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最終更新日:2011年12月02日
 

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 村井知事と女性医師が語るつどい 』 会議録

                         平成22年6月5日(土)
                     15:00〜17:00
                           県庁議会棟 第一特別会議室   

目  次

事前説明
知事あいさつ
渡辺会長あいさつ
◎協議会委員との意見交換
   <現状説明 : 健康福祉部長
  <テーマ1 : 女性医師が働き続けるために必要なこと
           取組事例発表 : 篠ノ井総合病院長
  <テーマ2 : 男性医師を含めた勤務環境の改善について
  テーマ3 : 医師不足の現状について住民等への啓発
<参加者からのご意見>

1.女性医師支援に係る大学教育について
2.勤務医の勤務体系等について
3.常勤医師として働くことについて
4.医療の啓発について

知事あいさつ

 

事前説明
【司会】

 本日は「村井知事と女性医師が語るつどい」にご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。

私は本日の進行役を務めさせていただきます、長野県総務部広報県民課の青木弘と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の進行につきまして、私から事前にご説明をさせていただきます。最初に村井知事からごあいさつを申し上げ、続きまして、長野県女性医師ネットワーク協議会の渡辺会長様からごあいさつをいただきたいと思います。そのあと、女性医師の支援策等につきましてご協力をいただいております、長野県女性医師ネットワーク協議会の皆様方からご意見をお聞きしてまいりますが、こちらの進行は、渡辺会長様にお願いをいたします。協議会の皆様とのご意見を承ったのち、会場の皆様方からもご意見をいただく時間を設けたいと考えております。その際には、再び私のほうから改めてお声をおかけいたしますので、よろしくお願いをいたします。

 それから、本日のこの集会の会議録につきましては、お名前などの個人情報を除くなどをいたしまして、後日、県のホームページに公開をさせていただきますので、あらかじめご了解をお願いいたします。

 最後に、皆様のお手元にお配りいたしました資料でございますが、このあと、現状の説明と事例紹介をする際にご覧をいただきます、A4判の資料が封筒の中に入ってございます。それから、男女共同参画に関する冊子等を同封させていただいてございます。また後ほどご覧をいただければと思ってございます。私からは以上でございます。

 それでは村井知事、お願いいたします。

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知事あいさつ
【長野県知事 村井仁】
 
長野県知事の村井仁でございます。本日はご多忙の中、また土曜日でございますのに、多くの皆様にこうしてお集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。また、日ごろから県の医療行政にさまざまな形でご理解とご協力を賜っておりますことに、厚く御礼を申し上げるところでございます。

 女性医師ネットワーク協議会の先生方におかれましては、日ごろから県の女性医師支援の取組につきまして、渡辺会長のもとご議論を頂戴しておりまして、誠にありがとうございます。

 県では、依然として大変厳しい医師不足の状況に対応するために、医師確保というのを県政の最重要課題に位置づけまして、取り組んでおります。医師不足というのは、ある意味では日本の医療費がどんどん上がっていく、それはお医者様の数が増えるせいだというような判断がございまして、30年ぐらい前からでしょうか、お医者様の数を増やさない、医学部の定員を増やさないというような政策をずっととってきたこととも深くかかわっていることでございますが、いずれにいたしましても、そういう事態を県として放置するわけにはまいりませんから、一生懸命やってまいったつもりでございます。

 平成20年2月に、医師確保対策室というものを県庁内に設けまして、それ以来、より積極的、機動的に県内で働いていただくお医者様の確保に努めますとともに、女性医師をはじめ、勤務医の負担軽減に向けた支援策につきましても鋭意取り組んでまいっているところでございます。

 医療をはじめ、社会のさまざまな分野におきまして女性にご活躍いただくということが、社会の発展のために必要不可欠であるということは当然のことでございまして、医師につきましても、近年女性の割合が増えまして、全国の医師国家試験合格者のうち、3割を女性が占めるということになっておりまして、女性医師が出産・育児などのライフステージにおいても働き続けることができる環境を整えていくということは、医療の提供体制そのものを確保するという観点からも重要な課題になっていると思っております。

 県でも、本日ご出席いただいております女性医師ネットワーク協議会の皆様方のご議論を踏まえまして、女性医師の復職支援研修事業や、あるいは病院勤務医の働きやすい環境整備推進事業などの事業を実施しておりますけれども、引き続き女性医師の勤務環境の整備を支援してまいりたいと、このように考えるところでございます。

 本日は、女性医師支援に積極的に取り組んでおられます、篠ノ井総合病院の木村病院長にもご出席をいただきましたので、後ほど女性医師ネットワーク協議会の皆様との意見交換の中で、病院の取組などをご紹介いただくこととなっておりまして、この場を借りまして厚く先生にお礼を申し上げます。

 また、会場の皆様にも忌憚のないご意見・ご提言をお聞きしてまいりたいということになっておりますので、そして、そういうお声を健康福祉部長ほか、職員も出席しておりますが、検討して効果的な施策につなげてまいりたい、このように考えておりますので、どうぞよろしくご協力のほどをお願い申し上げまして、冒頭、私のごあいさつにさせていただきます。 

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【司会】

 それでは続きまして、渡辺会長様、お願いいたします。

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渡辺会長あいさつ
【長野県女性医師ネットワーク協議会会長 渡辺庸子 氏】
 
こんにちは。本日は、知事に直接お話しさせていただくという大変貴重な機会をつくっていただきまして、どうもありがとうございます。

 女性医師ネットワーク協議会が立ち上がりましたのは、ちょうど3年前なんです。第1回目の協議会が平成19年6月24日に開かれました。当時、私、県におりましたけれども、県内の医師不足、非常に深刻な状況でございまして、医療崩壊の危機という深刻な認識を持っておりました。そういう中で、女性医師の割合が比較的高い産婦人科とか小児科が次々と診療を中止するというような、そんな状況も出てきておりました。それと、今、若手医師の3人に1人は女性という、そういう状況の中で、やはり女性の医師が働き続けられないと医師不足というのは簡単には解決できないだろうという、そういう認識のもとでこの協議会を立ち上げました。

 委員の皆様方は本当に第一線で活躍されている医師の方達で、しかもキャリアも年齢もさまざまな方達でした。今まで4回ぐらい会議が開かれているんですけれども、非常に熱い議論が交わされまして、その議論の中から県の施策として、女性医師を支援する施策が打ち出されたわけですけれども、同時に国も同じような認識を持ちまして、さまざまなメニューや施策が打ち出されました。その施策だとかメニューが本当に使いやすいものなのかという、あるいは、本当に有効なのかという検証をそろそろしなければいけない時期になってきているのかなというようなことも感じております。

 本日は限られた時間ではございますけれども、有意義な意見交換にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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【司会】

 ありがとうございました。それでは早速、意見交換に移らせていただきたいと思います。司会は渡辺会長さんにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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◎協議会委員との意見交換

【渡辺会長】

 これからは私のほうで進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 今日は、女性医師にかかるさまざまな問題につきましてご意見をいただくわけでございますけれども、議論を深めるために、最初テーマを決めて意見交換を行いまして、その後、テーマ以外についても時間の許す限りお話ししていきたいと思います。なお、発言される際は挙手をしていただきまして、指名をいたしますので、マイクを持ってご発言していただきますようお願いいたします。

 本日のテーマですけれども、3つ設けてあります。1つ目は「女性医師が働き続けるために必要なこと」、2つ目が「男性医師を含めた環境の改善について」、3つ目は「医師不足の現状について住民等への啓発」の3点にしたいと思っております。

 それでは、意見交換に入りたいと思いますけれども、その前に女性医師を取り巻く状況につきまして、健康福祉部の桑島部長からご説明をお願いいたします。

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<現状説明>

【健康福祉部長 桑島昭文】      ※説明資料は、こちらからご覧ください。(PDF形式: 122KB/3ページ)

 健康福祉部長の桑島でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは私のほうから、資料で2枚紙でございますけれども、女性医師を取り巻く医療の現状についてということで、資料をお手元にご用意してございますので、それに基づいてご説明をいたします。

 まず都道府県別の医師数でございます。全国平均が、人口10万人当たりの212.9人というのが一番直近の数字でございまして、長野県は残念ながらそれを少し下回ってございまして、196.4人ということで全国で33位ということでございます。

 それから次の数字を、下のグラフ、2番のグラフでございますけれども、女性医師の増加についてご覧いただこうと思ってございます。このグラフは長野県の数字でございまして、ご案内のとおり、医師数のピークは4549歳のところで、約600人くらいの方々が長野県にいらっしゃるわけでございますが、それをピークにだんだん下がってきてございます。これは先ほど知事のあいさつの中にもありましたけれども、医師数を制限してきたと、医学部の定員を削ってきたという背景もございますが、そうした中で、このような数字がご覧いただけると思います。

 その中で特に着目をしていただきたいのは、ちょっと色が濃くなってございますけれども、女性医師の割合でございまして、全体で見まして大体3分の1が女性医師になってございます。年齢が若いほどと言いたいんですが、29歳のところは若干傾向は違いますけれども、それまで大体若い方々のほうが圧倒的に女性が多くなっていくという傾向にございます。

 それから3番でございますが、女性医師の割合の高い診療科ということで、渡辺会長さんのお話にも出てまいりましたが、小児科と産科については、女性が圧倒的に割合が多くなってございます。このグラフをご覧いただきますとおり、特に3034歳のところで62.3%、これは全国の数字でございますが、女性医師がもう半分以上、6割を占めるというような形になってございます。

