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更新日:2016年12月25日

知事会見(平成25年(2013年)2月15日(金曜日) 11時05分~12時00分 県庁:会見場)

項目

知事からの説明

  1. 退職金の引き下げ、長野県、佐久市、JR東日本による移住・交流促進に向けた取り組み、関西経済同友会との懇談等、信州保健医療総合計画の策定、長野県観光親善大使の任命、信州ジビエフォーラムの開催について

取材者からの質問

  1. 退職金の引き下げについて(1)
  2. 長野県短期大学付属幼稚園の募集停止について(1)
  3. レジ袋の無料配布の中止について
  4. 退職金の引き下げについて(2)
  5. 株式会社モンベルとの懇談について他
  6. 長野県短期大学付属幼稚園の募集停止について(2)
  7. 職員の給与削減について

配布資料一覧

■平成25年2月県議会定例会提出予定条例案の概要(追加分)(PDF形式:177KB)
■平成25年度当初予算案のポイント(PDF形式:1.43MB)
■平成25年度当初予算案の概要(PDF形式:1.68MB)
■中期財政試算(平成25年2月)(PDF形式:158KB)
■信州保健医療総合計画の概要について(PDF形式:481KB)
■2月21日、「信州ジビエフォーラム」を開催します(PDF形式:208KB)

本文

知事からの説明

 1 退職金の引き下げ、長野県、佐久市、JR東日本による移住・交流促進に向けた取り組み、関西経済同友会との懇談等、信州保健医療総合計画の策定、長野県観光親善大使の任命、信州ジビエフォーラムの開催について

