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更新日:2019年6月16日

平成30年6月県議会定例会における知事議案説明要旨(平成30年6月21日)

平成30年度6月補正予算案の概要

平成30年度6月県議会定例会提出予定条例案の概要

 
 ただいま提出いたしました議案の説明に先立ち、当面の県政課題について御説明を申し上げます。

 先月25日、栄村で発生した震度5強の地震で被害を受けられた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。被災した農地等につきましては、村と連携しつつ復旧に向けて必要な対応を行ってまいります。
 また、去る18日に発生した大阪府北部を震源とする地震でお亡くなりになられた皆様とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
 今回の地震を受け、通学路及び学校施設のブロック塀の緊急点検等を市町村と連携して実施するとともに、県民の皆様には、所有しているブロック塀等を早急に点検していただくよう注意喚起をしてまいります。県民の皆様の生命と財産を守るべく、引き続き、防災・減災対策の推進に努めてまいります。

【しあわせ信州創造プラン2.0のスタート】
 「学びと自治の力」を推進エンジンとする、しあわせ信州創造プラン2.0が今年度スタートし、新たな時代を切り拓く取組が始動いたしました。
 このプランは、常に進化していく計画であると考えています。中・長期的視点で取り組む課題と方向性を掲げたチャレンジプロジェクトについては、4月にリーダーを任命し、リーダーが全庁から選んだメンバーによる具体的な検討が始まりました。「未来に続く魅力あるまちづくりプロジェクト」を進めるため、まちづくり支援に係る包括連携協定を全国で初めて独立行政法人都市再生機構との間で締結するなど、県組織の枠を越えて幅広い知見を取り入れる動きも具体化しつつあります。
 このプランに織り込んだSDGs(持続可能な開発目標)の理念を具体化する取組にも着手いたしました。関東経済産業局とともに地域SDGsコンソーシアムを設立したほか、内閣府に対して提案した「学びと自治の力による自立・分散型社会の形成」がSDGsの達成に貢献する優れた取組と認められ、本県は「SDGs未来都市」として選定されました。経済・社会・環境の調和を図る視点でのビジネス創出を行うことなどにより、地方創生分野におけるSDGs推進のモデル的な地域となるべく取り組んでまいります。
 今後、県組織自体も学ぶ組織へと転換を図り、職員と組織の力を最大限に活かしながら、しあわせ信州創造プラン2.0の基本目標である「確かな暮らしが営まれる美しい信州」の実現に全力を傾けてまいります。

【消防防災航空体制の再構築】
 消防防災ヘリコプター「アルプス」の事故から1年3か月の月日が流れました。3月5日に追悼式を執り行い、殉職された9名の隊員の御冥福と御遺族の皆様の御平安を謹んで祈念いたしました。
 消防防災ヘリコプターの運航再開に向けては、3月から地理・地形習熟飛行訓練や消火活動訓練を実施し、隊員の技量確認や地上の消防本部との連携などによる安全運航体制の構築に努めてまいりました。その結果、先月7日から、消火・救急活動や災害応急対策活動を行うための運航を再開いたしたところです。消防隊員の派遣などに御協力いただいてきました市町村、消防本部をはじめとする関係者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
 今回の補正予算案においては、2020年度中に新機体を購入するため、30億4,823万7千円の債務負担行為を設定いたしました。消防防災ヘリコプター仕様等検討会の意見を踏まえ、本県の特性に適した基本性能を有する機種を選定し、あわせて安全運航に必要な装備品の充実を図ってまいりたいと考えています。
 山岳救助を含む全面的な活動再開に向け、安全対策には引き続き細心の注意を払いながら、訓練等を実施してまいります。

【G20関係閣僚会合の開催決定】
 「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」が、来年6月15日と16日、軽井沢町で開催されることが決定いたしました。豊かな自然環境に恵まれ、再生可能エネルギー100%地域を目指す長野県にふさわしいテーマであり、大変喜ばしいことと受け止めています。誘致活動に際し、県議会をはじめ多くの皆様のお力添えを賜りましたことに、厚く御礼を申し上げます。
 今回の補正予算案には、官民一体での協議会の設立や閣僚会合の受入れ準備に加え、関連するテーマでのシンポジウムの開催に要する経費などを計上しました。来年の閣僚会合には各国からエネルギーと環境の2分野に関わる多くの閣僚級の参加者が見込まれ、加えて、環境分野での閣僚会合の開催はG20では初めてとなることから、周到な準備が求められます。このため、4月に設置したG20関係閣僚会合長野県推進本部のもと全庁的な対応を進めるとともに、政府や軽井沢町などとも十分に連携・協力して、閣僚会合の成功に万全を期してまいります。