 それからもう一つ特徴的なのは、29歳までのところ、圧倒的に人数が減ってございます。それまで1,200人いらっしゃったところが半分近くになると。これは皆様方ご案内のとおり、女性医師に限りませんけれども、この産科、あるいは小児科に新しく入局されるといいますか、この分野に入っていらっしゃる先生方が圧倒的に少なくなったという現状を示してございます。

 それでは次のページをおめくりください。次は女性医師就業に関するアンケートを、実は平成19年に信州大学さんと協力をいたしまして集計をさせていただきました。女性医師462人の方にアンケートを出させていただきまして、約半分でございますが、204人の方から回答をいただいてございます。大きく3つに分けて分類してございますけれども、常勤の方、非常勤の方、もう既に離職をされている方ということで、まとめております。

 それで、1つ目でございますが、仕事を中断されたというその理由について、1つ目のところで答えをまとめてございます。まず常勤の方々に回答をいただいてございますが、一番上に書いてございますが、「出産を契機に」という方が31名ということでございます、出産を契機に一旦はおやめになっていると。それから、非常勤の方については「育児」、それから「夫の転勤」というような、ここにご覧いただきますとおりの理由から、一度おやめになっていると。それから、既に離職をされた方々については、「出産・育児を機に」と。合わせてみても、やはり出産ですとか育児がやはり主な理由ということになってまいります。

 それから非常勤、あるいは離職をされた方に、常勤というのを継続するためには何が必要なのかということでまとめてございます。非常勤の方については、どのようなサポートがあればということでお聞きしましたところ、「当直、呼び出しの免除、軽減」、それから「病児の預かり施設」、あるいは「親が近くで面倒を見てくれたら」と、こういうような、ご覧いただくとおりのところでございます。それから、既に離職をされた方については、それに加えまして、「夫の理解」、あるいは「医局でのサポート」、こういうようなこと、あるいは「病児保育」等々でございます。

 それから最後、常勤の先生の方々に聞いてございますが、やはり先生方がやりがいを持って、モチベーションを保っていただくことが一番、続けていかれるには必要なことだろうということでございますが、どういうことに一番やりがいを感じられるかということをお示ししてございます。特に「一人の患者さんを最後まで責任を持って診ることができる」、あるいは「ご自分のキャリアアップ、レベルアップ」、それから「責任感」というような、こういうお答えをいただいてございます。

 もう1枚、おめくりをいただきますが、これが私ども県が医師確保対策で、特に女性医師に限りませんけれども、医師確保対策事業を系統立ててお示しをした図でございます。

 大きく3つの柱にしてございますが、一番上は「医師確保対策の推進」ということで、平たく申しますと、多くの先生方を県外から集めてくるというようなことでございます。

 真ん中の柱が、「医師の勤務環境の改善」ということで、これも一言で申しますと、ちょっと言い方はあれでございますが、やめさせないと、やめていただかないと、ずっと働いていただくというようなことでございます。

 それから3つ目の柱が、「産科・小児科医療等の確保」ということで、非常に厳しいということを私どもも認識をしてございますので、そういう特化した診療科の支援ということでございます。

 それぞれ幾つかの事業がございますが、一番上の柱でございますが、「ドクターバンク事業」、これも既に平成19年から実施してございますが、既に44人の先生方がこの事業を使って私どもの県に、長野県に来ていただいたというようなことでございますし、一つ飛びますが、「研究資金の貸与」でございましたり、一番下にありますが、「医学生の修学資金」を既に75人に貸与しているというような状況にございます。

 それから2つ目の柱でございますが、ここに女性医師関係の支援いろいろとまとめてございます。一番上が「病院勤務医が働きやすい環境づくり」というようなことですとか、「女性医師の先生方が復職される場合の研修」、それから、本日ご参加いただいてございますが、「女性医師ネットワーク協議会」、それから、地域の住民の皆様方にこういう現状をよく知っていただこうということで、「地域医療をともに考えるシンポジウム」というものも開催をさせていただいてございます。

 それから最後の柱ですが、「産科医・救急医等に対する手当への支援」、さまざまなものを用意させていただいてございます。それから、直接、医師ではございませんが、産科を支援するという意味では、「助産師の支援」というようなことも実際にやらせていただいているところでございます。説明は以上でございます。

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<テーマ1:女性医師が働き続けるために必要なこと>  
【渡辺会長】

 ありがとうございました。それでは意見交換に入りたいと思います。テーマ1「女性医師が働き続けるために必要なこと」ということで、協議会の 方達からご意見をいただきたいと思いますので、どうぞお手を挙げてください。

 今日は協議会のメンバー以外の方達もいらっしゃいますので、女性医師が働き続けるためにどんなことが必要なのかということも、住民の 方達にも知っていただきたいということもございますので、現状でも結構ですし、また提案でも結構ですので、自由に出していただきたいと思います。

 

【○○医師(A委員)】

 私は、一番女性医師の割合も高いし、離職も多いという産婦人科の医師ですけれども、私は子供3人を育てていまして、今は弟とともに実家で開業しております。

 第一子を出産した時には総合病院に勤務していましたので、そちらで産休をいただいて、でも、さすがにちょっと忙しい病院だったので、育児休暇ということはいただくことはできなくて、出産後1カ月弱ぐらいで復帰して、当直も、本来であれば免除になる対象ではあったんですけれども、産婦人科医という現状の中でそれはなかなか難しいということで、できる限り当直ということもやりながら仕事を続けてまいりました。

 今、開業しましたので、非常に待遇面では、特に時間とか子育てに対する時間というものは非常に確保されておりまして、現状に満足はしている状態です。

 私たちのような女性医師が、子供を持ったり家庭を持ったりして働くために一番大事なのは、いろいろな自由とかを認めていただく。それは例えば勤務時間とかもそうなんですけれども、大きな病院では、当然、就業時間が決まっていますので、その時間内に出てくるのでなければいけないという発想ですけれども、開業すれば、子供の保育園の時間に合わせて、もともとは、父がいた 頃は8時半からやっていましたけれども、私に合わせて9時半から開始させていただいたり、そういうことが開業することによって自由を得られるということなんですよね。なので、病院勤務医から開業医に、開業できる科はどんどん開業するという流れになっていくのが、今、勤務医の減少につながっているのではないかと思っているんですよね。

 ですから、もしこれからきっとそのような、こういうふうにしたら病院も変わるというようなことを篠ノ井病院からのお話があると思うんですけれども、病院の中でもそのような対応が可能になってくれば、また現状が変わってくるのではないかというふうに思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。○○先生(B委員)。

 

【○○医師(B委員)】

 今、○○先生(A委員)のお話もそうなので、私も3人の子供を育てましたけれども、ほかのいろいろな企業でフレックスタイムを導入するとか、それから医療関係でも、看護師さんたちは、結構、勤務交代で交代制ができているのに、どうしていつも医者だけが、別に女性医師だけではないんですけれども、どうして医者だけが本当に24時間勤務のような形にならなければいけないのかなというのを、もうずっと前から思っていました。

 最近はやはりそういうことで、篠ノ井病院さんのようにいろいろと努力をしてくださるところも出てきましたので、だんだんにこれからは待遇改善といいますか、そういう時間的なものとかは徐々に変わっていくとは思うんですけれども、もう少ししっかりした、例えば当直明けは休みがとれるとか、そういうような体制が少しでも多くの医者がとれれば、全体に大変働きやすく女性も子供を育てやすくなるのではないかなと。

 女性の子育てはとても大切なことなので、やはりないがしろにしてはいけないと思いますし、そういうことでもう少し変わっていけたらいいのではないかなと思います。

 

【渡辺会長】

 ○○先生(C委員)、お願いします。

 

【○○医師(C委員)】

 先ほど資料の中で「仕事の中断について」というところがありまして、出産を契機にやめた方が31人というふうに書いてあります。でも、これは本人が希望して出産時にやめたということの数ではないというふうなことが、私、長野市の女性医師委員会としてアンケートをとりましたときに、いろいろ書いていただいたところの中にありましたのは、産休をとると病院自体が困るから、産休の前に、お産の前にやめなさいと、はっきりした言葉で言ったのかどうか、それはどうかわかりませんけれども。要するにかわりがないんだから、お産で休まれても困るから、その時点でやめてしまって、また働けるようになったときに再就職しなさいと、そういう感じでやめられた方がかなり多いんだと思うんです。

 ですから、この出産を契機というのは、女性医師本人がこれに対して意見、こういう意見、希望があってやめたのではなくて、体制自体が整っていないので、ちゃんとした産休を保障されていれば、この 方達は続けられたという方がかなり多いんだということを言っておきたいと思います。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。今日はたまたま病院勤務の先生がちょっと少ないんですけれども、病院勤務の先生が○○先生(D委員)ですね。ちょっと○○の現状等もお話いただきながらご意見いただきたいと思いますけれども。

 

【○○医師(D委員)】

 私は○○の医学教育センターの仕事をさせていただいているので、女子学生、医学生と接する機会があります。それから小児科医なので、周りには同僚も先輩の先生方も女医さんがたくさんいる中で働いています。

 長野県の中でも小児科医が不足しているということで、地域によっては小児科医が、今までいたところにいなくなってしまったりということで、迷惑をおかけしているところもあるかと思う科の小児科なんですけれども。