長野県知事 阿部守一
 2月15日の会見を始めたいと思います。まず私の方から6点ですかね、まず退職金の引き下げについてでございます。昨日、地公労との交渉がありまして、最終的な局面で私も交渉に参加をさせていただく中で合意をすることができました。2月の県議会に退職手当条例の改正案を提案する予定にしたいと考えています。皆さんのところには資料が配布されているかと思いますけれども、現行の調整率100分の104のところを、年度区分で100分の94、100分の88、100分の87という形で引き下げるというものであります。今回の引き下げについては、国の対応を基本としながらも、地方自治体は年度単位で人事管理をやっていますし、財政的にも年度単位で物事を考えているということで、国の考え方を基本としながらも長野県としての独自の下げ方にしています。今回の引き下げ幅はかなり大きな引き下げ幅になりますので、例えば定年退職者1人当たりの減少額ということで申し上げれば、平成25年度、来年度退職される方が約250万円程度、それから26年度の方が約400万円程度、それから27年度に辞められる方は約430万円の引き下げという形になります。県の財政の観点から申し上げれば、併せて中期の財政見通しをお配りさせていただいているかと思いますけれども、この退職手当の引き下げによる影響額は5年間トータルで約200億円、196億円という形になります。地公労の皆さんには、私どもの考え方に対して理解をいただいたということで、私としては大変ありがたいと思っております。労使で交渉して合意ができたということで、これからも円滑な労使関係を基本に据えて、県政運営をしていきたいと思っています。先ほど申し上げたように、非常に退職手当の引き下げ額が大きな額になるわけでありますけれども、県職員の皆さんには、県民のための県政、そして民間との均衡を図るという観点で、国が実施したものに準じたものでありますから、ぜひその点は十分理解をいただいた上で、引き続き職務にまい進してもらいたいと考えています。
 それから2番目でございますけれども、先ごろ東京のJRで会見をさせていただきましたが、長野県、佐久市、それからJR東日本の連携で、移住・交流促進の取り組みをしていこうと考えております。去る2月12日、JR東日本の本社におきまして、JR東日本の原口宰(つかさ)常務取締役、そして柳田清二佐久市長、さらに私の3者によります共同会見を行わせていただきました。長野県と佐久市、そしてJR東日本との連携によって、移住・交流を促進するプロジェクトを進めていこうというものであります。県としては、移住・交流推進戦略に基づきまして、移住・交流を積極的に進めてきているところであります。田舎暮らしの本でも、長野県は移住したい県の1番ということで、4年連続評価をいただいているわけであります。ただ、そうした中での課題の一つは、移動のコストと、移住先を探される場合、あるいは移住した後のですね、もと住まわれていた地域との交流に対するコストというのが、どうしても多額にかかってしまうということで、昨年の秋の段階でJR東日本といろいろお話をする中でですね、この移住・交流についてJR東日本も関心を持っているというお話をいただきましたので、実務ベースで協議を重ねた結果、基本的なスキームが整ったので、先日2月12日に発表させていただきました。JR東日本は「大人の休日倶楽部」という会員制のクラブを作っておりますので、この会員を対象として、移住前のお試しツアー、あるいは移住後の首都圏への移動に対する割引特典制度、この2本立てで支援をしていただくという形になっております。具体的な内容については、JR東日本が中心に検討しているところでありますけれども、対象地域としては、まずは成功事例を作りたいということで、移住・交流に熱心に取り組まれている佐久市をモデルに取り組んで行こうということにさせていただきました。JR東日本がこうした形で移住促進に関わるということは、全国で初めての取り組みでありまして、私としてはJR東日本の英断に感謝をしたいと思っております。引き続き佐久市と連携して、きめ細かな移住相談、サポートをしていきたいと考えています。
 それから、大きな3番目でありますが、関西圏の経済界の皆さま方と懇談等をさせていただきました。一昨日、昨日と大阪、関西に行ってきたわけでありますけども、企業の皆さんに長野県の企業誘致の取り組みであるとか、あるいは観光、あるいは農産物、そうしたものをご説明させていただいて、さまざまご意見等いただいてまいりました。まず、2月14日、昨日ですけれども、関西経済同友会の皆さんと2時間ほど懇談を致しました。大林組の会長、経済同友会の代表幹事でありますけれども大林会長、それからサントリーホールディングスの鳥井副社長をはじめとする幹事の皆さま方と懇談致しました。長野県から私のほか太田商工労働部長、野池観光部長も同席をして、商工・観光分野における関西経済圏との交流拡大策について議論をしました。また、先方からの要請に基づきまして、長野県から見た道州制、関西の皆さん、道州制積極推進論者の皆さんでありますから、私なりの道州制についての考え方もお話をさせていただいて、意見交換をさせていただきました。いろいろご意見ありました。