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更新日:2019年1月1日
長野県知事 阿部守一
10月6日の知事会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からはまず、9月県議会代表質問、一般質問が今日で一区切りということであります。代表質問は5名の方から、それから一般質問も33名の方から質問を受けたということで、非常に多くの方からご質問をいただいたというのが率直な感想です。とりわけ私が就任してから最初の、臨時県議会はございましたけれども、本格的な定例会ということもあって、私の公約に関して多くの議員の皆様方からご質問をいただいたわけであります。質疑のやりとりの中で私自身の考え方を申し上げてまいりましたけれども、明日からまた委員会でさらに深まる議論もあり得るかと思いますけれども、私の公約についてはいただいたご意見もしっかりと受け止めながら着実に具体化をしていきたいというふうに考えています。
それから信州デスティネーションキャンペーンが10月1日からスタートしたわけであります。上野駅でのオープニングセレモニーをはじめ、私も長野駅でのイベントに参加をさせていただきました。順調にスタートしたところというふうに考えておりますが、これからが本番ということでございます。ぜひメディアの皆様方にはより一層の報道をお願いできればというふうに考えております。今週末は3連休ということになりますので、ぜひ大勢のお客様にお越しいただきたいと考えております。県内各地でさまざまなイベントが行われます。主なものだけご紹介致しますと、中山道を東信から諏訪を経て木曽へと7回にわたって歩きつないでいくイベント、「未知を歩こう中山道ウォーク」というのがスタート致します。9日、追分宿から岩村田宿へということで、オープニングセレモニーを開催して11日、下諏訪から塩尻へというウォーキングであります。それから飯田におきましては、旬の果物、野菜の規格外品を含め、お得な特産品の販売を行う「南信州産直アウトレットフェスティバル」というものも開催されます。この他さまざまなイベントがあります。観光部のほうからもプレスリリースさせていただいているかと思いますので、ぜひ宣伝をいただければありがたいと思っております。
次に環境審議会の委員の関係でございます。これは10月5日にプレスリリースをさせていただいていますけれど、環境に関するNPO法人等に所属して活動されている方についての委員の公募ということを現在行っております。10月6日から10月20日までということで募集人員2名ということでございます。環境審議会につきましては、いったん県民の皆様方の公募をさせていただいたところでありますけれども、必ずしも応募が多くなかった、1ケタだったというふうに聞いておりますが、私はできる限りさまざまな方にご参加をいただきたいということで、再度具体的な団体で活動されている方を対象に公募をさせていただくというものであります。ぜひ多くの方に応募をいただければ私としてはありがたいと。県のいろいろな審議会ありますけれども、さまざまな形で出来る限りこちら側からアプローチする方に限らず、県民の皆様方で日頃からさまざまな活動をされている方、あるいは関心をお持ちの方、参加していただける機会をこれからも拡充していきたいと考えております。
それから明日ですが、フジドリームエアラインズの鈴木社長のところを私は訪問させていただきます。明日の10時50分からお伺いするということで、静岡市清水区にあります鈴与株式会社の本社にお伺いしてまいります。私が知事として就任したごあいさつと、これからに向けて松本空港活性化をしていかなければいけないと考えていますので、そうした点について率直な意見交換ができればと考えております。
最後、私のほうから5点目でございますけれども、公文書の公開の関係でございます。松本市中山の解体事業者の産業廃棄物処理にかかる公文書公開決定、これまで見直しの作業を行ってまいりましたが、10月8日金曜日に変更決定をすることと致しました。これまでの公開の内容を見直して、私どものほうから積極的に公開するというスタンスで取り組んでまいります。前回の決定では、全体の文章の約2割程度が公開だったわけでありますが、今回おおむね8割程度公開するということになっております。できる限り公開するというスタンスで、相手方のご理解も得られるように努めていきたいと考えております。以上です。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
先程の本会議で、歯科保健の推進条例が議員提案で可決されました。知事の責務というか、県として計画作りというのが求められているんですが、その辺はどういうふうに取り組んでいかれますか。
長野県知事 阿部守一
今日、条例案が可決したわけでありますので、私としては口腔衛生の重要性というのは認識しておりますので、条例の趣旨を踏まえて着実に取り組んでいきたいと考えています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