 実際、今、○○先生(C委員)がお話しくださったように、出産を契機に常勤をやめなければいけない状況というのが、そこでもし産休をとった場合に、その病院自体は医師数が減る。その医師が減った分を埋めるために、例えば小児科の場合には、大体、長野県内が大学からの派遣医師で関連病院という形で担っている病院が多いので、大学からの派遣を依頼するんですが。そうすると、病院としてはもう一人、医師を半分雇うような形になるんです。ですが、大学としても、なかなかコンスタントに派遣できるような医師に余裕がないということで、その両方の理由でなかなかうまくそれが回らない状況があると思います。

 本当はもともと病院自体に、例えば5人、6人、7人と余裕があって、1人が産休をとっている間、パートという形で少し大学からサポートで出ながら、それを維持しながら、戻るときには、産休明け、または育休明けに戻るポストがしっかり残っているという 、医師数に余裕があれば、またあとは具体的には、おそらくその病院経営にもかかわってくると思うんですけれども、お金の面でそういう保障してもらえるような余裕があれば、うまく回って行くのではないかなと、常々、本当に思っています。そういう体制ができ上がってきてうまくそれが回ってくるようになれば、もう少しいろいろなところが医師の数として潤ってくるのではないかと思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。○○先生(E委員)、どうぞ。

 

【○○医師(E委員)】

 私は今、単科の精神科の病院に勤務している者ですけれども、私の病院では、今、医師が常勤で11名おります。その中で、今、育児をしながら働いている女医さんという方がいるんですけれども、もちろん病院としても彼女が働けるようにということで、いわゆる 有休だとかそういったところで優遇をしたり、または残業や夜勤がないという形でしております。

 ですけれども、もちろんそれは出産だとか育児だとか、そういったことにかかるというのは、男性医師も皆さん理解はしています。そして、私の病院で働いているその女性の先生の、比較的同意を得られやすいというか、その姿勢というのは、自分が日勤帯で仕事をしている間はできることは何でもやりますということで、積極的に新患をとっていただいたりだとか、自分が夜勤とかでできない部分というところで努力をしてくださっているんですね。

 それと、自分がやはり当直だとか、そういった勤務に入れるようになったら、きちんと戻りますということを意思表示してくださっています。やはり女性医師にとってというのは、子育てもできるという条件がそろっているということも必要ですけれども、やはり助けてもらったりだとか、ちょっときちんとできるような体制を整えてもらえるのであれば、そのあと、それをちゃんとお返ししますというような気持ちというのを表現しておいていただいたりとか、そういう姿勢を示して働いていただければ、 お互い、ともに気持ちよく援助もできるし、受けられるということがあるのかなと。

 だから女性医師もいろいろ整えてもらいたいこともありますということだけではなくて、それに対して、私たちもこれだけのことはやりますというところをきちんと意思表示するというのが大事なのかなというふうに感じています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。○○先生(F委員)。

 

【○○医師(F委員)】

 女性医師がというか、女性が仕事を続けていくために何が必要というのは、これはもうみんな共通したものがあるんだろうと思います。

 その上であえて女性医師がというふうにつくと、今までもいっぱい意見が出ておりますけれども、やっぱり今の病院における女性、男性を問わず、医者が置かれている就業の、あるいは就労の状況というのを改善しないと、なかなかこれはうまくいかないんだと思います。

 例えば先ほど出ていました、夜勤をやって、そしてどうして次は休みでないのか。でも休みでないのが当たり前になって、今、私どもは、私は今もう開業していますので夜勤はございませんが、仕事をしている。場合によっては、月の超過勤務時間が100時間とか、あるいは200時間という、こういう労働の契約を結んでいるような病院がまだたくさんある。実際に病院に勤務していれば、私どもも時間を計算していけば、ひと月に100時間、200時間というのはざらにありました。でも、これを解決していかないとなかなか、では女性医師だけがという突出した格好の問題を解決していく。これでは医師はなかなか納得できません。

 今、○○先生(E委員)言われたように、女性医師がやっぱり頑張ってやっていても、でも女性医師がやらなければいけないこと、ここはできないと、できないときがあるわけです。でも、またできるときがあるわけです。それをきちんと女性医師の側が表明しながら男性の医師とうまく協力をしていく。

 やっぱりそこには私たちがごく普通に、別に憲法で生存権と言われなくも、普通に健康で、そして文化的な最低限の生活ができるという仕事環境が保障されないと、うまくいかないんだろうというふうに思います。

 私は二人子供を育てましたけれども、一人はほとんど勤務医の間、一人はほとんど開業医の間でした。開業してからの子育ては、ある意味、非常に楽でした。それは私自身がかなり自分で自分なりの時間の使い方、仕事のやり方ができたからです。

 ぜひとも病院にお願いをしたいのが、いろいろな子育て支援の施策をつくっていただくのは、これはとてもいいことなんですけれども、でも逆に最近は、私は若い先生方を見せていただいている、一人一人の先生方が、子育てをしている先生方が、私はどういう仕事ができるという、その仕事がどうやったらばできるかという、一人一人の仕事の仕方をどうやって病院が受けとめていくかというところで、病院に考えていただいたほうがいいのかなと。

 一つのパターンをつくっても、なかなか、今、若い先生方、あの方にはうまくいくけれどもこの方にはうまくいかない、この方にはうまくいくというような格好で、非常に個別的な支援策というのが今、必要なのかなというふうに、自分の娘を見ながら思っています。自分の娘、30歳を過ぎても結婚しないで仕事していますけれども、親は自由にやれというふうには申しておりますが。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。○○先生(G委員)、どうぞ。

 

【○○医師(G委員)】

 今、ここに長野県のデータがありますけれども、日本医師会のデータでも、やっぱり女性医師の勤務環境の現況に関する調査は、離職で多いのは、出産で70%、子育てで38%なんですね。一番の悩みは家事と仕事の両立ということが一番でした。

 それで、まず私が思うのは、育児休業をとれる環境づくり。要するに男性でも育児休業を取得できるような、そういう環境づくりが大事だと思うんですね。

 学校の先生は、男女とも同じように勤めていて権利も同じで、育休をとりながら、また勤め上げていますよね。定年まで勤め上げていますよね。そういうふうな形にできるようにしていければいいなと、いつも思っているんです。

 それが、もう今は産休もきちんととれないような状況だということは、やっぱりそこに医師不足という問題があって、男性の勤務状況をまずよくする。その上で女性もよくしていくということが大事だということもあります。

 それともう一つ、私はいつも思っていることは、出産を契機にやめてしまうとか、それから育児、子供がいるからやめてしまうという、その一つの根底に、何かやっぱりモチベーションの低下があるということをいつも考えています。

 女性医師にせっかくなったのに、何とかしてでも、少し休んでもいいから続けたいという気持ちがどこかでちょっと途切れる場合もあるのではないか、それでやめてしまって、やめてしまうと、またもう一回再開するのがすごく大変なんですね。そこら辺のところをうまく何 とか乗り切って、子育てが終わったらまたしっかり常勤になれるとか、そういう環境づくりも大事ではないかなと思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。本日は、篠ノ井総合病院長の木村先生が見えております。

 木村先生には、病院のほうで女性医師支援の取組を行っているということがございますので、その点と、それと今日、女性医師のほうからいろいろ出された制度的なもの、あるいは管理者としての考え方もおありだと思いますので、その点も含めてご発言いただきたいと思います。

 

<事例発表>

【篠ノ井総合病院長 木村薫 氏】  ※説明資料は、こちらからご覧ください。(PDF形式: 12KB/1ページ)

 篠ノ井総合病院の木村でございます。座ったままで失礼します。

 我々のところが特別何かすごいことをやっているというふうには私は思っておりません。

 初めにやったのがワークシェアリングです。この表の中の(2)にワークシェアリングがあります。これは小児科医が足りなかったものですから、信州大学附属病院長にお願いしましたところ、ワークシェアリングなら勤められる人がいるからというお話がありました。それで週1日だけダブりますが、週3日ずつ勤務していただいてやってみました。それは一人の方がもう一人お子さんができて崩れてしまいました。

 今現在 、放射線科医が2名でワークシェアリングをしていただいています。それは、女性医師支援をやっていたという実績があったので、信州大学の放射線科の教授から、先生のところではどのような女性医師支援をやっていますかということを聞かれまし た。それでお答えしたところ、ワークシェアリングを希望している人がいるからどうでしょうかというお話になりまして、現在、ワークシェアリングを週3日ずつやっていただいています。

 常勤待遇ですので、社会保険料とか年金は 、もちろん厚生年金になりますし、それから一般医師と同じですので、当院では学会へ行く出張補助とかいろいろ支援しています。金額的には給与は半分に分けますので、月の収入はパートとそんなに変わりがないみたいですけれども 、ボーナスはもちろん出ますし、社会保険料 など、いろいろな面でワークシェアリングのほうが条件がいいかなということでやっていただいています。県のほうからも補助をいただきまして、ありがとうございました。医師には切れ目なく、長くキャリアを積んでいただ くことが重要です。途切れることによってモチベーションが下がったりとか、あるいは現在の新しいこの日進月歩する医療についていけないというところがないとか、そういう面での不満の解消には非常によかったなと思っており、今も続いております。

 それからベビーシッター補助というのは、ベビーシッターの会社と病院が契約しまして、何かあったときにベビーシッターさんに24時間来ていただくというサービスです。

 これは産婦人科の先生で、出産されまして復帰されたときに適用しました。この先生は実家が県外で、旦那さんもドクターでしたので、お子さんが病気になったとき、 例えば熱が出たときなど、保育園から引き取ってこなければいけません。非常にそういうことが大変だということで、子供が病気になったようなときは、ベビーシッターさんが保育園に行ってつれてきて、病院の中にある託児施設で子供を見ていていただいているというようなシステムです。

