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更新日:2019年1月5日

知事会見(平成23年(2011年)3月2日(水曜日) 16時25分~17時10分 県庁:会見場)

項目

阿部知事からの説明

  1. 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて、社会イノベーション推進モデル事業の採択について

取材者からの質問

  1. 社会イノベーション推進モデル事業について
  2. 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて(1)
  3. 統一地方選挙について
  4. 地方消費税について
  5. 精神障害者の障害者割引について
  6. 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて(2)
  7. 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて(3)
  8. 30人規模学級の導入について
  9. 首長と議会の関係性について
  10. 新たな検討会の位置付け 他
  11. 買い物等の弱者対策について
  12. 国の社会保障改革について

本文

阿部知事からの説明

1 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて、社会イノベーション推進モデル事業の採択について

長野県知事 阿部守一
 私のほうからは、先程定例会、一般質問、代表質問も含めて終了したという状況をご報告をしたいと思います。明日から各委員会でさらに深堀りの議論が行われると思いますけれども、出している議案については、ぜひご議決をいただきたいと思っております。
 それからもう1点、社会イノベーション推進モデル事業の採択ということで、皆さんのところに資料をお配りしているかと思います。この社会イノベーション推進のためのモデル事業は、政府のほうで新しい公共支援事業の関連において、既存制度の制約を乗り越えて課題解決を図る事業ということで、長野県からは地域資源を活用した再生可能エネルギー普及モデル構築事業ということで計画を出していたところであります。審査結果、資料にありますように採点結果まで付されていますけれども、長野県は、上位5事業に対して予算配分というところですが、その中に入れていただけたということで他の4団体は市町村でありますので、都道府県としては長野県だけ認めていただけたという形になっております。全国12道府県、22の事業計画案が提出されていたと伺っております。内閣府においてお手元の9事業に一次審査で絞り込んで、その中から国の新しい公共事業運営会議の中で審査をしたと伺っております。事業内容はお手元にお配りしたとおりの内容でございます。私としては今回の国からモデル事業として認めていただいたことをぜひ長野県から新しい再生可能エネルギーを普及させるための仕組みづくりというものを発信していきたいと思っておりますし、もう一方でこうした新しい取り組みをするにあたって行政だけが皆さんからいただいた税金で取り組むという形ではなくて、広く関係者の皆様方の知恵と力を結集して、あるいは資金面についても出資等の形でご参加いただくようなモデルをつくることによってこれまでの行政の取り組みを超える形の事業を構築していきたいと思っております。新しい形で再生可能エネルギーの普及を目指していくという形になると、今までのさまざまな規制というものを乗り越えていかなければいけない場合も出てくると思いますので、そういう場合には、特区あるいは総合特区制度というものも活用しながら取り組んでいきたいと思っております。今回の事業は、新しい公共支援事業の枠組みの中での事業ということでありますので、平成23年度、24年度の2カ年の事業という形になるわけであります。初年度では基礎的な調査、協議会の立ち上げという形で具体的な仕組みづくりを行って、24年度から具体的なパイロット事業を行いたいと思っております。再生可能エネルギーの普及拡大というのは地球温暖化対策に向けても非常に重要なテーマだと思いますし、地域の中で資金が循環する社会づくりという観点からも重要なテーマだと思っておりますので、長野県としてもしっかり県民の皆様と一緒に考えつつも県としても主導的な役割を果たしていきたいと思っております。市民、県民の皆さん、NPOの皆さん、企業の皆さん、金融機関の皆さん、大学の皆さん、大勢の関係者の皆様方との協働の取り組みという形で進めていきたいと思っております。
 私のほうからは以上でございます。皆さんのほうからご質問をお受けしたいと思います。よろしくお願い致します。

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取材者からの質問

1 社会イノベーション推進モデル事業について

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 今、知事のほうから説明のありました、再生エネルギーのイノベーション推進事業の関係ですが、国から予算配分はこれから決まってくると思うんですけれども、事業化していくのは本年度中なのか、例えば新年度になって6月とか補正まで待って始まるような感じなんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 具体的に進めるタイミングということですね。実際に予算化するのは補正予算でまた提案をさせていただかなければいけないだろうと思っていますけれども、国として採択する方向になっていますので、できるだけ早く準備は進めていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 2月県会というわけではない・・・