先程お話ありましたとおり、今日で一般質問が一区切りになりましたけれども、議会側からは代表質問終了後もそうですけれども具体性に欠けるなどの指摘がありましたけれども、知事ご自身としてはですね、先ほど吉川議員のときの答弁でも若干ありましたけれども分かりやすい議論ができたと思うかという点と、ご自身でこれからの県政の方向性を示す説明というのが十分できたかどうかというのは、そのあたりご自身の評価はいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず、具体性に欠けるという点はとりわけ事業仕分けの部分でご指摘をされているところが大きいのかなと思っておりますけれども、今議会に事業仕分けの予算を提案しているわけではないということで、これは11月県議会に向けて私どもどういう形でやるかという具体像を固めて予算案に盛り込んでいきたいと考えております。全般的にやりとりの中で私の公約に対して、いろいろなご質問とかご意見が出たわけでありますが、例えば具体的に事業を実施するにあたってやはり予算の裏付けがないとなかなか明快に言い切ることができないという部分もありますので、そういう点で若干不十分さを感じられた方もいらっしゃったのかなと思いますが、例えばドクターヘリの配備等の話については、公約にも掲げて具体的な方向性を検討する場もつくったわけであります。私としては、かねてから申し上げているように、私自身、個人だけで県政運営をやっているわけではありませんので、多くの職員の知恵と能力を使いながら県政運営を行っていきたいということで、各部局とやりとりする中でこれからも着実に、要は私が言っていることと現場の言っていることが違って、なかなか言っているけれども進まないということがないように、組織全体としてしっかり同じ方向を向いて進んでいきたいと考えておりますので、そういう観点で施策の具体化についても着実に取り組んでいきたいと考えています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから、全般的に議論を拝聴したときに、個別の要望であるとかについて、国にその点は強く要望していくというふうにおっしゃる場面が随所に見られましたけれども、これはご自身やはり政権与党の推薦を受けているという点を、十分に活用していきたいということも踏まえてのご発言なのか、それとも国にもいらっしゃって、それから地方自治体にもいらっしゃって、そうした制度の矛盾点なども見てきたというご経験も踏まえての発言なのか、どんな趣旨でこの点発揮させていらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
両方ですね。ご質問の趣旨がまずは国に求めてはどうかというご質問が多かったと思いますので、そういう観点でそれを受け止めて答えるとイエスかノーかという話で、私自身国と地方の関係においてはまだまだ改善するべき点が多くあると考えておりますので、そうした観点で結局、国に対して要請する、求めていくということが多くなったと思います。当然求めていくにあたっては、これまで培ってきた人的なネットワークも生かして、最大限長野県の利益になるように取り組んでいきたいと考えています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから議会とのですねやりとり、さらに分かりやすくしていくために反問権に少し言及される場面がありましたけれども、これは確か昨年施行された議会基本条例を検討しているときにも俎上(そじょう)に上がって断念された経過なんかがありますが、これは来春議会も入れ替わる形にはなりますけれども、議会の活性化、論議を深めていく手段としては知事側から具体的な提案であるとか、これから議会側に投げかけていく場面というのはこれからもあるというふうに考えてもいいんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
議会と知事とはそれぞれ役割分担がある中で取り組んでいるわけでありますので、基本的には議会がさらなる議会改革に取り組んでもらうということが基本だと思います。しかしながら、私の立場から見てですね、「よりもっとこうしたほうがいいのではないか」ということがあれば、必要に応じて申し上げていく場面もあるというふうには思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
最後に個別の問題で1つ、事業仕分けの話でですね、制度の設計というのは詳細はこれからになりますけれど、1つ提案として吉川議員からあったですね、若年層の、ですから20歳未満の方の県政参加の手段として判定人に加えていくことも研究する旨のですね、お話があったかと思いますけれども、それについてはどの程度具体性を持ってご検討されてらっしゃる話なのか、もう少し広く言うとですね、県民の県政参加を考える上で若年層の位置付けというのをどういうふうに考えていらっしゃるか教えてください。
