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更新日:2016年2月17日

平成28年2月県議会定例会における知事議案説明要旨(平成28年2月17日)

平成28年度当初予算案の概要

平成28年2月県議会定例会提出条例案の概要

 ただいま提出いたしました平成28年度当初予算案をはじめとする議案の説明に先立ち、新年度の県政運営に向けての所信などについて申し述べさせていただきます。

 はじめに、大北森林組合の補助金不適正受給事案に係る職員の懲戒処分等について申し上げます。
 県では、これまで、有識者による検証委員会の最終報告も踏まえ、県職員の不適正な事務処理について徹底的な調査・検証を行ってまいりました。今回の事案は、大北森林組合が元専務理事の下、極めて多数の不適正申請を長期にわたり主体的・能動的に行ってきたものですが、地方事務所職員の行き過ぎた助言や現地調査の未実施など、県側の事務執行にも大きな問題がありました。こうした認識の下、昨年12月、今回の事案に関わった職員に対して、厳正に懲戒処分等を行ったところでありますが、私自身につきましても県政の責任者である知事として責任を明らかにするため、給料を3か月間、10パーセント減額する条例案を今定例会に提出させていただきました。
 今回の事案は、県政への信頼を著しく損なう、あってはならない極めて遺憾なことであり、県議会の皆様、県民の皆様に深くお詫びを申し上げます。今回のことを教訓にして、今後、二度とこうした不祥事が起こることのないよう、再発防止に向けた取組を徹底的に進め、県民の皆様からの信頼回復に努めてまいります。

【県政に取り組む基本姿勢】
 県政運営に当たりましては、引き続き、県民の皆様との「共感と対話」の県政を基本とし、来年度においては、「信州創生」と「コンプライアンスの推進」、この二つに全力を傾注してまいります。
急激な人口減少に歯止めをかけ、人口減少下にあっても本県の活力を維持向上させるための「信州創生」を、「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略 ~信州創生戦略~」に基づき、県民の皆様の御協力をいただきながら、オール信州で積極的に推進します。
 また、行政経営理念に掲げるビジョンである「県民に信頼され、期待に応えられる県行政」の実現に向け、職員の意識や組織風土の改革に不退転の決意で取り組みます。

(信州創生の新展開)
 平成28年度の当初予算案におきましては、「信州創生の新展開」として、「個人の能力を活かす郷学郷就(きょうがくきょうしゅう)県づくり」、「産業力で未来を拓く共創躍動県づくり」、「住んでよし訪れてよしの交流観光県づくり」の三つの観点から関連施策をパッケージ化して、政策の方向性を明確にするとともに、新規拡充施策も数多く予算化いたしました。

(郷学郷就県づくり)
 先人たちの努力により物質的な豊かさがある程度達成された我が国にあっては、これまで以上に心の豊かさの重要性が増しています。そのため、一人ひとりの希望する生き方を応援し、人生を楽しみ生きがいを持つことができる地域社会をつくることが重要であり、こうした環境こそが人々を引きつける磁場となって人口の定着を図ることができると考えます。
 そこで、来年度当初予算案においては、「郷学郷就県づくり」というキーワードの下、教育・人づくりと就労促進のための政策を強力に推進し、「信州で学ぼう」、「信州で働こう」とのキャッチフレーズの下、県内の学校や企業等への県内外からの進学、就職を促してまいります。
 重要な視点は「多様性」です。成熟社会を迎え個人の価値観が多様化する中で、画一的な教育や就労形態では、一人ひとりのニーズや希望に応えることはできません。多様な学びと働きの場が存在し、誰もがその持てる能力を伸ばし、活かすことができる長野県を目指した取組を本格的に開始します。
 こうした観点で、県内大学の魅力向上支援などを行う「信州高等教育支援センター」の設置や、海外体験義務付けなどの特色を有する新県立大学の創設などにより、更なる高等教育の振興を目指します。信州の豊かな自然環境を活かした幼児教育の充実、自立支援が必要な子どもたちへの支援の拡充、個性を伸ばす教育のモデル研究など、多様な学びの場の創出を支援します。経済的に恵まれない子どもたちのための給付型奨学金の創設や科学技術人材の育成などを通じて、子どもたちの持つ多様な可能性が開花することを応援します。南信工科短期大学校の開校、職業教育やICT教育の充実などにより、地域や世界に貢献できる多様な人材を育成します。
 また、医療・福祉やものづくり産業、農林業や地域づくり人材等、信州の暮らしを支える様々な人材の確保に積極的に取り組むとともに、多様な働き方の推進による一人多役や人生二毛作社会の推進、若者の安定就労や自立の支援、障がい者や子育て期の女性の就労支援、就労確保と一体となった人材の移住促進などを図ってまいります。

(共創躍動県づくり)
 人口減少下において、地域の活力を維持し就労の場を確保するためには、県内産業が元気でなければなりません。しかし、人口が減少し多くの産業分野で国内市場が縮小を余儀なくされる局面にあっては、これまでの産業政策の単なる延長線上に活路を見出すことは困難です。そのため、これまで本県が培ってきた産業の底力を活かし、「産業のイノベーション創出」と、足腰の強い地域経済をつくるための「地消地産の推進」の二つの観点で産業政策を強力に推進し、県内産業の活力を増進してまいります。そのためには、企業間、異業種間の連携はもとより、産学官の連携、更には消費者と生産者の対話と連携といった「共創」が極めて重要であることから、「共創躍動県づくり」として政策をパッケージ化しました。
 イノベーションとは、オーストリアの経済学者シュンペーターによってはじめて定義されたもので、創造的活動による新製品開発、新生産方法の導入、新マーケットの開拓などが典型的なものであり、人口減少下における経済発展には不可欠な概念です。様々なイノベーションにより、信州産業が一層発展することができるよう、航空・宇宙や健康・医療など地球規模での成長が期待される産業分野への県内企業の新たな展開や、農林業を含む幅広い産業分野における生産革新、技術革新や海外展開を、人材面、資金面、研究開発面で積極的に促進してまいります。また、創業支援資金の更なる利率引下げや、県独自の税制優遇措置などにより、創業や企業立地を強力に推進するほか、日本酒・ワインや伝統的工芸品など、長野県ならではの特色ある産業を重点的に支援してまいります。
 経済がグローバル化する中にあって、安定した社会を築くためには、足腰の強い地域経済が重要です。そのため、県内で生産されるモノを県内で消費する地産地消に加えて、県内で消費されるモノを県内で産出されるものに置き換える「地消地産」の取組を推進し、地域内経済循環を促進します。例えば、観光客が消費する県外産の魚を、鯉やワカサギなど県内で従来産出されてきた魚に置き換えることに加え、信州サーモンや信州大王イワナのように積極的に新品種を開発して置き換えていくことも地消地産が意図するところです。県産農畜産物や加工食品の地消地産の拡大や、木材資源の循環利用の仕組みづくりを推進するとともに、自然エネルギーの普及拡大等により、エネルギー自立地域の確立を目指してまいります。また、県民の皆様が県産品を積極的に購入・活用しようという機運の醸成とそのための仕組みづくりを進めるため、「しあわせ×2(buy)信州運動」を推進するほか、県としても率先して県産品の利用を図ってまいります。

