環境保全研究所

しあわせ信州

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更新日:2015年4月1日

流域生態系の再生プラン支援

研究課題名:流域生態系の再生プラン支援を目的とした河川ネットワーク解析技術の開発

研究期間: 平成15~17年度(2003~2005年度)

 回遊魚のダムによる遡上障害などに代表される、河川ネットワークの分断とそれに伴う物理的・生物的相互作用の消滅について、広域的に解析する。本研究の目的は、第一に流域生態系に関する各種データベースを整備すること、第二にそれらデータベースを活用した様々な解析ツールを開発すること、そして第三にデータベースやその解析ツールを効率よく管理し、必要に応じて公開することで、多くのユーザーグループと情報の共有を可能にするシステムを構築することである。これらの取り組みを通して、流域生態系の研究や再生を支援することを目指した。

研究内容

  • 流域分断状況の把握
  • 淡水魚類の分布情報の統合
  • 分断の魚類への影響解析

研究成果

長野県における河川の連続性と魚類の多様性

北野聡・尾関雅章・前河正昭(長野環保研)・福島路生・亀山哲(国環研)

 河川上流域におけるダム建設は魚類をはじめとする水生生物の生息域を分断し生物多様性に深刻な影響を与える。急峻な地形をもつ長野県には水力発電等を目的とした大規模ダムが数多くあり、小規模な砂防ダム(床固め工を含む)についてもその数は5,800基を越え全国第2位となっている。このように、長野県における魚類の生息環境は著しく分断化されていると考えられるが、これまでその現状ならびに生物多様性への影響はほとんど検討されてこなかった。ここでは国立環境研究所と長野県が共同で構築している流域生態系に関するGISデータベースを利用し、ダムと魚類の関係を検討した。GISデータには、河川のラインデータのほか、国土地理院2万5千分の1地形図に記載されている堰堤(ダム)の情報、また長野県レッドデータブック(2004年発行)作成時にまとめられた過去20年における魚類の分布データが含まれる。ダムの分布と魚類の生息状況については県内の流域を単位として解析した。例えば、千曲川上流の流域全体にはイワナ、ヤマメ、カジカ、ウグイほか合計9魚種が確認された。5kmメッシュを基本単位にそこに含まれる魚種数とダム数との関連を重回帰分析により検討したところ、標高による種数の低下は明らかであるものの、ダムとの明瞭な関係は検出できなかった。ただし、詳細な採捕データのある支流単位では堰堤を境界に上流域で魚類が姿を消す事例も確認された。(2006年3月、第53回日本生態学会年会講演要旨より)

(課題担当者:北野 聡)

独立行政法人 国立環境研究所 「地方環境研究所等との共同研究」

参画機関

北海道環境科学研究センター

山形県環境科学研究センター

長野県環境保全研究所

神奈川県環境科学センター

お問い合わせ

環境保全研究所 

電話番号:026-239-1031

ファックス:026-239-2929

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