長野県知事 阿部守一
 2月県議会は間に合わないですよね。まだ国から金額がいくらという確定的な話は来ていませんので、補正で対応するという形にさせていただきたいと思います。
 
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 分かりました。

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2 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて(1)

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 県議会のほうなんですけれど、一般質問、代表質問終わりましてですね、11月県会の時には中期総合計画のこと、それから事業仕分け等々かなり議論が踏み込んだことあったと思うんですけれども、今回一般質問を終えてですね提出議案に対しては知事のほうから見て議員さん、理解はだいぶ得られたかどうかその辺の受け止めはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これまでの県議会の中でご議論いただいてきているような事業仕分けであるとか新しい中期計画とか、そういう点についてはこれまでよりはご理解はいただけつつあるのではないかという。これは漠然とした感覚ですけれど、やりとりの中ではそういうふうに感じていますけれども、今回予算案あるいは人事案はじめいろいろ議案を出させていただいているので、ぜひ提案どおり認めていただけるように、引き続き委員会審議もあるわけですので努力していきたいと思っています。

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3 統一地方選挙について

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 あとすみません、一般質問で今度の選挙、統一地方選に関連してですね、県議選対応については各候補に対して等距離でというようなご答弁をされたと思うんですけれども、この発言の意味するところというか、改めて知事が選挙に対してどういうスタンスで臨まれるのかということをお聞きしたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 知事と議会の関係の在り方というのは、いろいろな考え方もあるし、いろいろ議論あるところだと思います。私は知事の立場と県議会の立場というのは、ある意味で今の制度上は二元代表制ということでそれぞれ直接県民から選ばれる立場でありますから、協力するべきところは協力する、意見が対立するところは県民の前で開かれた場で議論して、お互いの意見を出しながら方向性を定めていくということが重要だと思っていますので、そういう意味で議院内閣制のいわゆる与党、野党というような形の関係性というものは地方においてはないと思っています。そういう意味で私は、とりわけ今知事という立場で県民全体のために仕事をさせていただくという立場でありますから、具体的な選挙の場面においては各候補者の皆様方とは等距離で対応したいと考えております。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 つい最近支持率が出ましてですね、それに対して各候補からも知事に支援を求めたいというような声も今後あがってくるとは思うんですけれども、その等距離というのは、要請があれば何らかの水準のものは分け隔てなくやりたいと、そういうことなんでしょうかね。

長野県知事 阿部守一
 例えば現職議員の県会議員の皆さんにはそれぞれ私もお世話になっていることもありますし、いろいろなお付き合いもさせてきていただいているところもありますので、そういうことを全く無視するということではないです。しかしながら選挙、例えば具体的な選挙運動に対して、私が特定の方だけを投票行動を呼びかけるというような形の取り組みというのは現時点で行うつもりはないです。

信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
 分かりました。

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4 地方消費税について

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
 今日の一般質問の中で消費税増税の話があったかと思うんですが、その中で村井前知事は「地方消費税に期待する」というようなお話もありましたが、知事のスタンスとしては増税を今の状況ならやむを得ないのではないかというお話でしたが、知事ご自身、地方消費税の関係では何か今思うところはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 前提条件付きですよね。社会保障の見通しを見たときにこれから国も地方も毎年、社会保障関係経費は極めて多額な負担増が見込まれるわけです。当然、国と地方の負担が増えるということは、これは国と地方の運営経費っていうのは基本的に税金で賄われているわけですから、ではその負担をどうするかと考えたときには、税金で対応するのか、それでなければ当面借金をしておくのかという選択肢になると思いますけれども、国、地方通じて多額の公債残高を抱えている現状の中で、安易にツケを次の世代に先送りしていきますということが責任のある対応だと私は思えませんので、そういう意味で社会保障と税と一体の改革の議論というのは避けて通れないと思っています。ただ、これは国民の皆さんに理解を求めなければ、負担を求める話でありますからその前提としてやっぱり「なるほどこういう社会保障をつくるのであれば進んで税金を納めよう」あるいは「やむを得ないな」というような形の明確な社会保障のビジョンをまずはつくるということは大前提であって、それ無しに、単に税金を上げる必要があるとか無いとかっていう議論を、その税負担の在り方だけで議論するということは適当ではないと思っているところでありますし、もう一方でこれはやはり税負担を求めるということであれば、やはり国の徹底的な行政改革、それが無ければ国民の理解は得られないと思いますので、そうしたことについても政府全体で全力で取り組んでいただく必要があるだろうと思います。

