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更新日:2019年1月1日
長野県知事 阿部守一
私のほうからは、先程、部局長会議を開いて当初予算編成方針、これは既に通知しているところですけれども、各部局長の皆様に改めて徹底をさせていただいたということで、これから本格的に来年度予算編成の議論を深めていかなければいけないわけですけれども、私が公約で掲げたことも含めて各部局でいろいろと検討してきているという状況ですので、順次また予算編成過程もできるだけ公開しながら県民の皆様にもお伝えをしていきたいと思いますし、来年度予算編成の中で私が県民の皆様に約束したことについて着実に実現していきたいと思っています。
そのことだけ申し上げて、あと皆さんのほうからご質問をいただければと思います。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
1点目は、今日改めて出されました予算編成方針の中で、1点、臨財債(臨時財政対策債)のことについてですね、先程も借金に変わりはないというような知事のご発言ありましたけれども、今後の地財計画の動向にもよるんですけれども、仮に臨財債をですね、国全体が発行を抑制方向でない場合、拡大するような状況になってですね、県の方針は県税は前年を下回るというような目的が反するような場合にですね、いわゆる限度額いっぱいを発行しないことという、これは仮定の話になってしまうんですけれども、総務省が示す限度額を必ずしも発行していくのかいかないのか、その辺については何か明確な考え方はありますか。
長野県知事 阿部守一
基本的に国において、臨時財政対策債に頼った交付税制度というものを切り換えてもらいたいということを引き続き強く求めていきたいと思いますし、国が予算編成の中で臨時財政対策債をさらに増やすということになるのであれば、その状況を踏まえて県として対応していかざるを得ないと思います。ただ、基本的には今までの財政運営上は、臨時財政対策債は交付税がキャッシュで来ているのと同じような感覚で取り扱われてきたわけですけれども、その点については、今日も各部局長にお話ししましたけれども、明確に考え方を変えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。それから、それに基づいて各部局から検討案が出されていて、ちょっと細かい話になって恐縮ですが、1点、基本姿勢というところで知事が公約に掲げていた市民活動支援、子どもの権利、障害者差別禁止、中小企業振興それからこれは社民党さんとの協定の中にあった公契約だとは思うんですけれども、これらの検討が一つ基本姿勢の中に入っていましたが、これは各部局単位で来年度中に検討を進めるという意味で掲載されているものなのか、それとも横断的にですね、新しい分野の必要な条例に関して何か枠組みをつくって検討していくということなんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは、書きぶりはまとめていますけれども、それぞれの部局で、もちろん部局をまたがるものもありますけれども、基本的には検討していくという形になります。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。それともう1点、県民との情報共有という中で、予算編成過程の公開について、先程もご発言ありましたけれども、現状、これまでだと予算案の発表段階で査定の経過についてホームページ上等で公表するというような形をとってたんですけれども、知事がおっしゃっている公開していくというのは、もう少しタイムリーにそういったものを示していくという意味でおっしゃっているのか、何か考えがあってでしょうか。
長野県知事 阿部守一
各部局が要求してくるわけですので、まだ具体的な形はイメージできていないですけれども、できれば折に触れてですね、こういう考え方で進められているということを伝えていくようにできないだろうかと思っています。
信濃毎日新聞 岩間基樹 氏
分かりました。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先程の当初予算編成方針なのですが、先週25日ですか、各部局に通知されてから初めての会見になりますので、まず知事の口から直接、特に財政規律の面、県債発行額を前年度当初予算額の範囲内とすると、こういう目標を置いた意味合いというのをお話しください。というのは、県債を単に減らすと言ってもですね、今年から何億円減らしますというような目標額を設定する方法もあれば、今回のように前年度当初予算額の範囲内にするであるとか、いろいろな目標設定の仕方があると思いますが、今回の目標設定の意味を教えてください。
長野県知事 阿部守一
