ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2015年度知事会見録一覧 > 知事会見2015年5月29日

ここから本文です。

更新日:2015年5月29日

知事会見(平成27年(2015年)5月29日(金曜日)11時10分~12時03分 会場:県庁)

項目

知事からの説明

取材者からの質疑

  1. 「ACE県庁」メイキングプロジェクトについて
  2. 現地機関の組織体制の見直しについて
  3. 御嶽海の十両昇進について
  4. 活動火山対策特別措置法の改正について(1)
  5. 「森のようちえん」信州型自然保育認定制度について
  6. 活動火山対策特別措置法の改正について(2)
  7. 今後の観光振興の取り組みについて
  8. これからの公営企業の在り方について

本文

知事からの説明

 部局長会議を開催〔「信州ACE(エース)プロジェクト」取組方針・実施プラン、「ACE(エース)県庁」メイキングプロジェクト、”チャレンジ800”ごみ減量の推進、「しあわせ信州 ふるさと割」のスタート、平成26年度「信州産」マーケティング事業活動実績、地理的表示保護制度に基づく登録申請(「市田柿」を長野県第1号として申請)〕、現地機関の組織体制の見直しについて

長野県知事 阿部守一
 それでは5月29日の会見を始めさせていただきます。私の方からは部局長会議での報告事項等を含めて6点お話をしていきたいと思います。
 まず1点目でありますが、信州ACE(エース)プロジェクトについてであります。部局長会議の資料1ということでお配りをさせていただいているかと思いますけれども、健康づくりの県民運動、Action(アクション)、Check(チェック)、Eat(イート)、この3つを中心に長野県の健康長寿を維持していこうということで、取り組みを始めているところでありますけれども、今回この信州ACEプロジェクトの取り組みをより具体的なものにしていこうということで取組方針、そして今年度の実施プランを定めさせていただきました。この方針を基にできるだけ多くの企業・団体の皆さま方にも協力していただくと同時に広く県民にこの運動を広げていきたいと思っております。各メディアの会社においても、ぜひこうした取り組みに一緒に協力してもらえればありがたいと思います。3つの重点項目は、Action、Check、Eatですが、それぞれのキャッチフレーズは、Actionが「毎日続ける速歩と体操~休日は楽しみながらウォーキング~」、Checkは「家族そろって必ず健診~毎年の歯科チェック、毎日の血圧チェックも~」、Eatは「減らそう塩分、増やそう野菜~1食の塩分は3g、野菜はもう一皿~」。これを県民の皆さまにしっかりとお伝えしていきたいと思います。ぜひこのキャッチフレーズをわれわれもどんどん使っていきたいと思いますし、皆さんにも広めていただきたいと思います。そういう中で4つの取組方針ということで、キャッチフレーズを言い続けるだけでは世の中変わっていきませんので、われわれとしては資料の下の方に書いてありますように、「健康経営」の推進、「健康地域づくり」の推進、「健康教育」の推進、そしてまず隗(かい)より始めよということで、「ACE県庁」の推進ということで取り組みを進めていきたいと考えています。そして次のページにありますように5つの実施プランということで、具体的な取り組みを通じてこの健康づくりの取り組みを県民に広く伝えていきたい、広げていきたいと思います。そういう中で、まず自分たちでも取り組もうということで資料2でありますけれども、「ACE県庁メイキングプロジェクト」ということでスタートします。それぞれの職員が自主的に目標を定めてもらう「マイエース」チャレンジの実施、そしてそれぞれの職場での環境づくりの推進ということでAction、Check、Eatについてまず県庁の中からこの健康づくりの動きをしっかりと進めていきたいと思っています。「マイエース」個人チャレンジということで、私もAction、Check、Eatそれぞれの目標を立てさせていただきました。Actionは毎日ラジオ体操をする、それからインターバル速歩を週120分以上行う。それからCheckは必ず人間ドック及び歯科チェックを受けると。それから自宅で毎朝血圧と体重を測定する。Eatについては減塩しょうゆの利用など調味料を工夫する、野菜を最初に食べる、麺類の汁は残す。極めて初歩的な分野ではありますけれども、こうして宣言をさせていただきましたのでしっかり取り組んでいきたいと思います。それぞれの職場、それぞれの地域でぜひ具体的な目標を設定して、それぞれの個人でもいいですし団体・組織でもいいですから、この健康づくりへの取り組みを積極的に進めていただきたい。私ども長野県もそうしたお手伝いをすると同時に、先ほど申し上げましたような4つの取組方針を踏まえて具体的な取り組みを進めていきたいと思います。よろしくお願い致します。