サントリーの鳥井副社長もいらっしゃいましたので、ワインの話、これは長野県は積極的に進めていく必要があるんじゃないかということで、海外を視野に入れて取り組まれてはどうかということもお話をいただきました。また、長野県、水であるとか森だとか、非常に良いイメージを強く持っているところでありますので、そうしたものをしっかり発信していくことによって、企業誘致、企業の活動にもつながっていくのではないかというお話もいただきました。これから関西の経済界の皆さま方とは、より具体的なコラボレーションができるように、取り組んでいきたいと考えています。道州制に関連しては、関西経済界の皆さま方は、やはりどうしても東京一極集中の状況というものに対しての問題意識をかなり強く持たれていらっしゃいますので、なかなか地方分権が進まない現状に対して、正直もう我慢の限界だというような感覚でいらっしゃいました。私の方からは、道州制、確かに首都圏、あるいは近畿圏は今の都道府県の区域が、身の丈に合わないというか、経済活動のエリアからすると、狭すぎるのではないかという問題意識は共有しますけれども、例えば長野県から見たときには、必ずしも関西圏と長野県の都道府県が置かれている状況は同じではないのではないかというお話をさせていただいて、まあ、まあ、長野県の特異性というか、長野県の問題も共有できるという話をいただいたところでございます。どうしても長野市にいると、新幹線のつながりで、東京方面との関係性を強く意識しがちでありますけれども、やはり農産物の市場等も含め、関西とのつながりも非常に強いわけでありますので、継続的にこうした取り組みを行っていきたいと思っております。
 また、吉本興業、吉野会長のところへもお伺いして、吉本の長野県住みます芸人「こてつ」の皆さんの活躍に対する御礼を申し上げてまいりました。「こてつ」の二人も同席したわけでありますけれども、私の方からは、長野県は健康長寿だということで、健康長寿を維持していく上で、やはり、例えば免疫力の向上であったりですね、あるいは、先般も「がんのシンポジウム」で、緩和ケアの重要性についても話をさせていただきましたけれども、笑いというものと健康というものとの関連性は非常に強いものがあるのではないかということで、ぜひこの長野県、健康長寿県をさらに進めていく上で、笑いという要素を何か生かすことができないでしょうかという問題提起をさせていただきました。今後何か具体的なですね、施策ができればいいなと思っておりますけれども、その場では、例えば看護学校等で「こてつ」にコミュニケーションの話をしてもらってはどうかというような話も出たわけでありまして、ぜひこの話については、具体的な取り組みにつなげていければと思っております。
 それから、あと産業立地推進委員の皆さま方ともお話をさせていただいて、非常に経済環境が激変する中で、やはり長野県としても、焦点をもっと絞ってPRすべきではないかとか、あるいはこの推進委員の皆さま方とのコミュニケーションの取り方を含めてですね、もっと泥臭くやれというような、ご指摘もありまして、企業誘致も含めて、関西圏との関係性をより深い形にしていくようにしてまいりたいと思っております。
 それから、大きな4番目でありますけれども、信州の保健医療総合計画についてでございます。近年の保健医療を取り巻く状況が激変する中で、この保健医療に関わる各種施策を一体的に体制整備していこうということで、今回「信州保健医療総合計画」ということで、今まで七つの計画、いわゆる保健医療計画とそれから健康グレードアップながの21、長野県医療費適正化計画、歯科保健推進計画、がん対策推進計画、自殺対策推進計画、感染症の予防のための施策の実施に関する計画、まあ読み上げるだけでも大変な7つの計画が、バラバラに存在していたわけですけれども、健康づくりみたいなところは、かなり共通する部分があるので、これを一体計画に今回することと致しました。歯科保健推進計画だけ条例上の計画で、他は法定計画ということで、私は、法律上の建て付けも率直に地方の立場から見ればいかがなものかなと思います。これはどうしても国が発想すると縦割りになるわけですけれども、いろんな対策も地域の人達から見れば、あるいは地域の担い手の方から見れば、かなり重なる部分があるわけで、こういうのがバラバラであること自体が、中央集権的な視点だなと私はつくづく思っています。他の県でも、いくつか、2つとか3つとか計画を統合したケースありますけれども、これだけ多く7本の計画を1本の計画にするというのは、今回の長野県の取り組みが初めてということでありますので、少しこういう計画の整理統合についても、国にも提案していく必要があるのではないかと思っています。今回の保健医療総合計画は、今後5年間で取り組んでいく施策の方向性、それから具体的な目標を明らかにするものということでありまして、目指す姿としては、長生き、これはもう長野県は長生きを実践してきていますから、これから健康プラス長生き、健康で長生きという方向にもっていきたいということで、全体を組み立てているところであります。その中でも特に、昨日も関西の経済界の皆さんとの話の中でも私から申し上げましたが、長野県は健康長寿、この健康長寿は、例えば飛び抜けた水準の医療機関があるからということではなくて、むしろ地域の力が長野県を健康長寿に導いてきているわけでありまして、そういう意味で今回の計画の中で、「共助(ソーシャルキャピタル)」と記載をしてありますけれども、この地域の力、社会の力、そうしたものを基本とした支援体制の整備に、ぜひ力を入れていきたいと考えています。