長野県知事 阿部守一
まず事業仕分け、先程ご答弁申し上げたように、仕分け人というよりはむしろ判定人方式を取り入れた場合の判定人としてはあり得るかなということです。判定人方式についてはこれは基本的に無作為抽出で行っていかないと偏ってしまいかねないという部分がありますので、そういう意味ではこれは市町村の協力がなければいけないという点があるので、そういう意味で県としては検討中という状況であります。若い世代がやはり政治とか行政に関心を持っていただくということは、これからの長野県を考えたときに私は重要なテーマだと思っておりますので、今、仕分けの場面でのご質問だったわけですけれども、他の場面でも県政参加をしていただけるようなことを、特に若者たちにそういう場を作るということは別の観点から考えていかなければならない課題ではないかと考えています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
ケースバイケースですけれど、例えばこの事業仕分けでいえば知事がおっしゃっている若年層、若者とおっしゃっているのはどのくらいの世代をある程度想定されておっしゃってらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
大学生も成人以上になれば基本的には大人と同じ、一般の成人と同じ扱いになりますから、高校生とかそういう世代に対しても開かれた県政ということは認識をしてもらうようなことも考えなければいけないのではないかと。例えば子どもの権利条例、これから検討していくわけですけれども、やはり当事者としての若者、子どもたちの声というのもしっかりと聞く中で考えていくべきテーマではないかというふうに思っています。
信越放送(SBC) 上條道哲 氏
事業仕分けの件なんですが、阿部知事がずっと携わってきた事業仕分けのイメージとかやり方と今回議員さんのほうからはなかなか分からないといった声がありましたけれども、知事の持つ考えの事業仕分けと議員さんの間の持ってる事業仕分けのイメージのギャップというかどんな点がお互いうまく疎通できてないのかなというような感じを持たれたことはありますか。
長野県知事 阿部守一
まず、私がご質問をお伺いして率直に感じたのは、事業仕分けが問答無用に予算を削減するというイメージで非常に強くとらえられていることじゃないかという感じは受けましたね。私自身何度もお答えしたとおり国の仕分けも決して仕分け結果が最終結果と扱ったわけじゃなくて、仕分け会場での仕分け結果を行政刷新会議に諮ってさらに行政刷新会議の方針をもとに予算編成したわけでありますから、別にあそこの現場での結論が唯一絶対だったわけではないわけであります。そういう意味では私が申し上げていることも基本的には同じ話だと思っているのですが、どうも仕分けの強烈なイメージだったのですかね。私は実は当事者で会場にいて連日報道されていた時にはあまりメディアの取り上げられ方、もちろん見ていましたけれども一般の人の受け止めというよりは当事者としての受け止めになってしまっているので、一般の方々の受け止めの感覚というのが必ずしも私自身分からない部分も正直あるのですけれども、非常に強烈にガンガン予算を切るというイメージだけでとらえられてきてしまったのかなという感じは率直に受けました。
信越放送(SBC) 上條道哲 氏
ありがとうございました。
信越放送(SBC) 上條道哲 氏
あともう1点、冒頭ありました松本市中山の処分場の公文書公開決定の見直しの件なんですが、これ8日に新しいものが出てくるということでよろしいんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。これは私どもとして決定をするのが8日の予定ということでございますので、これは請求者の方にお伝えしていくということになりますので、相手方と調整になりますけれども手渡しということであれば決定日以降請求された方のご都合の良い時ということになりますし、郵送ということでご希望があれば決定日に郵送をさせていただくという対応を考えております。
信越放送(SBC) 上條道哲 氏
ありがとうございました。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
先程ありました若年層の話で判定人も高校生とかの起用もあり得るということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今申し上げたように、事業仕分けの判定人はそもそも判定人方式をとること自体ハードルが県の場合あるものですから具体的な検討をそこまで必ずしもしているわけではありません。可能性としてはあり得るということを申しあげているところです。
テレビ信州(TSB) 大和洋介 氏
ありがとうございました。
信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
