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更新日:2017年2月16日

平成29年2月県議会定例会における知事議案説明要旨(平成29年2月16日)

平成29年度当初予算案の概要

平成29年2月県議会定例会提出条例案の概要

 ただいま提出いたしました平成29年度当初予算案をはじめとする議案の説明に先立ち、新年度の県政運営に向けての所信などについて申し述べさせていただきます。

 はじめに、先月開幕した「ながの銀嶺国体」について御報告します。
 1月27日から5日間、長野市、岡谷市、軽井沢町の各会場で開催されたスケート競技会、アイスホッケー競技会において、本県選手団は県民の皆様の熱い声援に見事に応え、スケート競技では男女総合、女子総合とも優勝を果たすことができました。男女総合優勝は2年連続5回目、女子総合優勝は2年連続16回目でありますが、2年連続でのダブル優勝は県勢初の快挙です。一昨日から始まった白馬村のスキー競技会でも、連日、本県選手の活躍が伝えられており、素晴らしい成績を上げてもらえることを期待しております。
 国体以外でも最近のスポーツ界における本県関係選手の活躍には目覚ましいものがあります。昨年のリオデジャネイロオリンピックでの3選手の銅メダル獲得は記憶に新しいところですが、昨年11月の第32回東日本女子駅伝では、本県代表チームが7年ぶり2回目の優勝を飾り、先月開催された第22回全国都道府県対抗男子駅伝では、全国最多となる通算7回目の優勝を果たしました。スピードスケートでの小平奈緒選手、ノルディックコンバインドでの渡部暁斗選手、大相撲での御嶽海関もそれぞれの舞台で大活躍されています。
 こうした本県関係選手の活躍は、多くの県民の皆様に夢と希望をもたらし、信州に元気を与えてくれています。これこそがスポーツの力です。

【国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の招致】
 こうした折、県体育協会及び県障がい者スポーツ協会から、国内スポーツ最大の祭典である国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の招致についての御要望をいただいております。また、市長会及び町村会、更には経済4団体からも相次いで同様の御要望をいただきました。
 国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催は、全ての県民がスポーツに親しむ契機となるのみならず、次代を担う子どもたちに夢や希望を与えるとともに、本県が目指す健康長寿世界一に向けた健康増進や、地域の魅力向上にもつながり、さらには、本県の魅力を全国へ発信することによる観光や経済活動への波及も期待できるなど、大変意義深いものであります。
 こうした大会の意義や多くの皆様の御意見を踏まえて熟慮した結果、私は、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会を平成39年に本県に招致するべく取り組むことを決意いたしました。
 1978年に「やまびこ国体」を、1998年に長野冬季オリンピック・パラリンピックを開催した県として、そのレガシーを継承しつつ、新たな価値を加えることにより、スポーツの力による元気な長野県づくりにつなげていきたいと考えております。県議会をはじめ、県民の皆様の御理解と御協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

【県政に取り組む基本姿勢】
 さて、来る平成29年度においては、しあわせ信州創造プランの総仕上げ、行政経営改革の徹底、地域振興局を核とした地域重視の取組、次期総合5か年計画の策定の4点に全力を傾注してまいります。

(しあわせ信州創造プランの総仕上げ)
 現行総合5か年計画、しあわせ信州創造プランでは、「確かな暮らしが営まれる美しい信州」を基本目標に掲げ、「貢献と自立の経済構造への転換」など三つの政策推進の基本方針のもと、「次世代産業の創出」をはじめとする九つのプロジェクトを中心に、総合的に政策を進めてまいりました。
 県議会をはじめ多くの県民の皆様の御理解と御協力により、プロジェクトの達成目標43項目のうち25項目については、概ね目標を達成できる見通しであるほか、様々な政策の具体化により長野県を発展させてくることができたものと考えております。
 この間、総人口は減少基調にあるものの、合計特殊出生率はやや改善し、行政サポートによる移住者の増加等により、人口の社会減にも一定の歯止めがかかる方向で人口動態は推移しています。
 また、産業面を例にとりますと、日本一創業しやすい県づくりや積極的な企業誘致の促進により、開業率も向上し、企業立地も着実に進展しています。昨年12月に1.56となった有効求人倍率は、4年間で0.73ポイントも上昇しました。県内の高校生、大学生の就職内定率及び障がい者就職率はいずれも改善し、高齢者就業率も引き続き全国1位を維持しております。また、観光消費額も目標とした3,300億円を超えたほか、農業農村総生産額も3,000億円以上で堅調に推移しています。さらに、開設から3年目を迎えた銀座NAGANOは、延べ約180万人もの方に御来場いただき、本県のブランド力の向上に大きく貢献しています。
 もとより、順調に進展している政策の一方で、目標達成に向けて更に努力を要するものもございます。新年度予算案では、こうした政策が一層進むよう特に留意いたしました。例えば、ジョブカフェ信州のサテライトを上田や銀座に開設して就業率全国順位の向上を目指すとともに、特別支援学校への就労コーディネーターの配置や技能検定の導入により障がい者就職率の一層の向上を図ります。また、芸術監督団の活動の本格化や文化振興事業団スタッフの強化により文化芸術活動参加者の増加を図るとともに、スクールソーシャルワーカーの増員による学校満足度の向上にも取り組みます。
 このように、平成29年度はしあわせ信州創造プランの総仕上げの年であることから、計画の目標達成が難しいと考えられるものも含め、成果を上げることにこだわりをもって施策を進め、できうる限りの進捗を図ってまいります。