中期5か年計画にも、例えば保健補導員であるとか、食生活改善推進員の皆さんのことをしっかり位置付けさせていただいています。保健補導員約1万1千人、食生活改善推進員の方約5千人、長野県にとっては非常に重要な財産、ソーシャルキャピタルだと思っています。こういう皆さんと一緒になって、健康づくりの活動、あるいは食生活の改善の活動、さらにはさっき少し言いましたけれども、お笑い、長野県とお笑いはちょっとイメージが合わないかもしれませんけれども、やっぱり笑顔で暮らせる社会を作っていく上では、いわゆるお笑い的な要素というのは、私はもう少し健康づくりに入れられないかと思っていますので、そうした視点も含めて、この健康長寿、健康で長生きできる長野県づくりを進めていきたいと思っております。具体的な内容については、また別途、健康福祉部長の方から説明すると聞いておりますので、ぜひ中期計画と一体となって、この計画を進めていきたいと考えています。
 それから大きな5点目でありますけれども、長野県観光親善大使の任命についてでございます。台湾の歌手 林宥嘉(りんようが)さん、私も台湾に訪問したときに、いろいろお話もさせていただきましたし、台湾での観光キャンペーンにも、既にご協力いただきましたが、今回、長野県の観光親善大使を委嘱することと致しました。林さんは、台湾だけではなくて中国大陸でも人気があるということで、長野県の魅力、県内の観光情報を広く発信していただきたいと思っています。任命式は、2月19日午後1時から県庁で行います。昨年6月に軽井沢を舞台にプロモーションビデオを撮影して以来、長野県、大変気に入っていただいておりますし、また8月には、白馬、小谷で再びビデオを撮影していただいています。白馬、小谷で撮影したビデオを収録したDVDが昨年12月に発売されたということで、大使の就任、ご快諾いただいて今回スケジュールの都合が付いたことで、今回長野で任命式を行うということに致しました。2月18日から21日までの日程で、県内滞在ということでありまして、滞在中の様子を林さんのフェイスブック等で広く発信していただきたいと、いただく予定にしてあります。また、今後、コンサート会場等でですね、私ども長野県のPRをしていってもらいたいと思っています。林宥嘉さん、なかなかわれわれ日本にいると、どういう方だという感じはありますけれども、例えば、フェイスブックで「いいね」の数が27万人、ツイッターのファンの数は514万人、台湾金曲賞というんですかね、日本のレコード大賞にあたる台湾金曲賞に5人ノミネートされたうちの一人、残念ながら大賞は逃したものの、ノミネートされているということで、私台湾に行ったときに、学校訪問してですね、林さん知っているって、彼の写真と私が一緒に写っているのを見せたら、キャーキャー言われるというそういう存在であります。ぜひ、一緒になってですね、台湾、中国の皆さんに、長野県のPRをしっかりしていきたいと思っています。
 最後6番目でありますけれども、信州ジビエフォーラムの開催についてでございます。2月21日16時からホテル信濃路で、信州ジビエフォーラムを開催する予定にしております。昨年3月に信州ジビエ研究会設立以来、ほぼ1年がたっているわけでありますけれども、今年度活動を振り返って、見えてきた課題を整理したり、そして来年度に向けた活動について話し合いをしていきたいと思っております。当日は、県内でジビエに取り組む方々からの事例発表、そしてジビエ研究会長であります玉村豊男さんをコーディネーターとして、ジビエ生産者、研究者の皆さん、そして私も加わってですね、信州ジビエの魅力、あるいは安全・安心な鹿肉流通の仕組み等についてパネルディスカッションを行ってまいります。その後は参加者が一堂に会して、調理師会、長野県の調理師会が開発したジビエメニューでありますとか、あるいは、各地で販売されておりますジビエ製品を楽しみながら懇談します「信州ジビエ味の競演」、立食パーティ-を開催したいと思っております。ジビエと言えば信州と言われるような取り組みを今回のことを弾みに進めていきたいと思っています。今年度ジビエ研究会で、ジビエ振興方策の策定を進めると同時に、狩猟者、調理師、栄養士の方々を対象とした講習会を実施したりしてきました。来年度は、いよいよ信州産鹿肉認証制度をしっかりつくって、安全・安心な鹿肉の流通制度の仕組み作りに取り組んでいきたいと考えていますし、また、優れた捕獲技術、これは狩猟の仕方によって味がだいぶ変わってきたりしますので、信州ジビエハンター養成事業、あるいは料理の仕方によっても、味が変わってきますので、信州ジビエマイスター養成事業、こうしたものを実施して、総合的にジビエ振興に取り組んでいきたいと思っています。またさらに全国ジビエサミットの開催も計画しておりますので、ジビエといえば信州だと言われるようなPRにも取り組んでいきたいと思っております。ちょっと長くなりましたが、私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。

