環境保全研究所

しあわせ信州

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更新日:2017年9月3日

化学物質

環境中(大気中、水中)には、さまざまな化学物質が含まれています。これらの物質の中には、呼吸や飲食により人の体内に取り込まれた時に、健康に害を及ぼすものがあります。化学物質によるリスクは、有害性×暴露量(環境中濃度)で計算されます。このため、健康への影響を評価し、必要に応じて対策を推進するためには、有害な物質の環境中濃度を把握しておくことが重要です。また、地球の温暖化を促進するなど地球環境に悪影響を与える物質もあります。このような物質について、当所で行っている調査を紹介します。

 

有害大気汚染物質調査

有害大気汚染物質とは、工場や自動車などから排出され大気を汚染する物質で、低濃度でも継続的に摂取されることで、発がん性など人の健康を損なうおそれがある物質です。国により有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質として248物質、そのうち優先取組物質として23物質が示されています。当所では優先取組物質のうち以下の21物質について、毎月1回24時間捕集し、分析しています。

               有害大気汚染物質測定装置
  • 揮発性有機化合物(VOCs)
    一般環境5地点(長野市、松本市、上田市、諏訪市、伊那市)、沿道1地点(松本渚交差点)、発生源周辺1地点(岡谷市)の計7地点において、14物質(環境基準の定められているベンゼン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、指針値の定められているアクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、1,3-ブタジエン、環境基準も指針値も定められていない塩化メチル、トルエン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンゾ[a]ピレン、酸化エチレン)の測定を実施しています。
  • 金属類
    一般環境4地点(松本市、上田市、諏訪市、伊那市)において、指針値が定められている水銀及びその化合物、ニッケル化合物、ヒ素及びその化合物、環境基準も指針値も定められていないクロム及びその化合物、ベリリウム及びその化合物、マンガン及びその化合物の測定を行っています。

 

 

項目

採取地点

揮発性有機化合物(VOCs) アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、トルエン、1,3-ブタジエン、ベンゼン 一般環境5地点(長野市、松本市、上田市、諏訪市、伊那市)、沿道1地点(松本市渚交差点)、発生源周辺1地点(岡谷市)
アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、ベンゾ[a]ピレン 一般環境4地点(松本市、上田市、諏訪市、伊那市)、沿道1地点(松本市渚交差点)
酸化エチレン 一般環境4地点(松本市、上田市、諏訪市、伊那市)
重金属類 クロム及びその化合物、水銀及びその化合物、ニッケル化合物、ヒ素及びその化合物、ベリリウム及びその化合物、マンガン及びその化合物 一般環境4地点(松本市、上田市、諏訪市、伊那市)

 

特定化学物質調査

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)は、平成11年に制定されたもので、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律です。ここで、排出量及び廃棄時の事業所外への移動量を、事業者が自ら把握し国に対して届け出る制度(PRTR制度)の対象となる化学物質が「第1種指定化学物質」として定義されています。人や生態系への有害性があり、環境中に広く存在する物質として462物質(平成22年~)が指定されています。当所ではこのうち、PRTR届出で大気への排出量が多く、有害大気汚染物質調査と重複しない3物質(キシレン、スチレン、エチルベンゼン)について調査しています。試料採取は、上記の揮発性有機化合物(VOCs)と同時に行っています。

温室効果ガス・オゾン層破壊物質調査

温室効果ガスとは、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより熱として蓄積し、地表付近の大気を暖める気体の総称です。二酸化炭素、メタン、フロン類などが該当します。大気中の温室効果ガスが増えると、気温が高くなります。また、オゾン層破壊物質とは成層圏で塩素を放出しオゾンと反応することでオゾン層を壊す物質でフロン類が該当します。
当所では、11物質(HFC-134a、HCFC-22、HCFC-142b、HCFC-123、HCFC-141b、HCFC-225ca、HCFC-225c、四塩化炭素、臭化メチル、ブロモホルム、1,2-ジクロロプロパン)について調査しています。試料採取は、上記の揮発性有機化合物(VOCs)と同時に行っています。

アスベスト環境モニタリング調査

厚生労働省パンフレットより

スベスト(石綿)は、天然の繊維状鉱物です。高い抗張力、耐熱性など優れた特性を持つため、建設資材や工業製品として使用されてきました。しかし繊維が極めて細く、いったん吸い込むと肺の奥深くまで入り、肺線維症(じん肺)、中皮腫、肺がんなどを引き起こす可能性があるため規制が進み、2006年9月1日から0.1%を超えてアスベストを含有する物の製造・新たな使用が禁止されています。しかし、すでに建てられた建築物の解体等で大気中に放出されている可能性があります。当所では、大気中の浮遊の実態把握をするため、県内11地点(1地点2か所調査)で年2回、3日間環境大気を採取し、浮遊量調査を行っています。

化学物質環境実態調査(環境省委託)

1973年に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」が制定され、新たに製造・輸入される化学物質について事前に人への有害性などについて審査するとともに、環境を経由して人の健康を損なうおそれがある化学物質の製造、輸入及び使用を規制する仕組みが設けられました。これに附帯して、国内の一般環境中の既存化学物質の残留状況の把握を目的として、1974年に国が「化学物質環境調査」を開始したのが本調査の始まりです。化学物質を取り巻く状況の変化に対応して、調査体系が見直されながら現在に至っています。全国的な調査事業の中で委託をうけ、以下のような業務を行っています。

  • 分析法開発調査
    化学物質環境実態調査対象候補物質について、物理化学的性状を把握するとともに、環境試料から環境省が示す要求感度を満足した分析を行う方法の開発を目的としています。複数の対象物質のうちから、希望する地方自治体等が担当する物質を選択し、分析法開発を行います。当所では、水系で分析法開発を行っています。
  • 初期環境調査・詳細環境調査(試料採取)
    初期環境調査は、環境リスクが懸念される化学物質について、一般環境中で高濃度が予想される地域等でデータを取得することで、化管法の指定化学物質の指定等の基礎資料とすることを目的としています。また、詳細環境調査は、化審法の優先評価化学物質等のリスク評価を行うため、一般環境中における全国的なばく露評価について検討するための資料とすることを目的としています。当所では、水系・大気系の試料採取を行っています。
  • モニタリング調査(水系、大気系、試料採取)
    化審法の特定化学物質等について、一般環境中の残留状況を監視することを目的としています。また、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)に対応するため、条約対象物質等の一般環境中における経年変化を把握すること等を目的としています。POPs(PersistentOrganicPollutants)とは、難分解性有機化学物質で、分解されにくく世界中に長距離輸送されるため、南極のペンギンから検出された例もあります。長野県における水系の調査地点は諏訪湖で10月に1回、大気系の調査地点は環境保全研究所(長野市)で、温暖期(8~9月)に1週間試料採取を行っています。

 

 

化学物質に関するリンク先

〇調査結果
長野県の大気の状況(有害大気汚染物質など、長野県)
有害大気汚染物質モニタリング調査結果(環境省)
アスベスト環境モニタリング調査結果(長野県)
大気中のアスベスト濃度の調査結果(環境省)
化学物質環境実態調査年次報告書(環境省)

〇法令・制度について
化管法について(経済産業省)
PRTR制度について(長野県)
化審法について(環境省)
化学物質環境実態調査について(環境省)

お問い合わせ

環境保全研究所 

電話番号:026-227-0354

ファックス:026-224-3415

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