する補助のスキームがそれぞればらばらになっているわけでありますので、そうしたことをやはり総合的に勘案した上で、どういう部分を県としてより充実する必要があるのかということについては部局横断的にしっかり検討した上で、方向付けをしていきたいと思います。

 10 大北森林組合補助金不適正受給について(4)

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 大北森林組合の関係でちょっと質問させていただきたいんですけども、先ほど補助金適正化法違反容疑で起訴猶予になった方について、聞き取りをされたということなんですけども、先ほど期ずれという認識だということをおっしゃっていたんですけれども、そもそもその道路は開設されていた道路というふうに私聞いてるんです。そもそも工事できないものだと思うんですけど、その辺の認識っていうのはどうだったんですか。

人事課コンプライアンス推進室長 宮下克彦
 期ずれというのは近い将来にそこを完成するように認識してということでお願いしたということなんですけれども。そこの道につきましては作業道ということで、作業道というものの基本的な認識なんですけれども、作業道というのは森林の中で作業するための道路で、ある程度時間を経過すると元に戻る、山に戻るという性格のものということです。そこにつきましては、3年かかる場合、5年かかる場合っていうことはありますけれども現状によりまして、例えば大雪降った翌年というのはかなり崩れてしまうということで、もともとの線形があるところにつきましても、その自然状況によりまして崩れますので、ある程度の施工、工事を実施する必要が出てくると、そうしますと今も何年か前に開設したものについても、気象条件によりまして実情を見ると、まだここは工事を加えて、それに対する補助金を申請できるという場合が出てきます。作ってしまえばコンクリート舗装ではなくて、その辺の立派な道路と同じで永久に使えるというそういった種類のものではないので、その辺の認識をしていただければご理解いただけるかというところでございます。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 そうするとその職員の方は具体的な路線名については把握されていたけど、改良工事というような認識だったということですか。開設ではなくて。

人事課コンプライアンス推進室長 宮下克彦
 具体的な路線名っていうのは検察庁との聞き取りの中ではあったということでございますけれども、実施につきましては改良、それから施工をどのようにしていくかということは、ただいま公判が継続している部分でもありますし、公判に係る部分についてはご理解いただきたいと思います。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 県職員の方の公判ではないので、県職員の方の処分出てるんで、ぜひ、この場でなくて結構なんですけれども、ちゃんとそこは説明、ましてや刑事司法。

長野県知事 阿部守一
 今のご質問は、一般論としてはそういう疑問が出てくるだろうと思いますし、ただ、今説明したように、作業道って普通の一般道路みたいな舗装して立派な道路ばかりではないので、そういう意味では、もうすでに作業道があるようなところでも補助できる、補助対象になり得るというのは林務部の方でしっかり説明してくれる。

森林づくり推進課企画幹 日向一夫
 作業道の補助対象についての考え方です。先ほど宮下室長の方から申し上げました、すでに開設された作業道につきましても経年の変化によって、あるいは先ほどの大雪というようなケースでその後使えなくなると、例えば新たな木が生えてくる、あるいは崩れるというような形で使えなくなるということは現実問題ございます。その場合に、また新たにその場所で森林整備を行うという場合に、その作業道の線形を利用して新たに改良を行うということで、改良という形で補助対象となるというケースもございます。また、ほとんど使えないような状態になっていて、その線形を利用しながらほとんど新たに開設するのと同じ費用、同じような形態であれば、開設で申請するのも可能ではないかというようなことは当時地方事務所、北安曇地方事務所の職員等の方が組合等にアドバイスをしたというような経過も当時あったという状況でございます。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 実際その改良では認められるんですか。補助自体は。

森林づくり推進課企画幹 日向一夫
 今申し上げました、実際改良する必要があるということであれば、改良ということでまた、開設とはまた補助金の額は違ってまいりますけども、改良ということで補助対象にするというケースは制度的にございます。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 そうすると、この職員の方は具体的な路線名を把握してあって、改良、開設してあるということも把握してあって、これは改良工事の費用だという形で、いつか改良してくれるんだろうと思って申請を受け付けて、交付の手続きをされたということですか。

長野県知事 阿部守一
 そういう個別の事案については今、公判中ですから、今、申し上げたら一般論として質問されたので、一般論として答えるということが基本だと思っています。今の話は公判の中で出てくるような話です。しかも路線がどこが特定されてるかというような話はわれわれは把握できていません。ですから、その質問は本筋の話ではないのではないかと思いますけれども。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 職員の聞き取りではその具体的な路線名というのは聞かれてはいないんですか。