取材者からの質問

 1 退職金の引き下げについて(1)

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 退職金の引き下げの交渉の関係で何点かお伺いしたいんですが、1点は先ほど財政的な観点ということで、200億円程度の効果と言いますか、削減になるということだったんですけれども、当初国の通知等に基づいた引き下げよりも大きい幅での引き下げとなっていると思うんですが、当初の提案と今回の妥結した間ではどれくらい全体的な財政的な効果の違いがあるのか、試算されていたら教えていただきたいのと、知事は昨日結果について県民の納得というか、理解が得られる内容だというようなことをおっしゃっていましたが、職員の将来設計という方の側面の一方で、そういった部分での財政的な観点でのそういう捉え方で、そのような発言をされたのか確認をしたかったですが。

長野県知事 阿部守一
 財政的。ごめんなさい、ちょっと意味が。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 全体的に削減が及ぶということで、身を切る姿勢を示したという意味で県民の理解を得られるということでおっしゃったのか。

長野県知事 阿部守一
 まず、先ほど少し説明を落としましたが、中期財政試算も今日お配りしているんですよね。予算の発表のときに本来配付を今までしていたんですけども、今回退職手当の交渉中ということで、今日お配りをさせていただいたところであります。2月8日に公表した予算案から25年度分ということで退職手当24億円減額して、そういう意味で歳出が24億円減る形で2月県議会に予算を提出していきたいと思っています。中期財政試算は先ほど申し上げましたように、5年間で196億円の退職金の引き下げを加味したものにさせていただいているところであります。中期財政試算をご覧いただきますと、基金残高については、今のままの財政運営だと引き続き毎年度取り崩しで対応していかなければいけないという右肩下がりの状況であります。詳細については、後ほど財政課の方から説明をさせたいと思っておりますが、こういう中で、退職金の交渉をしてきたわけでありますけれども、退職手当については県民の皆さまにご理解いただける内容だと私が申し上げたのは、何というか理屈の世界で交渉をして、組合の皆さん、地公労の皆さんに理解をしていただいたとそういう観点ですね。財政的にどうこうということよりは、むしろ例えば、国の落とし方は9カ月単位で落としていますので、今年の1月から9月までの方と10月1日以降の方とは、同じ来年度25年度の中でも年度の真ん中でちょうど真っ二つに支給率が変わる形になります。国の人事は、例えば大幅な人事は通常国会明けの夏とかですね、そういう形で国家公務員の人事というのは必ずしも年度末に集中しているわけではないので、そういうことを勘案すると、国の場合には、年度の途中で率が変わることがあまり違和感がないのかもしれませんけれども、やはり地方自治体の場合は年度単位で人事管理をやってきていますし、やはり当然定年退職の方は、年度末3月31日で辞められる方が多いわけでありますので、そこの違いをやはり国の考え方を基本としながらも、一定の調整をしていかなければいけないだろうということで、25年度中は同じ率の、どこで退職する人も同じ率にするということで、何というか加重平均で按分(あんぶん)をしています。そういう意味で、例えば25年度の前半で仮に長野県で退職する人が生じた場合には、国よりも厳しいですね、国よりも低い率になります。ただ、通年で見た場合には、年度後半は国よりも少し水準が上がるということで、年度を通じた形で判断をして率を決めさせていただいておりますので、そういう意味で、国家公務員に準ずることを基本としながらも、年度単位で区切るという考え方の中で率を決めたということでありますから、そういう意味で、国と地方との人事管理の違いを勘案すればですね、県民の皆さま方にもご理解いただける内容だと思っておりますし、その内容で組合の皆さんにもご理解いただけたということは大変ありがたいなと思っています。ちなみに金額の影響額ですけれども、これ例えば国の場合は24年度からやっていますので、年度内施行というのがやはり非常に、今もう2月で生活設計されていらっしゃる方も多くいらっしゃる中で、ここは非常にいろいろな課題があるだろうと、駆け込み退職が出ている県もあるので、そこはわれわれとしては4月1日以降という形にさせていただきましたので、25年度以降の影響額ということで申し上げれば、これちょっと私の手元にある試算でありますから、ちょっとまたもしあれでしたら担当課の方から正確に聞いてもらった方がいいかもしれませんけれども、25年度以降国と同じやり方でやった場合と今回妥結したやり方でやった場合の金額の差というのは約5億円ですね、全体が先ほど言ったように、今回削減幅が196億円になりますから、ほぼ国と同じレベルに近い形だと考えています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 今回は職員の退職金の関係なのですが、常勤の特別職の方の退職金についての考え方というのがもし固まっていたなら教えてほしいのですが。

長野県知事 阿部守一
 当然一般職の退職手当はやるけれども、特別職の退職手当の引き下げは行わないということはあり得ないと思っておりますので、当然今後引き下げの手続きをしていかなければいけないだろうと思っています。通常のやり方ですと、特別職の報酬等審議会に諮問してこうだということで答申をいただいて確定をしておりますので、基本的にはそういう手続きで行っていこうと考えています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 もう一点、先ほど出てきた中期財政試算に関してなんですが、一点、県税に関しての見通しについては、国の名目成長率を参考に推計されたというんですが、ここには一方で長野県中期総合計画で県民所得の向上というのを目標にも掲げていると思うんですけれども、そこら辺を見込んだ野心的な数字なのか、それともそこは試算としてあくまで国のベースで試算されているのか教えてほしいんですが。

長野県知事 阿部守一
 ここは野心的なものかどうかと言われれば、ここはニュートラルな形で試算してきていますね。

 2 長野県短期大学付属幼稚園の募集停止について(1)

信濃毎日新聞 半田茂久 氏
 先日ですね、保護者の方々に対し説明があった県の短期大学付属幼稚園の廃園が決定した件なんですけれども、現場では保護者の方々に経緯等、説明等、学長から説明があったということなんですけれども、改めてこの場で知事に廃園に至る経緯とですね、その決定の根拠をご説明していただきたいんですけれども。

長野県知事 阿部守一
 廃園に至る経緯、ちょっとそれは担当課から説明してもらった方がいいですね。地元の皆さんに、あるいは保護者の皆さんに説明をした上でご理解をいただいて進めていきたいと思っていますんで、今までの経過も含めてご説明したいと思います。