(行政経営改革の徹底)
 次に行政経営改革について申し上げます。
 平成24年3月にとりまとめた行政・財政改革方針に基づき、これまでの約5年間、職員・組織の持つ力を最大限発揮しつつ、県民の皆様に質の高い行政サービスを提供し続けられるよう県政改革を進めるとともに、大北森林組合等の補助金不適正受給事案を契機として、コンプライアンスの推進にも努めてまいりました。
 県民の皆様に信頼され、期待に応えることができる県政を実現していくためには、こうした改革の歩みを決して緩めることなく、全庁挙げて徹底した行政経営改革に取り組むことが必要です。
 そこで、この度、「行政経営理念」の一部を改定するとともに、コンプライアンスの推進を根幹に据えた新たな「行政経営方針」を策定することといたしました。
 理念の改定に当たっては、行動やルールのあり方などを職員同士で話し合うとともに、私や副知事も参加してワークショップを行うなど、広く職員の思いが反映するよう配慮いたしました。
 そうした中で、「漫然と仕事に取り組むのではなく挑戦することが大切、それが自らの満足感にもつながる」、「担当者の対応や言葉は、県の対応であり言葉である」など、職員自らの経験を通じた、率直で頼もしい意見が数多く出されたところです。こうした職員からの声を踏まえ、「行政経営理念」のうち「職員の価値観・行動の指針(バリュー)」については、「挑戦」「迅速」「責任」のシンプルな単語に見直したいと考えています。
 「行政経営方針」は、「行政経営理念」の掲げるミッション(使命・目的)とビジョン(目指す姿)を実現するための組織としての取組方針と位置づけ、「県民の信頼と期待に応える組織づくり」、「共感と対話の県政の推進」、「行政サービスを支える基盤づくり」の三つの柱により、これまで以上に効果的・効率的な行政経営を実現してまいります。
 なお、「行政経営理念」案及び「行政経営方針」案については、今後、今定例会における御議論や県民の皆様からの御意見を踏まえ、最終的に決定してまいります。
 また、こうした取組を一元的に担う組織として、新年度から新たに「コンプライアンス・行政経営課」を設置し、これまで取り組んできたコンプライアンスの更なる推進を図るとともに、全職員一丸となって徹底した行政経営改革に取り組んでまいります。

(地域振興局を核とした地域重視の取組)
 次に、地域振興局を核とした地域を重視した取組について申し上げます。
 地域振興局長のリーダーシップの下、各現地機関が連携して、これまで以上に主体的・積極的に地域課題の解決に当たることができるよう、地域振興局長には、横断的課題に関して現地機関を統括・調整する権限を付与するとともに、局長自ら考え執行できる予算として、総額1億円の「地域振興推進費」を新設します。
 これは、「総合的で横断的な取組はこれから一層の強化が必要」、「地域課題を解決するためには、現地機関に一定の権限や予算が必要」、「現地機関には広域圏での連携・調整の役割や小規模町村への一層の支援を期待する」といった市町村の御意見にも沿うものであり、地域重視の県政を具現化するものです。
 地域振興局長には、地域の重要な横断的課題について指導力を発揮し、現地機関を統括してもらうとともに、企業(民間)、非営利組織(市民)、行政(公共)という三つのセクターの垣根を越えて協働を進めるいわゆるトライセクターリーダーたる心構えを持って、積極的に地域・現場に出向き、県民の皆様と交流し、その声に耳を傾け、「共感と対話」、「県民参加と協働」の県政を主体的に担ってもらいたいと考えています。
 また、部局長会議に地域振興局長を参画させることにより、地域の実情をこれまで以上に組織全体が共有し、県政推進に活かしてまいります。こうした地域を重視した取組を強化・定着させていくため、現地機関を重視した職員配置や市町村との人事交流の管理監督職員への拡大も併せて行ってまいります。
 組織には、これが最終形という到達点はありません。市町村との役割分担や、試験研究機関のあり方についての見直しも引き続き行い、より一層地域を重視した県政運営に努めてまいります。

(次期総合5か年計画の策定)
 さて、来年度は、今後の県政の道しるべとなる次期総合5か年計画策定に本格的に取り組む一年になります。
 「There is nothing like a dream to create the future.」(夢、これ以外に未来を作り出すものはない。)
 これは、ミュージカルにもなったヴィクトル・ユーゴーの作品「レ・ミゼラブル」の一節です。
 まさに長野県の未来を創造していくための次期総合5か年計画は、県民一人ひとりの夢を結集して大いなる「夢」を描き、その実現に取り組む計画にしたいと考えています。そのため、まずは個人や企業、団体の皆様との間で、当面の課題のみならず、将来への夢や希望に関する対話を積極的かつ丁寧に行ってまいります。
 今、世界では、大きな変化が加速度的に進行しています。70億人を超えた地球上の人口は毎年数千万人単位で急速に増加し続けている一方で、我が国の人口は2008年に約1億2,800万人のピークとなった後減少に転じ、2050年前後には1億人を下回る見通しであり、歴史上類を見ない急激な人口変動期を迎えています。また、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ビッグデータといった情報通信技術やナノテクノロジー、バイオテクノロジー、ロボット産業などにおける急速な技術革新は、産業や社会に急激な変革をもたらしています。さらに、市場経済が世界中に拡大し、人・物・資本・情報が国境を越えて容易に移動していくグローバル化も急速に進展しています。
 他方、国内、県内に目を転じると、平均寿命の延伸、価値観の多様化や高速交通網の充実など、時代は大きく変わろうとしています。1960年に65歳であった男性の平均寿命が2013年に80歳を超え、女性の平均寿命は2050年頃に90歳を超えるとの推計が出されるなど、人生100年時代の到来も夢物語ではなくなりました。物質的な豊かさよりも心の豊かさを重視する人が多くなり、都会から地方への移住者や二地域居住者が増加するなど、人々の生き方に対する考え方やライフスタイルも多様化してきています。一方、今後予定されている2023年の北陸新幹線敦賀延伸や2027年のリニア中央新幹線開業、信州まつもと空港の国際化に向けた取組や中部横断自動車道、中部縦貫自動車道、三遠南信自動車道などの整備は、本県の産業や暮らしの基盤である交通体系を大きく変えていきます。
 以上のような急激で大きな時代の変化を踏まえながら、次期計画の検討を行ってまいります。
 また、地域振興局がそれぞれ管轄する地域はもとより、県境を挟んで隣接する地域などとの交流・連携をも視野に入れた地域編を策定することとし、地域重視の観点を徹底してまいります。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれた17の持続可能な開発目標や、日本総合研究所による「都道府県幸福度ランキング」の指標なども意識して、達成目標の設定等を行います。
 こうした考え方の下、今後、総合計画審議会での御審議や「長野県議会総合5か年計画研究会」の御議論、更には県民の皆様との対話を踏まえつつ、長野県の新たな「夢」を実現させるための骨太の政策を創り上げてまいります。

【現下の経済情勢及び国の予算】
 昨年の我が国経済を顧みますと、個人消費や設備投資は横ばいにとどまるものの、全体としては緩やかな回復基調が続きました。先月の政府月例経済報告によれば、我が国の景気は、「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との判断がなされています。県内経済も、昨年は一部に弱めの動きがみられたものの、全国と同様、緩やかな回復基調が継続し、最近の県内経済は、「緩やかな回復基調にある」とされています。
 国の平成29年度予算案は、一億総活躍社会の実現や経済再生などに重点を置き編成されました。保育士や介護人材の処遇改善の実施や給付型奨学金の創設、観光庁予算の増額や国立公園の活用推進、1,000億円の地方創生推進交付金など、本県の取組方向に合致した予算も多く計上されています。
 また、地方財政計画については、廃止を強く求めてきた臨時財政対策債は増加しているものの、一般財源総額が確保されたこと、緊急防災・減災事業債の期限が延長されたことなど、一定の評価ができる内容となっています。引き続き、地方財政基盤の確立に向け、地方交付税の法定率の引上げなど制度の抜本的な見直しを国に求めてまいります。