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5 精神障害者の障害者割引について

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
 あともう1点、2月に精神障害者を支援する団体が電車の半額負担とかを求めて知事に要請に伺ったと思うんですが、今後知事はそれを事業者とか国に要請するとか何か動きっていうのはあるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 その後、企画部のほうにはまず、しなの鉄道で具体的な対応ができないかということは投げ掛けさせていただいていますので、ちょっとまだそのフィードバックを受けていないですけれども、障害者、身体・知的・精神と分かれているわけですが、精神はどちらかというと法整備、体系整備が後からでてきているという形で、若干、障害の種類によってさまざま対応が異なってきているという実態があるわけで、そうしたことを十分踏まえて、できるだけ改善されるようには取り組んでいきたいと思います。

テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
 ありがとうございました。

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6 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて(2)

日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
 すみませんちょっと一般的な話になるんですけれども、初の本格的当初予算のですね、議会の一般質問を終えて、議員の皆様と知事ご自身がやり取りされたですね、感触というか手応えについて改めて感想の部分をお願いします。

長野県知事 阿部守一
 質問の内容、あるいは議論の論点というのも質問される方によってさまざまなので、これはひとくくりにしてこうだったというのはなかなか申し上げ難いなとは思いますが、私とすれば議会の皆様方の質問を通じてできるだけこちら、私なり理事者側が考えていることについてのご理解を深めていただきたいと、そのことによって県全体同じ思いで進めていきたいと思っていますので、これから委員会の議論もあるわけですけれども、できるだけ限られた時間の中でありますけれども丁寧にご説明はさせていただいたつもりであります。それに対しての議会の受け止め方はそれは議会のご判断だと思いますけれども。

日本放送協会(NHK) 山口雅史 氏
 分かりました。ありがとうございます。

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7 2月県議会定例会代表質問及び一般質問を終えて(3)

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 今の質問とも多分重なるところがあるんだと思いますが、初の予算県会に臨まれて全般には静かな印象を受けたんですけれども、知事は十数年前のですね、10年前ですか、田中県政の最初の予算県会にも当時企画局長の立場でお出になられて、当時は脱ダム宣言があったりしたこともあって一概には比べられないんですけれども、やはり議会というのは先程おっしゃったような理事者の考えを説明する場でもあり、議員の側からいろんな対案なり、視点なりを提供することでさらに議論を深めていく場でもあると思うんですけれども、そうした場になりえていたかどうか、そんなところはどんなふうに受け止めてらっしゃるのか、ちょっと静かな、先程申し上げたように議論の深まり方、議論の激しさという意味ではかなり静かな県会だったかと思うんですけど、一般質問。