総務部情報公開・私学課県立大学設立準備室長 増田隆志
 今お話のございました付属幼稚園の廃園といいますか、正確に言うと新規の入園児の募集を今度の4月の皆さんまでは募集を行うんですけれども、その次からは募集を停止してまいりたいということで説明を県短の付属幼稚園で県短の学長の方から申し上げたという件です。一方では、大学の設立というのも、新しい大学の設立というのもあったんですけれども、それはそれと致しまして、今、平成15年以降、園児の減少が続いておりまして、現在の充足率も6割程度となっているというのがございます。それから周辺にも幼稚園があるという中で、一定の受け入れ体制というのもあると。それから付属幼稚園がですね、もちろん学生の教育実習を行うための施設としてそこにあるわけなんですけれども、この実習先についても、これから周辺の幼稚園とか、市内の保育園、保育園は今もやっていただいているわけなんですが、そういったところとお願いしていく中で、実習先というのも確保していくことができるのではないかということの中でですね、もちろん一方では、園舎が昭和40年の建築で老朽化が進んでおりまして、コストもかかっております、維持費と言いますか運営費もかかっております。ただ、もちろんコストがかかっても、教育実習に必要なものであれば、当然それは維持していくべきなんですけれども、教育実習先も外に協力を求めていこうという方針で、今回、今年度をもって募集を停止させていただきたいという方針がおおむね内部で検討してまいりました。手続的には、これから教育委員会で審議をして決定していただくということになっていくわけなんですけれども、今度4月入園される保護者の皆さまには、また在園の保護者の皆さまには、この時点でできるだけ早く情報をご提供した方がいいだろうということから、この時点で情報を提供させていただいたというものでございます。

長野県知事 阿部守一
 はい。ありがとうございました。よろしいですか。

信濃毎日新聞 半田茂久 氏
 はい、すみません、確認なんですけれども、現場の説明会では、知事が決めたという説明がされていたそうなんですけれども、事実関係ちょっと確認したいんですが。

長野県知事 阿部守一
 最終的には、すべて県の知事部局が決めたことは私が決めたということ、それは担当課と相談した上で決めたということですけれども。

信濃毎日新聞 半田茂久 氏
 確認なんですけど、正式決定ではないんですかね、もう決まったことなんですか。

長野県知事 阿部守一
 正式決定というのが、何をもって正式決定になるかということにもよるのだろうと思うのですけれども、まずは地域の皆さんの、地域の皆さんというか、保護者の方の理解を得てということが前提だと思っていますので、そういう形で説明をしているのではないかと思います。

信濃毎日新聞 半田茂久 氏
 現場の方では、募集停止イコール廃園という決定事項ということで説明を受けていて。

長野県知事 阿部守一
 募集を停止するということは必然的に、今いる子どもたちはもちろんしっかり対応させていただきますけれども、順次少なくなっていくということですかね。

信濃毎日新聞 半田茂久 氏
 一部の保護者の方々には、突然の決定を知らされて動揺しているお子さんたち、保護者も多いということなのですけれども、もし、もっと前の段階で、県の4年制大学の設立と含めて廃園を検討されていたということですけれども、その段階でもっと早めに情報を提供して、保護者・関係者と一体となって議論をしていくという方向性もあったと思うのですが、その辺についてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは、ちょっと手続的に、どのタイミングでご説明をするのがいいかというのは、確かにいろいろ議論はあるかもしれませんけれども、われわれとしては、われわれの考え方が全くなしで白紙で相談をするということには、普通いかないと思いますので、一定程度われわれの方の考え方をまとめた上で、お話をしたということだと思いますので、確かに最初に言われれば、何事も唐突なことにはなるのかもしれませんけれども、できるだけ丁寧に理解を求めていくようにしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 半田茂久 氏
 先ほど老朽化うんぬんという話がありましたが、実際、知事が現場を訪れて施設等をご覧になったことはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ありますね。県立の短大を拝見した際に、併せて見させていただきました。