 それから2点目でありますけども、「チャレンジ800」についてであります。ごみの減量を進めていこうということであります。明日、5月30日は「ごみゼロの日」ということになります。6月も間近でありますけれども「環境月間」でございます。このごみの減量化を県としてもさらに進めていきたいと思います。平成25年度の県民1人1日当たりの一般廃棄物排出量は847グラムということで「チャレンジ800」は、これを800グラムまで減らそうという思いであります。全国第2位の少なさでありますが、あともう少し頑張れば日本一という形になります。日頃から市町村の皆さま方あるいは県民の皆さま方が環境やごみについて積極的にお取り組みいただいている成果だと思います。ぜひ日本一までつなげていきたいと思っています。そもそもの検討のスタートは職員の政策研究の中から、職員自らごみの減量に取り組んでいこうという提案があったことがきっかけであります。今回、部局長会議でもいくつか指示しましたけれども、まず一般廃棄物に対して取り組んでいる市町村としっかり連携していかなければいけないと思っております。そういう観点で地方事務所ごとに所長をリーダーとした「チャレンジ800実行チーム」を設置して、食品残さの堆肥化、旅館やホテル等から排出される事業系ごみの減量などごみの減量に向けた具体的な取り組みを協議してもらっています。できることから早急に実行をしていきたいと思います。また子どもたちにもごみの減量に対する意識を高めてもらう必要があると思っています。小・中学校の校長会に協力を求めさせていただいておりまして、クラスあるいは学校全体で給食を残さないといったような身近な活動から子どもたちにもごみの減量化を呼び掛けていきたいと思っています。また県民の皆さま方にもぜひお住まいの市町村のごみ出しのルールを守っていただきたいと思っておりますし、そうしたことに加えて、マイバックの持参でありますとか、生ごみを出すときには水切りをしっかり行って出してもらうなど、こうした難しい部分ではなくて気軽にできるところからこの取り組みを一緒になって進めていただきたいと思っています。職員個人の取り組みに加えて県庁組織としても考えていかなければいけないわけであります。先ほど部局長会議でも申し上げましたが、とにかく紙が多いと思っていますので紙の使用量を削減していかなければいけないと思いますし、私もいろいろ懇親会等に出席していつもなかなか食事をする時間があんまり取れずにほとんど残してしまうというようなことも結構あるわけでありまして、しっかり食べる時間を作るとかそもそも最初から量をコントロールするとか、いろいろなことも県全体で工夫していかなければいけないだろうと思っています。また環境部、そして一部の地方事務所では段ボールコンポスト研修会を開催しておりまして、職員が段ボールコンポストで家庭の生ごみを処理するといったような取り組みも始めています。こうした動きを確実なものにぜひしていきたいと思っています。数字として成果が現れるように取り組んでいきたいと思います。
 それから「しあわせ信州 ふるさと割」についてであります。緊急経済対策の中での交付金を活用して旅行の拡大あるいは県産品の販売の拡大、そうしたものを図っていくことを目的として、この「しあわせ信州 ふるさと割」を6月1日からスタートをさせていただきます。「信州サぁイコー!ふるさと旅行券」と「信州サぁイコー!ふるさと商品」、同じように「サぁイコー」と書いて「さあ行こう」と「最高」でイントネーションが微妙に違っているようでありますけれども、この二つの事業を実施してまいります。まず旅行券についてでありますけれども、信州にぜひ大勢の皆さま方にお越しをいただきたいと思っています。最大5割引きということで記載をしておりますが具体的な中身については観光誘客課からまず説明をしてもらいたいと思います。