長野県知事 阿部守一
 そうですね、静かという表現が良いのかどうかあれですけれども、いろいろな昔の田中県政を見ても知事と議会がある意味で対立をするというような部分もあったわけで、私は大きなビジョンをめぐって、あるいは政策的な立場の違いで見解を異にして大いに議論するということは、私は必要だと思っています。ただ感情的になって、本質的に県民にとって何が望ましいかというような議論を忘れた対立ということは、これはあってはならないと思いますので、そういう意味では対立あるいは侃侃諤諤(かんかんがくがく)議論が起きることが目的化してしまうこともこれはいけないのだろうと。これから私自身が県政を進めていく上で県議会の中でも答弁しましたけれども、必ずしも県議会の皆さん方がすべて丸だと、すべて賛同するということばかり提案するというふうにはならないこともあると思っています。そういう時には当然、県民の皆さんの理解を、県民の立場に立ったときにどっちがより望ましいのかということはしっかり議論しなければいけないので、それは議会と知事との関係がいろいろ議論になる、ならないというのはその時々の論点とか争点次第ではないかと私は思っておりますので、そういう意味で今回、一定程度ご理解いただける方向性だということであれば大変ありがたいと思いますけれども、これからまだ委員会の議論もあるわけでありますので、私としては最後まで議会の理解を得られるように最大限努力をしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 島田誠 氏
 そういう意味では今知事がおっしゃった、まさに大きなビジョンをめぐって議論をするっていう意味では、今回は県予算についても県債の抑制方針というのを示されたわけですし、これから中期総合計画の見直しをしていく上でもどういう方向性にしていくべきかというような議論があってしかるべきかなと思うんですが、そういう意味では今も知事もおっしゃいましたけども、一定程度、理解が得られているからそれほど激しいそうした大きなビジョンをめぐる議論になってないんじゃないかという受け止めでいらっしゃるということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 一定程度理解を得られているかどうかそれは分からないです。それはまだこれから議案の採決が行われるわけなので、どういう状況かというのは私が予断を持っているわけではないですけれども、私は今議案を出している立場ですから、それに対してできるだけご理解をいただけるように努力していくということが基本だと思っています。議会のやりとりもこれは私のほうから問題の投げかけをできるような場ではないわけですから、ご質問あるいはお尋ねいただいたことに対して私のほうからできるだけ丁寧にお答えするということでありますから、私のほうから逆に問題を提起するという形にはなっていないものですから、自分の側から論点とか争点をつくるという場ではないので、そういう意味でむしろ議会の皆様方にご質問いただいたほうがそうした点は良いのではないかと思います。

信濃毎日新聞 島田誠 
 最後にですね、全般に答弁など拝見していたときに新しい芽出しの事業をたくさん盛り込んでいる予算なので、それについては質問が当然出ると思いますし、そうした時に方法論としてこうした検討の場でこれから検討してもらう、であるとかということがいくつか出てきたかと思うんですが、おおむね知事ご自身から例えば中期計画にしてもそうですし、他の条例についてもそうですけど、ご自身から、ご自身の理念ではこういうほうが望ましいとか、こういう方向性であるべきだということはそれほどおっしゃっていらっしゃらないと思うんですが、それはやはりこれから例えば審議会の皆さんであるとか、条例の検討にかかわる皆さんがこれから集まって発言するわけですから、そうした場を前にしてやはり知事として予見を与えちゃいけないというようなご判断もおありなんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 予見を与えていけないとは全く思っていないです。むしろ前回、中期計画をご議論いただく総合計画審議会は私のほうからかなり詳細に私の考え方を述べさせていただきました。中期計画を考えていただくに当たってはやはり世界のグローバルな中での長野県ということを考えてもらいたいとか、あるいは行政だけが物事を右だ左だする時代ではないわけですから県民の皆さんの活動も含めて共創とか協働とかそういう観点をぜひ入れてほしいとか、今まではおそらく県からそういうところにお願いする時は、「検討してください」ということでやっていたと思いますけれども、私としてはこれは県民の皆様方から負託をいただいているのは私でありますから私が県民の皆様方の思いをある意味で代弁する形で、こういう方向で考えてほしいということを強く発言をさせてもらいました。ものによっては非常にテクニカルな議論をいただくような場面はむしろ私がどうだこうだいう予断を持っていただかないほうがいい場合もあろうかと思いますけれども、一般的な政策を議論いただくような場面においては私としての基本的な方針とか考え方とかそういうこともお示しする中で議論を深めていっていただきたいと思っています。

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8 30人規模学級の導入について

朝日新聞 二階堂友紀 氏
 30人規模学級の関係なんですけれども、30人規模学級の導入にあたって、今回37人分の加配というのを予算に盛り込まれたと思うんですけれども、現場の市教委なんかに取材するとですね、この最低限の加配では教員の数が足りないという声が聞かれたんですけれども、知事としては今後ですねさらなる加配、来年度以降になるかと思いますけれども、それについて考えられているかどうかということを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 私の段階で30人規模学級の予算を削ったということにはなっていない、そんなつもりは全くないので、教育委員会が現場の実態も踏まえて要求をしてきたのだろうと思っています。次年度以降は、まだ来年度の話をするような段階ではないと思いますけれども、しかしながら人の配置っていうのは1回配置すると単年度、単年度でやめるとかやめないとかという議論をする話にはならないわけでありますので、私としては今後の、今日も特別支援学校の話等もありましたし、教育の話というのはかなり人件費のウェートが高い分野でもありますので、少し早目の段階で、中長期的にどういう方向で持っていくのかということは教育委員会とよく話はしていきたいと思っています。