 3 レジ袋の無料配布の中止について

日本放送協会(NHK) 原田季奈 氏
 レジ袋の無料配布の中止のことについてお伺いしたいのですが、昨日県庁で開かれた協議会で、半数ほどの事業者の方が参加できないというようなことを訴えていらっしゃいましたが、それについて知事はどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 レジ袋の話は、環境に優しい長野県を作っていく上で、重要な取り組みだと思っています。事業者の皆さま方にも、会議の場あるいは個別にもいろいろお願いをさせていただいているわけですけれども、それぞれの事業者ごとにいろんな考え方であるとか、いろんな状況がおありになるということだろうと思います。これは、レジ袋の無料配布をやめる、やめないというのは、環境全体の中で、それだけが突出している話ではないだろうと思いますが、日常生活に密着した一つの大きな象徴的な取り組みだろうと思っています。これはぜひ、消費者の皆さんと事業者の皆さんと思いを共有して進めていくということが大変重要だと思っていますので、会議の場でも消費者団体の方などからも強い決意が表明されたと伺っておりますので、ぜひそうした皆さんと一緒になって、引き続き、県としても取り組んでいきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 原田季奈 氏
 当初、今年の春までということだったのですが、6月をめどに可能なところからというように、時期もずれますし、県内で一斉ということもなかなか厳しい状況になっていますが、それについてはいかがですか。

長野県知事 阿部守一
 何というか、行政が統制している世界ではないですから、必ずいつから全て実施するという計画的にやるというよりは、地域であるとか、消費者の皆さんも、消費者の中にもさまざまなご意見があると思います。そういう皆さんも含めて、一つずつ理解を深めて階段を上っていくことが、結局遠回りであっても近道じゃないかなと思っていますので、これからも引き続き関係の皆さんと、情報、あるいは考え方を極力共有しながら進めていくようにしたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 原田季奈 氏
 県としてこのような取り組みをして、皆さんの理解を得ていくという方法はあったりするのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 県としてはレジ袋の削減とマイバッグの持参は、ある意味表裏の関係でありますから、マイバッグ持参を呼び掛けたりとか、そういうことは県としてもしっかりやっていきたいと思っています。

 4 退職金の引き下げについて(2)

信濃毎日新聞 須田充登 氏
 退職手当の引き下げの関係でいくつかお伺いしたいんですが、昨日も知事は国が求めている地方公務員の給与削減とはこれは違うものだとおっしゃっていましたけれども、改めてお伺いしたいのは、国に準拠するということを重視する理由はどういうものなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 法律でそう書いてあるからですよね。昨日も組合の皆さんと話をする中で、ちょっと私から申し上げましたけれども、今の地方公務員の給与制度は地方公務員法で国家公務員、あるいは民間の生計費、そうしたものに準じるということで書かれているわけでありますから、であるからこそ人事委員会勧告なり、そういうものをわれわれも労使ともに尊重してこれまできているわけでありますから、やはりそこが起点ですよね、ということは私からも組合の皆さんに話をさせていただいていますし、そこは組合の皆さんも同じ理解だと私は思っています。

信濃毎日新聞 須田充登 氏
 独自に第一段階と第二段階の引き下げ幅を大きくしているわけですけれども、その歳出削減の効果がほとんど国と同じようなレベルだという説明がありました。その歳出削減効果をほとんど同じようにする狙いもあって、こういう県独自のやり方を考え出しているという面もあるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私の発想で申し上げれば、合理的な理由が付くかどうかということが判断基準です。要するにバナナのたたき売りではないのですから、県の財政が厳しいからもっと削減してよとかですね、組合の皆さんが強く要求するから、もっと緩くしろとかそういうことではなくて、先ほど申し上げたような考え方で合理的な理屈が付く範囲内で交渉して、合意してもらったということです。

 5 株式会社モンベルとの懇談について 他

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 JR東日本と佐久市と県とで合意した新幹線の割引という話なんですけれども、これは先日JR東日本と資産譲渡でまとまった並行在来線のJRからの実質的な財政支援のパッケージとは全然別の話ですか。

長野県知事 阿部守一
 それは別ですね。これはJRでやっていただいている部署が、JR側は違う部署でやっていただいていますので。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 それと一連の大阪の方に行かれた件で、モンベルっていうアウトドアメーカーをお訪ねになっているというのが日程に出ているのですけど、何か県内の山岳観光とか、あるいはショップ誘致とかそういうアイデアとかで意見交換をされてきたりしたのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 モンベルの辰野会長と実は、モンベル本社自体は大阪ですけど、奈良の社会福祉法人の青葉仁会というところに一緒にお伺いをさせていただきました。青葉仁会というのはモンベルの辰野会長も理事をされているところでありまして、辰野会長はもちろん登山関係の用具を売っていらっしゃるわけでありますが、それと同時に障害者の雇用にも非常に熱心にこれまで取り組まれてきているということで、ぜひそういう現場も私にも見せたいということで、社会福祉法人でのいろんな障害者雇用の取り組みを見てきました。行って、私は行くまで知らずに申し訳なかったのですけど、この青葉仁会が実は長野県でスペシャルオリンピックスをやりましたが、あの時のあのマーク、SOのシンボルマークをどうもデザインをしていただいたところのようでありまして、非常に強いご縁を感じたわけでありますが、辰野会長とはそういう障害者の雇用の話、あるいはもちろん本業が山岳関係でありますから、長野県の山岳観光についても含めて、いろいろ意見交換をさせてきていただいてきたところであります。ぜひ、こうしたご縁を生かして何か具体的なコラボレーションをすることができればいいなと思っています。