 実は、このお子さん、 0才児のとき中耳炎になって熱が出て入院されたことがあるんですけれども、入院されたとき、ベビーシッターさんに、お母さんのかわりにつき添いもしていただいて、その間仕事をしていただきました。それから、手術とかで 保育時間が延びたような場合は、電話をかけるとすぐに保育園からつれてきて、病院の保育所で待っていただくというようにしていただきました。仕事を再開されて半年ぐらいたって少し慣れてきたところで、セカンドコールという、産婦人科の帝王切開、緊急帝王切開のときは、ファーストの医者がまず呼ばれて、それから手術の助手をやるセカンドがいるんですけれども、そのセカンドコールをやっていただきました。そのときは、病院の官舎の隣の空き官舎を使いまして、その空き官舎にベビーシッターさんに、当番の日は待機していただいて、呼ばれたらすぐに交代して見ていただくというような方式でやらせていただきました。あとたまに、飲み会とかそういうときも、ちょっとベビーシッターさんにお願いしたりして、そういうところは非常によかったと思います。

 あと宿日直免除というのは、これは循環器科にもうずっと長く、数年勤めていただいているパートの先生がいらっしゃいまして、ほとんど常勤と同じくらいの仕事をしていただいていたんですが、個別にお話しをして、常勤になっていただけませんかというお話しをしましたら、常勤は当直があるからできないというふうに言われましたので、それではということで、一番下のお子さんが小学校在学中までは当直を免除するという規定を自分で勝手につくりまして、勝手につくって勝手にやってしまったんですけれども。今もずっと続けていただいていまして、もうベテランですので、役も医長という肩書きをつけさせていただきました。卒業以来、初めてこういう役をもらったというようなことを言われまして、非常に喜んでいただきまして、今も頑張ってやってもらっています。

 いろいろやってみたんですけれども、結局、一人一人みんな違うんですね。状況が違うので、状況に応じた対応が、例えばワークシェアリングがいいという人もいらっしゃるし、それから、ベビーシッターサービスがいいという人もいらっしゃいますし、宿日直を免除してほしいとか、いろいろな、その人その人によって困っているというか、こういうのはできるけれども、こういうことはできないとか、そういうのがみんな個々に違うんですね。ですから、よくお話しをして、その人に合った働き方といいますか、そういうのを探してあげるのが大事かなというのはありました。

 それからもう一つは、周りの医者がまた大変なんです。周りの医者を説得しないといけないわけですね。ですから、たまたま産婦人科は周りが全部男の医者だったというのがよかった。逆に女性ばかりだとちょっと大変だったのかもしれません。周りの医者の理解がないと絶対に続けられないと思いますし、医者を説得する、男性の医者をはじめとして周りの医者を説得するのがなかなか大変であります。

 どうしても夜勤ができないということになると、残っている医者が当然やらなければいけないわけですから、やっぱり周りの医者を説得するのがなかなか難物ではありました。でも協力していただいて、今、ここでこの先生を手助けをして、頑張っていただいてやめないでやっていただければ、いずれ将来、子供が大きくなって手が離れてきたときに、絶対戦力になるからと言って説得をしてやっていました。そのベビーシッターをつけた先生が大学の関係で、1年ぐらいで 別の病院に行かれまして、その病院ではあまり援助してもらえなかったみたいで、結局仕事をやめてしまったということもあって、なかなかその辺が難しいといいますか、でも、ぼくらとしてはやっぱり自分たちの病院だけのことだけではなくて、県内に少しでも長く続けていただける人が増えればいいなという気持ちでやりたいと思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。それでは、今までのお話を踏まえまして、知事、一言、よろしくお願いいたします。

 

【長野県知事 村井仁】

 本当に、それぞれ先生方のお話をお伺いしていまして改めて感じましたことは、今の勤務医の生活が極めて過酷だということです。

 私はいわゆる事務屋の官僚、役人の経験者でございますけれども、正直申しまして、むちゃくちゃ忙しい暮らしを50歳ぐらいまでの間 、したと思っておりますが、それにしても超過勤務手当というのは、私ども実はほとんどもらったことがないものですからといいますか、定額しかもらえないものですから、超過勤務手当というのはあまり認識がないんですが 、少なくとも、100時間とか150時間とかという程度の超過勤務は事実上したと思います。ただ200時間というのはやっぱり相当なものだと思いますし、それから、先生方の本当に大変なのは、夜勤明けで、またそのまま診療に携わられるというのは実は実態になっているということ、それで何日も若い先生方がお続けになるような事態になっているということも聞いておりますが。そのことを改めて、今日、先生方からそれぞれお伺いをいたしまして、大変なことになっているなという思いであります。

 ただ、これ本当に、今、木村先生からいろいろなご工夫のお話がありましたが、世間ではお医者様はそれなりにもって遇されているというふうに思われているんですけれども、実際、結構大変でいろいろ、厚生連の総合病院ですから、それなりにご工夫になっていろいろおやりになったんでしょうが、それでも逃げられてしまったといいますか、おやめになってしまったというようなお話をお伺いしまして、大変だろうなということを改めて感じております。

 私、今の話をお伺いしながら、実は長野県として直接関係、責任を持ちますのは県立病院なんでございますけれども 、県立病院が、硬直的な公務員による公務員の医師、看護師等々による病院ということでは、なかなか経営の自由度がきかない。今、お話が出ましたような個別の対応などはとてもできない。勤務時間が何時から何時までと崩せない。これではだめだと思いまして、実は地方独立行政法人、しかも非公務員型というのをとりまして、それで割り切ったわけでございます。成果がどういうふうに出てくるかわかりませんけれども、私は今のお医者様をめぐる環境のもとでは、それしかもう対応のしようはないと思っております。

 ただ、それを申し上げた上で、いつも感じていることですけれども 、日本は結構豊かな国でございまして、いろいろな資源が相当使えるんです。それにもかかわらず、そして、世界最高の医療も供給できるような能力があるんですけれども、しかも国民皆保険で、どのお医者様にもかかれるという非常にすぐれた健康保険制度、これがあるにもかかわらず、医療費が高くなるのをどうやって防ぐかという1点だけで、先生方にも、また看護師さんにも、その他サブメディカルの皆様にも大変負担をかけることになってしまっている、非常に残念なことだなと思っています。

 医師不足の問題も考えてみますと、平成16年の研修制度の改変でその問題が露呈しましてから慌てて、ある意味 では、医師の養成数 を膨らましているわけでありますけれども、なかなかこれがまた大変なことでありまして、そう急場に間に合うことではない。

 それにしてもこういうことになったということを、私どもにとりましては県民の皆様に、それから国の立場で言えば国民の皆様によくご理解いただいて、どうしたら協力できるかという体制をつくっていくことが、多分、大事なんだろうということをしみじみ感じながらやっているところであります。

 あまりコメントになりませんけれども、いや、もうショックを受けております。

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【渡辺会長】

 ありがとうございました。桑島部長、ちょっと教えていただきたいんですけれども、以前この協議会の中で、子供がいても予定された時間外勤務だったら何とか対応できると。急にいろいろやらなければいけないときに、子育てがかなりネックになって働き続けられなくなるというようなお話があったと思うんですけれども。

 そういう中で、木村先生が言われたような、例えばベビーシッターだとか、そういう取組というのは、県内では広がりつつあるんでしょうか、病院では。

 

【健康福祉部長 桑島昭文】

 今、会長からご指摘いただきました、実はそういう補助金のメニューも実はございます。ただ、ご指摘のとおり、それ自体がご存じいただいていないのか周知できていないのか、あるいは、私どものいろいろな制約をかけているところで問題なのかわかりませんが、なかなかその補助金自体はお使いいただいていないのが現状でございまして。また、そういうところは現場の先生方からご意見いただきながら、ただ一方で、国のほうの補助金の要綱もございまして、私どもが決めたいところ以上に縛りがかかっているところがあったりしますので、そういった部分を県単で少し広げながらというやり方もあろうかと思いますけれども、今のところ、なかなかお使いいただいていないところが現状でございます。 

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<テーマ2:男性医師を含めた勤務環境の改善について>

【渡辺会長】

 ありがとうございました。それでは、テーマ1は閉めまして、テーマ2「男性医師を含めた勤務環境の改善について」に入りたいと思います。

 女性医師が働き続けるためには、病院に勤務する医師全体のことを考える必要があると思います。先ほど木村院長からもお話ありましたけれども、やはり女性医師に特別な対処するためには、周りの医師の了解を得るのが大変だという、そんなご意見もございましたけれども。やはり医師全体の勤務環境の改善をしなければ、女性が働き続けるというのは非常に難しいというような現状もございますので、それについてご意見をお伺いしたいと思いますけれども。

 どうぞ、○○先生(F委員)。

 

【○○医師(F委員)】

 私、ネットワークのときにもお話をしたことなんですけれども、絶対的な医師の数が足りないということについては、もうみんな共通認識だろうと思うんですけれども、足りないからしようがないと言って、じっとがまんするわけにはいきませんので、具体的にこれだったら、もしお金をいただけたらばやれるかなということをお願いしようかと思っているんです。

 今、確かに日本では医師は圧倒的に少ないです。でも、医師の日常の業務の中で、本当に医者がやらなければいけない仕事はどれだけですかと言われると、実は医者はやらなくてもいい仕事がたくさんございます。