朝日新聞 二階堂友紀 氏
 市教委に取材するとですね、現場の学校からはですね、今の最低限今回の専科連動に伴って必要になってくる数では足りないというふうな声が聞かれるんですけれども、今後その現場の声を知事として聞かれるようなお考えというのはないですか。

長野県知事 阿部守一
 現場の声はどんどん聞きたいと思っています。昨年末にも教育のタウンミーティング行いましたが、あのときも申し上げましたけれど、ぜひまたやりたいとお伝えしましたし、あのとき学校の先生方が非常に多かったわけですけれども、できれば保護者の方あるいはNPOの方含めて、教育関係者の方が広く集まるようなタウンミーティングの場で、私のみならず教育長にもまた引き続き出てもらって、今回の議会のやりとりでもそうなのですけれども、教育委員会はどうしても予算権限を持っていないものですから、お金の話になるとどうしてもあまり踏み込めないところがあると思いますし、逆に私のほうは教育現場に対して例えば教員の人事権というのは私が持っているわけではないですから、そういうところは逆に私のほうは私だけに聞かれても踏み込みづらいという部分がありますので、そういう意味で、教育委員会、教育長と私が一緒に出てそういうタウンミーティングをやるというのは私は非常に意義があることだと思っていますので、ぜひまたやっていきたいと思っています。

朝日新聞 二階堂友紀 氏
 分かりました。

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9 首長と議会の関係性について

朝日新聞 二階堂友紀 氏
 あと1点、橋下大阪府知事が最近非常にツイッターを使って発信していますけれども、その中でもっと議会に責任を持たせるために議会に予算編成段階からかかわりを持たせるべきだというようなことをツイートしているんですけれども、こういった考えについて知事としてはどのようにお考えになるでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私は首長と議会の関係性の在り方というのは国においても議論されていますし、これからいろいろなところで議論されるようになるのではないかと思います。橋下知事がおっしゃっている詳細な趣旨は私も必ずしもよく把握しているわけではないですけれども、やはり議会においても県政運営、大阪で言えば府政運営ですけれども、府政運営により責任を持ってもらうような仕組みが必要ではないかという趣旨ではないかと思っております。私も議会の機能というのは単なるチェック機関ということだけではないだろうと思っています。先程申し上げましたけれども、むしろ一緒になって政策を考えていくということも、これだけ複雑な社会になってくればくるほど、やはり政治と行政の在り方というのは橋下知事はかなり政治と行政の違いというのを意識した発言をされていると思いますけれども、県政を担っている政治家というのは私とそれから県議会の皆さんですから、県民から直接負託を受けている政治家同士が政策の議論をして、それを責任を持って進めていくという方向性というのは一つの方向性として私は重要な視点ではないかと思っています。

朝日新聞 二階堂友紀 氏
 ありがとうございました。

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10 新たな検討会の位置付け 他

中日新聞 大平樹 氏
 先程も出たんですが検討会、新年度いくつか新しい検討会を設立して県政の方向性を考える検討会をつくられるということなんですが、ある意味、知事なり事務方が人選をして、条例の担保のない検討会、ある意味私的な検討の場になるのか、どういう場になるなかちょっとまだ見えてこないんですが、そういうところに公平性っていうものをどうやって持たせていくのかという意味で知事のお考えを聞きたいのと、あわせてですね、今回の一般質問で飯田下伊那の議員が中心にドクターヘリの配備先についてかなり批判が出ています。そこで知事も答弁では苦渋の決断だということをおっしゃっているわけですが、最終的な決定権は知事にあってですね、その決断に対して苦渋ということを表現された意味をですね、一言お聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 公平性というのはどういう観点ですかね。