先程の、松本の中山の情報公開の訴訟の件ですけれども、この訴訟では住民の方々196カ所ということで公開を求めていたかと思うんですが、知事はできる限り公開していくというスタンスで臨まれるというお話以前からされてたかと思うんですが、知事の目でご覧になってですね、今回改めて再検討した結果の今回新たに公開決定するものについてはかなり達成されたという印象を持たれているということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これは個別に先方の請求をされた方が何を期待されているかということにもよると思いますので、私が先方の期待に沿っているかどうかというのはなかなか判断できないですけれども、先程申し上げたように前回は約8割を非公開ということですから、文章を見るとほとんどの部分が黒く塗りつぶされているという状況でありますが、今回約8割は公開ということで率としては白い部分と黒い部分が逆転しますので、かなりの量の情報が公開されるという形になると考えています。今回の見直しの中で例えば法人の情報の中で当初非公開としていたものとして廃棄物の搬入量でありますとかあるいは保管量といった数値、前回非公表にしていましたけれども今回公表にしておりますし県の指導に関する情報につきましても県の立ち入り検査記録票の検査及び検査事項でありますとかあるいは今後の対応といった欄を欄全体を一律非公開というふうにしていたわけですけれども、個々に内容を精査したうえで個別具体的に判断してできるものは公開したという形になっておりますので、前回一律に判断したものの中でもかなり公開される部分が増えているという状況です。
信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
そういった公開の基準ですとか例えばこういう数値は公開したほうが良いのではないかというようなことを知事のほうから直接担当課のほうに指示されたというようなことはあったんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私はできる限り公表ということで個別の指示をしたというよりは基本的な考え方について伝えて、あとは情報公開条例があるわけですから、条例の趣旨、原則公開という趣旨を踏まえて精査をしてもらったと。なおかつ弁護士とも相談のうえ対応しているという現状です。
信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
今回公開決定を8日にされて、その後の訴訟なり、住民の方々への対応ということについては今の段階でどのようなお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私は今回、情報公開の内容ということで訴訟になっているわけでありますので、私としては今回できる限り公表するというスタンスで対応させていただきましたので、ぜひ相手方の理解が得られると私ども対応した甲斐があるかなというふうには考えております。これはあくまでも請求された方、訴訟を起こされた方がどう考えるかという部分によりますので、私の方から今の時点でどうだこうだと、先方と私は直接お目にかかっているわけではありませんけれども、県の趣旨をぜひおくみ取りいただきたいというふうには思います。
信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
分かりました。ありがとうございます。
日本放送協会(NHK) 梅本一成 氏
知事、答弁の中でですね、事業仕分けについて仕分け会場の結果がそのまま県の判断になるわけではないっていうことをおっしゃってたんですが、それだとなんかちょっと参加した方にとっては不満も残るんじゃないのかなと思うんですけど、ある意味、事業仕分けをやる意味あるのかっていうことにもなると思うんですけど、その点はいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私がこれまでやってきた感覚からするとまったくそんなことは無いと思います。私自身も仕分け人として参加しましたけれども、当然そもそも論、あるべき論で事業仕分けは議論していくわけです。実際にその結果を踏まえてどうするかということについては、もちろん仕分け結果を最大限尊重して対応するわけですし、公開の場で結論出ているわけですから、その結論を仮にくつがえすと、あるいは違った結論に持っていこうということであれば、県として説明責任を果たさなければいけないわけですから、なんとなく結論を変えてしまったということはできないわけですから、そういう意味で仕分けに関わった方にとって不満が残るようなことにはならないというふうに考えています。
日本放送協会(NHK) 梅本一成 氏
あとちょっと聞きづらい質問になるかもしれないんですけど、今回の議会の答弁で分かりにくなったのはいろんなところに気を使いすぎてるからじゃないかっていう指摘もあるんですが、その点についてはどう思われますか。
長野県知事 阿部守一