 私、実はアメリカにいたときに、夜中に虫垂炎の疑いで救急車を呼んで病院に入院したことがあるんですけれども、4日間入院いたしました。そのときにつくづく感じたのは、書類を書くのはもう書類を書く人です。それから、看護師さんは看護師さんの仕事です。私が検査のためにベッドから検査のところまで行くとすると、むくつけき男が車いすを持ってきて、彼はトランスファーだけやっていくんですね。人をそこまで移動するだけの仕事でついている。そうすると、医者を増やしていくのはなかなか難しいんだと思うんですけれども、でも医者の仕事を支えていくスタッフを増やしていくことは、もうちょっと早くできるのではないかと思います。

 電子カルテというのも、これも前にも申し上げたんですけれども、電子カルテにしましょう、確かに便利だろうと思います。でも、今のシステムでは、電子カルテに打ち込むのはすべて医者です。医者は電子カルテを打ち込みながら、医事課の職員がやっていた請求事務まで自分の電子カルテの中で仕事をしていきます。こんな無体なことはないんだと思います。やっぱりできるだけ医者が医者の仕事だけでいいようにしていく。

 私がいた病院では、もう何十年も前の話ですからわかりませんけれども、外来をやっている医者は、外来をしているときに所見をすべてテープに吹き込んでいました。そのテープは、その外来のドクター付の秘書さんが、外来が終わったあと全部打ち込んで、そしてカルテになって、次の日の朝、そのドクターの机の上に載っていました。おかしいなと思うとそれを直せばいいわけです。これ全く電子カルテで、今、私ども日本の医者が求められているものと逆のことなんですね。

 やっぱり医者は医者の仕事だけで何とかやれれば、かなり今の、例えば医者が少なくとも10万人少なくても、女性医師が休んでしまって少なくても、でも、そういう解決の仕方というのはあるんだと思います。せめて医療クラークを、きちんとした資格を持たせて、そして、できれば県立病院の中に、今の医療の中のあんな少ない数ではなくて、1人の医者に、あるいは2人の医者に1人ぐらいの医療クラークがつくぐらいの仕事をやってみて、これだったらいけるということをぜひとも、ほかの病院にも発信をしていただきたいと思うんです。

 これはぜひとも、お金さえあれば私はできるのではないかと。そして、医療クラークをきちんと教育をすればできることだろうというふうに思います。お願いいたします。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。ほかにご意見、いかがでしょうか。○○先生(A委員)、お願いします。

 

【○○医師(A委員)】

 先ほど木村先生からのワークシェアという話があったんですけれども、これを見ると、同一診療科を専門とした子育て中の女性医師同士という形で、女性同士がワークシェアしているんですよね。私はそうではないと。そうなると、やっぱり先生おっしゃったように、周りの男性の医師に負担になるので、それを受ける女性医師も、みんなに負担をかけて私は時間をもらっているという形で、非常に心苦しいですし、ほかの先生方もお荷物を背負うという意思がどうしても抜けないと思うんですね。同じ境遇の女性同士だと、休みたいとき一緒なんですね。例えば運動会の日は一緒ですし、そこで結局ワークシェアをしようと思ってもお互いに、ではじゃんけんをしてという感じになってしまうこともあるので、できれば男性と女性でワークシェアをしたらどうかなというふうに思うんですけれども。

 うちは弟と私でワークシェアをしているんですけれども、先日、弟のところに赤ちゃんが産まれたら、弟が育児休暇をほしいと言ったので、では私が1週間頑張って働きますとかと言って働いて、弟は上の子たちにお弁当をつくったりしていましたけれども。

 ですから、男性が、またそもそも24時間働いて当たり前という感覚も、私たち、そうしてきたんだという、特に木村先生とかはずっとそういうふうにして苦労されてきた先生から、若い私たち医師は、こんなに苦労して患者さんのために尽くすんだということを言われて、そのとおりだと思うんですけれども、男性の医師ももう少し休めたりしたら、もっと女性医師のことを快く受け入れてくださるのではないかなというふうに思って。

 例えば当直を男性医師がしてくれるのであれば、もう午前中の外来は全部女性医師がやって、男性医師はその間寝るとか、そのぐらい考えを抜本的に変えていくと、もっと男性医師も含めて、男性医師だって、やっぱり学校に行くとか授業参観に出るとかということだって、社会的な中では重要なことだと思うので、そんな形で、ワークシェアの形も徐々にいろいろな形を模索していただければいいかなというふうに思います。

 

【渡辺会長】

 木村先生、その点、いかがでしょうか。

 

【木村病院長】

 大変いいアドバイス、ありがとうございました。

 確かに、これは子育ては女性がするものというふうに決めてつくったような形跡がなきにしもあらずなんですけれども。大阪のほうの病院では、男性も女性もみんな平等にやっているところがあるみたいですね。そして、大勢の人をバンクみたいにして、その中で、自分たちの都合に合わせて組み合わせをつくったりとか、やっているようなところがあるみたいですね。

 ぼくらとしては、やっぱりそういう情報がないんですよね。ワークシェアリングするにしても、今、大学の医局が主導してやってもらっているんですけれども、県でもやっぱり何か、そういうバンクみたいな、ドクターバンクの中に、そういうワークシェアリングの人たちもやっていただけると非常にいいと思います。

 

【○○医師(C委員)】

 今、○○先生(A委員)がおっしゃられたことと同じなんですけれども、今の社会で女性医師の問題はもちろんなんですけれども、男性の医師でもお子さんがいなかったり、家庭がない、一人でやっていらっしゃる女性の医師もなんですが、当直をやって次の日も、それからまた次の日も、最大で何十時間も働いているというのがアンケートで結構出ているんです。そういう働き方というのは、ほかのところにはないことなんですね、ほかの職種では。だから48時間、60何時間続けてぶっ通しで働いて、それで当たり前なんだというそういう認識を、医者の側自体も異常なんだということを訴えていかないといけないと思うんです、外に向かって。

 男の人がそれだけ頑張っているところで、育休だの、あるいは産休をくださいというのは、もう言えなくなっちゃうんですよね。そうすると言うまでもなく、では自分の中でやめていくとか、ほかの対策を講じているというのが現状なんですよね 。女性医師の改善を訴えることもそうなんですけれども、男性のその働き続けること自体が、やっぱり改善の足を鈍らせているということを少し考えていかなければいけないと思うんです。

 ○○市の大きな病院が、以前、労働基準監督署が入って、当直の実態とか何かを調べたことがあったそうです。直接、前の院長先生にお聞きしたのでは、現在の当直というのは、病院の中にいる患者さんが 具合が悪くなったときだけ診るのが当直で、今やっている当直の人が、外部から来た患者さんを診たりするのは当直ではなくて、もう夜勤ということなんですよね。そうしますと、次の日は休まなくてはいけないとか、そういうことも国が決めている 、それから非常にはずれていることなんです。でも、それを仮に、実際にやるとすれば病院はつぶれてしまうと、その先生はおっしゃっていました。まさにそうだと思うんですよ。

 ですから、この現実というのをまずみんなで認識して、それを改善していく方向にやっていただければと思います。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございます。はい、どうぞ○○先生(B委員)。

 

【○○医師(B委員)】

 これは長野県内ということではないんですけれども、やはり医療費の問題も大きいと思います。今回、医療費の改定がありまして、少し病院に手厚くという形になっていますけれども。まだ木村先生、その点は、病院のほうは、4月に始まったばかりですので、あまりはっきりした効果というのは出ていらっしゃらないわけですか。

 

【木村病院長】

 4月の段階では、収益は上がっています。

 

【○○医師(B委員)】

 その中で、ドクターズ・フィーという、医者がどのぐらいもらえるかというのが、ここに一般の方もお見えになっているんですけれども、例えば内科の開業の先生たち、患者さんを呼んで診察して、1回の診察で、お薬とか別にして、その先生がいろいろ判断するまでが、1回、全額払ったとして1,250円なんですね、1回患者さんを診ると。そうすると、うちなんかもうちょっと安いわけで、これの1割負担、3割負担なので、患者さんはもうちょっと安くて、日本のそれはすごくいい制度なんですけれども、うちなんか、指の消毒をして帰るんですけれども、そうすると、先生、まだ来なきゃいけないですかと、どうしてというと、タクシー代のほうがよほど高いと。ここで1回120円しか払わないのに、タクシー代が1,200円もかかるという話を聞かされると、ちょっと何かすごく矛盾を感じるんですね。

 ですから、もう少し、やはり国というか、そういうところにみんなで働きかけて、もう少し医者の、もちろんそうしますと一生懸命働くという、別にお金で私たち働いているわけではないんですけれども、そうやって今回、少し病院のほうに手厚くなって、その分、何か開業医から持っていったという話もあるんですけれども。

 全体として医者が働きやすい環境をつくっていくためには、ある程度のやっぱり費用が必要だと思いますので、そういうことはみんなで声を大にして、このくらいは必要だと。さっきの1,250円というのは当然、受付の人のお金も入っているし、私たちの分も入っているし、看護師さんをあれしたら、そういうことを全部含めてお一人にそのぐらいなので、まあ安くてとてもいいんですけれども、ただそういう点を考えていただきたいということを、やはりみんなで声を挙げていかなければいけないのではないかというような、そういう時期に来ているのではないかと。でないと、私たちというか、みんなの待遇改善もちょっと望めないのではないかなという気もします。