【平成29年度当初予算編成】
 今定例会に提出いたしました平成29年度当初予算案及びその他の案件について御説明申し上げます。
 平成29年度当初予算案は、最終年度を迎えるしあわせ信州創造プランの総仕上げと信州創生の更なる飛躍に向けて、「人口減少対策」、「地域経済の活性化」、「多様な働き方・暮らし方の創造」、「個性豊かな地域づくり」、「安全安心な社会の実現」を重点テーマとして編成しました。この五つの柱を、あらかじめ予算編成方針で明記することにより、部局横断的な政策検討を促すとともに、予算調整プロセスの簡素化を図り、効果的、効率的な予算編成に努めました。
 予算総額は、一般会計8,625億9,848万5千円、特別会計2,704億3,247万4千円、企業特別会計138億9,608万円であります。特別会計は公債費特別会計など12会計、企業特別会計は電気事業及び水道事業の2会計であります。
 高齢者人口の増加等により社会保障関係費が約25億円増加する一方で、公債費、人件費など義務的経費の縮減、災害復旧費の減などにより、予算総額は前年度比約131億円の減少となりました。歳入面では、法人関係税を中心に県税収入は増加するものの、地方交付税が減少し、臨時財政対策債等を含めた主要一般財源全体では約19億円の減少を見込んでいます。
 県債については、次の世代に過大な付けを回すことのないよう、引き続き発行抑制に努めました。その結果、元金ベースのプライマリーバランスは約271億円の黒字となっています。また、平成29年度末の残高見通しは、通常債で約309億円、臨時財政対策債を含む県債全体で約119億円、それぞれ対前年度比で減少する見通しであり、健全化判断比率である実質公債費比率及び将来負担比率も引き続き改善する見込みです。
 以下、五つの重点テーマに沿って、具体的な施策について主なものを順次御説明申し上げます。

【人口減少対策】
 まず、「人口減少対策」について申し上げます。
 急激な人口減少に歯止めをかけ、地域や産業の活力を維持していくことは、長野県のみならず日本全体の重要政策課題です。そのため、長野県の未来を担う子どもたちが「郷学郷就」できる環境づくり、若者の結婚や子育ての希望を実現できる社会づくり、そして、移住や二地域居住の推進に引き続き積極的に取り組みます。

(郷学郷就県づくり)
 県内高等教育の魅力向上等による県内への人材定着を図るため、高等教育支援センターにおいて、県内大学の公立化などの大学改革、高等教育機関の魅力発信、大学生海外インターンシップなどに対し、積極的な支援を行ってまいります。
 長野県立大学については、この秋の完成を目途に、鋭意、三輪キャンパス、後町キャンパスの建設工事を進めているところですが、文部科学省からの設置認可が得られ次第、速やかに平成30年度の入学者選抜要項を公表し、第一期生の募集を開始できるよう開学準備を進めます。また、地域での創業支援などを行うソーシャル・イノベーション創出センターの具体化などにより、地域や企業等の期待にも応えられる大学にしてまいります。
 昨年度、全国で初めて認定制度を創設した「信州やまほいく」については、公的支援を受けていない認定団体に対する運営費助成を新たに開始します。
 障がいの重度・重複化や多様化、発達障がいのある児童生徒の増加などに対応するため、特別支援学校の自立活動担当教員を更に20人増員するとともに、小中学校における通級指導教室の担当教員を11人増員します。
 また、次期学習指導要領に対応するため県立高校に電子黒板やタブレット端末等のICT機器を整備するほか、取組成果を発表する「信州学サミット」の開催等を通じて信州学を一層推進します。
 さらに、インターンシップ支援や企業との出会いの場創出等を通じて学生の県内就職を促進するとともに、モデル高校において取り組んでいる「デュアルシステム」を農業高校にも広げて実施します。
 武道振興の中核的拠点としての県立武道館については、現在、基本設計を実施しているところであり、引き続き平成30年度の着工に向けた準備を進めてまいります。

(結婚・子育て支援)
 若者の結婚や子育ての希望を実現できる社会づくりに向けて、市町村や企業・団体等との協働・連携により、結婚・妊娠・出産・子育てを切れ目なく支援する体制の構築を目指します。
 まず、結婚支援の拠点となる婚活支援センターに結婚・ライフプラン支援員を新たに配置することにより、市町村や企業と連携した結婚支援に積極的に取り組み、婚姻件数の増大を図ります。
 信州母子保健推進センターの母子保健推進員を増員し、市町村の保健師に対する技術支援体制を充実します。
 子育て支援としては、待機児童を生じさせることのないよう「保育士人材バンク」を設置して保育士確保を図るとともに、児童虐待等に対する法的対応機能を強化するため児童相談所広域支援センターに弁護士を配置します。
 さらに、すべての子ども・若者が夢と希望を持って成長できるよう、行政、経済団体、子ども支援団体などで構成するオール信州の官民協働組織「長野県将来世代応援県民会議(仮称)」を新たに立ち上げ、青少年サポーターの拡大、見守り活動の推進、子どもの貧困対策の充実などに取り組んでまいります。
 性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」については、更なる周知と支援員の資質向上を図るとともに、中学校や特別支援学校高等部への「性被害防止教育キャラバン隊」の派遣拡充、スクールサポーターによる性被害防止教育の実施などにより「子どもを性被害から守るための条例」を踏まえた取組の充実に努めます。

(移住・二地域居住の推進)
 移住希望者が多い本県の強みを最大限に活かし、移住者や二地域居住者の更なる増加を目指し、「田舎暮らし『楽園信州』推進協議会」加入団体との連携による大都市圏での情報発信や相談体制の充実などに取り組みます。
首都圏からの移住希望者を対象として、仕事の情報をワンストップで提供する「信州で働くフェア」を開催し、「働くこと」と「暮らすこと」を一緒に考えていただく機会を提供するとともに、銀座NAGANOやふるさと回帰支援センター、名古屋及び大阪観光情報センターにおいても、引き続き移住の促進に積極的に取り組んでまいります。
 他方、県内では、広域単位での移住相談窓口を4か所に拡大し、住まい・仕事・生活環境など多岐にわたる相談にきめ細かに対応するとともに、「楽園信州移住応援企業」の一層の拡充により、移住前後の支援を充実してまいります。
 住まいに関しては、県営住宅の入居要件を緩和して、Uターン・Iターンなど県外からの転入者の入居を促進するとともに、市町村が行う二地域居住者向けコンパクト住宅の整備を支援します。