(交流観光県づくり)
 昨年の新幹線金沢延伸は、東北信地域を中心に長野県に新たな交流を生み出しました。新幹線の金沢以西への延伸、リニア中央新幹線の工事着工、中部横断自動車道や三遠南信自動車道の整備促進など、長野県は全国の中でもとりわけ高速交通体系の飛躍的な充実が見込まれる地域です。
また、今年の長野県は、大勢の皆様を全国はもとより世界からお迎えする行事が目白押しです。NHK大河ドラマ「真田丸」の放送が既に始まり、この春には、飯田お練りまつりや諏訪大社御柱祭、天皇・皇后両陛下の御臨席を賜る全国植樹祭、国民の祝日「山の日」のスタートにあわせて行われる名誉ある第1回「山の日」記念全国大会、主要先進国の大臣が集うG7交通大臣会合など、大きなイベントが次々に開催され、来年にはJR各社と共同で行うデスティネーションキャンペーンも控えています。
 こうした好機を、県民の皆様の暮らしの充実や観光の更なる振興に活かしていくため、「住んでよし訪れてよしの交流観光県づくり」を推進します。
 高速交通ネットワークを暮らしの充実や交流の拡大につなげるため、それぞれの事業の一層の促進を図るほか、県民全体の財産としての信州まつもと空港の活性化や、県内における円滑な移動を確保するための関連道路の整備、二次交通の充実などを進めます。また、「コンパクトシティ」や「小さな拠点づくり」といったまちづくりと地域交通の確保とを一体的に推進することにより、持続可能な暮らしの基盤をつくるとともに、ICTの活用や周遊観光ルートの開発などにより、観光振興にもつなげてまいります。
 長野県は国内有数の観光県です。観光庁統計によると、一昨年の長野県の宿泊者数は延べ1,790万人であり、ビジネス客の存在が多いと思われる首都圏及び大阪府を除くと北海道、静岡県、沖縄県に次いで第4位となります。また、海外からのインバウンドの宿泊者数も着実に増加し、昨年11月までの時点で、前年同期比45パーセント増の延べ87万人となっています。美しい自然環境や、歴史、文化に恵まれた本県は、県内どこをとっても観光地であると言っても決して過言ではなく、観光の振興による県全体の活力向上が大変重要です。
 そのため、観光行政の質的な大転換を行い、全国そして世界から大勢のお客様をお迎えし、御満足いただける「観光大県(たいけん)」づくりに取り組みます。具体的には、県及び各地域の観光戦略を担う組織としての「DMO」の設立支援や、庁内一丸となって観光戦略を推進するための「長野県観光戦略推進本部(仮称)」の設置、統括ディレクターの起用による地域ブランド力の強化、SNSの活用等によるプロモーション手法の抜本的見直しなどを進めます。また、観光地域づくりを担うリーダーの育成や、登山道整備をはじめとする観光客の受入環境整備等による世界水準の山岳高原観光地づくりを推進するほか、海外における長野県の認知度アップや事業者と一体となったプロモーション活動などにより、外国人旅行者の倍増を目指します。

(コンプライアンス元年)
 この度の大北森林組合の問題を深刻に受け止め、本年をコンプライアンス元年として、県庁全体で意識改革や組織風土の改革に取り組んでまいります。
 コンプライアンスとは、単なる法令遵守という受け身的な対応に留まらず、社会の環境変化に敏感に反応し、県民の皆様の期待に応えるため必要とあらば法令等のルールを変更するための行動を起こしていくなど、主体的、能動的なものでなければなりません。そのため、上意下達ではなく、職員同士の討議や対話を通じて、「私たちは、何を大事にし、どう行動するべきか」という行動規範を組織全体で共有するなど丁寧なプロセスで取組を進めてまいります。
 コンプライアンスの推進に当たっては、まずは、今回の契機となった林務部の徹底的な再生から始めます。昨年策定した「林務部コンプライアンス推進行動計画」に基づき、「人と組織づくり」、「事務事業の仕組みの構築」などにしっかりと取り組んでまいります。これまで、私も出席した林務行政再生車座集会、職員同士で再発防止策を検討するワークショップなど、既に具体的な取組を始めました。来年度には、コンプライアンス推進・フォローアップ委員会を「林務部改革推進委員会(仮称)」に拡充改組するとともに、林務部内に林業技術職以外の職員を増員して外の風を吹き込むなど、改革を着実に進めてまいります。
なお、大北森林組合に対する補助金の返還請求につきましては、これまで、法令に基づき金額を精査した上で4回にわたって行ってきております。今後、組合自らが徹底した改革を行った上で、計画的な返還を行うよう求めてまいります。一方で、国庫補助金の国への返還については、できるだけ早期に金額を確定できるよう、現在、国と調整しているところです。補助金返還等の対応に当たりましては、今後とも、法令に基づき適切な対応を行うとともに、関係者に対する損害賠償請求の可能性を検討するなど、県としての負担が最小となるよう引き続き努力してまいります。
県組織全体につきましては、今月取りまとめた「コンプライアンス推進取組方針」に基づき、意識改革、組織風土改革、しごと改革の三つの改革を一体的に推進してまいります。
まず、意識改革については、職員一人ひとりが、目的をしっかりと意識すること、自分の意見を明確にすること、タイミングを逸することがないよう時間軸を意識すること、この三つの点を共有した上で改革の取組を速やかに進めてまいります。コンプライアンス委員会を部局ごとに設置するとともに、職員意識調査を継続的に実施し、PDCAサイクルによる改善体制を確立してまいります。
組織風土改革については、風通しのよいオープンな職場づくりのため、コミュニケーション能力向上のための研修を導入するほか、任期付職員など外部人材の積極的活用を行います。また、不適正な事案を未然に防ぐ取組として、コンプライアンス推進参与による相談窓口などを整備してまいります。
しごと改革については、効率的な働き方を推進するとともに、社会の要請に的確に応えられるよう業務上のルールなどを不断に見直していくことが必要です。このため、全庁一斉で業務上のルールを見直すための棚卸し日を設けるとともに、テレビ会議やサテライトオフィスなどICTを積極的に活用し、恒常的な超過勤務の削減や業務の徹底した効率化を進めてまいります。
これまで、林務部職員との車座集会や現地機関の見直し検討の中で、私や副知事も職員と率直な意見交換を行ってまいりました。多くの職員が仕事に対する前向きな問題意識を持ってくれていることをとても心強く感じています。こうした職員の声を私や副知事をはじめとする管理監督職員がしっかりと受け止め、職員一丸となってコンプライアンス推進のための取組を着実に実施してまいります。

【現下の経済情勢など】
 昨年の経済情勢を顧みますと、原油安や、円安による輸出関連企業の業績改善などもあり、国内、県内とも緩やかな回復基調が続きました。一方で、中国など新興国経済の減速の影響などから、生産が横ばいの動きを示しております。年明け後は、株価下落、円高、マイナス金利導入など経済情勢が大きく変動していることから、引き続き、先行き等を十分注視してまいります。
 先月、「希望を生み出す強い経済実現に向けた緊急対応策」に基づき、地方創生やTPP関連施策などを盛り込んだ国の補正予算が成立しました。
 今定例会に提出した補正予算案は、国の補正予算も最大限活用し、平成28年度当初予算案と一体で編成したところであり、農業をはじめとする産業振興など、県内経済の活性化に資する事業や地方創生加速化のための取組を進めてまいります。