観光誘客課長 戸田智万
 最大50%割引の件につきましてご説明させていただきます。追加で配布させていただいた資料をご覧いただきたいと思います。この件は「楽天トラベル」、「じゃらんnet」、「Yahoo!トラベル」の宿泊予約サイトでクーポンをクリックすることによって割引を行えるということになりますけど、一番上のポツにございますように10,000円以上の宿泊に対して5,000円割引となります。これにつきましては1番下の事例にございますように、例えば12,000円の宿泊をした場合にも5,000円の割引ということになりまして、7,000円をお支払いいただくということになります。ちょうど10,000円の宿泊をした場合には5,000円の割引となりまして50%ということになりますので、これが最大50%割引という趣旨でございますのでよろしくお願いします。なお宿泊予約サイト上では複数の方が1度に買えるように、この資料にございますように2名さま、3名さま、4名さまが1度に購入できるようなボタンを用意しているところでございます。同様に後ほど説明ございますけども、旅行券の体験用というものを同じく5,000円を2,500円で販売するというものが出てまいりますけども、これも最大50%ということは先ほどと同様でございまして、5,000円の体験旅行でございましたら2,500円の割引で最大50%となりますけど、6,000円の体験した場合には同じく2,500円の割引で3,500円をご負担いただくということになります。ちょうどの金額の場合には最大50%になるという趣旨でございますのでよろしくお願いします。

長野県知事 阿部守一
 かなりお得な設定になっていますので、今月いっぱい善光寺の御開帳もあり新幹線の金沢延伸もあり、比較的ゴールデンウィークの本県内の旅客の入れ込みは好調と聞いております。ただ、これから御開帳後あるいは新幹線効果が落ち着いた後どうするかということが大変重要になってまいりますので、この旅行券をしっかり発信しながら長野県の観光がさらに元気になるように取り組んでいきたいと思っています。それから今後の発行でありますが、長野県にはさまざまな自然体験型アクティビティがあります。世界水準の山岳高原観光地づくりを目指している長野県として単に旅行に来て良かったということだけではなく、自然体験型のアクティビティを大勢の皆さまに楽しんでいただきたい。そういう中で長野県の素晴らしさというものも改めて実感してもらいたい。そういうことで体験用の旅行券も今後発売していく予定にしております。全国の中でもこうした形で取り組むところは珍しいのではないかと思っておりますので、ぜひこうした点も今後われわれ積極的にPRしていきますが、皆さま方にも一緒になって長野県の観光がさらに活性化するようにご協力をいただきたいと思います。
 もう1つは商品の方であります。「信州サぁイコー!ふるさと商品」についてでありますけど魅力ある商品を3割引きを基本として、伝統工芸品あるいは被災地の支援商品、さらには障がい者就労施設商品については4割引きということで販売させていただきます。現在200アイテムを用意させていただいていますけど、8月からの本格稼働時には500アイテムを目標として事業者の皆さんに参加を呼び掛けていきたいと思います。そうした観点でもメディアの皆さま方にはご協力をいただきたいと思います。長野県らしい安心・安全な商品あるいはものづくり企業の高い技術力が生きた商品等ラインナップの充実を図っていきたいと思っています。こうした旅行券、そして県産品の販売ともに来年の1月31日までということで予定をしております。ただ、割引原資がなくなった場合はその時点で終了になるということでありますので、積極的にこの機会を活用して長野県にご旅行に来ていただくあるいは長野県産品をご購入いただくことで、長野県の素晴らしさを実感いただければと思います。
 それから4点目でありますけれども、「信州産」マーケティング事業活動のマーケティングレポートがまとまりました。マーケティング戦略担当部長を設置して、今までそれぞれ各部局が縦割りでこのマーケティング分野に取り組んでおりましたけれども、長谷川担当部長の方で精力的に活動してもらって縦割りをなるべく排して長野県をトータルで売り込んでまいりました。26年度の活動実績がまとまったわけであります。今回こうした形でマーケティングレポートをとりまとめるのは初めてでございます。具体的な内容については長谷川担当部長の方からお話を申し上げたいと思いますのでよろしくお願いします。

信州マーケティング戦略担当部長 長谷川浩
 今、知事からもお話がありましたが、県では各部局ごとに所管する県産品のマーケティング活動を実施しているわけでございますけれども、昨年、私の職であります戦略担当部長の職が置かれまして、部局横断的なマーケティング活動を行う体制が整いました。特に食の分野では合同商談会の開催あるいはマーケティング拠点としての銀座NAGANOの活用、それからバイヤーズガイド、事業者向けのガイドブックですけれども、こういったマーケティングツールの制作等マーケティング環境の整備に努めてまいりました。マーケティング活動である以上は実績が問われるわけでございまして、今回はその各部局で行ってきたマーケティング活動全体の成果をレポートという形でまとめさせていただきました。その結果がこの数字でございます。1ページに総括表を掲げてございますけれども、1番下のところでございますが、全体で実施回数が117回、参加企業数2,590社、成約件数1,080件、成約額5億4,602万円ということになっております。詳しくは中身の方をご覧いただきたいと思います。初年度なので対前年比ということができないわけでございますけれども、分析では特に銀座NAGANOの関係で食の商談会等成約額がとても多かった、割合が多かったということが言えるかと思います。今年度はこの数字出ましたので、成約件数で1,200件、成約額6億円という数値目標を掲げて頑張っていきたいと思います。それからマーケティングの基本は何といっても消費者視線、マーケットをよく見るということだと思いますので、数値目標を達成するとともにそういった情報の集約それからフィードバックに努めまして、消費者ニーズに応えられる強い商品作りというのを進めていきたいと思います。以上でございます。