 

【渡辺会長】

 桑島部長は厚生労働省から見えていますけれども、その診療報酬の問題については、いかがでしょうか。

 

健康福祉部長 桑島昭文

 なかなか厳しい質問がいきなり飛んできたのであれなんですが。

 私も医療課というところにおりまして、ちょうど診療報酬の点数を1個1個決めている部署におりましたけれども。今、先生おっしゃったのは、初診料・再診料の話で、今年の診療報酬の改定、随分話題になりました。ただ、やはり勤務医の先生方の処遇改善というふうに力を入れまして、開業医の先生方から少しお金をいただいてというような、まさしくそのとおりの改定になったわけでございますが。

 ただ、先ほど○○先生(F委員)のお話の中にもありましたとおり、いろいろな医者がやるべき仕事と、それから看護師さんがやるべき仕事、今は間が意外とわからなくなっている。それから、事務の方々がやる仕事も、事によっては先生方がやっているというようなことは確かにおっしゃるとおりで、アメリカ側の例を先生は先ほど出されましたけれども。逆に、でもアメリカは、自分の仕事以外はやらないということも本当にはっきりしている世界でございまして、ゆえに日本の何倍もの医療費がかかると。非常に大きなコストがかかっているということも、逆に我々は考えなくてはいけないのかなと思っておりました。

 ただ、全体として自分がというか、横に知事もおりますが、医療費を抑えようというのは確かに、国全体のそのパイの中からすると、医療費がずっとずっと毎年1億円伸びていくことは、 やはり今後、この日本の社会をどういうふうに支えていくかというのは、なかなか非常に難しい問題だというのもご理解を皆様方いただけると思いますけれども。

 ただ、やはり昨今問題になっているとおり、医療がこれだけ疲弊してきているのは、この10年間のマイナス改定が続いてきたこと、これはもちろん明らかなことだと思いますので、そういう意味では、全体のパイを引き上げていく、増やしていくということは、絶対必要なことだと思っております。ただ、なかなかそれを、ではどこに財源を求めるのかということも、これは考えないわけにはいかないと。

 こういうことからすると、知事の横の顔を見ながら、消費税のお話とか、いろいろな話につながっていくかと思いますけれども、安い負担でいい医療を受けようというのはなかなか、これからは難しいのではないかという気もいたします。そういう意味では、少し皆様方のご負担を薄くかわかりませんけれども、いただきながら医療に、福祉に、介護に、いろいろな分野に、社会保障に回していくというのをやはりこれから真剣に考えなくてはいけないのかなということを、今ちょっと思っている次第でございます。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございます。では、○○先生(E委員)、いかがでしょうか。

 

【○○医師(E委員)】

 ちょっとお話が前後してしまうかもしれませんけれども、先ほど○○先生(F委員)の言われた、やはり医療者というか医師が医師らしい仕事をというところで、私なんかは慢性期の患者さんを多く扱っていますので、いわゆる市町村だとか県だとか、いろいろに提出する書類というのがものすごくたくさんあるんですね。それで、もうそれが1年に一遍であっても、ああ、もう1年という、それでもボリュームとして何百とあると、ものすごく大変なんです。

 それで、日本の中のある県では、ちょっと私、はっきり忘れましたけれども、県が主体なのか県医師会、どちらかなんですけれども、提出書類の大元が、ただでインストールできるようにしているんです。なので、長野県、もちろん私はその県、宮城県だと思いますけれども、そちらのをもらってきても宮城県用の書類になっているんですが、そういうのを県のほうなりで提供していただいて、そこにいわゆるワードなどで、いわゆるケースワーカーとか、いろいろな医者をお手伝いできるような職種の人たちが入れて、それで医師はその最終確認、その文書の責任は持ちますよというところだけにでも持ち込んでいただければ、ものすごく仕事量として勤務医としては仕事が軽くなりますので、まずできるところというところから、そのあたりも考えていただけたらと思います。

 

【渡辺会長】

 ○先生(F委員)、どうぞ。

 

【○○医師(F委員)】

 桑島部長さんがお話しされたことについて2点。

 多分、日本がどういう医療を求めていくかというのが、アメリカ型なのか、今のどこそこの国のいいのがあったとして、どこを目指すのかというときに、私自身はアメリカ型であったらいけないなと、これは思います。ですけれども、私どもが一部分であっても、まねをしていい部分はアメリカ型の医療の中にも確実にあるということを申し上げたかったんです。

それからもう1点、いつもこれは私ども気になるんですけれども、それは診療報酬のことであっても医者の待遇のことであっても、必ず勤務医と、それから開業医という、こういう対立軸をいつもつくられているような気がいたします。

 診療報酬も、開業医のほうからこっちへ持っていったとか、私たちが言っていることはそうではなくて、開業医も勤務医もまとめて医療の中で働く医者です。ですから、医療全体の枠組みの中で、では医療費はどうあるべきかということを考えていただきたい。開業医はどこそこの、厚生労働省だったでしょうかわかりませんけれども、開業医の収入が月々うん百万円で勤務医の何倍もあると、冗談じゃないと私たちは言いたいんです。

 だから、そういう話にしてしまうと、医者の中でも話がいつも分断されてしまって、では開業医はよくて、勤務医はだめなのかと。勤務医が大変なのか、開業医はもう今、私どもとても大変だというふうに思っております。今回の改定の中に出た、もう名前は忘れてしまいましたけれども、地域医療貢献加算なんていう、こんなもの私たちに言わせれば、開業医をばかにするのかというふうに、正直申し上げたいと思っています。

 

【渡辺会長】

 はい、いかがでしょうか。あと、どなたか。

 今、ちょっと事務量の問題が出ましたよね。保健、医療、福祉、さまざまな制度ができて、それに付随する提出書類というのはすごく膨大なものになってきていると思うので、それが医師の業務を圧迫している部分というのもあると思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。

 実際にやってみて、こうやったら何とかなるんじゃないか、もう少し軽減できるのではないかというようなご意見というのはありますか。○○先生(B委員)、どうぞ。

 

【○○医師(B委員)】

 私、国保の審査会というところ、国民健康保険のほうの審査委員をやっているんですけれども。その立場で、新規開業の指導等で立ち会うことがあるんですけれども、最近の先生、確かに電子カルテをコピーしていらっしゃるのでとてもきれいなんですけれども、本当に内容が多いんですね。一つ一つそれを埋め込んでいくだけでもかなりの仕事量になっていると思います。

 でも、それが書いていないと、いろいろな面で評価されてしまうので、皆さん、とてもよく書いていらっしゃるという気がするんですけれども。本当に電子カルテ化されて、いろいろやるときには何か本当に機械に使われているみたいな感じはやっぱり否めないと思います。そういうことをクラークがやってくれれば、それは確かにいいでしょうけれども、やはりその分お金がかかるということは確かにそうで、個人的な、個人のところだととても大変なことはあると思います。病院はもっと仕事量は多いと思うんですよね。

 

【渡辺会長】

 篠ノ井総合病院では、クラークの活用というのは、今、どんな状況でしょうか。

 

【篠ノ井総合病院 事務長】

 篠ノ井総合病院の事務長の○○と言いますけれども、よろしくお願いします。

 当院は、昨年から医療秘書課というのをつくりまして、医療クラークとは言っていないんですけれども、まだ5名ぐらいで、やっと去年から、先ほどお話ありました、書類の作業を医師のかわりに、一応代行して、最終的に先生方に確認をしていただくというのを始めました。

 大体1カ月500600ぐらいの書類がありますので、それを整理するだけでも、先生方、非常に大変でございますし、また先生方の科によってもいろいろ業務量が違うんですが、今、大体500600ぐらいを5名ぐらいの医療秘書課の職員が代行して入力作業を行っています。これについては、現場の先生方からは一定の評価をいただいているというふうには思っています。

 医師の事務作業補助につきましては、今回の4月からの診療報酬改定でも、その辺の成果ということも多分ペーパーが出たと思うんですけれども、当院50対1でやっていますけれども、15対1までですか、拡大がありますので、その辺が当院の課題かなというふうに思っていまして、究極的には、本当に先生方1人につき1人というぐらいのスタッフをそろえるような環境の入り口に立ったかなという感じはしております。

 ただ、やっぱり職員が、事務のほうがそこに先生方とコミュニケーションができるだけのスキルがまだなかなかちょっととれないし、それなりのやっぱり教育を受けているわけでもございませんし、その辺が課題かなと思います。今後の一つの方向かなというふうには思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。ほかに、男性医師を含めた勤務環境の改善というテーマで引き続き少しお話を、ご意見をお聞きしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。よろしいですか、○○先生(B委員)、どうぞ。

 

【○○医師(B委員)】

 勤務環境の改善につながるということになるかどうかわからないですけれども、先ほどのいただいた資料で、3番目の女性医師の割合の高い診療科で、産科・婦人科、全国のデータが出ているんですけれども、20代が大変減ってしまっている。これはやはりとても一生懸命やったのに、残念な結果に終わった医者が逮捕されてしまったという、その事件を聞いて、みんな入らなかった。産婦人科に入らなかったという衝撃的な事実なんですけれども。これが、この人たちはもうこのまま増えないわけですよね。そうすると、これから医者を増やしたとしても、この人たちが指導する立場になったときには、この人たちに非常に多大な加重がかかってくるわけですよね。