(TPP協定に係る農林業分野対応方針)
 TPP協定は、本県の農林業のみならず農山村の暮らしに大きな影響を及ぼしかねない重要な問題です。そのため、関係者の不安や懸念に応えるべく、今月8日、「農林業への影響の緩和」、「攻めの農林業を展開するための体質強化」、「県産農産物等のブランド化と輸出・地消地産の促進」の三つの視点を基本とした「TPP協定に係る農林業分野対応方針」を取りまとめました。
 TPP協定の県内農林業分野への影響について、国が用いた分析手法等を参考に、農林産物19品目の試算を行ったところ、本県の平成26年農林業生産額約2,834億円に対し、約24億円の減少が見込まれるとの試算結果となりました。主な内訳としては、畜産が約12億円、野菜が約5億9千万円、果樹が約4億5千万円となっています。この試算結果はあくまでも国内対策を十分に行うことが前提とされていることから、今回の対応方針に基づき、農林業の生産性の向上、県産農産物等のブランド化や地消地産、輸出を含めた販路開拓などに県として全力で取り組んでまいります。
 具体的には、まず、品目別の対応として、米、果樹、野菜、畜産、林業の品目別に生産面、流通面、販売面の対策をそれぞれ強化いたします。比較的影響の大きい畜産については、施設整備のための予算を大幅に増額し、経営規模の拡大等に向けた生産体制の整備をしっかりと支援します。また、本県の主力品目である野菜、果樹については、共同利用施設の再編整備を推進し、効率的な生産・流通体制を構築するとともに、収益性の高い果樹オリジナル品種の生産拡大を図るため、先進モデル産地の育成支援や生産者を対象とした技術講習などに力を入れてまいります。さらに、農業用機械や高性能林業機械の導入を支援し、農林業の生産性向上を図ります。
農業の競争力強化を図るために必要な生産基盤の整備については、国の補正予算を活用し、農地の大区画化や高収益作物への転換を促進する畑地かんがい施設の整備を推進します。また、担い手への農地集積や集約化を進めるため、農地中間管理機構を活用した団体営土地改良事業の県補助率を引き上げます。
 流通と販売の強化については、県産農産物等の市場競争力を高めるため、大都市圏でのトップセールスやメディアを活用したPRの展開により、信州プレミアム牛肉やナガノパープルなど県オリジナル品目のブランド化を強力に推進します。また、農産物等輸出額の飛躍的な増加を目指し、新たに「海外販路開拓支援ネットワーク会議(仮称)」の設置や、食のグローバル展開推進員の配置を行うとともに、海外市場向けの販路開拓支援や販売促進イベントの開催などにより、「長寿世界一NAGANOの食」を世界に対して積極的に売り込みます。さらに、食材の生産・加工・流通の各分野において、県外産農畜産物に換えて県内産を活用していただくための取組を展開するなど、地消地産にも力を入れてまいります。

【国の予算編成】
 国の平成28年度予算案は、平成27年度補正予算とあわせて、地方創生の本格展開、保育や介護サービス等の充実に資する施策に重点化が図られています。地方財政への対応については、地方創生の推進に向けた「まち・ひと・しごと創生事業費」の存続や臨時財政対策債の縮減が図られるなど、一定の評価ができるものではありますが、引き続き、地方分権の推進と地方財政の健全性を確保する観点から、安定的な地方税体系の構築、臨時財政対策債の廃止などを国に求めてまいります。

【平成28年度当初予算編成】
 今定例会に提出いたしました平成28年度当初予算案及びその他の案件について御説明申し上げます。
 予算総額は、一般会計8,756億9,178万5千円、特別会計2,757億4,556万5千円、企業特別会計156億2,574万1千円であります。特別会計は公債費特別会計など12会計、企業特別会計は電気事業及び水道事業の2会計であります。
 景気の回復傾向や国の地方財政計画等を反映して、法人関係税を中心に県税収入は増加するものの、地方交付税等の減少により主要一般財源全体では約30億円の減少が見込まれます。一方で、高齢者人口の増加などにより社会保障関係費と扶助費が合わせて約29億円増加する見通しにあるなど、引き続き、厳しい財政状況が見込まれます。このため、「信州創生の新展開」に係るものなど真に必要な事業に重点的に財源配分を行い、メリハリのある予算編成を心掛けました。
 県債については、「可能な限り子どもたちの世代に付けを回さない」という観点から、引き続き発行の抑制に努めました。建設事業債を含む通常債の発行額を「長野県行政・財政改革方針」を踏まえて、約565億円としたことにより、平成28年度末の通常債残高は前年度比で約305億円減少する見通しです。また、いわゆる赤字地方債である退職手当債などは引き続き発行せず、臨時財政対策債の発行額も約77億円減少することにより、平成28年度末の県債残高全体も前年度比で約127億円減少する見込みです。これまでの財政改革の結果、財政の健全化指標である実質公債費比率は平成28年度には12.3パーセント、財政調整のための基金残高も平成28年度末に約488億円と、それぞれ平成21年度と比較して、3.3ポイントの改善、約218億円の増加となる見通しですが、引き続き、県債残高の縮減と財政の健全化に努めてまいります。

 以下、「信州創生の新展開」の三つの柱に沿って、具体的な施策について、順次御説明申し上げます。

[個人の能力を活かす郷学郷就県づくり]
【学びの郷(さと) 信州の創造】
 「個人の能力を活かす郷学郷就県づくり」のうち、「学びの郷 信州の創造」については、信州高等教育の充実、多様な学びの場の創出支援、子どもの希望を実現できる学びの場の提供、次代を担う人材の育成に取り組んでまいります。
 高等教育に関しては、高等教育機関が「知の拠点」として、多様な人材の育成に取り組むことを、これまで以上に積極的に支援してまいります。まず、県内高等教育に対する支援の方向性などを盛り込んだ「長野県高等教育振興基本方針」を本年度中に取りまとめるとともに、「信州高等教育支援センター」を新たに設置して、学生の県内就職促進や学びの場の誘致のための支援を強化します。また、産業界と連携して県内学生の海外インターンシップを助成する制度を創設するなど、学生の県内定着を促してまいります。
 新たな県立4年制大学については、平成30年の開学に向け、着実に準備を進めています。これまで県内3か所で、高校生や保護者等に向けた大学説明会を開催し、新大学の教育方針などを直接説明するとともに、外国人教員等による英語の模擬授業なども実際に体験してもらいました。今後も、金田一真澄学長予定者をはじめ教員予定者による高校訪問などを通じて、大学の特徴を広くPRしてまいります。今春には入学者選抜方法などを決定し、来年度には、三輪及び後町キャンパスの校舎工事等に着手してまいります。なお、安藤国威理事長予定者には、新大学の産学官連携の取組に関し、県内企業等との対話を既に行っていただいているところです。学生やその保護者のみならず、県民や企業等の期待にも応えることができる大学づくりを目指して取り組んでまいります。
 本県の豊かな自然環境などを活かし、多様な学びの場の創出を支援してまいります。全国的にも先駆的な取組である信州型自然保育「信州やまほいく」については、シンボルマークやPR動画を活用して県内外の子育て世代や教育関係者等への発信を行うほか、自然保育の実地研修を拡充して自然保育の質の向上を図ります。また、私立幼稚園への助成単価を子ども一人当たり11,000円増額することにより、教員の資質向上や自然保育など多様な学びの創出を支援します。さらに、こうした自然保育や白馬高校国際観光科、県内各地の山村留学など、信州ならではの学びの場や魅力ある子育て環境を全国に向けて発信することにより、移住者の増加にもつなげてまいります。
不登校やひきこもりの子どもが増えている中、困難を有する子ども・若者への支援を強化します。まず、不登校やひきこもりの子どもたちの社会的自立を促すため、自立支援の場を提供しているNPO等への助成制度を創設するとともに、子どもや若者の社会的自立支援を行う「子ども・若者支援地域協議会」を新たに2か所設置します。発達障がいのある児童生徒を含めて、全ての子ども・若者が持つ能力を開花させるため、個性を伸ばし自信や自尊心を育む教育(ギフテッド教育)の研究に着手します。
 子どもたちが、その希望を実現できる学びの場を充実することも重要です。学力定着のためのPDCAサイクルを再構築することなどにより、子どもの学力向上を図ります。また、科学技術人材養成のため、中・高校生を対象とした講座や合宿を新たに実施します。本県の特色を活かして探究的な学習に取り組む信州学については、研究モデル校の取組も踏まえ、来年度は全県立高校に導入します。特別支援学校については、自立活動担当教員を来年度も更に20人増員するとともに、中信地区特別支援学校再編整備計画に基づく教育環境の整備を進め、特別支援教育の一層の充実を図ります。
 地域社会や産業等で必要とされる能力を備えた次代を担う人材の育成にも力を入れてまいります。本年4月に開校する「長野県南信工科短期大学校」においては、産業界のニーズに対応した高度な技能・技術を習得するための教育・研究を行い、信州のものづくり産業をけん引する人材を育成してまいります。また、ICT事業者が県内で行う短期実践開発型ワークショップの開催支援など、多様な産業分野で活躍できるICT人材の育成を推進します。農業分野においては、果樹経営を始めようとする新規就農者が将来にわたって安定的な経営ができるよう、研修中に行う樹園地の整備に対する助成制度を創設します。
 高齢者人口が増加する中で、質の高い医療や介護を安定的に支える人材の重要性が高まっています。このため、看護師の訪問看護などの資質向上研修を新たに行うとともに、介護人材のキャリアパス構築などに取り組みます。
また、「地域に飛び出せ!元気づくり実践塾」を引き続き開催するとともに、全国一の数を誇る公民館を活かした地域力向上のため、専門アドバイザー設置による公民館活動への新たな支援を行います。