中日新聞 大平樹 氏
 つまりですね、審議会は条例で定められて必要な議論を行って知事に答申するというのが明記されているわけですが、検討会というとある意味、知事なり事務方が人を選んでですね、そこで専門家を集めて議論をしましたと、で、専門家の方はこう言っていますというような、ある意味私的な場と位置づけられるのかとも思うんですが、そういうところで政策の方向性を、専門家の方たちはこう言っていますという、その判断を尊重しますと言って決めていくというそのスタイルの中で客観性、公平性というものをどういうふうに保っていくのかという考えがあればお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まず条例の審議会も人選は知事が行っているので、あまり条例設置であろうが条例設置でなかろうが基本的にはあまり変わりはないのではないかと思っております。公平性ということが、要は何というか審議会でご議論いただくことによって責任逃れをするみたいな感覚のご質問かなと思いますけれども、例えば今のドクターヘリの話にしても何にしても、最終的に責任を負うのは私ですし、私以外ないと思いますよね。県民の皆様方に直接責任を持っているのは私ですから、そういう意味では私としてはテクニカルな側面で私が全ての知見を持っているわけではないですから、そういった点においては専門家の皆さんのご意見を尊重したいと思いますし、県民の皆さんの声をできるだけ広く反映するという観点での検討会とか審議会とか、そういうものも出てきた意見は尊重していきたいと思いますけれども、そのことが本当に県民にとってプラスなのか、あるいはもう少し踏み込まなければいけないのかというような所があれば、それは当然私のほうからもその結果をさらに乗り越えて、もっとこういうふうにやるべきだということを言っていく必要があると思います。実際に半年間知事の職を務めてはいますけれども、途中で審議会の議論はこんな感じだという報告を受けたこともあります。だけどこれでは踏み込み不足ではないのということで、私のほうからもっと事務方に対してさらに踏み込んだ検討をしてもらうようにハッパを掛けたようなこともありますので、そういう意味で私にとっての審議会とか検討会というのはむしろ、私の頭だけでは出てこない視点とか発想をどんどん出していってもらいたいと。決して私の考え方と同じ人たちばかりとかそういう人たちだけで構成するつもりは全くないので、むしろ審議会で侃々諤々(かんかんがくがく)いろいろな議論が出てですね、実は収拾がつかないからもっと知事が判断してくれみたいな話であっても私はむしろいいのではないかと思いますので、今後ともそういう観点で人選は行っていきたいなと。何というか予定調和的な結論が出るような審議会とか検討会がたくさんあってもそれは私としてはあまり意味が無いのではないかと思っていますので、そういう意味でぜひ闊達(かったつ)な議論が行われるような人選をしていきたいと思いますし、それに対して県として審議会なり検討会の意見を踏まえて出してきた結論については私が責任を持って対応していきたいと思っています。それからもう1点、ドクターヘリの関係で、苦渋の判断だと申し上げたのは、これは飯田・下伊那の皆さんともいろいろお話をさせていただく機会もこれまで何度もあったわけでありますし、そういう中でドクターヘリに対する期待が非常に大きいということも私自身十分認識していましたし、そうした思いがあるということも理解ができるところでありますので、そういう観点で、体制面でなかなか飯田市立病院の体制で継続的な運行が難しいということで信州大学に最終的に判断させてもらいましたけれども、しかしながら住民の皆様方の思いとかですね、飯田下伊那地域の実態とかですね、そういうものを考えたときには私としては苦渋の決断だという趣旨で申し上げたところであります。

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11 買い物等の弱者対策について

朝日新聞 上田悠 氏
 今議会でですね、買い物を含む弱者対策についての質問が複数の議員から出ていたかと思うんですけれども、知事側の答弁を拝聴していると市町村が主体となってやると、で、そこに県の支援をしていくというような趣旨で発言されていたと思うんですけれども、県の役割についてもう少し具体的な知事のお考えなどがあればお聞かせいただきたいんですが。