長野県知事 阿部守一
 戻りますけれども「信州サぁイコー!ふるさと商品」の宣伝を担当からお願いします。

サービス産業振興室長 仁科英孝
 今回6月1日にスタートするうちのほんの一部でございますけれども、ご用意させていただきましたのでご紹介申し上げます。こちらに防災グッズというのがございます。昨年の災害を踏まえまして多くの県民の皆さんにぜひご家庭にご用意いただこうと、そんな思いを込めてご用意させていただいた品物でございます。大人用のヘルメット、それからお子さん用のヘルメット、それぞれ用意してございますし、そこにはアルクマもあしらってございます。それからこちらは南木曽ろくろのスピーカーでございますけれども、今言った防災グッズの方は30%、通常の割引でございますがこちらは被災地かつ伝統的工芸品ということで、4割引きでお求めいただくような価格設定にしてございます。それから同じく上段になりますけれども腕時計でございます。飯山仏壇の技術を利用し諏訪の時計とコラボした商品でございます。蒔絵(まきえ)が盤に描かれておりまして、少し高級ではございますが、こちらも伝統的工芸品ということで4割引きでお求めいただけるというものでございます。それから前段の方は福祉施設でお作りいただいた漬物あるいはおしょうゆなどの食品でございます。こちらの方も先ほどのお話にありましたように福祉施設で作られておりますので4割引きでお求めいただける。さまざまな商品を用意させていただいておりますので、ぜひご利用いただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 それでは5点目でありますけれども、地理的表示保護制度に基づく登録申請についてお話申し上げたいと思います。ここに市田柿ののぼり旗が立っておりますけれども、地理的表示保護制度に関するプレスリリースをご覧いただければと思います。特定農林水産物等の名称の保護に関する法律に基づきまして、来月の1日から新しく地理的表示保護制度が始まります。この登録第1号を目指して、JAみなみ信州が農林水産大臣に対しまして市田柿の登録申請を行うということになっておりますのでご紹介を致します。地理的表示保護制度は伝統や優れた特性があり、その特性が産地と結びついている産品の名称を国が知的財産として保護しようとするものであります。登録の効果としては地域ブランド産品として品質を国内外で国が保証してくれます。登録商標「GIマーク」というものを付けることができるということで、海外等にも高品質をアピールすることができます。またこの登録商標を使うことによって他産品との差別化を図ることができます。不正な地理的表示の使用に対しては国が取り締まりを行ってくれます。こうした制度でありますが、登録申請内容の詳細についてはJAみなみ信州の中村営農部長にお越しをいただいておりますので、中村部長の方からぜひご説明いただければと思いますのでよろしくお願いします。