【信州ならではの働き方推進】
 「信州ならではの働き方推進」については、信州の暮らしを支える人材の確保、多様な働き方の推進、就労と一体での人材の移住支援に取り組んでまいります。
 まず、新規学卒者等の県内就職のための支援を充実します。これまで、「銀座NAGANO」を活用した企業説明会等の開催、Uターン就職促進のための協定校との連携などにより、県内企業の採用活動を支援してまいりました。来年度は、こうした取組に加え、県内企業へのインターンシップに参加する県外学生の交通費等を助成する制度を新たに設けるとともに、企業訪問や採用担当者との意見交換などを盛り込んだ就職準備合宿を開催し、県内企業への就職を一層促進してまいります。
 医療分野については、特に喫緊の課題である産科医療の確保に向けて、産科の専門研修医に対する研修資金貸与制度を創設するほか、信州大学で実施する病院助産師の育成研修事業に対する助成を新たに行います。また、若手医師の定着を図るため、医学生や研修医と医師との交流会を新たに開催するとともに、育児中の医師が安心して勤務できるようベビーシッターに要する経費への助成などを行います。福祉分野においては、介護事業者の経営基盤の強化を図るための経営専門家派遣事業を新たに実施するほか、認定介護福祉士の養成研修や、介護施設内保育所の運営に対する助成制度を創設し、介護分野の人材確保・定着を促進します。このほか、保健師や保育士等の人材を共同で確保するための具体的な仕組みづくりについて、市町村と検討を行ってまいります。
 若者や女性、障がい者、高齢者など県民誰もが活き活きと働き、暮らしを楽しむことができるよう、多様な働き方の推進に努めてまいります。今月4日、国や経済団体、労働団体等と連携して「働き方改革・女性活躍推進会議」を設置し、一人多役など長野県ならではの多様な働き方の推進や、仕事と子育てが両立できる職場環境づくりに向けた検討を開始いたしました。来年度は、多様な勤務制度を導入・実践する「職場いきいきアドバンスカンパニー」認証企業の拡大を図るとともに、女性就業支援員を5人から8人に増員し、女性の就職活動をきめ細かく支援してまいります。さらに、人生二毛作社会の実現に向けては、長野県長寿社会開発センターに配置した「シニア活動推進コーディネーター」を3名から6名に増員し、関係機関との連携体制を強化するほか、生活の中に農業を取り入れた「農ある暮らし」を始めるために必要な農業用機械購入費等の借入れに係る利子補給制度を創設し、一人多役の実践を支援します。
 若い世代の安定就労を支援するため、「ジョブカフェ信州」における相談員の増員や、東信地域への相談拠点の設置等により、県内全域での就労相談体制を強化します。また、パーソナル・サポート事業の相談拠点となる「生活就労支援センター」に家計相談支援員を増員し、生活困窮者の生活面での自立支援を充実します。
 平成26年度にスタートした「農業就労チャレンジ事業」により、本年度も前年度実績を上回る37件の農業法人等と障がい者との就労のマッチングが成立しております。来年度は、新たに障がい者が生産した農産物等の展示販売会を開催するなど、引き続き、障がい者の農業分野への就労拡大に努めてまいります。
 長野県は、移住専門誌の「移住したい都道府県」ランキングで10年連続第1位、また、ふるさと回帰支援センターの平成27年移住希望地域ランキングでも第1位に返り咲くなど、移住先として全国から注目を集めています。人口の社会増への転換に向けて、新たに「楽園信州・移住推進室」を設置し、移住者の受入体制を強化します。本年1月には、東京に加え、名古屋・大阪に移住の専任相談員を配置し、都道府県で唯一三大都市圏での相談体制を整えました。来年度は、ふるさと回帰支援センターに長野県専用の移住相談スペースを確保し、相談体制の更なる強化を図ります。また、ひとり親家庭の移住を促進するため、市町村が行う仕事・住居・子育てなどをセットにした相談会やお試しツアーなどの取組を支援するほか、ICT事業者などに対して活動場所等を提供する助成制度を拡充し、多様な人材の移住促進を図るとともに、産業の活性化にもつなげてまいります。
 大都市圏に比較的近いという強みを活かした二地域居住の推進も重要です。二地域居住セミナーの開催など情報発信を充実するとともに、「週末信州人(仮称)」登録制度を創設し、企業等とも連携して二地域居住に係る負担軽減策の検討を行ってまいります。また、市町村が行う二地域居住者向けモデル住宅の建設を支援します。