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 特に今回何か具体的なものがあったということではない。

長野県知事 阿部守一
 まあ、いろいろ幅広く意見交換をさせていただきましたので、継続して意見交換して何か具体的なことを行っていきたいと思っています。

 6 長野県短期大学付属幼稚園の募集停止について(2)

信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
 最後、県短付属幼稚園の関係、ついでですけど、本年度の春の入園を最後に打ち切るということは、今年の春入る子どもたちが3年間過ごして25、26、27年度末に卒園するわけですけど、そうすると、28年度からはおおむね3年後ですけども、4年制大の開学時期ともこの辺はリンクしているとすれば、開学に合わせてというか、当然連携している話だとは思うのですけど、開学ありきというか、3年後は開学ありきで廃園を決めてしまったというか、そういうとられ方もしている面があると思うのですけど、その辺はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 あの、それは尻尾と胴体の関係でちょっと例えが悪いのですけど、4年制大学、短大をどうするかという話の方がどちらかというと大きな話ですよね。付属幼稚園であるわけですから、付属幼稚園の時期によって大学の開学が左右されるということではありません。もちろん全く関係ないわけではないのは当たり前でありますけれども、しかしながら幼稚園の閉園の時期イコール大学の4年制化の時期ということで考えているわけではありません。

 7 職員の給与削減について

朝日新聞 軽部理人 氏
 給与削減の問題なのですが、去る2月12日にですね、安倍首相のもとに経済団体の3トップを招いてですね、安倍首相が賃上げ要請を行いました。かたや公務員に対しては給与削減、特に地方に関しては給与削減を求めている、この政府の方針について阿部知事のお考えをお聞かせください。先週も会見で出ていたのですが、新年度中に給与の削減に関して何かめどは立ちそうでしょうか。よろしくお願いします。

長野県知事 阿部守一
 給与削減というのは、来年度の引き下げを政府が要請している、この退職手当じゃない方の話のことですね。

朝日新聞 軽部理人 氏
 はい、そうです。

長野県知事 阿部守一
 そのことについては何度もお話をさせていただいていますけれども、さっきもちょっと申し上げましたけれども、給与決定は基本的には国家公務員準拠というのが今の法律の建て付けです。とはいえ、長野県もかつて大幅な給与カットを独自にやっていた時期があったわけでありますけれども、国は給与カットも今までやってきていないわけでありますし、われわれから見ると、地方公務員数の削減に比べて国家公務員数の削減は非常に緩いのではないかと、さらには分権もですね、分権すればもっと国家公務員は必要なくなるはずですけれども、分権も進んでいないと。そういう中で震災を契機として、その財源を捻出するという観点から、臨時的に、臨時的にですよ、臨時的に引き下げをしたから直ちにそれに完全に合わせろということが本当に適切なことなのかということは大いなる疑問を持っています。もっと言えば、適切なものではないのではないかなと思っていますが、ただ今後、今回先ほどお配りした中期財政試算、この当初予算案のポイントの中で、25年度当初予算案のポイントというのをお配りしているかと思いますけれども、その10ページ、11ページのところですが、基金残高の見通しということで数字が書いてありますが、その下をご覧いただければと思いますけれども、平成24年度の基金取り崩し額、これ93億円のところを25億円に戻そうと思っておりますが、25年度の当初の取り崩し額は132億円ということを予定しています。このうち通常収支分、いわゆる今ご質問があった給与削減がなければ74億円、給与削減で交付税とか減額されていなければですね、74億円の取り崩しで済むはずでありますが、交付税等の削減があるわけで、その分プラスして財源を当面基金の取り崩しで対応せざるを得ないので、その58億円を加えて132億円の取り崩しというのが、当初予算の計上額になっているわけでありまして、ここは何というか、財政的には正直言って非常に厳しいわけでありますから、その分については今後ですね、7月以降の対応をどうするかということについてはしっかりと考えた上で対応していかなければいけないだろうと思っています。

長野県知事 阿部守一
 はい、ありがとうございました。

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