一つは内容的な部分で申し上げれば、先程の部分と重なりますけれども、これまでは通常債の残高が縮減という形で長野県は取り組んできましたが、この資料でもお分かりになるように、すでに臨時財政対策債とその他の通常の起債というのが発行額ベースでは逆転していると、例外と原則あるいは臨時と通常の部分が逆転しているという状況になっていますので、その臨時財政対策債の存在は無視できないだろうと思っています。そういう意味で総体としての発行額ベースで、前年度当初予算の範囲内としたいと、ただ先程質問があったように、国の財政状況によってはある程度それを踏まえた対応をせざるを得ない部分があると思いますが、基本的には臨時財政対策債も含めた管理を目標に書いたというところで内容的には1番です。今回「23年度当初予算編成における」とあえて書きましたが、中長期的な財政規律みたいなものについては、ここではさらっと触れています。中長期的な視点で県債残高の縮減を図るということで、これは定性的な表現に留めていますけれども、現在中期計画を続行しているという中で、中長期的な財政規律については次の段階で考えていかざるを得ないのかなと思っていますので、そういう意味であえてここのタイトルは「平成23年度当初予算編成における」という形にしているということであります。ですからここに書かれた事だけが私が県政運営を行っていく上での規律であるということではなくて、今後さらに中長期的な観点についても考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
ですから平成23年度というのはまず初年度に当たる年の暫定的なものであると・・・
長野県知事 阿部守一
そうですね、まず臨時財政対策債が視野から外れていたところをもう1回引き戻して、そこは総額で抑制という形です。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
その結果ですね、初年度はまず歯止めをかけるという意味合いなんだと思いますが、来年度試算の段階では、今のところ県債残高は総額としては本年度より増加するという見通しになっていますけれども、それでもまだ74億の収支不足があるという現況から考えると、なかなかいきなり23年度、知事が就任されて数カ月で迎える段階では総額の縮減というのは今の財政構造の中では難しいと、不可能であるという認識でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ここで言っているのは発行額抑制なのです。それで残高の縮減については中長期で目指すということで、今の国と地方の財政構造とそれから現下の経済情勢、そして県が取り組んでいる事業の内容を見ると直ちに県債残高が縮減できるほどの取り組みをやるという段階ではないだろうなと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから今おっしゃいました中長期の財政規律の話では、今行財政改革プランがですね、ちょうど平成23年度までになりますけれども、その最終年度に当たる平成23年度については基本的に今回の予算編成方針でカバーできるわけですから、実際の見直しというのは24年度以降についての中長期をですね、これからその行財政改革プランの見直しという形で形にしていくという理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もう1回言ってもらえますか。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今ですね、現行の中長期の行財政改革のプランというのは23年度末が5年計画の末年になっていますから、その23年度というのは今回の当初予算編成方針でカバーされるわけですから、結果的に次の中長期の財政規律を立て直すとすればですね、つくるとすれば、この現行のプランの新規の24年度以降の5年計画なりの見直しの段階で、その中長期の財政規律というのを形にしていくという理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
通常、普通に考えればそういう形になると思います。ただ私のところで具体的にそこまで固めているわけではありませんし、現に続いている中期計画の取り扱いもありますので、そこも含めて考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それからあの1点、先ほどですね、予算編成過程の公開においてですね、その段階その段階で折に触れて、こういう考え方で進めていますよということを伝えられればというおっしゃり方をされましたけれども、それは具体的には例えば財政課長査定であるとか、総務部長査定であるとか、まあ知事査定以前の途中段階の査定ごとに公開も考えていらっしゃったりだとか公開する方向でお考えだということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そういうことも含めて考えたいと思っています。