森林づくり推進課企画幹 日向一夫
 路線名については、その職員からは検察の聞き取りに対してってことでは報告は受けました。ただ公判全体、関係事業で公判が持たれていますので、捜査当局にご迷惑等掛けてはいけないので、その辺の詳細事項についてはご理解いただきたいとそういうことでございます。

長野県知事 阿部守一
 今のようなご質問は私もよく分かるので、ただ、先ほどから申し上げているように、片方で刑事事件として動いているもので、なおかつわれわれは検察なり警察から具体的な捜査情報を確認しているわけではありませんので、そういう意味では公の場で議論するといささか誤解を生じるような話につながりかねませんので、そこは大変申しわけないですが控えさせていただきますが、ただ、一般的な制度論としては、疑問な点はしっかりご説明するように致しますのでよろしくお願いします。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 最後に、知事にこれは私の意見として申し上げたいんですけども、そういった形でやはりどういうやりとりがあっただとか、ましてや刑事事件として立件された職員がどのようなやりとりをしたのかっていうのは、やはりこれだけの損失を与えたものなので、それはある程度それに説明していただかなくてはならないのではないかと、私は思っている。

長野県知事 阿部守一
 ですから、そういう意味で、われわれはできる限り調査把握をした上で、ご説明をさせていただいているわけで、先ほど申し上げましたが、信濃毎日新聞社からも職員に対しては確認しないのかということを再三にわたってご指摘いただきましたので、今回そうしたことも確認させていただいた上で、私どもに対する説明とそれから捜査当局に対する説明は、同じ内容のものが説明されているということわれわれとしては職員から確認しているところでございます。また先ほども処分の話もご説明しましたけれども、これからもできる限りで丁寧にわれわれが対応していることについてはご説明していきたいと思っております。まだまだ不十分だという受け止め方があるのかもしれませんけれども、そこはわれわれの対応が不十分なところはぜひしたところをこういうふうにするべきだというご意見をいただきたいと思いますけれども、われわれは最大限、先ほど小松記者の話にも、私自身もそうやって人事課に指摘したけれどもやはりこれはプライバシーです、というようにお話申し上げたように、できる限りわれわれが考えている内容についてはつまびらかにするようにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 最後に同じ認識だっていう捜査当局と同じ認識だったっていうのは。

長野県知事 阿部守一 氏
 正確に把握していただきたいんですが、捜査当局と同じ認識かどうかは分かりません。少なくとも職員が捜査当局に対しても私どもに対しても同じ内容の説明をしているということを、私どもは職員から確認させていただいているということであります。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 そういう知事が思ってらっしゃるその根拠だとかを、ぜひこの場で示して欲しいわけじゃなくて。

長野県知事 阿部守一
 根拠は、ですから、職員からも聞き取っているわけでありますし、少なくともここの場でも申し上げましたけれども、架空申請とか全くの架空申請のところがどうも行き違いの要因になっているような気がしますけども、何も事業が行われないのにお金を出すということは、それは極めて問題です。もちろん時期がずれるということ自体もわれわれ問題だと思っていますけれども、何も行われないというのはお金がどっかいってしまうということを前提にしているわけでありますから、これは中村専務が今、詐欺罪いうことで、刑事事件の訴状に上がっているわけでありますけれども、そうしたレベルになってしまうわけでありまして、そこは通常の職員の仕事をする中で、そういう感覚でやっていたとすれば大問題でありますけれども、われわれはそうしたことではないということはこれまでも聞き取りであったり、さまざまな現場の調査等も、これまで補助金の返還請求するために行っておりますけども、そうしたことも含めて、できる限りの対応させていただいた上で、判断をしているところです。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 知事のおっしゃることは大変分かるので、ぜひそのことを確認させていただくためにも、これまでの県の調査の中での具体的なやりとり、どういうやりとりをこの路線でしたのかだとか、あと今回聞かれた方がどのように県の方に対して答えたのかというのを、どこかのタイミングでぜひ教えていただきたいと私は個人的に思っております。

長野県知事 阿部守一
 それは具体的なものでないと、抽象的に言われてもいいとか悪いとか判断できませんので、具体的にこれは一体どうなっているのかということについてお答えできるものは、もちろんちゃんとお答えをしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 そうでないと、やはりちょっと疑問が続いてしまうので、ぜひその点は考えていただければありがたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

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