JAみなみ信州営農部長 中村彰 氏
 ご紹介をいただきましたJAみなみ信州の中村でございます。日頃大変お世話になっております。今、知事さんよりご紹介いただきましたように、私どもは地理的表示制度を来週の6月1日の施行日に申請をするということが決定しました。この地理的表示保護制度というのは、今までの商標とはちょっと違いましてその地域の気象ですとか風土、それと製造法とか社会的な評価というものがなくては登録ができないというものでございます。市田柿も大正の頃から市田柿という名称を付けまして日本中の多くの皆さんに今、食されている加工品でございます。私どもは飯田下伊那で現在、だいたい45億円前後の市田柿の取り扱いがございます。私どものJAでは、そのうちの26億円前後の取り扱いをしているわけですが、生産者が約2,400人になります。その皆さんが丹精を込めて作っているというものを登録していこうというものでございまして、当然国のチェックが入るということで、今までの商標とは違いまして登録すればそれでおしまいという商標権ではございません。生産工程からすべてチェックしていいものだけに「GIマーク」を付けようということで、農水省のチェックも入るという状態になっております。登録するということには、産地が必要になっておりまして、飯田下伊那は当然でございますが上伊那郡の中川村と飯島町、ここが旧松川町の上片桐と同村だったということ、神社も同じだったということの中で、飯田下伊那と上伊那郡の一部というような形の登録をさせてもらいました。申請から登録までかなりの日数が掛かるということになりまして早くても12月、下手すると1月、2月の登録になると思いますが、登録された暁には日本中また世界に市田柿を売っていこうというような形になっております。この販売につきましても特に県の農政部のマーケティング室と十分密な連絡を取る中でジャパンブランド、また長野県ブランドとして大いに市田柿を売っていきたいと思いますので、またご協力の方をお願いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 ぜひこの地理的表示保護制度を活用して市田柿がさらに全国的にも認知度が上がり、そして世界に対しても高品質のブランドとして発信できるようになることを心から期待をしていますし、県としても積極的にこの取り組みを応援していきたいと思っています。また他の産品についても第二、第三の登録申請を目指してもらいたいと思います。
 それから最後でありますけれども、現地機関の組織体制の見直しについてであります。本格的な作業のスタートということで、本日、行政財政改革推進本部を開催させていただきました。これから庁内での検討を行うと同時にお手元のプレスリリースのとおり6月8日に第1回の行政機構審議会を開催して有識者の皆さま方のご検討を行っていただきたいと思っています。課題解決型の組織のあり方、そして長野県は小規模な町村が多い、あるいは県土面積が広いという他の県とはいささか異なる特性を持っています。そうした中で限られた財源でどう必要な機能を発揮していくかということをしっかり考えていかなければいけないと思っています。また産業・雇用の振興ということで、県が持っている手段としてこの試験研究機関をどう有効に生かしていくかということも大変重要だと思っておりますので、試験研究機関の在り方についてもしっかり検討を行っていきたいと思っています。これは日程ありきということではなくしっかり検討していかなげればいけないと思いますけれども、できるものは来年度から十分議論の必要なものについては再来年度から、実施するというようなことを念頭に議論をしていきたいと思っています。県の現地機関、市町村との関係であるとか、あるいは住民から見たときの利便性の確保であるとか、そうした点についても十分念頭に置きながら検討を行っていきたいと思っています。
 盛りだくさんでいろいろお話しましたけれども、私の方からは以上でございます。よろしくお願いします。

取材者からの質問

 1 「ACE県庁」メイキングプロジェクトについて

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 最初に「ACE県庁」メイキングプロジェクトについて教えていただけますか。どの辺の効果を期待していらっしゃるかというのと、先ほど部局長会議でも業間体操を知事ご自身もしてらっしゃいましたが、その辺の感想も含めて皆さんご自身が取り組むというのがどういう効果があるというか教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 まず、この「ACE県庁」メイキングプロジェクトは、先ほどみたいに、まず隗より始めよ、ということであります。先ほどお示しした4つの取組方針の中に健康経営ということを記載させていただいています。長野県のこれまでの健康づくりは食生活改善推進員であったり保健補導員であったり地域のいわゆる健康ボランティアの皆さま方、そして医療、保健関係者の皆さま方の努力で進められてきた側面が強いと思っています。もちろん今後ともそうした皆さま方の取り組みがさらに活発になるように県としても応援していきたいと思いますけれども、他方でわれわれ公務員は典型事例でありますけれども、日常生活は地域ではなくてむしろ会社等の組織に属している方たちが増えてきているわけでありまして、企業等組織の中での健康経営、社員・職員の健康作りということが非常に大きなテーマだと思っています。そういう観点で県庁も長野県の中で極めて大きな事業所として、人に言うだけではなくて自分たちがまずは率先して取り組んでいくということが大変重要だと思っています。私自身も先ほど申し上げたように目標設定させていただいて取り組んでまいりますし、自分達で実行できていないものを人に言っても説得力がないと思いますので幹部職員はもとより県職員全体でこのプロジェクトに取り組んでいきたいと思っています。