読売新聞 井上知幸 氏
3点お伺いします。まずTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)なんですけれども、昨日も県の農業委員大会の中で知事来賓あいさつの中で慎重な議論が必要だというようなことをおっしゃっていたと思うんですが、今週になって各団体あるいは議員有志からですね、改めて国に働きかけるような要請が相次いでいるわけなんですが、現状についてもう一度知事の認識と、あと県としてどのような実行をされる予定があるのか、ということでお考えがあればお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
はい。これTPPの取り扱いについて今、国においてもさまざま議論されているところだと思いますけれども、農業がある意味で産業としても重要でかつ地域を支えるという観点からも必要な産業で、長野県にとってこの農林水産業に対してマイナスの影響が予想されるということについては、非常にある意味で大きな課題だと思っておりますし、農業関係者の皆様方あるいは関係する県議会の皆様方からもご要請いただきましたけれども、私自身は農業に携わっていらっしゃる皆様方の将来に対する不安感、そうしたものについては共有をしています。私としてはこの問題への対応は、極めて慎重に検討していくべきものと考えておりますし、国に対してもそうした考え方については伝えていきたいと考えています。
読売新聞 井上知幸 氏
これから伝えるということ、伝えたではなくてまだこれから・・・
長野県知事 阿部守一
これからですね。
読売新聞 井上知幸 氏
分かりました。
読売新聞 井上知幸 氏
2点目です。違う自治体の話で恐縮なんですが、長野市でですね、市民会館の建て替えについていろいろ議論が繰り返されている中で、昨日ある程度一定の方向が出されたということは、報道等でご存知だと思うんですけれども、大きい公共施設の建築にかかわるものですから、まあ財源の取り方によっては県も相当な支出を出さざるを得ない状況というのも想定されると思うんですけれども、まだ確定した話ではないんですが、そのあたり県としてどのくらいまで今情報収集されたり、あと長野市の今回の姿勢について何か現状県としての受け止め等ありましたら、それについてお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
私のところで具体的にその市民会館の議論についてしてきているという経過はないですね。もちろん再開発事業等、県の負担を伴うという部分も出てくる可能性もあると思いますけれども、基本的には市町村が造る公共施設をどういう場所でどういう形にするかというのは、これはそれぞれの市町村がまずはしっかりとご議論いただいて、検討するべきものと思っています。
読売新聞 井上知幸 氏
分かりました。ありがとうございます。
読売新聞 井上知幸 氏
3点目、これちょっと県行政とは直接は関係ないのかもしれないんですけれども、昨今その警察関係、公安関係の情報だとかですね、昨日の晩から今朝にかけては漁船衝突に関係するような、まあ非常に公の機関が持っている情報と思われるものがインターネット等で漏えいされていると。で知事は情報公開について積極的な姿勢を示されているんですけれども、そのあたり公の機関が持っている情報の公開とあるいはその秘匿の必要性っていうんでしょうか、今回ちょっとそういった大きい事案が続いているものですから、そういうあたりについて、もし知事の今のご見解だとかご所見がありましたらお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
国の情報の関係はどういう経過で流出したりしているかというのは私もぜひしっかりと究明していっていただきたいと思いますけれども、長野県としては、私は一つの情報公開、情報共有化はどんどん進めなきゃいけないと思っていますけれども、逆に個人の情報であったり、行政として極めて慎重に取り扱わなければいけない情報というのを、多く抱えているということも事実ですから、そうした情報の取り扱いについては、本当に慎重に対応していかなければいけないし、そういう点についてはそれぞれの部署でこれまでもしっかりと検討し、また情報流出等がおきないような取り組みをしていると思いますけれども、改めてそうした点について各部局でしっかりと取り組むようにしていきたいと思います。
読売新聞 井上知幸 氏
ありがとうございました。
読売新聞 井上知幸 氏
すみません。もう1点もしかして既出の話かもしれないんですけれども、知事の公約の信州型事業仕分けで、長野県ではなくて信州というふうに冒頭に名称をふったのは何か深い、何かそのあたりのお話があったらちょっと聞かせてください。
