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更新日:2018年1月31日

郷士沢川流域協議会提言書(案)

 

郷士沢川流域における総合的な治水・利水対策について

平成○○年(○○年)○○月○○日

郷士沢川流域協議会


郷士沢川流域協議会は、長野県の郷士沢ダム建設中止方針を受け、郷士沢川流域について、住民と行政が共にダムに替わる治水・利水対策等の実現に向けて議論してきた。

治水対策は、ダム計画と同じく30年に一度起こるであろう降雨に対しての治水安全度を目標とし、ダムの代替対策として早期に実現できるよう前向きに意見を取り交わした。なかでも、芦部川最下流部については豊丘村の中心部に近く、周辺に民家・工場等が隣接し、なおかつ流域で唯一天井川の形態をなしており、災害発生時には人的被害が大きいと予想される箇所である。特に、今年は台風等の災害が例年になく多く、沿岸の住民は不安を抱いて生活している。よって、昨今の災害状況に鑑み、下流部を最優先に着工し、一日でも早く安全な生活が送れるようにすべき等、安全性の向上へ向けて終始活発な議論を行った。

なお、利水対策に関しては、新規水道水源等の調査に時間を要するため、今回の提言には含まないものとした。

平成15年12月6日の第1回から現地調査を含めて8回開催し、長野県が示した河川改修原案に対して、慎重かつ活発な議論を行った結果、以下のとおり提言する。


河川改修原案

河川改修原案については、A区間(芦部川最下流部柿外土付近)、B区間(金山付近)、及びC区間(横山橋上流付近)からE区間(上垣外付近)の3つに分け、それぞれ、長野県の提案する原案の妥当性及び実現性について検討した。

1.A区間について

河川改修原案では、新芦部川橋(通称りんご大橋)から上流300mの区間について、現況護岸が5分勾配に対し、1割勾配での引堤及び、現況約2mの堤防天端幅に対し、3m幅への拡幅、さらに村道西橋の撤去が計画されている。

これに対し、30年に一度の洪水に耐えうる河川改修を望む、次のような意見・提案があった。

1割勾配での引堤は、沿岸の家屋、工場等への影響が大きく、移転が必要になる可能性もあり地権者への負担が大きくなる恐れがあるため、現在と同じ5分勾配での引堤・拡幅する案、若しくは現況護岸の嵩上げと老朽化護岸の補強及び積み替えを実施する案が適当であるという意見が、芦部川沿岸住民を中心とした会員からあった。

当区域は沿岸部はもとより、特に左岸は村中心部の防災にも関わる重要な区域であるため、関係地権者等の理解を得ることに努め、原案どおり1割勾配の引堤によるべきとの理想に近い護岸とすべきであるという意見が、芦部川沿岸住民以外の会員からあった。

堤防天端幅や勾配等の基準を緩和すれば、隣接地への影響の減少及び予算の縮減にもつながるため、昨今の規制緩和の流れを汲めば、これらのことにも考慮し、柔軟に対応すべきである。また、原案の1割引堤案では、親水性が多分に考慮されているが、芦部川上流部や付近の天竜川では、本区間以上に水に親しむことができる。本区間においては、親水性や多自然型川づくりよりも、治水安全度を向上させることを最優先とすべきである。

いずれにせよ、住民及び行政が十分話し合い、お互いに納得をし、協力を得ながら、住民が安心して暮らしていける対策を、早急に実施すること。

2.B区間について

河川改修原案では、県道芦部川橋上から上流600mの区間について、河床深掘部の護床工及び流下能力が不足する区間の嵩上げによる護岸工が計画されている。

本区間には、灌漑用水の取水箇所があり、そのうち、最下流の道西島井の取水方法が議論の中心になった。

この付近は、芦部川が屈曲し流れが複雑になっている。さらに、道西島井取水のため、芦部川河床にフトンかごが設置してあり、これが河床を堰上げ、流下能力に影響を及ぼす原因になっている。このフトンかごを撤去すれば、流下能力は回復することから、上流にある時広井から道西島井への分水を検討し、道西島井と時広井との統合を望む意見が多かった。

そのためには、両井水関係者の理解、協力が必要であり、豊丘村及び長野県が間に入り調整し、必要ならば事業費を含め補助をすることが不可欠である。

その他の箇所については、原案どおりの施工を早期に実施することを望むものである。

3.C区間、D区間(西部付近)上下流部及びE区間について

河川改修原案では、C区間は護岸工80m及び河床整理280m、D区間下流部は護岸工及び河床整理80m、D区間上流部は護岸工及び護床工280m、E区間は護岸工40mがそれぞれ計画されている。

C、E区間の護岸嵩上げ箇所は、河床整理を実施すれば、現状のままで小さな遊水池的な役割をはたせる可能性から再検討し、下流の災害防止に役立て、さらにはE区間左岸上部にある村道の保護にもつながるのではないかという意見があった。

また、C区間上流には天然河岸の勾配が急な箇所が存在し、崩壊の恐れもあり、土石流の発生要因にも成り得るため、下流への影響及び井水保護も考慮し、早急に護岸等の浸食防止対策を実施すべきである。

 

洪水時の異常な土砂流出・流木対策

芦部川上流部の急峻な地形の浸食を防止するため、樹種転換も考慮した治山対策を行い、土石流の発生を防止する対策を実施すべきである。

また、流域には積雪や松食い虫等の被害による倒木が多数あるので、既存のコンクリートによる堰堤ではなく、自然に優しい新しい工法を導入した流木対策を実施し、下流への被害を防ぐべきである。

施設の設置箇所及び構造については、今後の調査結果に委ねるが、周辺の環境に十分配慮して実施すべきである。

 

まとめ

脱ダム宣言後、他の河川では、住民が納得できるダム代替対策が進捗していない。郷士沢川では、現計画である30年確率の治水安全度を確保することを前提に、危険箇所の解消を優先しながら、住民が安心して暮らしていけるような対策を、早急に実施すること。そのためには、行政がこれまで以上に住民の側に立ち、目線を同じくし、住民と行政が一体となり、ともに話し合い、協力しながら、お互いに納得できる河川整備を進めることが必要不可欠である。また、河床整理等、日常の維持管理が災害発生防止に非常に役立つため、「できることから早急に実施すべきである」ことを付け加える。

以上を踏まえ、郷士沢ダムに替わる河川改修を早期に着手し、完了されることを切に願うものである。

 

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