【地域経済の活性化】
 次に、「地域経済の活性化」について申し上げます。
 経済の活性化は県民の皆様の暮らしを支える基礎であり、経済のグローバル化や国内市場の縮小に対応しつつ、強靱な地域経済を構築していかなければなりません。そのため、企業等の技術革新や新分野展開を支援する産業イノベーションの推進、県産品の輸出拡大やインバウンドの推進などグローバル経済への対応、足腰の強い地域経済をつくるための地消地産の推進に取り組んでまいります。

(産業イノベーションの推進)
 航空機産業においては、「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」の上伊那、諏訪地域への拡大を契機に、航空機システム産業の技術開発や産業集積を一層強化します。日本で唯一となる航空機システム拠点の形成を目指し、旧飯田工業高校跡地において信州大学が設置する航空機システム共同研究講座へ支援し、専門人材の育成を進めるほか、南信州・飯田産業センターが導入する国内初の防爆試験機の取得に助成するなど、実証試験機能の強化を図ります。また、工業技術総合センターの航空機産業担当を新たに拠点に配置し、国の研究機関等と連携した研究開発を促進してまいります。
 ヘルスケア産業の振興を図るため、次世代ヘルスケア産業協議会を中心に、信州ACE(エース)プロジェクトとも連携して、企業や大学が行う調査研究や実証事業に対する助成を行い、ビジネス化を推進します。しあわせ信州食品開発センターにおいては、県産食品の高付加価値化とブランド化のため、おいしさ指標の「見える化」に取り組みます。
 本県と所縁のある企業へのアプローチや、立地セミナー等におけるトップセールス、ビジネス展示会への出展など、戦略的な企業誘致を進めます。
 また、アメリカ合衆国デンバーにある起業家育成・支援機関「Galvanize(ガルバナイズ)」などの先進的な取組を参考にして、県内の創業者、金融機関、企業、大学等関係者によるプラットフォームを立ち上げ、イノベーティブな創業を支援する体制を強化します。
 産業の生産性向上にも取り組みます。東京大学と連携した「カイゼン」活動の指導者養成や企業のプロフェッショナル人材確保を支援します。農林業においても、大規模稲作法人へのトヨタ式カイゼン手法や、林業事業体への低コスト造林一貫作業システムの導入を促進するとともに、産学官の連携でスマート林業技術の開発などを進めます。
 日本酒の酒蔵数全国2位を誇る本県として、信州日本酒の一層のブランド化を推進するとともに、醸造指導体制を強化することにより全国新酒鑑評会金賞獲得数ナンバーワンの地位奪還を目指します。
 ワイン振興については、喫緊の課題であるワイン用ぶどうの苗木増産を図るとともに、地域の気候風土に適した品種の選定や病害虫防除などの様々な課題の解決に向け、関係者によるプラットフォームを構築します。また、現在ほとんどが輸入に頼っている醸造関連機器の内製化を図ります。

(グローバル経済への対応)
 輸出拡大については、昨年策定したグローバルNAGANO戦略プランに基づき、海外バイヤー等との連携強化、国際的なブランド価値の向上などに取り組んでまいります。
 製造業に関しては、優れた技術力を有する県内中小企業のグローバル展開を促進するため、本年度設置した「情報サポート窓口」において、きめ細かな相談・支援に取り組むとともに、海外展示会や商談会への出展支援、グローバル展開推進員による販路開拓のサポートなどを強力に進めてまいります。
 平成29年度の輸出額目標を25年度の4倍の5億円としている農産物については、有望な市場である香港に新たに輸出支援員を配置し、果物を中心に現地の有望バイヤーへのアプローチを強化するとともに、マレーシアを新たな輸出対象国として、バイヤーの招へいや商談会・展示会の開催を行います。また、「NAGANO WINE」の国際的なコンクールへの出品を支援し、世界におけるブランドの確立を目指します。
 昨年初めて100万人を突破した外国人延べ宿泊者数を更に増加させるべく、台湾・香港のリピーター層に対する特別な体験プログラムの提供、スキー人気が高まりつつある韓国・中国からのスキー誘客等、各市場の特性に応じた効果的なプロモーションを展開します。外国人観光客が快適に観光を楽しめるよう、旅館や観光案内所等での電話通訳サービスの提供や交番等への通訳アプリ内蔵タブレットの配備などを行い、2019年の200万人突破を目指して、インバウンドの取組を強化してまいります。
 また、これまで行ってきたオーストリアとの林業技術交流やシナノゴールドの海外展開などを引き続き進めるほか、グローバルNAGANO戦略プランで、経済的提携国と位置付けた中国、香港、タイを訪問してトップセールスを行います。中国、香港においては、産業交流をはじめチャーター便の就航促進、北京オリンピックへの支援などに関し協議を行い、タイにおいては、観光セミナー等の開催を行いたいと考えています。
 昨年12月9日に、本県は3市2町と共同で中国を相手国とするホストタウンとして国に登録されました。来年度は、オリンピック・パラリンピック選手を招いた講演会、国際交流員の派遣などを通じた学校間交流、全国最多の公民館を活用した文化交流などを予定しているほか、8月には、集中的にイベントを開催するチャイナウィークを設定するなど、機運の醸成を図ってまいります。

(地消地産の推進)
 「地消地産」の意義を広く普及するととともに、県産品を積極的に購入・活用していただく機運を醸成するなど、循環型地域経済の確立を目指した取組を推進してまいります。
 まず、長野県産業イノベーション推進本部の地消地産推進タスクフォースにおいて、県産品利用状況調査や消費者へのテストマーケティングを行うなど、しあわせバイ信州運動を本格的に推進してまいります。
 「食」については、宿泊施設や飲食店等における県産食材の利用実態調査を実施し、より効果的な流通の仕組みづくりなどにつなげます。また、加工食品の原材料等を県内農産物へ置き換えるための実証実験や、学校給食における県産食材利用拡大のためのマッチングなどを行います。信州ジビエに関しては、首都圏へのアクセスの良さを活かして新鮮で美味しい肉の供給モデルの構築と更なるブランド化を図ります。
 「木材」については、信州の木自給圏の構築を目指し、県全域及び千曲川上・下流、伊那谷流域の現状把握と分析を行い、課題解決に向けた取組を進めることにより、地域の特徴を活かした木材資源の循環利用と地消地産の仕組みづくりを推進します。
 「エネルギー」については、地域主導型の熱利用事業への助成等により、自然エネルギーの普及拡大を一層推進するとともに、環境エネルギー分野における技術等の産業化に向けた研究会を設置し、企業等のビジネス創出を支援します。県自らも県有施設の照明を順次LED化していくほか、県管理の横川ダム、箕輪ダム、片桐ダムを活用して新たな水力発電所を建設します。さらに、環境エネルギー政策を国際的にも先導するべく、環境省及び持続可能性を目指す国際的な自治体ネットワーク「ICLEI(イクレイ)」と連携し、環境エネルギーに係る国際会議を本県で開催します。