長野県知事 阿部守一
そこは長野県という言い方と信州という言い方と両方、私の公約の中でも混ざっていると思いますけれども。なぜ事業仕分けは信州なのか長野県型でもいいじゃないかというところは、別に深いこだわりがあって信州と使っているわけではないですね。長野県の場合は、長野とつくとどうしても長野市のイメージというのもあるので、そういう観点で信州と使った方がより広い感じで受け止められる部分もあるかなとは思いますけれども、長野県と信州を必ずしもすごく厳密に使い分けているわけではないです。
日本放送協会(NHK) 梅本一成 氏
その信州型事業仕分けについてお聞きしたいんですが、以前、先月末か今月頭だったかと思うんですが、市長会に県の担当部局が説明する場面で県側から判定人について県民から募るというか県民から選定するというのがスケジュール的に厳しいという認識を示されたと思うんですが、これについて現状をどう知事として考えているのかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
事業仕分けはいろいろなやり方があって仕分け人だけでやる場合と仕分け人プラス判定人方式とあって私は判定人方式を導入したいと思っておりますが、ただ今お話があったように、当面今年度やる仕分けについては時間的な要因その他課題があると思いますので、当面、仕分け人のみの方式でやっていく方向で考えたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 梅本一成 氏
そうなるとですね、仕分け人も一部県民から小論文なりで選ぶということをおっしゃっていますが、県民参加という意味で、試行とはいえ大きく県民参加ということからすると後退するんじゃないかと思うんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
後退というよりは今までまったくやっていなかったのだから私は前進だと思いますけれども、仕分け人とか判定人に加わっていただくという形だけではなくて事業についてもこういう事業を対象にしたほうがいいのではないかということは県民からご意見を聞きたいと思っていますし、その仕分けの議論については完全公開で県民の皆様にも、どなたでも来ていただけるような形にしていきたいと思っていますので、そういう意味で比較の対象によってすごく進んだ形から比べればどうなんだという議論はありうるかもしれませんけれども、今までまったくそういう機会がなかったわけですからそういう意味で私は大幅に県民の皆様に県の行っている行政の、今度はパイロット的にやる形にならざるを得ないので一部になりますけれどもそうしたものを広く発信して、そして見ていただいている前で議論するということで大きく私は進んでいくというふうに思っています。そこをステップにさらに次年度以降考えていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 梅本一成 氏
ありがとうございました。
信越放送(SBC) 上條道哲 氏
県短の4年制の議論についてなんですが、今週ですね知事が会議に初めて参加されまして議論に入りましたけれども、前回までの7月の時にですね中間整理という形で文面を読みますとこれは4年制化に進むのかなという感じで出されていたんですけれども今回の議論では知事のほうからもう一度議論し直しましょうというお話がありまして、やや知事さんが交代したことによって議論がまた後戻りしたのかなという印象も持ったんですが、少子化ですとかあるいは私立大学の定員割れとかさまざまな大学の運営に関する課題がある中で現在阿部知事がどんなふうに短大をしていきたいのかというところを率直にもし意見があれば教えていただきたいんですが。
長野県知事 阿部守一
どういうふうにしていきたいかということについては、私は検討委員会の場でも申し上げたようにもう少し検討していくべき論点があるのではないかと思っています。県の立場は県立短大設置者という立場ですから短大をどうしていこうかということはもちろんしっかり考えていかなければいけないと同時に長野県の高等教育全体がどうあるべきかということを考えなければいけないので、私としては、先般の検討委員会の場においても高等教育全般をどうしていくかという観点でご議論いただいたわけですし、私もそういう観点でお話をさせてもらったつもりなのですけれど、もう少し例えば公立大学が果たすべき役割は一体何なのかと、先般の委員会の中でも私は聞いていて委員の皆さんの考え方というのは必ずしも同じ考え方ばかりではないなと感じましたけれども、長野県の子どもたちが高等教育機関、県外に出ていかざるを得ないそういう状況を解消しようということに仮に力点を置けば、あまり他の県からどんどん来るような大学ではないほうがいいのではないかという議論になると思いますし、そうではなくて長野県全体の研究とか産学官の連携とか、そういうことも含めて貢献できるような機関に力点を置けば、別にそれは長野県の出身の高校生が大層を占めなくても他から優秀な人材がいっぱい集まるような学校のほうがいいのではないかという議論にもなりかねないわけですし、そうした点について先般どういう方向を目指すのかという点、あるいは公立大学というものが果たすべき役割ということについて、さらに議論をしていただく必要があるのではないかということで私は申し上げたし、そういう感想を持っています。