私は別にいろいろなところに気を使っているつもりは無いですね。事業仕分け自体が、これは先程の判定人の話もありましたけれども、唯一絶対の形というものがこれだっていうふうにあるわけではなくて、いくつか原則論を申し上げましたけれども、完全公開でやるとかですね、それから第3者の視点を入れるとかですね、そういったことをベースにいろいろなバリエーションがあるというのが自治体の仕分けであります。私自身は11月に向けてこういうやり方をしていく、ということをまとめてお示ししていきたいというふうに考えておりますので、そうした点でいくと私自身の考え方については最初からまったく変わっているつもりは無いです。年度内の実施についても、これは着実に取り組んでいきたいと考えています。
日本放送協会(NHK) 梅本一成 氏
ありがとうございました。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
県立歴史館についてお尋ねします。一義的には県教委の所管なんですが、予算付け全体的に考えていくと知事の考えも入ってくると思うのでその視点で伺います。県立歴史館なんですが、長野県内で出た考古資料を保存したり展示したり研究するための施設として開所したんですけれども、木製の遺物について非常に多く、少なくとも1万点以上が保存処理されないままに保管されていることが明らかになりました。これに関しては国の研究者も早く保存処理するべきだ、というような指摘もしています。その中で施設ができたにも関わらず人的に足りてなかった、あるいは付けていなかったというような経緯もあります。それに関して県知事として今後どのように考えていくかということをお尋ねします。
長野県知事 阿部守一
これはまず、どうしてそういう状況になっているかっていうことを教育委員会から聞かせていただかなければいけないだろうというふうに思いますし、最終的に予算という問題であれば私のほうでどう対応するか考えていかなければいけない話でありますので、まずは教育委員会がどういう考え方を持っているのか、そしてどうしてこういう状況になっているのかということについて把握をしたいと思います。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
来年度の予算編成に向けて12月、3月議会まで議論していくと思うんですが、その中で知事として木製遺物のですね、放っておけば腐ってなくなってしまう可能性もあるものがあって、非常に文化的な価値が高いものもあると聞いています。そんな中で担当課としてはできるだけの人員配置はしていきたいというふうな話を伺っているんですが、そういった話が上がってきたところで、県の財政部局と話し合いを進めていくと思うんですけれども、県教委から上がってきた予算要望に対して県としてはどのように対応していくかっていうことをお尋ねしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
予算要望に対してどう対応するかっていうのは、その要求の中身を見なければ分からないですけれども、私は実はこのケースは、もちろんこのケース自体重要な問題だと思いますけれども、どうしてその現場で必要性が認識されているにもかかわらず十分な予算措置がされてないのかと、仮に必要な予算だとすればですね。私は現場の声を大切にということで申し上げているわけですけれど、県もいろいろな組織、いろいろな機関がある中で、やはり現場のところにいろいろなしわ寄せが来ているとすればですね、それは県庁全体として見直していかなければいけない話だと思いますし、単に教育委員会の歴史館だけの問題ということであれば、これは、この予算をどうするかという話だと思いますので、どうしてこういう状況になってしまっているのかということについて、私自身は問題意識を持って聞いてみたいと考えています。
信濃毎日新聞 牧野容光 氏
ありがとうございます。
朝日新聞 二階堂友紀 氏
事業仕分けの判定人についてなんですけれども、若年層の参加の可能性も考えてらっしゃるということでしたが、年齢層を広げて高校生などが参加できるようにするメリットっていうのはどういう部分にあるとお考えでしょうか、若年層に広げることで適切な判断を下せるかどうかっていう面で不安があるとはお考えにならないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
若年層の話は先ほど申し上げたように、まず判定人方式をとるかどうか、その上でその先の検討課題という認識ですから、先程申し上げたように今の時点で具体的に若年層にも入ってもらうことが適当という判断をしているわけではないです。ただ、可能性としてはあり得るというふうに申し上げているところです。
朝日新聞 二階堂友紀 氏
あともう一つ、今回、初の本格的な議会だったと思うんですけれども、代表質問と一般質問を通してですね、阿部カラーというものが出せたというふうに、ご自身でですね、お感じになっていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