【多様な働き方・暮らし方の創造】
 第三の柱として、「多様な働き方・暮らし方の創造」について申し上げます。
 県民の皆様が人生を楽しみ、自分らしい生き方をしていくことができる社会を実現するため、一人ひとりの希望にあった多様な働き方、暮らし方を創造していくことが求められています。そのため、働き方改革の推進、女性や高齢者、障がい者の活躍推進、生活を豊かにする文化芸術の振興に取り組みます。

(働き方改革)
 短時間正社員制度など多様な勤務制度の導入促進を図るため、職場環境改善アドバイザーによる企業への積極的な働きかけを行い、「職場いきいきアドバンスカンパニー」の認証取得を促します。また、ジョブカフェ信州における若者対象の就業セミナーや非正規職員の若者等を対象とした研修等により、正規雇用の拡大を図ります。
 さらに、「一人多役」型の働き方等を実現するための研究会の開催や、時間や場所にとらわれない働き方を普及するためのテレワーカー育成講座の実施等により、新しい働き方も提示してまいります。
 
(女性への応援)
 長野県内の女性が自らの自発性に基づき、多様なライフスタイルが実現できるよう、あらゆる分野における女性の取組や活躍を応援します。
 昨年5月に設置した経済団体や労働団体等から構成される女性活躍推進会議と連携しながら、新たに、次世代の女性リーダーなどを育成する「長野県ウィメンズカレッジ」を立ち上げます。
 子育て期の女性の希望に応じた就職をかなえるため、地域での就業相談、託児付きインターンシップを拡大するとともに、新たに女性従業員向けの業務スキル向上のためのセミナー等を開催します。また、「イクボス・温(あった)かボス宣言」の推進など女性が活躍しやすい職場環境づくりを促進するため、中小企業を対象としたセミナーを実施します。
 様々な分野で活躍する女性への支援としては、「長野のみらいを創る キラッと女性プラットフォーム」への参加者を拡充し、異分野・多世代の女性の地域交流会やネットワークづくりを進め、女性の視点を県の施策にも反映させてまいります。また、県内の農業女子による交流会に加え、新たに県外の女性を対象とした就農相談会を開催します。

(高齢者・障がい者の活躍)
 年齢や障がいの有無に関わらず、一人ひとりが持てる能力を最大限に発揮して職場や地域で活躍できる「誰にでも居場所と出番がある社会」の実現を目指し、高齢者・障がい者の活躍を引き続き支援します。
 高齢者が、その培ってきた知識と経験を活かし、元気に活躍できる人生二毛作社会づくりを推進するため、県長寿社会開発センターのシニア活動推進コーディネーターが中心となって地域・企業・行政等のニーズと高齢者の希望とを結び付けることにより、地域企業への就労や子ども支援などの社会的活動への参画を進めます。
 障がい者が地域社会で誇りを持って自立した生活を送ることができるよう、障がい者に適した求人の開拓や合同企業説明会の開催などにより、雇用の更なる促進に努めます。一般就労が困難な方については、引き続き障がい者就労施設における受注機会の拡大と工賃のアップに取り組むとともに、農業就労に向けた指導を行う農業就労チャレンジサポーターの活動を強化します。また、特別支援学校高等部において、新たに技能検定制度をモデル的に導入し、就労のための意欲やスキルの向上を図ります。
 さらに、2020年の東京パラリンピックに向けて、県障がい者スポーツ協会に地域コーディネーターを配置し、障がい者スポーツの推進体制を強化します。

(文化芸術振興)
 文化芸術の振興については、文化振興基金を活用し、文化施設の連携強化や担い手の育成、伝統文化の継承・活用などの取組を進めています。
 来年度は、芸術監督団の企画による先駆的・魅力的な音楽・演劇公演や若手作家による美術展の開催を通じ、芸術家、学芸員等の人づくりや文化芸術に親しむ人々の拡大に取り組みます。また、アーティスト・イン・レジデンスの普及に向けたモデル事業として、大町市で開かれる「北アルプス国際芸術祭」を支援します。
 障がい者の芸術文化活動への支援については、文化の祭典でもある2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、昨年スタートした障がい者芸術作品展を引き続き開催し、障がい者の活躍の場を広げてまいります。
 信濃美術館については、先月、信濃美術館整備室を設置し、松本透館長予定者を整備担当参与に任命いたしました。今後は、信濃美術館整備委員会での検討に加え、学生や地域住民、美術関係者など様々な方とのワークショップを開催するなど、設計段階から開かれた形での検討を行い、「信濃美術館整備基本構想」の具体化を進めてまいります。
 また、新たに「長野県文化芸術振興ビジョン(仮称)」を策定し、今後の文化芸術振興施策の方向性を明確にいたします。

【個性豊かな地域づくり】
 次に、第四の柱である「個性豊かな地域づくり」について申し上げます。
 グローバル化の進展とともに、地域の個性や多様性がますます重視され、尊重される時代になっています。県内各地域の強みや個性を最大限に活かした地域づくりを進めるため、地域振興局を核とした地域の振興を進めるとともに、交通ネットワークの充実強化、「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくり等に積極的に取り組んでまいります。