この問題は短期大学をどうするべきか、それから長野県の高等教育をどうするべきかという議論と、もう一つは公立大学の設置と言うことになれば財政負担も当然出てくるわけですから、そうした財政的な観点についてもよりしっかりと検討したうえで考えていかなければいけないと思っています。
信越放送(SBC) 上條道哲 氏
どうしても時期を聞きたくなってしまうんですが、いつ頃までにとかいうめどっていうのは現状ではいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いたずらに延ばす必要はないと思います。私は検討委員会の議論はもう少し具体的な話をしていっていただくようにしたいと思っています。その具体的な議論を踏まえて県としてどうするかという判断をしていきたいと。今のところまだ4年制大学をつくるとしたらこういう学科でこういうものが必要だというところの議論が必ずしもされているわけではないわけですから、そうしたものが順番としてどっちが先かと先般の中でもありましたけれども私はある程度具体的な形のものがイメージされないと県として取り組むべきものであるかどうかということについてはなかなか判断しづらいのではないかと思っています。
信越放送(SBC) 上條道哲 氏
ありがとうございました。
日本経済新聞 川名如廣 氏
TPPに絡んでですね、農業と製造業それぞれメリットデメリットというようなこともいろいろ議論されているんですが、現状県内の状況を踏まえてですね、知事とされましては長期的に農業、製造業それぞれどういう方向性で強くしていくべきだとお考えでしょうか、教えてください。
長野県知事 阿部守一
農業、製造業それぞれということですけれども、私は農業については今回政府のほうでは農業改革推進本部を作るということにしたようですけれども、こういうTPPとか海外との関税引き下げ等の議論が出るたびに右往左往するのではなくて中長期的に日本の農業をどう強くしていくかという議論を国全体、政府全体でしっかりと行っていただきたいと思いますし、長野県としては地域を支えている一つの基幹産業であるわけですから、これまでもさまざまなマーケティングとか価格安定とかそうした取り組みをしてきておりますけれども、海外向けの戦略も含めてしっかりと取り組んでいきたい。私自身も海外への売り込み等もはじめ少し内向きの話ではなくて逆に長野県から海外に打って出るようなことも含めて検討していきたいと思います。
日本経済新聞 川名如廣 氏
製造業についても売り込んでいくっていう・・・
長野県知事 阿部守一
そうですね、今のは農業の話ですけれども、製造業については、これまで製造業は産業の中では比較的自立事業で取り組まれているところが多いわけですけれども、しかしながら例えば研究開発の支援とか産官学の連携とかですね、そういった必要不可欠な部分についてはしっかりと行政としても取り組んでいくという形で、これは経済界の皆さんと一緒になって取り組みたいと思いますので、そういう意味で経済戦略会議をできるだけ早く設置したいと思っていますけれども、そうした中でこれは製造業それから農業、林業、観光業、そうしたある意味では垣根を取っ払った形で複合的に協力し合えるところは協力できるのではないかと思いますし、そうした観点で長野県の経済のあり方を考えていきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 塚本夏希 氏
今日浅川ダムのですね、住民訴訟の第3回目が開かれたんですけれども、裁判も進む中で工事も着々と進んでおりまして、知事はまだダムの賛否というものははっきりと来年度の予算編成前までに判断するというような表現をされていると思うんですが、工事も進む裁判も進むという中で一刻も早く決断をしてほしいというような声も上がっているわけなんですけれども、この11月県議会が月末から開かれますがそれ前までに判断するもしくは県議会中に判断するというようなお考えはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
一刻も早くっていうのは誰が言っているのでしょうかね。私は今、副知事をキャップに再確認作業を行っているところですので、できるだけ早く報告をしてもらいたいと思っていますけれども、その報告を受けて判断したいと思っています。