 2 現地機関の組織体制の見直しについて

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう1点。行革の関係ですが、先ほど配られたペーパーにいくつか現状の問題点が記されていると思いますが、今、知事ご自身で考えていらっしゃる問題点というか、ここを改善すべきだというところをまずは教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 これは私の立場だけでなくて現場の皆さんの声とか県民、市町村の皆さんの思いを聞いて対応していかなければいけませんが、私として感じているのが3所長会議の場でも私から申し上げましたけれども、私からすると例えば地方事務所長等は私の分身であります。広い長野県、私が年中出歩いていくわけにはいかないわけでありまして、私と同じ感覚で業務に当たってもらいたいなと思っているわけでありますけれども、しかしながら例えば権限とか財源とかそうした制約がありますし、本庁との関係では私は横で全部各部局を総覧しているわけでありますけれども、地方事務所長等はどうしても縦ラインで仕事をしなければいけない部分もあるわけでありますので、必ずしも知事や副知事と全く同じような動き方をできるような現状ではないだろうと思っています。私とすれば同じような感覚、問題意識を共有してもらえるような形の組織にしていくということが望ましいだろうと思っていますが、これは知事の立場から見たときの課題でありまして、現場からするとまた違った問題とか切り口があると思いますのでそうしたものを総合的に検討した上でどういう組織のあり方がいいのかということを検討していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 具体的な検討課題のところに昨年の知事選の公約でも挙げてらっしゃると思いますが、地域振興局というものを挙げてらっしゃっていて、この具体的なイメージと、あと今、例えば進めてらっしゃる移動知事室というか、どちらかというとソフト面で対応できる部分もあるかと思いますが、目指すところが組織改編的な組織自体、機構改革的な部分を目指されるのか、それとも移動知事室のようなフレキシブルなソフト的な運用で、現状の組織の中でも運用できるやり方もあるかと思いますが、その辺の方向性はどのようにお考えですか。

長野県知事 阿部守一
 ご指摘のとおりだと思います。どうしても現地機関のあり方検討というと枠組みというか、箱をいじるということがどうしても中心になりがちでありますけれども、今お話しいただいたように、必ずしも組織を動かさなくても運用で対応できる部分というのもあり得るだろうと思いますので、そうしたことも十分念頭に置きながら対応を考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 地域振興局はどのようなイメージを考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 今後、具体的にいろいろな課題を出していただく中で考えていかなければいけない課題でありますけども、冒頭、私が申し上げたように、知事の立場から見ているとこの課題はもっと現場で総合的に解決してもらってもいいのではないかというものがあるわけでありまして、私が本庁であれば部局横断的に各部を統括して仕事をしているように、現地機関においてもより総合性を発揮していくことも必要ではないかと思いますので、そうしたことも念頭に置きながら、他県ではこの地域振興局的なもの、私が昔勤務して担当課長をしておりましたけど、岩手県であれば、かつては地方振興局というものを置いて、今はさらに少し性格変わってきていますけれども、そうしたことも念頭に置きながら、長野県としてどういう組織がいいのかということを考えていきたいと思います。 

 3 御嶽海の十両昇進について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 違う点でもう2つ教えていただきたいのですが、木曽出身の御嶽海が十両に昇進したのですが、応援のメッセージと言うか、一言お願いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 本当に長野県から久方ぶりの関取誕生ということで、私からも祝電メッセージを十両昇進お祝いということでお出しさせていただいたところであります。特に木曽地域は御嶽山の噴火もあって、明るいニュースがあまり無かった中で大変地域の皆さんにも、そして長野県全体にも明るい希望を与えてくれるうれしいニュースだと思っています。これからさらに強いライバルと戦っていくことになるわけでありますけども、さらに精進して、そして技にも磨きをかけてさらなる上位を目指して取り組んでもらいたいと思っています。

 4 活動火山対策特別措置法の改正について(1)