【信州まつもと空港の発展・国際化】
 信州まつもと空港の発展・国際化につきましては、札幌(丘珠〈おかだま〉)線が8月8日から8月末まで新規路線として開設されることに加え、国際チャーター便についても、今年度は既に5月の韓国便、7月に予定されているロシア便と、計11便の運航が確定したところであり、昨年度までの「集中・具現化期間」の成果が現れつつあります。
 今回の補正予算案には、丘珠(おかだま)線就航セレモニーの実施や国際チャーター便の運航拡大に向けた支援、繁忙期に不足する空港駐車場の増設に要する経費を計上いたしました。引き続き、信州まつもと空港を発着地とする県内周遊ルートの開拓や空港施設の利便性向上などに取り組んでまいります。

【観光戦略2018の展開】 
 本年を信州観光改革元年と位置付け、キャンペーン中心の従来型の観光施策から脱却すべく、長野県観光機構と連携して、観光地域づくりの推進に全庁を挙げて取り組んでおります。3月に策定した観光戦略2018に基づき、広域型DMOの形成支援をはじめとする「観光の担い手としての経営体づくり」、サイクリングロードの整備や二次交通の充実など「観光地域としての基盤づくり」、海外からの誘客ルートの確立や受入れ環境の整備など「インバウンド戦略」の三つを柱として重点的に取り組み、世界を魅了するしあわせ観光地域づくりを推進してまいります。
 来月からの信州アフターDCでは、「信州で人生が変わる」をコンセプトに、学びや食など天候に左右されない観光コンテンツの充実や、ドローンで撮影した動画による印象的な魅力の発信などに取り組み、信州観光のブランド価値を高める契機としてまいります。
 八ヶ岳周辺の自治体と共に申請した「星降る中部高地の縄文世界-数千年を遡(さかのぼ)る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅-」が、日本遺産に認定されました。本県では、平成28年の木曽郡全町村と塩尻市による「木曽路はすべて山の中」に続いて2件目の日本遺産となります。今後、長野・山梨両県にまたがる2県14市町村等で協議会を設立し、国内外からの観光客が「縄文のビーナス」や「仮面の女神」など芸術性の高い縄文文化に触れ、地域住民と交流する現代版「縄文のまち」づくりを目指し、魅力発信や人材育成などに取り組んでまいります。
 住宅宿泊事業法が今月15日に施行され、新たな仕組みのもとでの民泊営業が始まりました。新たに制定した条例の施行規則においては、事業者の責務等を定めるとともに、静穏な生活環境を維持しつつ国内外の宿泊者の多様なニーズに対応するため、地域の実情を最大限に踏まえて事業実施の制限区域や期間を定めました。今後、ホテル・旅館など既存施設も含めた宿泊事業の振興を図るとともに、民泊を活用した地域活性化の支援等にも取り組んでまいります。

【2018信州総文祭】
 8月7日から5日間、「みすずかる信濃に若木は競い森を深める 山脈(やま)渡る風に種子(たね)を拡げて」をテーマとして、第42回全国高等学校総合文化祭(2018信州総文祭)が開催されます。全国から集う約2万人の高校生が、松本市での総合開会式やパレードに臨むほか、演劇や合唱など28にわたる部門での展示・発表を行い、県内各地で熱いパフォーマンスを繰り広げます。
 これまでの準備作業は、生徒実行委員会をはじめとする高校生が主体となり行ってまいりました。未来を担う高校生の手による芸術文化の祭典が成功裏に開催され、芸術文化活動を通じて、高校生自らが学び考える機会となることを心から期待しています。議員各位をはじめ県民の皆様には、是非とも会場へお出掛けいただき、これまでの取組の成果を発表する高校生たちに温かな御声援をお送りくださるようお願いいたします。