テレビ信州(TSB) 塚本夏希 氏
発表の報告というのは予算を付けたか、付けなかったというようなところで知事の判断を理解すればいいのか、それともまた別の機会、例えば住民への説明会とか新しい会見というような形で発表するような形になるのか・・・
長野県知事 阿部守一
会見というよう形なのかどうかということはこれから考えなくてはいけませんけれども、いずれにしても私自身が納得できる結論を出して説明責任を果たすということで申し上げていますので「予算案を出したからそれで見て」ということではなくて何らかの形でしっかりとお話をさせていただくことになると思います。
信濃毎日新聞 百瀬平和 氏
公共事業に関しまして、橋などの長寿命化とかですね、県一生懸命やられていると思うんですけれども今後その維持、修繕が必要になってくるものはトンネルとかダムとか幅広くあると思うんですけれども、知事の公約集、政策集にもそういった部分に力を入れていくっていうお話がありましたけれども、今後どういった形で具体的にそういうものを進めていこうと考えていらっしゃるか教えてください。
長野県知事 阿部守一
建設部のほうで長寿命化の取り組みをやっていますが、私がお願いしてきているのは単発というか「道路は道路」とかそういう話ではなくて、もっとトータルでの長寿命化の検討をしてほしいと、長寿命化の議論はいろいろな観点があると思いますけれども、一つの観点としてやっぱり財政負担の平準化みたいな視点、あるいは財政の効率化という視点があるので、それは何というか個別の道路は道路、トンネルはトンネル、橋梁は橋梁とかっていう形でやっていると全体像がなかなか見えないところがあるので、そういう形でもっとトータルな長寿命化についての検討、整理をしてほしいということで担当の部局にはお願いしているところです。
信濃毎日新聞 百瀬平和 氏
個別にトンネルはトンネルで計画を作るとか、ダムはダムで作るとかじゃなくてもっとトータルな意味での県としてどう取り組んでいくかっていう・・・
長野県知事 阿部守一
もちろんだから例えば技術的な橋梁の長寿命化と、他のものの長寿命化というのは技術的には同じ取り組みではないと思いますけれども、私は技術的な側面もさることながら中長期での財政負担の効率化、平準化という観点も大切だと思うのでそういう観点で全体像を取りまとめるようにしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 百瀬平和 氏
取りまとめの作業というのはもう早ければ本年度から取り組んでいくっていう形ですか。
長野県知事 阿部守一
それは来年になってしまうかな。今まだそういう形に必ずしもなっていないので、個別の長寿命化対策という形になっているので、私としては全体的な形を作ってそこを平準化してより財政効率を高めるような取り組みにつなげていきたいと思っています。
中日新聞 大平樹 氏
今の浅川ダムの話をちょっとお伺いしたいんですけれども、予算編成の中では査定の課程っていうのをできるだけ公開したいとおっしゃられている一方で、浅川ダムについては副知事の元で論点整理をしているということを繰り返すばかりで、知事の中でどういう検討が今の段階でされているのかいまいちはっきりしないんですが、そのあたり知事としての検討過程というのをもうちょっと明らかにできないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
知事としての検討過程というか、副知事のところで確認作業を行っていると。その確認作業の項目については皆さんにお伝えしてきていると思いますが、例えば地すべりの問題をどう考えるとかですね、基本高水をどう考えるかとかですね、あるいはダムの必要性みたいなところからですね、そういった論点について今検討してもらっていますので、その報告を私としては受けて、その上で全体的に、この話というのは普通の予算の話と私はだいぶ違うと思っていまして、予算編成でこれからどういう予算を作ろうとかどういう見直しをやろうかというのは、今まで予算を作るのは新しい施策を生み出していくわけですけれども、浅川ダムの話はもう既にいろいろな場面でさまざまな方がさまざまな議論を繰り返してきたわけでありますから、途中で私がどうこう言ったからどう反応するとかというレベルのものではなくて、私自身がこれまでの検討プロセスを納得できるものであるのかどうかそれを私自身が納得できる形のものの納得できる結論を出して、それを皆さんに説明していくという形ですから、私の思考プロセスの逐一をお話すればいいかというと必ずしもそうではなくて逆だと思うのです、案外。私がこれがどうか、あれがどうか思っているなんていう話をするのではなくて、トータルとしてまとめた上でお話をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