[産業力で未来を拓く共創躍動県づくり]
【信州産業のイノベーション創出】
 「産業力で未来を拓く共創躍動県づくり」のうち、「信州産業のイノベーション創出」については、次世代産業の育成、企業誘致と創業・起業支援、生産力向上・海外展開支援、日本酒・ワイン及び伝統的工芸品の振興に取り組んでまいります。
 次世代産業の育成については、「長野県産業イノベーション推進本部」を中心として、航空・宇宙、健康・医療などの成長期待分野への展開支援や、ICT産業の集積などに取り組んでまいります。航空・宇宙分野については、「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」を有する飯田・下伊那地域の企業と他地域の企業とのマッチングを行うコーディネーターを長野県テクノ財団に配置し、航空宇宙産業を全県的に広げてまいります。また、医療機器等の開発支援を担当するコーディネーターを配置し、信州ACEプロジェクト等とも連携して、健康課題を解決するための製品開発を促進します。また、ICT関連企業の立地を促進するため、ICT産業等立地助成金制度の助成要件を緩和します。
 「日本一創業しやすい長野県」の実現に向け、自己負担額が現在でも全国一低い創業向け資金の利率を更に引き下げ1.1パーセントにするとともに、創業間もない中小企業者等の経営安定のための専門家派遣事業を拡充するほか、シニア専門指導員を9名増員し、中小企業の経営下支えを図ります。
 ものづくり産業の更なる生産性の向上を図るため、東京大学と連携して、工場等において品質向上やコスト削減などの「カイゼン活動」を行うための指導者を育成してまいります。
海外展開の強化については、県内中小企業等の新市場開拓・販路拡大を図るため、成長が見込まれるASEAN諸国や中南米における展示商談会への出展を支援します。また、本年7月に松本市等で開催する「国際フラワーフォーラム2016」を契機とし、県産花きの輸出拡大や新たな需要創出にも取り組みます。
 県内のワイン用ブドウ生産量は、平成24年度5,445トンで全国第1位、日本酒については平成26年度の県内酒蔵数は81で全国第2位と、日本酒・ワイン産業は全国的にみて、重要な位置を占めています。また、日本酒・ワインは地域内の経済循環を促す有力な資源でもあり、代表的な6次産業でもあります。このため、県議会において制定された「信州の地酒普及促進・乾杯条例」も踏まえ、産業労働部に「日本酒・ワイン振興室」を設置して、信州の地酒の一層の振興を図ることといたしました。県内酒蔵等が行う若者向け新商品の開発支援や、ワイナリーや酒蔵を巡るバスツアーの実施などに取り組みます。また、より品質の高いワインを生産するため、ぶどうの成分分析機器の導入などを支援し、信州ワインバレー構想を更に推進します。
 伝統的工芸品については、魅力発信や技術の継承のためのこれまでの支援に加え、来年度は、新たに、産地組合等が行う新商品開発や販路開拓などの取組を支援するとともに、産地職人との交流セミナーの開催や産地でのインターンシップの実施、若手就業者の育成費用に対する助成制度の創設などにより、後継者の育成・確保に関する支援を強化してまいります。

【地消地産の推進】
 「地消地産の推進」については、地消地産の展開に向けた具体的な仕組みづくり、信州農畜産物の活用拡大、信州の木自給圏の構築、エネルギー自立地域の確立に取り組んでまいります。
 まずは、県民の皆様が県産品を積極的に購入し、御利用いただけるよう、「しあわせ×2(buy)信州」運動を展開します。今後、生産、流通、販売、消費、観光など各現場の御意見等を踏まえ、具体的な仕組みづくりに着手します。また、県としても、今後、試行を行った上で、県産品の認定や県産品優先調達制度を創設し、率先して県産品の利用を推進してまいります。
 信州農畜産物の地消地産を推進するため、県オリジナル品種の振興協議会が相互に連携する地消地産推進連絡会を設置し、実需者が求める食材の生産振興に努めるとともに、ホテルや旅館等のニーズに対応したマッチング商談会やオリジナル食材を活用したメニュー提案会などを開催いたします。また、信州ジビエや水産試験場で開発した信州大王イワナなど、信州ならではの特色のある食の振興にも力を入れてまいります。
また、信州の木材の地消地産を進め、持続可能な林業・木材の自給圏を構築するためには、県内の建築物、エネルギーなどに県産材を積極的に活用していくための体制整備が必要です。このため、流域ごとの住宅メーカー、工務店、流通、製材加工、木材生産関係者が連携し、木材の循環利用の仕組みづくりを進め、採算性の向上につなげてまいります。
 これまでも自然エネルギーの普及拡大や省エネルギーの促進に鋭意取り組んでまいりましたが、地消地産の観点からエネルギー自立地域の確立に向けた取組を更に強化します。具体的には、地域コミュニティによるエネルギーを活用した地域づくり計画の策定を支援するとともに、小水力発電など地域主導の自然エネルギービジネスを拡大するため、地域における中核的な担い手の育成に取り組みます。

[住んでよし訪れてよしの交流観光県づくり]
【観光大県づくり】
 「住んでよし訪れてよしの交流観光県づくり」のうち、「観光大県づくり」については、観光行政を大きく転換するとともに、世界水準の山岳高原観光地づくりの推進、大規模イベント等を活かした誘客促進、インバウンド施策の強化に取り組んでまいります。
 観光行政の転換については、観光を軸として地域経営を行うための体制を整備いたします。まず、信州・長野県観光協会を「DMO」に移行させ、専門人材によるマーケティングをもとにして、観光業の稼ぐ力を高めるとともに、効果的な旅行商品造成やプロモーションを実施してまいります。また、有識者等も交えた「長野県観光戦略推進本部(仮称)」を庁内に設置し、観光施策を総合的に推進する体制を整えます。さらに、戦略的なブランド展開を図るための統括ディレクターを起用し、信州ブランドの再構築と発信を行ってまいります。
 世界水準の山岳高原観光地づくりに関しては、山の安全対策に特に力を入れて取り組んでまいります。「長野県登山安全条例」に基づき、指定登山道の選定、登山口の看板設置や登山計画書の提出のためのシステム整備などを行います。山岳環境の整備については、本年度から全国に先駆け、五つの山域で行っている「山岳環境整備パイロット事業」に、新たに二つの山域を加えて、登山道の整備などを進めてまいります。さらに、長野県アウトドア推進協議会が実施するリスクマネジメント研修や認証登録制度の導入を支援し、アウトドア・アクティビティの普及とあわせて安全対策にも取り組みます。
 大河ドラマ「真田丸」や第67回全国植樹祭、第1回「山の日」記念全国大会など様々なイベント等を活かし、新たな旅行商品の造成や観光資源の発信を行ってまいります。特に来年夏には「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」をキャッチフレーズとするデスティネーションキャンペーンが実施されることから、本県の山岳高原の魅力を前面に出して取り組んでまいります。また、北陸圏や関西圏からの誘客拡大を図るため、北陸最大の旅イベント「MRO旅フェスタ」に出展するなど、引き続き新幹線沿線各県と連携した観光PRを行ってまいります。本県観光の課題の一つは二次交通の充実です。そのため、県内鉄道駅を起点として観光地を周遊するバスの運行を新たに支援するとともに、長野県公式観光サイトに二次交通情報やルート検索などの観光・交通情報案内機能を追加し、信州の旅の利便性向上を図ることといたしました。このほか、来るラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックを本県の活性化につなげるために、スポーツコミッションを設立して、国際的なスポーツ大会やスポーツ合宿の誘致に力を入れてまいります。
 日本への外国人旅行者が大幅に増加している中、インバウンド対応も急務です。世界に誇れる健康長寿や山岳高原をテーマとした滞在型ツアーの造成支援や、冬季オリンピック・パラリンピックの開催を控えた韓国や中国をターゲットとしたスキーツアーの誘致などを推進します。また、訪日旅行者の増加が見込まれる東南アジアに関しても、旅行会社と連携したタイアップ広告や、旅行商品の造成などに積極的に取り組んでまいります。