(地域振興局を核とした地域の振興)
 新たに設置する地域振興局長をはじめとする県職員一人ひとりが、市町村や地域住民の皆様の思いにしっかりと寄り添い、これまで以上に地域・現場を重視した県政を進めてまいります。
 個性豊かな地域づくりを進めるためには、その原動力となる人材の育成・確保が重要です。地域おこし協力隊に対するサポート体制の構築や隊員同士のネットワークの強化により、その活躍や地域への定着を支援するとともに、地域づくりの現場で活躍されているキーパーソンの指導により地域づくりリーダーの育成を行ってまいります。
 地域経済の活性化を図る上では、足元にある地域の資源を掘り起こし、地域の強みを最大限活かした取組が必要です。地域が主体となった滞在型観光プログラムの創出支援、地域のNPOや中小企業等が行う固定価格買取制度を活用した自然エネルギー発電事業への助成、農業の6次産業化に向けた研修会の開催や商談会への出展支援などにより、地域資源を活かした産業の活性化を進めてまいります。
 また、地方自治法の事務の代替執行制度を活用し、天龍村の簡易水道事業を支援します。
 さらに、中山間地域の振興に向け、地域課題をビジネス手法で解決する「ソーシャルイノベーション」を促進するための研究を行います。

(交通ネットワークの充実)
 人の交流や物流を活発にし、快適な暮らしを実現していくため、「高速交通」及び「県内交通」の両面から交通ネットワークの充実・強化を進めてまいります。
 信州まつもと空港については、信州と全国各地・東アジアを結ぶ「空の玄関口」として、国内路線の利用促進に向けたプロモーションを強化するとともに、国際チャーター便の就航に向け、航空会社及び旅行会社に対する支援を行います。
 リニア中央新幹線の整備効果を広域的な地域の振興・発展に活かしていくため、関係市町村等ととりまとめた「リニアバレー構想」の実現を目指し、「リニア時代のまちづくり」、「定住・交流人口の増加」、「リニアを活かした産業振興」の三つのプロジェクトの具体化を図るとともに、座光寺上郷道路や松川インター大鹿線など、関連道路の整備を着実に進めてまいります。
 高規格幹線道路については、中部横断自動車道、中部縦貫自動車道、三遠南信自動車道の整備促進を図り、太平洋と日本海とを結ぶ多重的ネットワークの構築に取り組みます。
 また、松本糸魚川連絡道路や国道143号青木峠バイパスの調査を行うなど、県内主要都市を結ぶ道路の整備を進めてまいります。
 高齢者の人口がますます増加し、海外からの個人旅行者など自家用車によらない観光客の増加も見込まれる中、地域における移動手段の確保は大変切実な問題となっています。そのため、「生活交通」と「県内観光」の二つの部会からなる検討会を設置し、福祉や地域づくりなど幅広い視点も取り入れながら具体的な取組を検討してまいります。
 あわせて、県がバス車両を保有する県有民営の手法等により、地域間の幹線バス路線の確保に努めるとともに、コミュニティバスやデマンド交通などの多様な手段を組み合わせた交通体系の構築等にも引き続き取り組んでまいります。

(観光地域づくり)
 本年7月1日から、JRグループと連携した大型観光キャンペーン「信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)」がいよいよスタートします。
 キャッチフレーズは「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」。大自然がもたらす「癒し」を中心に、「アウトドア」、「歴史・文化」、「食」の四つをテーマとして、長期滞在型山岳高原リゾートへの転換を目指した取組を行ってまいります。
 信州DCでは、宇宙に最も近い本県ならではの満天の星空や、日帰り施設数日本一の温泉、全国最多の数を誇る森林セラピー基地等の地域資源を活かし、信州の大自然がもたらす「癒し」を体感できる旅や、日常とは異なる、ゆったりとした過ごし方を提案してまいります。また、3,000メートル級の山々を間近に望みつつ、多彩なコースを体験できるサイクリングや日本随一の山岳環境を楽しめる登山、釣りなどの「アウトドア」、最古の国宝縄文のビーナスなどに代表される縄文時代の貴重な遺産、古(いにしえ)の息吹を感じる街道などの「歴史・文化」、大地から与えられた恵みであるおいしい信州ふーど(風土)やジビエ、日本酒、ワインなどの「食」を重点的にPRしてまいります。
 また、信州DCの実施や、地域振興局のスタートを「観光地域づくり」へのターニングポイントとしてとらえ、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年も視野に入れた取組の指針として「観光地域づくり推進方針2017」をとりまとめました。日本一の観光大県を目指し、まずは「推進体制の強化」などの五つの方針に基づき、観光地域づくりを進めてまいります。
 「推進体制の強化」として、県観光機構の本格的なDMO化を促進するとともに、県観光機構に新たに配置する専門人材と地域振興局職員とが連携し、地域の観光資源の更なる利活用と稼ぐ仕組みづくりを支援していきます。
 「発信力の強化」としては、市場を意識したマーケティングを行い、戦略的な情報発信やプロモーションを展開いたします。特に、外国人旅行者の誘致に向けては、メディアや旅行会社などのキーエージェントとの連携を強化し、各国の特性に合わせたプロモーションを行います。
 また、「疏水百選」や「ため池百選」などの農業資産や「信州の釣り」の魅力の発信、手話や字幕付きの障がい者向け観光PR動画の作成など、県庁全体で、観光振興に結び付く情報発信に努めてまいります。
 「観光投資の促進」については、新設した県の規制改革推進会議において、観光地域づくりに関する規制改革の提案を国内外から募集するとともに、市町村と協調して観光関連施設の誘致促進を図るなど、民間活力による観光投資を促進してまいります。
 「人材の育成確保」については、市町村観光協会の職員を対象にリーダー養成研修を実施し、地域でのDMO構築を推進するともに、観光地域づくりを牽引する中核人材を養成するため、「信州・観光地域づくりマネジメント塾」でOJTによる知識・経験の習得を支援します。
 「インフラ・受入環境の整備」については、「地域戦略推進型公共事業」として、県内主要観光地の歩道や千曲川サイクリングロード等の自転車道整備などを進めるほか、外国人旅行者への対応としてピクトグラムや多言語表示など案内サインの標準化の検討、クレジットカード利用可能店舗の拡大などを進めてまいります。
 また、自然公園の利用促進に向けて、この度取りまとめた「自然公園グレードアップ構想」を具体化するため、登山道整備に加え、新たに環境配慮型の山小屋トイレ等の施設整備に対しても支援を行ってまいります。

【安全安心な社会の実現】
 最後に、「安全安心な社会の実現」について申し上げます。
 私たち行政の最も重要な責務は、県民の皆様の確かな暮らしを守るための安全安心の確保です。地震や火山等の災害に対して強靱な県土づくり、全国トップレベルの健康長寿の継承・発展、誰もが自殺に追い込まれることなく、夢と希望を持って経済的・社会的に自立できる社会づくりに取り組みます。