今回の議会は、9月補正を主な議案としてお出しをさせていただいているわけでありまして、やはり大きな方向性というのは本格予算というか、通年予算、来年度当初予算を出す場面ということになってこざるをえないというふうに思っております。私自身、選挙期間中に訴えてきたことについて、議会の場で私の考え方はご説明させていただきましたし、今後その申し上げてきたことを踏まえてですね、より具体化、来年度予算に向けてしていきたいと思いますし、また中期総合計画については、現行計画、もちろん議会の議決もいただいているので、尊重しながら進めますが、場合によってはその内容のあり方についても今後考えていく必要があるということで、そうした中で私自身の考え方をより具現化していきたいと考えています。
朝日新聞 二階堂友紀 氏
分かりました。
中日新聞 大平樹 氏
今日、議会の答弁でもあったんですけれども、広報のあり方について、若手職員のチームを作って、もう少し充実することが必要だということもおっしゃっておられて、今回検討チームにどういったことを検討させて、なぜ若手なのか、いつまでにどういう結論を出させるつもりでこういうものを作るのか、もうちょっと説明をいただけますか。
長野県知事 阿部守一
はい、それは広報課長から説明してもらった方がいいかもしれないですけれども、私の思いを申し上げればですね、やはり県民の皆さんに関心を持ってもらったり、参加してもらう上では県の情報をよりしっかり伝えていく、それからより分かりやすく伝えていくということが大切だと思っています。今、本当にいろいろな媒体がありますよね、私もインターネット、そう強いわけではありませんけれども、かつてに比べれば動画の配信もしやすくなったりとかですね、私自身もちょっとこの議会中、あまりつぶやけなくなっていますけどツイッターとかですね、いろいろな媒体がでてきます。どうして若手かというのは、やはりそうした新しい時代の流れに敏感なのは、私もまだ50前ですけども、私でもちょっとなかなか最先端のところはついていけてないというところもありますので、柔らかい頭で、今までの県の広報はかくあるべしという固定観念に捉われずにですね、県としての情報発信の仕方を考えていってもらいたいと。県の行政をより見える形で可視化していってもらいたいという思いで若手のプロジェクトチームを作って検討してもらいたいと思ってます。
中日新聞 大平樹 氏
時期とか、何らかの一定の結論を出してもらう時期とか、その人数・・・
長野県知事 阿部守一
それは議論しっぱなしじゃしょうがないですから、来年度予算に間に合うようには検討してもらうというのが基本です。
中日新聞 大平樹 氏
すみません、あともう1点。これまでの、以前の会見でもご自身の考えをもうちょっと言おうと思えば言えるんだけれども、職員とのすり合わせをした方がうまくいくということをおっしゃっておられて、まだ就任1カ月とちょっと経ったところなんですが、今の県職員について知事はどういうふうに評価されておられて、この1カ月の間どういうふうに変わってきた部分があったりすれば、それは含めて、今の時点での評価を教えてください。
長野県知事 阿部守一
県職員の評価というのは、私、それぞれの職員は最大限頑張ってきているというふうに思っています。ただ何と言いますか、向く方向性というか、もちろん県民目線に立って、県民の方を向いて仕事をしてるということが前提ではあるんですけれども、ともするとですね、行政ってのはどうしても前例、これ答弁でも申しあげた前例踏襲になっちゃったり、あるいは悪しき縦割りというかね、「これは私の仕事じゃないよ」みたいな感覚になりがちでありますので、私が組織の責任者でありますから、これからより柔軟に対応できる組織、あるいはより組織として全体の総合力を生かせるような組織にはしていきたいというふうに考えています。
中日新聞 大平樹 氏
それは今の時点でもやはり県職員の中にそういうところがあるというふうに見ていらっしゃるというふうに捉えればいいんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
やはり、私が来る、私が知事に就任する前の方向性を、私は変えなければいけない部分が個々の政策においてですね、あるというふうに思ってます。しかしながら職員はやはり今までその政策を考えたり、進めてきている立場でありますから、そういう意味では180度ですね、まあ180度というか私の考え方に全部直ちに頭が切り替えられてるわけではない部分も率直に言えばあるのではないかと思います。これは、それは悪いということではなくて、いままでそれがミッションとして与えられて仕事しているわけですから、そういう意味では、これから各部長とか課長とよく話し合いをする中でですね、私の考えを十分組織の中に浸透させて、県政のあり方、私の考えている方向性に進めていきたいと考えています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