【交通ネットワークを活かした県土づくり】
 「交通ネットワークを活かした県土づくり」については、高速交通網の整備を一層促進するとともに、二次交通の整備など円滑な移動環境の形成や暮らしを維持するための地域の足の確保に取り組んでまいります。
 リニア中央新幹線については、県内初の工事となる南アルプストンネル長野工区の施工業者が決まるなど、建設に向けた動きが加速してまいりました。JR東海に対しては、引き続き、昨年4月に締結した基本合意書等に基づき、地元へのきめ細かな説明や様々な意見に対する誠実な対応を求めてまいります。
 リニア中央新幹線の整備効果を、伊那谷のみならず広く県内全体に及ぼすことが県の役割です。先週開催した伊那谷自治体会議において、「リニアバレー構想」を決定いたしましたが、引き続き地元市町村や経済界の皆様と方向性を共有しながら、この構想の実現やリニア関連道路の整備に全力で取り組んでまいります。
 中部横断や中部縦貫、三遠南信自動車道など本県にとって重要な高規格幹線道路の整備促進にも引き続き取り組みます。地域高規格道路「松本糸魚川連絡道路」については、公表した計画案について地域の御理解を得ながら早期事業化を目指して調査を実施します。また、「本州中央部広域交流圏」構想の実現に向け、昨年12月に取りまとめた「交流圏の結節機能強化に向けた方針」に基づき、中信地域と東信地域を結ぶ国道143号青木峠トンネルの整備に向けた調査の実施や、有料道路の割引時間帯の拡大などを進めてまいります。
 信州まつもと空港については、本県の交通体系の中でより大きな役割を果たすことができるよう、本年度中に取りまとめ予定の国際線を含む新規就航可能路線や空港施設のあり方などに関する調査結果を踏まえ、路線拡充と空港機能強化に向けた基本方針を策定し、具体的な取組に着手してまいります。
 まちづくりと地域交通の確保の両面から人口減少社会においても持続可能な暮らしの基盤づくりに取り組んでまいります。まず、空き家など遊休不動産の再生等を促進するためのリノベーションセミナーの開催や、公共交通を活かした駅周辺の活性化の検討などにより、「コンパクトシティ」の実現を図るとともに、生活に必要なサービスを集約し、地域内外の交流の場となる「小さな拠点づくり」を市町村と連携して進めます。また、定住自立圏など国の広域連携の支援制度が適用されない地域において、連携・共同の取組を進める市町村を支援します。
 鉄道事業者が行う安全性向上のための設備整備や、赤字が見込まれる乗合バス路線の運行経費等を引き続き支援するとともに、県有民営方式によるバス車両の導入を進め、地域公共交通の充実に努めてまいります。また、地域交通の新たな仕組みづくりに取り組む市町村に対する交通アドバイザーの派遣や、実証運行等に要する経費の助成により、地域の足の確保を支援します。

【重点施策の加速化】
 次に、今後取組を加速化する重点施策のうち、先ほど申し上げたTPP関連対策を除く五つの政策パッケージについて申し上げます。

(子どもの貧困対策)
 子どもの貧困対策について申し上げます。
 全国の子どもの貧困率は平成24年度には16.3パーセントと、年々上昇傾向にありますが、長野県においても、約1割の子どもたちが生活保護世帯等を対象とした就学援助制度の対象となっており、その割合は年々増加しています。また、昨年実施したひとり親家庭実態調査や子どもたちへのアンケートでは、「家にお金がないので、進学を諦めなくてはいけないかもしれず不安」、「塾に行きたいがお金がないため行けない」、「子どもが常に夜まで一人でいるので非常に不安」、「子どもは進学を希望していたが、就職に変更してもらった。申し訳ない」など、子どもやその保護者からの切実な声が寄せられています。
 子どもの貧困は看過できない問題であり、いわゆる貧困の連鎖は断ち切らなければなりません。県として、あらゆる手段を講じて子どもの貧困対策に取り組んでまいります。まず、教育費負担の軽減、家庭養育の支援など取り組むべき施策をまとめた「長野県子どもの貧困対策推進計画」を本年度中に策定するとともに、行政、経済団体、子ども支援団体などで構成する「長野県将来世代応援県民会議(仮称)」を設置して、長野県の未来を担う子どもたちが夢と希望を持って暮らすことができるよう、オール信州で子どもや家庭を支える運動を展開してまいります。
 具体的な取組としては、企業局が発電により得た利益の一部等を原資として「長野県こどもの未来支援基金」を創設するとともに、経済的に困難を抱える子どもたちの大学進学を支援する給付型奨学金制度や、就職、大学への進学等により児童養護施設を退所した子どもたちの学費や生活費に対する支援制度を創設します。さらに、子どもたちの学校生活に影響を及ぼす貧困などの家庭環境の改善を図るため、スクールソーシャルワーカーを8人から18人に大幅に増員いたします。
 家庭養育の支援については、貧困家庭の子どもたちに安価で安定的に食事を提供できる仕組みを構築するとともに、経済的な理由等で学習機会が制約されている子どもたちに対して、ボランティアによる学習支援を行うなど、家庭機能を補完する子どもの居場所づくりを進めます。このほか、児童相談所における高度で専門的な事案に対応するため、「児童相談所広域支援センター」を設置して相談・支援体制を強化します。

(子どもを性被害から守る取組)
 子どもを性被害から守るための取組のうち、条例制定の是非に関しては、昨年10月以降、条例モデルを基に、県民の皆様との意見交換を精力的に行ってまいりました。これまで、県民運動を担ってきた27団体のほか、子どもの相談支援を行う団体など26団体と個別に意見交換を行うとともに、保護者や若者を含む延べ447人の県民の皆様との県政タウンミーティングなどを行ってまいりました。
団体や県民の皆様の御意見は多岐にわたりましたが、総括いたしますと、条例制定そのものに関しては、一部否定的な御意見もあるものの、肯定的な御意見が大半でありました。また、条例の内容に関しては、性教育の充実と県民運動の活性化が必要であるとの御意見が多数出されたところです。
 一方、威迫等による性行為等を処罰規定を設けて規制することについては、一部、「冤罪(えんざい)が生じる可能性がある」、「罰則を設けても性犯罪抑止、再犯防止につながらない」との慎重・反対意見がありましたが、「処罰規定が限定されすぎている」、「他都道府県と同様の包括的・網羅的な規制項目がある青少年保護育成条例が必要」など、むしろ条例モデルより踏み込んだ規制を設ける必要があるとの御意見も少なからずありました。
こうした県民の皆様の御意見や、これまでの「子どもを性被害等から守る専門委員会」の検討経緯などを踏まえ、県として、今月1日に「子どもを性被害から守るための条例に関する基本的な方針」を決定し、条例モデルを基本とした子どもを性被害から守るための条例を制定することが必要であると判断いたしました。
 これは、県内における子どもの性被害が増加し看過できない状況にあること、子どもの性被害は一過性のものではなく長期間にわたって心身に重大な影響を及ぼす恐れがあること、県民運動として青少年健全育成活動を行ってきた関係者自身が、県民運動のみで子どもたちを守ることの限界を指摘し、県民運動と車の両輪としての条例制定を要望されていることなども踏まえ、総合的に判断したものであります。
 また、法律の専門家によって整理された条例モデルにおいては、性行為等に関する規制に関し構成要件の明確化や、立法事実の確認を踏まえた処罰対象の限定化が図られていること、子どもに対する威迫等による性行為等の規制により、当該行為を大人として行ってはいけないものであることを県民全体の共通認識とする必要があることなどから、一部罰則付きの規制についても条例で規定することが必要であると判断しました。
 意見交換の中で、多くの団体や県民の皆様から重要であるとの御指摘をいただいた、性教育等の充実や被害者支援、県民運動の活性化といった取組については、これを条例に位置付けることで、安定的、継続的に推進していくための担保とすることができ、また、条例の内容を子どもを性被害から守ることに特化することにより、これまで青少年の健全育成を県民運動中心に取り組んできた本県の伝統と特性を活かした新たな仕組みをつくることができると考えます。
 今定例会において、条例についての御議論を更に深めていただくことが肝要と考え、条例の骨子案を取りまとめさせていただきました。子どもを性被害から守るために何が必要であるのか、御審議いただきますようお願い申し上げます。
 一方、子どもを性被害から守るための取組のうち、条例以外の「予防の取組」、「被害者支援の取組」及び「県民運動の活性化への支援の取組」については、本年度から既に具体的な取組に着手いたしておりますが、来年度も県民の皆様から出された御意見等も踏まえ、施策の更なる充実を図ってまいります。
 具体的には、予防の取組として、学校における人権教育及び性教育の充実を図るため、教員等に対する研修や指導資料の提供を行うほか、県民運動として、子どもだけではなく保護者など大人に対する人権や性についての学びの機会の提供も行ってまいります。加えて、長野県青少年インターネット適正利用推進協議会が行うネットトラブルに関する相談窓口の開設を支援するなど、性被害の予防に向けた取組を強化します。
 被害者支援については、被害者の心身の負担を軽減し、その健康の回復を図るためのワンストップ支援センターの設置に向けて、関係団体と協議を行ってまいりました。被害者の気持ちに寄り添いながら必要な支援を提供し、また、緊急避妊等の救急医療に確実につなぐことができるよう、本年7月の開設を目指して準備を進めてまいります。
 また、新たに青少年育成コーディネーターを配置して県民運動の事務局体制充実を図るとともに、青少年サポーターの活動支援を行うなど、県民全体で青少年を支えるための体制を強化してまいります。