(県土強靱化)
 長野県強靱化計画に基づき、災害が発生しても、犠牲者を出さず、被害を最小化することにより迅速に復旧・復興できる社会の実現を目指します。
 東日本大震災や熊本地震の教訓を踏まえ、大規模災害の発生時における県内の広域防災拠点や人的・物的支援の受入手順を定める「長野県広域受援計画」の策定に着手します。また、災害時住民支え合いマップの作成と住民による実践的訓練に対して支援を行い、地域防災力の向上に努めます。
 建築物の耐震化については、戸建て住宅の耐震改修に係る補助上限額を60万円から100万円に引き上げるとともに、防災上重要な県有施設の耐震性能の強化や吊り天井の落下防止対策等を進めます。
 火山防災対策については、御嶽山噴火災害の教訓を活かし、火山活動の観測・研究、地域における人材育成や防災教育などを進めるため、名古屋大学御嶽山火山防災学寄附講座に対する助成など、木曽町に設置される御嶽山研究施設の活動を支援します。また、地元町村と連携しながら「御嶽山マイスター(仮称)」の制度設計等を進め、火山のリスクや恵みについて、登山者、住民等に普及・啓発することができる人材を育成します。
 また、水防法に基づき指定した河川における洪水浸水想定区域図の計画的な作成に着手するほか、要配慮者が利用する施設等の避難の円滑化を図るため、建設事務所等の職員が土砂災害・水害防止支援アドバイザーとして地区防災マップの作成支援等を行います。

(健康長寿県づくり)
 県民の健康づくりと健康寿命の延伸を目指し、信州ACE(エース)プロジェクトの推進に一層力を入れてまいります。特定健診データの市町村別分析により、地域の健康状態を「見える化」して公表し、市町村の健康づくり活動を支援するとともに、運動、健診、食事の各分野における県民の皆様の取組が着実に進むようSNSを活用した情報発信を行います。また、「健康経営」に取り組む企業を増加させるため、モデル企業における健康づくりの取組について、従業員の健康データの変化や効果を数値で「見える化」し、その成果を県内の事業者に普及してまいります。
 医療・介護人材の確保も喫緊の課題です。各地域で安心して出産していただける環境をつくるため、産科医等に対する手当の支給に引き続き助成するとともに、産科医不足の医療圏への産科医派遣費用を新たに助成します。
 介護職員のキャリアパス構築等が一定水準以上の福祉事業所に対する認証評価や、研修受講時や介護休業取得時の代替職員確保に要する費用に対する助成を新たに行うことにより、介護人材確保に対する支援を充実します。
 地域包括ケア体制の整備・構築については、特別養護老人ホームなどの介護施設の整備を引き続き進めるとともに、中山間地域における訪問看護・介護サービスなどの提供体制確保に向け、割高となっている移動コスト等を支援する事業や、既存の事業所が連携協力して24時間在宅ケアの仕組みを推進する事業をモデル的に実施します。さらに、坂城町と連携して、水道メーターを活用して一人暮らし高齢者を見守る「高齢者元気応援システム」の実証実験にも着手します。

(自殺・貧困対策)
 長野県内の自殺者数は、平成15年の576人をピークに減少傾向にあるものの、平成27年の自殺者数は378人となっており、毎日平均一人の方が自ら命を絶っているという看過しがたい状況にあります。
 昨年4月に、自殺対策基本法の一部を改正する法律が施行され、都道府県及び市町村に自殺対策計画の策定が義務付けられたことを受け、公益財団法人日本財団との間で自殺対策に関する協定を結び、現在「生きることの包括的な支援」の実践と地域モデルの構築を目指して取り組んでおります。
 平成30年度から始まる次期自殺対策推進計画を全国の模範とするべく策定を進め、市町村の自殺対策計画の策定に対しても技術的な支援を行うとともに、自殺未遂者に対して必要な支援を行う救急告示医療機関の拡大や若年層を中心とした啓発活動の強化などに取り組みます。
 生活困窮者の経済的・社会的な自立を促すため、全国に先駆けて生活困窮者の自立支援に取り組んでまいりました。現在、県内19市と協力し、23か所の生活就労支援センター「まいさぽ」において、様々な困難を抱えた方からの相談に応じ、地域の支援機関等と連携して、相談者に寄り添いながら社会参加や就労を総合的に支援しています。
 来年度は、生活困窮家庭の子どもに対する家庭訪問による学習支援をモデル的に実施するとともに、地域振興局ごとに子どもの成長を地域全体で支えるプラットフォームを構築することにより、「信州こどもカフェ」など子どもの居場所づくりを促進します。また、低所得世帯の児童生徒が私立の小中学校で安心して教育を受けることができるよう新たに授業料を助成するとともに、高校生等に対する奨学給付金を拡充します。

【その他の主な施策】
 次に、交通安全対策、環境の保全など、重点テーマ以外の主な施策について申し上げます。

(交通安全対策の推進等)
 平成28年の交通事故の発生状況は、交通事故発生件数及び負傷者数は前年を下回ったものの、残念ながら死者数は前年の69人から121人へと大幅に増加してしまいました。このため、警察本部とも連携し、喫緊の課題である高齢者の交通事故防止対策や交通事故被害者への相談対応、自転車の安全利用を含めた啓発活動の推進等に力を入れて取り組んでまいります。
 また、特殊詐欺や悪質商法等の手口の巧妙化などにより、消費者被害も後を絶たず、複雑・深刻化していることから、被害を未然に防止するための啓発活動を強化してまいります。

(環境の保全)
 今を生きる私たちの世代の責任として、本県の美しく豊かな自然環境を確実に未来に引き継いでいくための取組を進めます。
 近年、自然公園の生態系を脅かしている外来種対策に新たに着手するとともに、ごみ減量のための専用のポータルサイトを立ち上げるなど、全国最少となった一人一日当たりの一般廃棄物排出量の継続的な抑制に努めてまいります。
 また、諏訪湖の環境改善については、引き続き、湖底や沿岸域の貧酸素化、ヒシの大量繁茂などの課題があるものの、シジミの生息が確認されるなど効果も見えはじめています。地域振興局が中心となって新たに「諏訪湖創生ビジョン」を策定するとともに、信州大学と連携した貧酸素対策の調査・研究、水辺の再生やヒシの除去などの水環境保全対策を実施してまいります。