 だから、そういうことを考えていった上で全体の、多分、医者が増えれば勤務医の数も増えるんだから、さっきのワークシェアももうちょっとできるだろうとか、そういう考えもあるんですけれども。指導者をきちんと育てなければいけないということを考えると、こういう本当に衝撃的なことというのは、もうこれからはなしにしていただくような形で、もう教育から含めてやっていかなければいけないような気がします。

 たまたまうちの娘もこの年代で産婦人科に入ったので、あんたたちはとても大変な年代だよと言って、これから頑張って一生やっていかなければいけないよということは言っているんですけれども、本当に大変だと思います。

 

【渡辺会長】

 あと、いかがでしょうか。よろしいですか、桑島部長どうぞ。

 

健康福祉部長 桑島昭文

  いえ、ちょっと話題が少し切れておりますので。先ほどから医療クラーク、事務方の支援があったほうがいいというような、医者が本来すべきじゃないというような、いろいろなテーマでお話が出ていますが。

 もう一つ、最近の話題の中では、特定看護師、いわゆるその医療の分野の中でも、看護師さんがもうちょっとお医者さんの仕事をやったらどうかというようなことも随分言われて、22年度のモデル事業が今、国のほうで始まっているような状況にありますが。こういったことについて、先生方、いかがでございましょうか。これは看護師、それから産婦人科で言うと、助産師さんたちの役割というのももっと大きな話になってくると思いますが、いかがでございましょう、ちょっと問題提起として。

 

【渡辺会長】

 アメリカの制度ではかなり、しょっちゅうやっているんですよね。日本はかなり、つい何十年か前は、看護師が血圧を測ることすら、あるいは保健師が血圧を測ることすら医療行為だから ダメだという議論があったんですよね。だから、なかなか日本で医療行為を、医者以外のところを広げていくというのは非常に難しい国だなという感じはするんですけれども、実際に診療されていて、いかがでしょうか。○○先生(A委員)、どうぞ。

 

【○○医師(A委員)】

 産婦人科、特に開業では、私たち医師も正常のお産を主に扱っていますので、助産師さんも正常の出産は扱えるということで、非常にそういう意味では、助産師さんたちの力を借りている分野だと思うんですけれども。

 もちろん異常がなければ私たちも、例えば、もちろん私たち365日ずっと拘束されていますけれども、出産を助産師さんが見ていてくれるので、その間は休むこともできますし、患者さんたちにも、女性医師だからということで、私に「出産のときには立ち会っていただけますか」みたいに言ってくださる、非常にありがたい患者さんもいらっしゃるんですけれども。患者さんには、私の顔を頻繁に見るお産というのは異常な出産なので、なるべく私の顔は見ないほうがいいと思うんですけれどもというふうにお話しして、本当に何もなければ最後のところで登場して、むしろ患者さんの手を握って、「いいお産ですね、おめでとうございます」と言って、ちょっと縫ったりすることはままありますけれども、それ以外は、ではさようならという形で、こちらの体力も非常に楽なのでありがたいと思うんです。

 でも、私は助産所が増えていくことに関しては非常に、ちょっと危惧している面もありまして、やはり出産はすべて終わっておめでとうであって、産まれた直後から大出血するとか、そういうことでいつも、開業医であっても開業医だけではできなくて、篠ノ井総合病院や長野赤十字病院にいろいろなたくさん大変な方をお願いしたりとか、ともに協力し合うことでやっと患者さんたちの命を守っているのが現状なんですよね。

 私たち開業医であってもパーフェクトな出産をすることはできない。なので、さらに手術の施設がない助産所での出産は、やっぱり私たち医者から考えればなかなか、もし何かあったときに手遅れになったらという、そういう危惧をぬぐい去ることができないんですよね。

 やはりともにより近い中で連携をしていくということが非常に大事であると思いますので、助産師さんたちが増えて正常なお産を見てくださることに関しては、私たち医者も非常に感謝していますし、ぜひとも専門性をさらに高めていただきたいと願っていますけれども。常に連携するという形をとっていくことが重要だと思いますので、それはどの科にわたっても言えることだと思いますので、その辺をうまく連携して組み立てていくことが大事ではないかと思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。○○先生(F委員)はアメリカにいらっしゃったときの看護師と医師の仕事の分担みたいなところはいかがだったんでしょうか。

 

【○○医師(F委員)】

 例えば私はリハビリテーション科医でしたので、リハビリテーションという仕事の中で、看護師だけではなくてPT(理学療法士)・OT(作業療法士)、これは本当にもう医者と同じ権限も持っていましたし、仕事もしていたというふうに思います。

ただ、先ほど桑島先生から言われた特定ナースでしたか、看護師ですね。その仕事というのは、話はきちんと、もうちょっと、私個人的には、ディスカッションされた上で出てこないといけないと思います。

 今、医者が足りない。だからというような言わんばかりの持ち上げ方をされてしまうと、やはりそれは間違った方向に、もしかしたら行ってしまうかもしれないと。医者が足りないからではなくて、ナースは、看護師は、看護師として医療の中でどういう仕事を分担していくのか、ということをきっちりディスカッションした上で、もうちょっと、もしかしたら、今、私ども医者しかできないと言われている部分について足を踏み込んでもいいのではないかと、そういう順番でディスカッションしないと、私は大きな間違いを起こしてしまうと思います。

 サッチャーさんがいろいろな医療政策をやって、イギリスから医者がどんどんいなくなってしまった。やむを得ず、ナースが医者の仕事をやったという事実もあるわけですから、そういう轍を踏むようなことは、私はやるべきではないというふうに思っています。

 

【渡辺会長】

 どうぞ、○○先生(D委員)。

 

【○○医師(D委員)】

 すみません、今のお話から少し離れてしまうんですけれども。私、大学病院に勤務しているという立場から少し、日ごろ同僚の先生方とお話していることをちょっとお願いしたいんですけれども。

 大学病院の中の多くの、ほとんどのというか、医員と言われる先生方の仕事をしている形態というのは、日雇いみたいな勤務形態なんです。私もあまり詳しくない状態で、今、お話ししているので大変申しわけないんですが。もちろんボーナスは出ない状態で、お給料も本当に少ない中で、今、研修医、初期臨床研修医というのはとても立場が保障されていて、パートに出なくてもしっかり生活ができるというお給料をもらっているんですが、その研修医と、例えば10年目の医師の医員の先生は、給料がほとんど変わらない状態でやっているんですね。1週間に1回パートという形で地域の病院に外来をしに出かけているので、その分を足すと研修医よりはいただいているような状態なんですが。

 実際、大学病院の先生方は学生の指導をしていたり、研修医の指導をしていたりという普通の臨床プラスアルファの仕事をしている上でそういった状態なので、しかも先進医療についてやっているという面でモチベーションだけで保っているというか、そういう部分があって、なかなかそれをキープするには立場の保障がとても悪いんですね。それで大学から医師が離れていくというのもあって、それによって教育というのがなかなか進まなかったり、または研究というのが進まなかったりしているのが現状です。

 なかなかそういったことを変えていくというのは難しいと思うんですけれども。やっぱり今、男性医師を含めた勤務環境の改善という話の中の一つとして、大学などの勤務の先生方の環境を少し改善していっていただくことができましたらと思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。それでは、一応このテーマ、閉めたいと思いますけれども。

 今までの議論をもとに、知事のほうからコメントをお願いいたしたいと思います。

 

長野県知事 村井仁

  私、特に○○先生(F委員)からご指摘のございました点に関連しまして、日本の社会全体、そういう傾向があると思うんですけれども。要するに専門職として非常に高い経験を積まれた人、積んでいる人が、専門性の必要のない事務的な仕事をやっている、やらなければならないような仕組みになっているというのが実際、現実でして。

 私は実は若いころに大使館勤務をやりまして、秘書の使い方というものを、否でも応でもしつけられてしまったものですから、逆に言いますと、かなり細かい仕事はもう人に任せっきりにしておりまして、できるだけ自分で細かいことはやらないというようなことを続けてきましたけれども。人の仕事ぶりを見ていますと、何で他の人にやらせないんだろうと、自分でやるんだろうと思うようなことがしばしばございました。

 おそらく医療の世界でも、そういう職務の定義といいましょうか、そういうものが非常に日本社会あいまいになっている。これは間違いないことで、非常にコストの高い人材を補完するというような発想が非常に少なくて来たのではないかという気が、一般的にします。

 そういう意味で、さっきのクラークの問題にしましても、医療セクレタリの問題にしましても、それから、申し訳ないですけれども、電子カルテというのを入れて最新の技術による業務の簡素化を図ろうとしても、実際は、本人が全部やらなければならないみたいな話になる、非常にそこは感じました。

 アメリカの社会のIt’s not my businessということで、人の仕事には絶対手を出さないという仕組みは、またとんでもない仕掛けでありますけれども。もうちょっと日本は専門家の仕事というものを、そのコスト、もともとのコスト、社会的コストです、私の言うのは。私なんかは事務屋ですから、学校を出るまでにあまり金がかかっていません。ですけれども、先生方、申し 訳ないけれども、非常にお金のかかる社会的コストを持って出てこられたんですから、その方々が十分に機能するような社会的メカニズム、これは、私、絶対つくらなければいけないと思っております。これ私の持論なんですけれども、今それだけとりあえず申し上げさせていただきました。

 ただ、こういうことについて、聞いていらっしゃる皆様方の中の多くが、この医療の問題に深くかかわっていらっしゃる皆様方でしょうから、これはあまり意味がないのかもしれませんが、十分おわかりなんでしょうけれども。本当のことを言いまして、一般の人たちにそういう意識をよく分かち合ってもらわないと、この問題、片づいていかないという気もいたしております。