日本放送協会(NHK) 保科賢一 氏
 本日、閣議の方で活火山の対策特別措置法が改正されるかと思うのでけれども、こういった国の動きを受けて、御嶽山のある県として国の動きをどのように受け止めらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 内閣府の検討の場でも私も参加をさせていただいて、地方自治体としての意見を言わせていただいております。御嶽山噴火を含めたこれまでの火山災害の教訓を踏まえていろいろな点に配慮して立法いただけたのではないかと思っています。われわれとすれば山の安全対策、これは火山に限らず登山安全条例を検討しているところでありますけども、安心してお越しいただける、そしていざというときには情報提供等もしっかりと行う中で対応できる火山対策、登山対策を進めていきたいと思っています。当面それぞれの火山の特性がある中で各地域協議会でも具体的な検討を行っていますので、そうした中で出てくる方向性をしっかりと実現できるように県としても取り組んでいきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 保科賢一 氏
 まさに今日、鹿児島の口永良部島(くちのえらぶじま)でも噴火が発生したということなんですが、なかなかそれをどうこうということはあるのですけども、そういった県内にはまだまだ活火山があります。そういった部分においていつ噴火するか分からない活火山に対して県としてはどのように対策、さまざまやっているかと思うのですけども、改めてそれに対してのお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 これはわれわれとすれば常に気象庁等の関係機関と連携をしっかり取っておくことが重要だと思いますし、いざというときの対応についても常日ごろから避難訓練、防災訓練等も含めてしっかりと行っておくことによって緊急時の対応が迅速に行えるように取り組んでいきたいと思います。

 5 「森のようちえん」信州型自然保育認定制度について

長野放送(NBS) 野平崇 氏
 「森のようちえん」のことでお伺いしたいのですが、来月1日から信州型自然保育認定制度の申請受付が始まるということで、改めてこの制度の狙い、効果を知事からお話できればと思います。

長野県知事 阿部守一
 「森のようちえん」、この信州型自然保育の制度については、全国に先駆けたものとして長野県発で広げていきたい制度であります。今、地方創生ということが言われていますけども、大都市と違ったいわゆる地方部の良さというものを磨き、そして発信していくことが地方創生につながっていくと考えておりますけども、現実は今子どもの教育環境、子育て環境として長野県のようなところで子どもを育てたいということで移住されている方も増えてきています。そしてもちろん県民の皆さんの子どもの教育に対しても長野県のことをもっと知らせなきゃ、あるいは長野県の自然の中でもっと子どもたちを教育した方がいいのではないかという声も強くあるわけでありまして、そういう中で今までどちらかというと、このいわゆる「森のようちえん」は認可外の施設が多い中で必ずしもしっかりとした基準とかルールがない。そういう中で安心してお子さまを預けていただいて、そうした「森のようちえん」の取り組みを広げていく上では、この認定制度が必要だろうということで県として取り組んでいます。認可外以外でも認可保育所、幼稚園等でもこの自然教育に力を入れていらっしゃるところもありますので、そうしたところと一体で認定をしていくという形で考えています。ぜひ、この長野県からこの「森のようちえん」、自然保育という動きが広がるようにこれからも取り組んでいきたいと思いますし、まだまだ県としてそうした取り組みをこの認定だけではなくて人材育成をはじめとして応援すべきところもあると思いますので、そうしたことについてはさらに関係者の皆さんのご意見をいただく中でより充実した取り組みが行われるように県としても応援していきたいと思っています。

長野放送(NBS) 野平崇 氏
 保育士の人数ですとか、その辺でなかなか財政的にも厳しいという声も少しあるかと思うのですけども、県として今後の応援の仕方としてそういった財政的な支援ですとか、その辺というのは現状ではどのように検討していますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今も申し上げたようにまだまだ応援すべき点がいろいろあると思っています。県民の皆さま方からの税金をどう使うかという話でありますので、ルール化されてないものに対して無秩序に税金投入するというのはなかなか難しい部分があるわけでありますけれども、今回認定制度を作るということは一定の基準に達したものがそうした枠組みに入っているわけでありますので、われわれとしては制度仕組みとしては応援しやすくなると思っていますので、具体的にどこまでどういう形で応援するかということについては、来年度の予算に向けてさらに検討を深めていきたいと思っています。

 6 活動火山対策特別措置法の改正について(2)

読売新聞 戸田貴也 氏
 先ほどの活火山の特別措置法の関係で補足で1点。先ほど知事が意見を国に言う中でさまざま盛り込んでいただいたという趣旨の発言ありましたけれども、具体的に今までご存知の中でこういった点、例えば御嶽の教訓を踏まえて盛り込んでもらったとか評価すべき点等あれば教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 情報提供連絡体制の充実という点が緊急時では一番重要であろうと思っています。そういうことも方向性としては示されていますし、法案には盛り込まれてないかもしれませんが、政府に対して私から言って十分理解していただけていると思っておりますのが、火山研究者が十分じゃないというところもあるので、先ほど申し上げましたように、地方公共団体としては防災対策万全を期していきたいと思いますけれども、そのどうしても現状では観測体制等については国中心に考えてもらわざるを得ないわけでありますので、そうした部分の強化も今後しっかり取り組んでもらいたいと思っています。