(森林づくり県民税)
 森林づくり県民税を活用し、里山の森林を中心とした間伐や、地域が主体的に里山管理を行うための人材育成、松くい虫被害材などの間伐材を利活用したモデル事業等を進めてまいります。
 なお、課税期間が平成29年度までとなっている森林づくり県民税を活用した里山整備については、制度創設以来約9年間で一定の成果を上げてきたと考えています。森林づくり県民税の今後のあり方については、整備が進みにくい里山が残っているなどの課題も明らかとなってきており、これまでの取組をただ単純に続けるということでは、県民の皆様の御理解はなかなか得られないものと考えております。森林づくり県民会議や税制研究会での議論も見据えながら、里山整備の方向性についても改めて考える中で、しかるべき時期までに今後のあり方を判断してまいりたいと考えています。

(図書館、歴史館の取組強化)
 県立長野図書館では、「情報の改革」、「人の変革」、「場の革新」をテーマとした図書館改革を2年間進めてまいりました。昨年は、全国初の開催となる都道府県立図書館サミットを開催し、その成果が出版物として発行されるなど、県立長野図書館の改革は全国的にも注目を集めつつあります。これからの県立図書館が担うべき役割は、知識基盤社会における県民の情報リテラシー(情報利活用能力)の向上と、学び合いの中から新たな価値を創造する「共知・共創」の学びの場づくりです。来年度は、県内の公共図書館と連携した図書館フォーラムや課題解決型ワークショップの開催などを通じ、新しい図書館づくりを一層推進してまいります。
 また、県立歴史館を来館型から地域貢献型に転換するため、歴史を学ぶことから未来を考える地域活動の支援や、地域活性化に活きる情報発信、地域課題を捉えた調査研究等に取り組みます。具体的には、県内どこでも歴史を体感できる「おでかけ歴史館」の実施や、「縄文王国 長野県」を発信する縄文土器展の開催、最古の信州ブランドである黒曜石の調査研究等を行います。

(社会資本の整備等)
 社会資本の整備については、防災・減災対策の推進や高速交通ネットワークの強化に係る事業のほか、施設整備では、県営住宅の建替促進や中信地区特別支援学校の再編、優先度評価に基づく県有施設の計画的修繕などの生活に身近な社会資本整備、県立高校や特別支援学校の修繕などを進めます。
 公共事業については、地域戦略推進型公共事業による主要観光地の歩道や自転車道整備のほか、安全快適な空間を確保するための無電柱化の推進、アルウィンの芝生全面張替や平成31年に開催される「第36回全国都市緑化信州フェア」に向けた都市公園施設の充実、農林業生産基盤の着実な整備などに取り組んでまいります。
 なお、「全国都市緑化信州フェア」については、4月から「全国都市緑化信州フェア推進室」を新設し、実行委員会設立に向けて、準備を本格化させてまいります。

【リニア中央新幹線建設工事への対応など】
 次に、リニア中央新幹線建設工事への対応、大北森林組合等補助金不適正受給事案について申し上げます。

(リニア中央新幹線建設工事への対応)
 リニア中央新幹線工事に伴う地域住民の皆様の不安や懸念に対しては、県としても正面から向き合い、丁寧な対応を行ってまいります。
 これまで、リニア工事に関する地域の課題を共有するため、大鹿村の皆様との意見交換や下伊那郡の沿線町村長との意見交換など、機会を捉えて地域の切実な声をお聞きするよう努めてまいりました。
 こうしたことを踏まえ、先月23日、私は、JR東海の柘植康英社長とお会いし、発生土置き場についてはJR東海が管理責任を負うこと、地域要望等に迅速かつ丁寧に対応しうるよう現地体制を強化すること、上伊那や木曽も含めた関連地域の産業、観光振興に積極的に協力することの3点について要請をいたしました。柘植社長からは、信州デスティネーションキャンペーンへの協力や、JR飯田線の活性化について前向きな御回答をいただいたほか、発生土置き場の管理についても 埋立て完了後の管理責任は地権者にあるという従来の方針を転換する旨の表明をいただきました。
 これを受け、先日、豊丘村の発生土処分候補地については、埋め立て後の植林で森林機能が回復するまでの約20年から30年の間、同社が管理するとの考え方が初めて示されたところです。
 今後も、関係市町村との連携を一層密にするとともに、地域の皆様の思いにも寄り添いながらリニア中央新幹線の工事が円滑に進むよう取り組んでまいります。

(大北森林組合等補助金不適正受給事案)
 大北森林組合においては、昨年5月、事業経営計画及び返還期間を50年とする補助金等返還計画を策定しましたが、県としては、これらの計画をその実現性、確実性等の観点から精査が必要としてこれを認めず、役員の責任の明確化、新たな発想による事業展開、徹底した管理費の削減、増資等による経営基盤の安定の四つの観点から、抜本的な経営改善と計画の見直しを求めておりました。
 これを受け、大北森林組合においては、7月に抜本的経営改善方針を策定した上で、有識者からの意見も踏まえてこれらの計画の見直しに取り組み、この度、1月31日付けで新たな事業経営計画と補助金等返還計画が提出されました。現在、新たな事業展開の実現可能性や管理費削減措置の妥当性などの観点から、その詳細について精査しているところです。今後、林務部改革推進委員会の御意見も踏まえながら、3月末までにその妥当性を判断していきたいと考えています。
 なお、関係者に対する損害賠償請求については、本事案が長期間に渡り膨大な件数の補助金交付がなされている案件であるため、弁護士とも相談しながら、一件一件の案件について事実関係の確認等を行ってきているところです。大北森林組合の補助金等返還計画が提出されたことや刑事裁判の判決が3月下旬に出される予定であることを踏まえ、これまで明らかとなってきた法的に複雑な様々な論点に対して、複数の専門家の視点で方向付けを行っていただくため、今後、弁護士等からなる委員会を設置して、検討を加速させてまいりたいと考えております。

【条例案ほか】
 条例案は、一部改正条例案30件、廃止条例案1件の、合わせて31件であります。
 一部改正条例案のうち、「屋外広告物条例の一部を改正する条例案」は、他県における屋外広告物の落下による人身事故の発生を契機として、国の動向や長野県景観審議会での意見を踏まえ、屋外広告物の落下等による危害を防止するため、設置者及び管理者による定期的な安全点検の実施と点検結果の知事への報告を義務付けるほか、所要の改正を行うものであります。
 このほか、条例の規定内容を今日的視点から検証し、時代に適合させ、県民ニーズに即したものとするため、平成23年度に引き続き「第2回条例の一斉点検」を実施し、現状に合わない条例について規定の整理を行いました。
 事件案は、「包括外部監査契約の締結について」など22件であります。
 専決処分の報告は、「交通事故に係る損害賠償の専決処分報告」など14件であります。
 以上、今回提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議の程お願い申し上げます。

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