【収益性と創造性の高い林業の推進】
 大北森林組合に対し、過日、補助金不適正受給に係る損害賠償請求を行いました。返還していただく債権の管理等を引き続き厳正に行う一方で、組合が地域の森林・林業の中核的存在として再生できるよう、森林経営計画策定への助言や組合職員に対する研修などを行ってまいります。
 県土の8割を占める森林が利用可能な段階を迎える中、森林資源を健全な姿で次の世代へと引き継いでいくためには、地域が自立的かつ持続的に森林を管理していく仕組みをつくることが必要です。ICT等を活用した高度で革新的な技術力を有し、積極的な経営に取り組む森林組合や素材生産業者などの林業事業体を育成することにより、収益性と創造性の高い林業の生産体制を構築してまいります。
 今回の補正予算案には、来年度から導入される新たな森林管理制度を見据え、伊那地域をモデルとして、航空レーザ測量やドローンを活用した森林情報の収集・解析、森林の採算性評価等を実施するために必要な経費を計上しました。この事業を通じて課題を検証し、新制度の円滑な導入と森林県から林業県への転換を図ってまいります。

【経済情勢】
 今月公表された政府の月例経済報告では、我が国の景気は6か月連続で「緩やかに回復している」との判断が示され、先行きについても、海外経済の不確実性等に留意する必要があるものの、「緩やかな回復が続く」ことが期待されています。
 また、日本銀行松本支店が発表した今月の金融経済動向によれば、県内経済につきましても、9か月連続で「緩やかに拡大している」とされています。
 こうした中、4月の有効求人倍率は1.69と依然として高水準で推移しており、人手不足の問題は深刻な状況になりつつあるものと受け止めています。経済界や労働界など関係の皆様の参画を得て、4月に長野県就業促進・働き方改革戦略会議を立ち上げたところであり、今後、地域や産業分野ごとに具体的な検討を行い、喫緊の課題である人材確保のための取組を積極的に推進してまいります。

【決算見込み】
 次に、昨年度の決算見込みなどについて申し上げます。
 平成29年度は、しあわせ信州創造プランの最終年度であったことから、その成果を確実なものとし、人口定着を目指す信州創生を更に推進することを旨として施策を実行いたしました。県財政につきましては、県税・地方交付税が当初の見込みを上回ったことや、全庁を挙げて予算の効率的な執行に取り組んだことにより、一般会計の実質収支を約50億円の黒字とした上で、財政調整のための基金残高については、前年度を上回る570億円余を確保できる見込みです。
 地方財源の充実・確保については、先月、鈴木清議長をはじめ市町村の代表の皆様とともに、野田聖子総務大臣に対して直接要望をいたしました。過日、閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」、いわゆる骨太の方針においては、来年度から3年間、地方の一般財源総額は、今年度の地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保すると明記され、私達の要望が反映されたものと受け止めております。しかしながら、今後も社会保障関係費が増加するなど、厳しい財政状況が見込まれることから、引き続き、効率的な予算執行や新たな歳入確保など、持続可能な財政構造の構築に努めてまいります。

【補正予算案】
 さて、今定例会に提出いたしました一般会計補正予算案その他の案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 補正予算案は、一般会計3億7,108万4千円、特別会計180万円、企業特別会計9万5千円であります。
 補正予算案には、先ほど申し上げました消防防災ヘリコプターの購入に係る債務負担行為、G20関係閣僚会合の準備、国際チャーター便への支援などのほか、「つながり人口」の創出、日本語学習支援の充実、ストーカー対策の強化などに要する経費を計上いたしました。
 「つながり人口」の創出につきましては、長野市鬼無里地区と小川村をモデル地域として、地方での活躍の機会を求める都市部の人材を県内の地域活動と結び付け、地域と継続的に関わる多様な人材を確保する仕組みを構築することにより、将来の移住・定住につなげていく考えです。
 日本語学習支援の充実につきましては、在住外国人の皆様の日本語コミュニケーション能力を高め、社会参加や就労を促進するため、日本語教室等のスタッフに対する研修カリキュラムを開発し、松本市と上田市でモデル的に指導者の研修を実施いたします。
 ストーカー対策の強化につきましては、重大事件に急展開する危険性の高い押し掛け等の行為が後を絶たない中、今年2月に長野市でストーカーに起因する放火・殺人容疑事件が発生したことなどを踏まえ、被害者の安全を確保し重大事件の発生を未然に防止するため、カメラシステムや緊急通報装置を整備します。
 以上申し上げました一般会計補正予算案の財源として、国庫支出金1億7,028万9千円、繰越金8,882万6千円、県債8,000万円、諸収入など3,196万9千円を見込み、計上いたしました。
 本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと、8,467億6,671万7千円となります。
 特別会計の補正予算案は小規模企業者等設備導入資金特別会計に係るものであり、企業特別会計の補正予算案は電気事業に係るものであります。