前回の会見等で、もしも出ていましたらちょっと恐縮なんですけども、先週国の第3弾の事業仕分けがありまして、いくつかの特別会計の勘定等廃止とかそういった結果が出ておるわけですけれども、知事、今回の行政刷新会議の仕分けをどう評価してらっしゃるかということと、それから、今回の仕分け結果が県の何らかのその事業等に影響しているってような、そういう把握を今してらっしゃるかどうかよろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
仕分け結果イコール最終結論でもないということでもあるので、県に対して影響するものがあるのかどうかというのは把握していないです。私もちょっと今回の第3弾の仕分けの中味、詳細に見ているわけではないので、直接的にコメント正直言ってしづらい部分がありますけれども、最初は予算編成でやって、それから公益法人、独法[独立行政法人]でやって、今回特別会計という形ですから、そういう意味では当初というか私が刷新会議の事務局にいた時からそういう特別会計とか独法とかやっていこうという議論をしていましたから、そういう意味では着々と仕分け対象として仕分けを行っているのかなっていうのが私の受け止めですね。
鈴木恵美子 氏
長野市に住む鈴木恵美子と申します。一般の県民でして理解が不足していると思いますが、お許しください。2点伺います。最初は信州型事業仕分けのスケジュールについてです。本日配布されました、部局長会議の資料を拝見しました。平成23年度当初予算編成方針の5番、5ページの予算編成日程を拝見しまして、この中でですね、信州型事業仕分けは、まず予算編成に反映させるということで位置づけられるという認識でよろしいのでしょうか。もしそうである場合、信州型事業仕分けは、いつの時期に行われるのでしょうか。報道を通じて少しお聞きする部分はありますが、改めて知事にお話を伺いたいと思います。あわせて、本日の会見の中で、この対象となる事業については県民からも意見を募集したいということをお述べになりましたが、となりますと、だいたい時期はいつぐらいと考えればよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
はい。いつ実施するつもりかということについては、ここにまさに、知事査定が1月の下旬から始まりますので、その前ですね。だから1月のどこかという感じですけれども、仕分け対象にする事業については、例えば査定の時期を、査定期間もある程度幅があるものですから、なるべくそういうものは後ろにするとかですね、一定の工夫をしながら対応していきたいというふうに思いますし、それから県民からのご意見を募集するのは、私は11月の県議会に仕分けの予算を提出したいと思っていますので、その後という形になる、というふうに思います。よろしいでしょうか。
鈴木恵美子 氏
ありがとうございます。
鈴木恵美子 氏
では2点目です。浅川ダムの検討について伺います。先程知事は、副知事をキャップになさりながら、検討チームを庁内に設けられて、今検討されているとお述べになったようにお聞きしましたが、一方で本件を考えた場合ですね、建設部さんが今実際に浅川ダムを推進、もう工事を着工して、進めてらっしゃいますが、この知事がおっしゃいました検討チームというのはどういうお立場の方がお入りになっていらっしゃるんでしょうか。
長野県知事 阿部 守一
検討チームというか、確認作業をしている人たちということなのかもしれませんけど、副知事がいて、あとは関係する課長ですかね、関係するというか、技術的な観点とかあるいは財政的な観点とかそうした点で確認をしていかなければいけないので、そうした点について必要なメンバーということでやっています。
鈴木恵美子 氏
ありがとうございます。重ねて伺って大変恐縮ですが、教えていただきたいと思いますが、やはり知事がですね、ご検討されてる皆様方にご希望をされている結論を出される時期というのはどのようにお考えになってらっしゃいますでしょうか。実際検討の経過の中で、時間がかかるとか、いろいろな問題があるかもしれませんが、知事の願いとすれば大体この位の時までにお考えをまとめたいというものがありましたら、お話を伺わせてください。
長野県知事 阿部 守一
できるだけ早くと思っていますが、実際に書類をひっくりかえしたり、あるいはいろいろな作業をしたりしなければいけない部分がありますから、それ次第という形でいつまでという形では区切ってはないです。
鈴木恵美子 氏
ありがとうございました。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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