(健康長寿県づくり)
 「健康長寿」は長野県の誇りです。健康寿命を延伸させ、健康長寿県ながのを確固たるものとするべく、信州ACEプロジェクトの更なる推進を図ります。また、超高齢社会の到来を見据え、増加する医療需要に対応し、県民の皆様が安心して良質な医療サービスを受けられる医療提供体制をつくるため、地域医療構想の策定を進め、来年度中に取りまとめてまいります。
 信州ACEプロジェクトについては、関係機関との連携を強化し、県民総ぐるみの運動となるよう更なる展開を図ります。まず、従業員の健診受診や運動促進に取り組むモデル企業を支援するとともに、従業員の健康の維持増進を企業価値の向上につなげる「健康経営」を経営者団体や保険者等とともに推進します。また、総合型地域スポーツクラブと連携した市町村や企業に対する運動アドバイザーの派遣や、地消地産にも配慮したACEメニューの提供店舗の拡大などにより、「健康地域づくり」を進めます。小・中学校における栄養教諭の増員による食育推進や、「長野県歯科保健推進センター」設置による歯科保健施策の総合的な展開も進めてまいります。
 地域医療についても一層の充実を図ってまいります。がん、心疾患、脳血管疾患の三大死因に対する診療機能を向上させるため、地域医療介護総合確保基金等を活用して、高度・専門医療機関の施設・医療機器の整備を支援いたします。また、住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けられるよう、リハビリ病床の拡充などの施設整備や、在宅医療への移行調整に取り組むための専任職員配置を行う病院を支援します。地域包括ケア体制の構築については、本年度、全ての市町村が地域ケア会議を設置したところですが、引き続き、理学療法士や弁護士といった専門職の派遣支援を行うことなどにより、会議の定着化を図ります。

(文化芸術の更なる振興)
 文化芸術の振興については、県内各地域で育まれてきた伝統・文化を継承し、その魅力を更に高めるとともに、多くの県民の皆様が様々な文化芸術に親しむことや自己表現することができる環境を整備し、心の豊かさを実感できる社会を実現してまいります。
 本年度は「文化振興元年」という位置付けの下、新たに造成した長野県文化振興基金を活用し、「アーティスト・イン・レジデンスin信州モデル事業」などに着手するとともに、昨日グラミー賞受賞という大変うれしいニュースが飛び込んできた小澤征爾氏率いる「セイジ・オザワ松本フェスティバル」に対する支援の強化など、従来からの文化事業の拡充を行いました。来年度は、文化振興基金の積立てを決算剰余金の1パーセントから3パーセントに引き上げ、長野県全体の文化芸術振興のための支援を一層充実してまいります。まず、長野県文化振興事業団に、音楽、演劇、美術、プロデュース各分野の第一人者からなる「芸術監督団」を設置し、先駆的で魅力ある文化プログラムの企画から公演の開催までを担っていただきます。また、本年度着手した「信州ミュージアム・ネットワーク」の取組として、夏休み期間中の子どもの入館料無料化キャンペーンとあわせて、山をテーマとした共同企画展を開催します。長野県信濃美術館については、新たな美術館の管理運営のあり方などについての御提言を、有識者による検討委員会から今後いただき、それを踏まえて基本構想を取りまとめてまいります。

(県土強靱化の推進)
 県土強靱化の推進について申し上げます。
 一昨年、本県は大雪、土石流、火山噴火、地震と様々な大災害に相次いで見舞われました。県では、これまで、道路等の公共施設の復旧はもとより、住宅の確保や産業の振興、暮らしの再建など被災地域の復興のため全力で取り組んでまいりました。今後とも、御嶽山噴火災害で大きな影響を受けている木曽町や王滝村、神城断層地震で大きな被害が生じた白馬村や小谷村をはじめ、災害で被災した市町村と連携して、被災された皆様の支援に取り組んでまいります。
 こうした災害から得られた教訓も踏まえ、現在取りまとめ中の「長野県強靱化計画」に基づき、災害が発生しても犠牲者を出さず、被害の最小化により迅速に復旧・復興できる社会の実現を目指して様々な取組を進めてまいります。
 地域防災力の向上については、市町村における「災害時住民支え合いマップ」の策定を支援するとともに、防災指導員による出前講座の充実を図ります。建築物等の耐震化対策については、民間の大規模建築物等の耐震改修を引き続き支援するほか、災害拠点施設となる高等学校の吊り天井の落下防止工事などに新たに着手します。土砂災害の防止については、平成28年度中に県内の土砂災害警戒区域の指定を完了させ、警戒避難体制の強化を図ってまいります。
 御嶽山噴火災害を教訓とした火山対策については、火山ハザードマップ作成のための助成制度や、火山噴火時に避難施設としての役割を担う山小屋の屋根等を補強する助成制度を創設し、警戒避難体制の整備や登山者への安全対策の強化を図ってまいります。