長野県知事 阿部守一
 これは私は国と県と市町村がある中で、あまりにも地方に任せるべきものを国がやり過ぎているとかですね、あるいは県と市町村もこれは田中県政の時には非常に問題になりましたけれども、県と市町村が違う方向を向いてしまうとなかなか何も仕事が進まないという状況が多々あったわけでありまして、基本的には私は国と県と市町村の関係性とか在り方というのはできるだけシンプルにしていくことが県民の利益につながると思っています。買い物難民みたいな話というのは実は地域の置かれている状況によって本当に多種多様な対応方法があると思います。例えば大きなショッピングセンターを中心に仕組みを考えていくようなところもあれば、町の商店街の活性化と絡めてそうしたものを考えていくような所もあると思いますので、そういう意味では唯一絶対の解があるわけではなくて、地域の実態においてさまざま変わってくると思っています。しかしながら新しいテーマとかそういうものについてはなかなか個別の市町村で取り組むということではなくて、県がまずは例えばいろいろなモデル的に取り組むとか、あるいは政策の大きな方向性について市町村にお示しする中で一緒に取り組むとか、そういうところが必要になってくるわけでありますので、そういう観点で例えば買い物難民対策というのはこれは県が全部、未来永劫(えいごう)背負い続けるということよりはむしろそれぞれの地域地域、あるいは市町村において取り組んでいただく、そのための大きな方向性をつくったり、あるいはそうしたことに取り組んでいただくきっかけをつくっていくということが私は県としては重要なテーマかなと思っております。

朝日新聞 上田悠 氏
 関連してなんですけれども、今弱者対策といった場合に買い物がクローズアップされて、商工労働部のほうで中心となって新年度予算も計上しているんですけれども、当然弱者対策と言った時に教育ですとか福祉ですとかといった他の分野もまた重要になってくると思うんですけれども、その辺の部局間連携については今後どういった対応をされていくおつもりでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それはある意味で当然の話だと私は思っているので、そういう連携が十分取られていないということがあれば、当然例えばお年寄りに対してのいろいろなサービスというのは健康福祉(部)のほうが市町村と一緒になってやっているところもあるわけですから、そうしたところの横の連携をさらに強めて取り組んでいくということは当然の前提だと思っています。

朝日新聞 上田悠 氏
 ありがとうございました。

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12 国の社会保障改革について

時事通信 新部たまみ 氏
 社会保障改革の関係なんですけれども、先程、税と一体の改革が必須だという話がありましたが、6月までに政府が税と社会保障改革の案をまとめるということで進めているみたいなんですけれども、これについて社会保障給付費の実働部隊はですね、多くが地方自治体出になっているということで、地方自治体としてもですね、国に何らかの意見を伝えて反映させてもらうということも一つ大切かなと思っているんですが、知事のお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 それはおっしゃるとおり大切だと思っています。今日の本会議でも答弁申し上げたように、今の政府は地方の声が出ていないというか、あまり地方の声を聞く場をつくってもらっていないのが現状でありますから、先般の全国知事会議でもそこのところは非常に問題だという意見が数多く出されておりますし、私もまったく同感であります。これはぜひ国には地方の声を反映させるように考えてもらわなければいけないと思いますし、逆に知事会のほうからもそういう提案をしていくということで、前回知事会でそういう方向性の議論を決めたわけでありますので、社会保障の在り方を議論するのに都道府県、市町村を抜きに行うということは私はあり得ない話だと思っていますので、そういう意味で地方自治体の側としても取り組んでいきますし、政府においてもぜひそういう場をつくってもらいたいと思っています。

時事通信 新部たまみ 氏
 あともう一つ、現時点でですね、社会保障の制度についてここが課題なんじゃないかとか、具体的にお考えがあったらお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 私はやはり国と県と市町村の関係性の在り方という所はいろいろ課題があるのではないかと思っています。後期高齢者医療をどうするかという議論の中でも感じたわけですけれども、例えば広域化をしていこうという時に、国が今は例えば財政的にはあるいは制度設計上は全部責任と権限を持っているわけですけれども、実際の運用は都道府県とか市町村と、そういう状況の中で、私から見ていると国は財政的な話になると非常に後ろ向きというか、今、国は多額の借金を抱えているのでそうならざるを得ないところもあるとは理解はしますけれども、しかしながら今の政府が責任を持って制度設計をしているのであればより踏み込んだ対応なり方針なりというものを示していただくことが、これ国と自治体、県・市町村との関係においてですね、まずは必要ではないかと思っています。

時事通信 新部たまみ 氏
 ありがとうございます。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

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電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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