【条例案、事件案、専決処分等報告】
 次に、条例案は、一部改正条例案3件であります。
 このうち、「特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」は、特別職報酬等審議会の答申を受け、本年8月から特別職の報酬及び給料を1.15パーセント引き上げるとともに、知事・副知事の退職手当の支給割合を引き下げる等の改定を行うものです。
 事件案は、県立武道館建築工事請負契約の締結についてなど10件であります。
 専決処分等報告は、平成29年度長野県一般会計補正予算の専決処分報告など21件であります。

 以上、今回提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議の程お願い申し上げます。

 最後に、一言申し上げます。
 私が県民の皆様に与えていただいた知事としての任期も、残すところあと2か月余となりました。これまでの4年間、県民の皆様のしあわせの実現と長野県発展のため、懸命に取り組んでまいりました。議員各位をはじめ県民の皆様の御協力と御支援に対し、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
 おかげさまで、この間、諸課題に対処し、多くの政策を実現することができました。
 御嶽山噴火や神城断層地震をはじめとする災害に当たりましては、迅速な応急対策と復旧・復興におけるきめ細かな対応を心がけてまいりました。県民の皆様の思いに寄り添うべく、御家庭の負担軽減のための子ども医療費助成の充実、経済的な困難を抱える学生のための給付型奨学金の創設、ろう者の皆様の願いであった手話言語条例の制定、シニア世代の社会参加を促進するための人生二毛作社会づくりの推進などに取り組みました。
 未来への投資として、新たな「知の拠点」となる長野県立大学や南信工科短期大学校の創設、国内唯一の航空機システム拠点の整備やしあわせ信州食品開発センターの設置、信州まつもと空港の国際化に向けた取組や中部横断自動車道、三遠南信自動車道などの社会資本整備を進めました。
 また、いずれも全国初となる自然保育認定制度の創設や登山安全条例の制定に加え、信州型コミュニティースクールの普及や信州学の推進、信州ブランド発信拠点としての銀座NAGANOの開設や信州ワインバレー構想の推進などは、本県の特色を踏まえた全国に誇れる取組であると考えています。
 従来からの懸案にも真正面から取り組み、関係者の御協力のもとオール信州で県政を進めてまいりました。他県の青少年健全育成条例とは異なり子どもを性被害から守ることに特化した条例を制定し、武道振興の中核的拠点となる県立武道館の整備や老朽化が著しい信濃美術館の改築にも着手いたしました。市町村とは率直な意見交換を通じ、また、企業や団体とは1,000件を超える連携協定等に基づき、様々な課題の解決や政策の推進に協働して取り組んでまいりました。
 過日、一般財団法人日本総合研究所が公表した「全47都道府県幸福度ランキング2018年版」では、本県は総合第3位となり、しあわせな県づくりが着実に進んでいることを客観的にも御評価いただけたものと受け止めております。しかし、大きな時代の転換点にあって、県政は更なる変革を必要としており、新たな時代に向けた歩みを決して緩めることがあってはなりません。
 私は、こうした中、今春から取組をスタートさせたばかりのしあわせ信州創造プラン2.0や、動き始めた重要なプロジェクトの推進に責任を果たすため、更に4年間、全身全霊を捧(ささ)げて県政に取り組む覚悟を固め、夏の知事選挙に立候補することを決意いたしました。これからも、常に初心を忘れることなく、県民起点で県政を運営するとともに、本県の特色を活かし、光が当たりにくい分野にも光を当て、県民の皆様とのお約束をしっかりと守ることを心がけてまいります。そして、困難な課題にも真正面から向き合い、希望と安心に満ちた県民の皆様の確かな暮らしの実現に全力を尽くしてまいります。
 もとより、現在いただいております8月末までの任期中は、責任を持って県政運営に当たってまいります。議員各位の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

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