【社会資本の整備など】
 次に、社会資本の整備、子育て・結婚支援、国際交流の推進などについて申し上げます。

(社会資本の整備)
 まず、住民生活に身近な社会資本の整備についてであります。
 老朽化した高等学校や特別支援学校の校舎等の修繕については、本年度の当初予算と比べて3倍以上となる約9億5千万円の事業費を確保し、今後3年間で集中的、計画的に事業を行ってまいります。特に特別支援学校については、修繕に加え、校内の環境整備にも力を入れて取り組みます。
 公共事業については、補正予算案に計上した道路や河川、砂防等の防災対策事業なども含め着実に進めてまいります。また、新たに地域の課題解決やビジョンの実現に向けて部局横断で取り組む「地域戦略推進型公共事業」を実施してまいります。来年度は、諏訪湖を活かしたまちづくりを進めるため、観光振興や健康増進の視点も踏まえ、サイクリングロード等の整備を行うとともに、水質浄化に向けた水辺環境の改善工事などを市町村等とも連携しながら一体的に推進します。
 公共工事設計労務単価については、今月から国の改定に合わせて平均4.3パーセント引き上げたところです。また、「長野県の契約に関する条例」に基づく取組方針等を踏まえ、建設工事等に係る委託業務の失格基準価格の算定に用いる率を上限値、下限値とも5パーセント引き上げるなど、引き続き、建設関連産業の経営の安定化と労働環境の整備に向けた取組を進めてまいります。

(子育て・結婚支援)
 次に、子育て・結婚支援についてであります。
 子育て支援については、子育てに伴う経済的負担の軽減、子育てと仕事の両立支援、子育ての孤立化の防止及び様々な困難を抱える子どもや家庭への支援を柱とする「長野県子育て支援戦略」に基づき、引き続き充実を図ってまいります。本年度は、第3子以降の子に対する保育料の軽減支援や、子どもの医療費助成の対象拡大を行ったほか、新たに設置した「長野県子ども支援センター」において、いじめや子育ての悩みなど、幅広く子どもや保護者等からの相談への対応に当たっているところです。来年度は、新たに子育て支援員研修・認定制度を創設し、ファミリー・サポート・センターや一時預かり保育など、地域におけるきめ細かな子育てを支援いたします。また、保育士養成施設での修学や潜在保育士の再就職を支援するための返還免除型貸付金制度を創設し、保育士の確保を図ります。さらに、「信州母子保健推進センター」に母子保健推進員を新たに2名配置することにより、市町村の保健師に対する技術支援体制を一層強化します。
 結婚支援については、県内の結婚支援ネットワークの拠点となる「婚活支援センター(仮称)」を新たに設置し、結婚情報の一元化を図り、市町村や企業等と連携して多くの御縁がつながるように取り組んでまいります。

(国際交流の推進)
 次に、国際交流の推進についてであります。
 グローバル化の進展に伴い、地方といえども世界の国々との関係を抜きに様々な政策を語ることができない時代となっており、産業の振興、地域の活性化など本県の発展を図る上で、世界の国々との連携強化が益々重要となっています。こうしたことから、戦後70年という大きな節目である昨年を「国際関係再構築年」と位置付け、中国、アメリカ、オーストリア、台湾、韓国など、様々な国や地域と学術や文化、経済など多くの分野での交流を一層深化させました。
 来年度は、これまでの取組成果を活かしながら、海外との更なる交流連携を推進するため、庁内に有識者も交えた「国際交流戦略推進本部(仮称)」を設置するとともに、国際担当部長を新たに配置して部局横断で国際的な業務に対応する体制を強化いたします。
 中国については、昨年12月に、河北省及び北京市を訪問いたしましたが、河北省の張慶偉(ちょうけいい)省長をはじめとする方々との懇談も踏まえ、今後は大学間の学術交流や北京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた冬季スポーツ関連の連携、中国からの大学生のインターンシップの受入拡充など、幅広い交流に取り組んでまいります。アメリカについては、姉妹提携を結んでいるミズーリ州などが参加する米国中西部会などを通じた交流連携を推進するとともに、新たに県内経済団体等とも連携して、北米における次世代産業集積地域等との経済交流の促進を検討してまいります。オーストリアについては、県内音楽科の高校生18名をウィーンに派遣するなど音楽を通じた交流を推進するほか、林業技術者の招聘(しょうへい)など林業分野での実践的な交流・連携を進めます。台湾については、昨年、彰化県(しょうかけん)と締結した覚書に基づき、観光や訪日教育旅行の取組を積極的に進めてまいります。韓国については、昨年の訪問を契機に、冬季スポーツや観光面での交流促進を図るほか、成長著しい東南アジアについては、インバウンド誘致、農産物や加工品の販路開拓などに力を入れてまいります。

(スポーツの振興)
 次に、スポーツの振興についてであります。
 本年度は、上松町出身の御嶽海関の幕内昇進等の活躍、大町市出身の奥原希望選手のバドミントン世界大会における日本人初の優勝、冬季国体のスケート競技会における男女総合及び女子総合優勝など、私たち長野県民が元気になるうれしいニュースが沢山ありました。今後も、スポーツを通じて長野県を元気にするべく、スポーツの振興に取り組んでまいります。
 本年8月には全国中学校体育大会の陸上競技と剣道の競技大会が、そして、平成29年1月から2月には9年ぶりの冬季国体である「ながの銀嶺国体」が本県で開催されます。大会競技施設の整備や選手の育成・強化などに取り組み、万全の準備を進めてまいります。
 県立武道館の設置に向けては、昨年、有識者で構成する県立武道館基本構想検討会議から、武道館の望ましい機能・規模を取りまとめた報告書が提出され、県教育委員会において基本構想の策定に向けた方向性が整理されたところです。今後、教育委員会における検討結果を踏まえ、県立武道館の基本構想を策定してまいります。

(県民生活の安全・安心の確保)
 最後に、県民生活の安全・安心の確保についてであります。
 佐久警察署の建設など警察関連の施設について、地域の安全・安心を担う拠点施設として機能強化を図るほか、本年開催される様々な大規模イベントの警備に万全を期するため、装備機材等の充実を図ります。
 先月、軽井沢町で発生した多くの若い命が失われた大変痛ましい大型バス事故等を受け、県内に交通死亡事故多発警報を発令いたしました。引き続き広報啓発活動を推進するとともに、通学路の安全対策を進めるなど、ハード・ソフト両面で交通安全対策を進めてまいります。

【平成27年度補正予算案】
 次に、平成27年度の補正予算案について申し上げます。
 補正予算案は、一般会計84億3,554万2千円であります。
 補正予算案には、先ほど申し上げた農業の振興、防災・減災事業、「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略~信州創生戦略~」を推進するための地方創生加速化交付金を活用した事業などに要する経費を計上いたしました。
 一般会計補正予算案の財源としては、国庫支出金45億9,395万5千円、県債30億6,200万円、その他繰越金など7億7,958万7千円を見込み、計上いたしました。
 本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと、8,851億8,999万8千円となります。

【条例案ほか】
 条例案は、新設条例案4件、一部改正条例案22件の、合わせて26件であります。
 新設条例案のうち、「長野県手話言語条例案」は、手話の普及等に関し県の責務や県民等の役割、施策の基本となる事項などを定めるものであります。今後、この条例に基づき、手話が言語であるとの認識の下、ろう者とろう者以外の者が共に生きる社会の実現に向け、具体的な取組を進めてまいります。来年度は、県民向けの手話講座の開催、長野県手話ガイドブックの作成などにより、手話の普及を図るほか、新たに、ろう者の相談員を配置し、ろう者の立場に立って生活相談などにきめ細かく対応いたします。また、ろう学校の教員に対する手話の専門的な研修により技術の向上を図るとともに、児童生徒の手話に対する理解を深めるため、小・中学校、高等学校向けの学習用資料を作成します。

 事件案は、「包括外部監査契約の締結について」など23件であります。

 専決処分の報告は、「交通事故に係る損害賠償の専決処分報告」など13件であります。

 以上、今回提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議の程お願い申し上げます。

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