リニア中央新幹線の計画について、今回の一般質問にも出ましたけれども、これから来週に向けて焦点だったルートの議論なんかも収束していくと思うんですけども、まず知事がおっしゃっていたように県の利便性が損なわれないように最終の答申に向けて、そういった県の要望が入るような形で、努力していきたいというような、その辺の具体的にですね県として、村井知事はいったん県としての当時のお考えを国に伝えているわけですけど、その辺、阿部知事になられて、今後最終答申に向けてこういうふうにやってければいいなという、そういうもしプロセスがあればお聞きしたいなと。それからルートがある程度方向性が示されれば、今、諏訪とか上伊那とか、あるいは飯田で意見は分かれているわけですけども、それがより利便性のいい県内駅、あるいはルートになるように、県として、あるいは各地がどんなふうに、次のですねステップに向けて動いていくべきか、その辺お考えがあればお尋ねしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
まずは動いていくべきかというか、私としては、これ県内の地域振興に結びつくような形で進められていくことが望ましいというふうに考えています。来春に最終答申が予定されているというふうに伺っていますので、それに反映されるように、私の考えは伝えていかなければいけないだろうというふうに考えています。長野県、いろいろな歴史的な経過とそれから各地域のそれぞれの意見があるわけでありますから、そうしたものを十分踏まえた上で、対応していきたいと考えています。
信濃毎日新聞 古志野拓史 氏
その伝え方、もしこんなふうにという、もし今アイデアがおありになればということと、それから、それいったんルートがですね、国のほうでも示された後に、その後県内とすれば望ましい状態に持っていくように、例えば各地に呼び掛けていかれるようなお考えがあるか、ちょっとお尋ねしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
各地に呼び掛けるというのは、まず各地でそれぞれ取り組みされていますので、その意見というか、その状況を把握して、そうした地域の声も私自身、直接伺うようにしたいというふうに思ってます。その上で、私としての考え方、県としての考え方を伝えていくという形になると思います。
時事通信 新部たまみ 氏
人勧の関係でですね、2点お尋ねしたいんですけれども、今の国の方でですね、勧告よりも深掘りすべきではないかですとか、人勧制度の仕組みづくりをですね、もう一度するべきではないかという議論があるんですけれども、これについてどのようなご所見かですね、伺いたいのと、あと県の人事委員会の勧告なんですけれども、昨年はですね、全国の都道府県の中で、長野県が最も減額幅、期末勤勉手当ですね、大きかったということで、それに合わせた決定がなされるのか、それとも他の都道府県の水準に合わせるのかで、結構注目されていたところがありまして、人事委員会の勧告についてもですね、どういう姿勢で、受け止められるご予定であるのか、お考えをお聞きしたいんですけれども。
長野県知事 阿部守一
人事院勧告、あるいは自治体の人事委員会勧告、これは労働基本権の代償措置ということで、これは尊重しなければいけない、というのが基本的な考え方であるわけです。しかしながら、国において、例えば人事院勧告と違った取り組みをすることが直ちに違法だとかそういう話ではないと思います。総合的な判断が必要になってくる部分があると思います。長野県において、これから人事委員会の勧告が出てくるわけでありますけれども、どういう内容になるか私自身全く承知しておりませんが、基本的には人事委員会勧告を尊重するという姿勢で臨んでいくということです。
読売新聞 香取直武 氏
先程のリニアの関係なんですけれども、確か最終答申は来年の春なんですけれども、もう中間は年内とかですね、一部報道によれば今月、今度の審議会には一定の方向性が打ち出されるではないかと、はっきり言ってもうCルートという流れがだいぶ強くなってきているようなんですけれども、それを踏まえて今のご自身のお考えを伝えるというのはですね、いつ頃どういう形でということをイメージされていますか。
長野県知事 阿部守一
今度の審議会で一定の方向性が出るというような話にはならないのではないかというふうに私は認識しています。私がどのタイミングで意見を申し上げるかというのは、それは適切な時期にということで考えています。
読売新聞 香取直武 氏
その考えの中にはですね、ルートについて具体的に要望するということはあり得るのか、それとも村井知事のようにですね、そこは見送るという方針を踏襲するのかその辺はいかがでしょう。
長野県知事 阿部守一
先程申し上げたように、私自身の考え方、地域の声も聞いた上で、取りまとめて伝えていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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