 7 今後の観光振興の取り組みについて

読売新聞 戸田貴也 氏
 あと別件でもう1点。観光の関係です。「信州サぁイコー!」等ご説明ありましたけれども、実際に先ほどおっしゃったように、新幹線の延伸や御開帳といった大きなイベントが一区切りを終える中で6月からはその効果ではなくて、効果を持続させていくという狙いでの取り組みだとおっしゃっていましたけれども、実際にその繰り返しになってしまうかもしれませんが、新幹線の延伸から6月では3カ月を迎えて、実際に徐々にその熱狂的なものは少し落ち着いてくると思うのですが、実際に6月以降の観光シーズンについてですね、知事としては例えば先ほどおっしゃったように少し危機感を持っているとか、どういった時期、観光のシーズンになっていくのかっていう認識を教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 短期的な視点と中長期的な視点と両方持って観光振興を取り組む必要があると思っています。先ほど申し上げたように、今回のゴールデンウィーク中の入り込み客数の状況を見ると全県おしなべて良好な状況だと思っていますけれども、ただ新幹線効果であるとか善光寺の御開帳効果後についての対策ということも考えなければいけない中で緊急経済対策の交付金を使って御開帳終了後にスタートをさせて、落ち込みが最小限になるようにまずは取り組んでいきたいと思っています。それからもう少し長い目線で考えたときには、来年は今度は諏訪の御柱もありますし、NHKの大河ドラマ「真田丸」の放映もあります。そういう意味でまた再び長野県に注目が集まる形にもなりますし、さらにその翌年にはDCキャンペーンも予定していますので、来年・再来年に向けてしっかり計画的にこの観光振興策講じていくことが重要だと思っています。今年の予算でWi-Fi(ワイファイ)の環境整備等に県として支援をするということを出させていただいていますけれども、1つは長野県のキャンペーン・PRということと同時に観光地自体の質を高めていく、PRと環境整備の両面で来年、再来年に向けた取り組みをしっかり行っていきたいと思っていますし、観光部には今までの観光行政の延長ではなく、今言ったようなストーリーで何を行うべきかということをしっかり考えるように指示しているところであります。

 8 これからの公営企業の在り方について

信濃毎日新聞 牧野容光 氏
 企業局の方向性についてお尋ねします。昨日の総合教育会議で知事から企業局が運営する水力発電の売電収の一部を使って教育支援に充てるという考えが示されました。それで企業局といえば一時期は民営化を目指した方向もありましたが、水道事業に関する市町村を支援するPFI事業の展開だったり、今回この度知事からご発言がありました教育への支援といったもの、非常にこの企業局自体の方向性、在り方が変わってきたように感じます。企業局の経営戦略というものを立てると伺っていますが、知事として長野県企業局の方向性としてはこんなものを考えているとかいうところについてお尋ねします。

長野県知事 阿部守一
 私として考えているというよりは、そもそも私が知事になったときは企業局の電気事業については中部電力へ売却の方針ということだったわけでありますけれども、固定価格買取制度ができたり自然エネルギーの重要性が高まる中で、単純に売却するということでは良くないのではないかということで県議会の皆さま方のご理解もいただく中で方向転換させていただいたわけであります。どちらかというと今までの企業局の仕事は縮小させる方向で全体が動いていたわけでありまして、新しい発想で新しい取り組みをするというのが難しい環境でもあったと思います。方向を変えさせていただく中で小林管理者はじめ企業局の皆さんにも今頑張ってもらう中で、今お話があった教育関係への利益が上がった分を活用させてもらうというご提案もいただいたわけですし、これまでも自然エネルギーの普及拡大に対して一般会計に繰り入れしてもらっているということでもあります。私は地方自治体の行政の仕事の仕方いろいろなパターンがありますけれども、公営企業というのは県民の皆さま方に税金でサービスするのではなくて料金収入でサービスをする組織でありますから、一般行政部門とはまた違う形で活躍してもらえる余地がこれからどんどん広がってくるのではないかと思っています。そういう意味でこれからの公営企業の在り方については小林管理者ともよく相談して、私としては積極的に公営企業の形態が活用できるような分野を一緒に考えていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?