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<テーマ3:医師不足の現状について住民等への啓発

【渡辺会長】

 ありがとうございました。テーマ3に移りたいと思います。勤務環境の改善には、現在の医師不足の現状を住民の方にも理解していただく必要がございます。3つ目のテーマといたしまして、「医師不足の現状について住民等への啓発」をテーマにしたいと思います。

 これにつきましては、それぞれ各地で取組が行われておる現状もございます。 無駄な救急医療にかからないようにしようとか、いろいろな啓発が行われているわけですけれども、これにつきましてご意見を伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 木村先生、篠ノ井総合病院、救急で大変な状態があったとお聞きしておりますけれども、どうでしょうか。

 

【木村病院長】

 長野市のほうで、救急の急病センターの、平日は何時から何時までとか何科をやっているとか、そういうのを広報で出していただいていますけれども、「電話してから来てください」というふうにそこに書いていただきまし た。まず電話をかけてこられるのは、やっぱり子供さんが多いんです。そこでうちの小児科医が当直の看護師を教育しまして、そのくらいであれば明日でも大丈夫だとか、様子を見ていてもいいとか、そういうふうなことをやりまして、救急はかなり減りました。一番ピークのころは、年間15,000人ぐらい救急患者さんが見えていましたけれども、今は11,000人ぐらいで、大分減りました。特に大きなトラブルもなくてやっていますので、その辺はよかったと思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。今、○○先生(E委員)でしたか、はい、どうぞ。

 

【○○医師(E委員)】

 本当に医師不足というところで、特に夜勤なんかをやっていて、救急で受診される患者さんなんかに触れていて最近思うんですけれども、夜勤帯に患者さんがいらしたときというのは、もちろん緊急介入が必要なときというのもあるんですが、中に、やはり日勤といいますか、普通に病院があいている時間帯だと待たされるのが嫌だとか、予約がなかなかとれないからとか、逆に言うと、何か患者さん同士の中で、夜に駆け込めばすぐ診てもらえるということを、なぜかそういう言葉が伝わっているようなところがあって、いわゆる受診ということに関してのマナーというものは、昔よりも少し悪くなったのではないかなというふうに思うんですね。

 それで、緊急度の高くないものに関しては、やはり夜勤帯で、もう本当に12時近くになってそういう人たちが病院に来てしまったりとか、ただ医療者、特に医師、当直医というのは、その日朝から働いて翌日の夕刻まで仕事をするわけですから、少し、今のこの医師不足という状況で、本当にその時間に行く必要があるのかどうかとか、そういったことを皆さん、自分自身考えていただいて、そして、自分に本当に必要なときにいい状態の医師にかかれる、というところを考えていただきたいなと感じることがあります。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。○○先生(G委員)でしたか、はい、どうぞ。

 

【○○医師(G委員)】

 松本市医師会ですね、小児科の出前講座というのをやっていまして、そこのお母さんたちを集めて、子供がどういうときに、初期治療というか初期対応の仕方とか、そういうのを講義しております。ナースによるそういう相談も受けています。

あと、私、医師会で急病センターというものの夜間の仕事もしておりますけれども、そのときもやっぱり○○先生(E委員)がおっしゃったように、ずっと 具合が悪くて夕方になってやっと出てくるとか、そういう方もいますので、やっぱり患者さんの意識を変えるように、私たちがもう少し啓蒙していかなければいけないかなというふうに思います。

 それともう一つ、ちょっとずれるんですけれども、医師不足の現状について住民等へと書いてありますけれども、この長野県の医師不足の一つに、やっぱり研修医制度のことがあると思うんです。

 研修医制度が変わって、医局からの医師が派遣されないような状況になって、研修医が少なくなったということがあります。今の研修医、初期研修医と後期研修医がいますけれども、実際、長野県出身で東京の学校に行ったりしていても、長野県に帰ってこないという人たちがいるということは、それはどうしてかというと、やっぱり研修病院としては都会の病院のほうがいいと思ったりするということと、それから、特に後期研修でも、必ずその科に入るという場合にも、出身大学に行ってしまうとか、そうしたことがあるので、やっぱり信大をもっと魅力のあるような病院にするとか、各病院もそういうふうに、そういう意味でも若い医師を集めるようなことも必要ですし、そういうことを医学生にも広めていくことも大事ではないかなといつも思っています。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。はい、どうぞ。

 

【○○医師(B委員)】

 またコストの話になってしまうんですけれども、準夜帯とかそういうときは、本来は割増料金がつくんです。

 でも、今は子供さん、そんなことを言っては何ですけれども、せっかく県のほうから全額の補助になるようになって、本人、お母さんたちお金を払っても、あとから戻ってくるからいいやみたいな感じで、自分の都合のいい時間に受診するというような傾向が、どうも子供の補助を始めてから増えたような気がしないでもないので、そこら辺もう少しきちんと、県のほうでもお金を出している以上、検証をしていただいて、どのような効果があったのか、また、そういうデメリットは何だったのかということをきちんと検証して、今後のことを決めていっていただいたほうがいいかなというふうに思います。

 

【渡辺会長】

 一応、あれですよね、300円から500円に自己負担は増えた、その影響というのは何かありますか。自己負担が、今まで300円だったんですけれども、500円に増えてはいるんです。200円の差なんですけれども、あまりないですか。

 あと、いかがでしょうか。はい、どうぞ○○先生(F委員)。

 

【○○医師(F委員)】

 私は佐久医師会に所属する医者なんですけれども、佐久地域は、今、ある大きな病院の再構築の問題で、この5年間、大きく揺れ動いております。その中で、私ども医師会が考えてきたことの中で、ぜひとも地域の皆さん方にお願いをしたいなということが幾つか出てまいりました。

 一つは、今も他の先生方おっしゃったように、やっぱり医療にかかるかかり方、マナー、私ども懇話会というのを持っていますが、そこにおいでいただいたある東京の先生が、お作法だというふうにおっしゃったんですけれども、やはり日本の医療というのは、保険証を一つ持っていけば、いつでもどこでもだれでもどこの病院でもという、これ、ものすごくいいことなんですけれども、でも使い方によっては凶器で、だれにとって凶器かというと、医療従事者にとって凶器なんですね。

 それから、医療というのはみんなで守っていかなければいけないし、もちろん医療は地域の皆さんのためのものなんですけれども、空気とか水とかみたいに、もう好きなだけやってもいいのかと言われると、やっぱりみんなで育てていって、みんなで守っていかないとだめなものなんだろうというふうに思うんです。

 そういう部分をぜひとも地域の皆さん方におわかりいただかないと、今、私どもは、ある地域医療支援病院を一つつくって、それの隣に三角形になるような病院を二つ置いてというふうな構想を練っておりますけれども、これは医療従事者が、あるいは医療関係者が一生懸命考えても、結局のところはその医療にかかっておいでになる地域の皆さん方の考え方が変わらないと、絶対に無理なんですね。

 ぜひとも、私どもは広報活動の中で、これは私ども医師会がやっても微々たるものです。でも、やってはおります。公開講座をするとかいろいろなことをやっているんですけれども、でも、ここの部分には、ぜひとも行政の力をお貸しいただきたいというふうに思っております。

 やっぱり医療はみんなで守っていかないと、日本の医療というのが本当につぶれてしまうということを発信していただきたいと思っております。

 

【渡辺会長】

 あと、お一方どなたか。どうしてもお話ししたいということがあったら発言をお願いしたいと思いますけれども。では、○○先生(A委員)。

 

【○○医師(A委員)】

 私は産婦人科なので、365日働くのが基本、当たり前の科なんですよね。ですから、どんなにいろいろ統合されても、出産を予定日を決めて、全部帝王切開にするわけにはいかないですし、だから、それはこの仕事を受けて、でも私はこの激減したのはそれが原因ではないと思うんですよね。それでも、私たちは産婦人科医として誇りを持って、喜びを持って仕事をしているので、それはいいと思うんですけれども。でも、もっと予防ということに関しては、住民の皆さんには考えていただきたい。

 最近、子宮頸がんの予防ワクチンというものが開発されましたけれども、でもそれ以前に、毎年検診に来ている人たちの割合は非常に少ないんですよね。5万円ものお金を払って100%予防できるというところまでには至っていないワクチンについて、医療費を払っていくよりも、今は子宮がん検診をみんなが受けるという形にしたほうが、より早く子宮がんを予防できて、そして早くに治療することが医療費削減につながっていくと思いますので、この辺は、無料クーポンが出たことによって、昨年、非常に若い人たちがたくさん受診してきたんですよね。

 ですから、行政としてもこういうところに心を砕いていただくことが、住民の命を守るということに直接つながっているというふうに思っていますので、ぜひともまた引き続きご検討いただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。それでは最後に、知事から一言、またよろしくお願いいたします。

 

長野県知事 村井仁

 住民にお医者様方がどのぐらい苦労しておられるかということをわかっていただく、なかなか実際難しいことでありまして。私は、ただ、割合に口が悪いものでございますから、平然と折々、様子を見ながらとんでもないことを発言しておりまして、大体、病気が何でも必ず治ると思っているのは間違いだと、どうもこのごろ、医者にかかれば必ず治ると思っているみたいだと、治さないのは医者が悪いというような傾きさえあるなんていう発言をして、そばにいる職員がハラハラしておりますけれども、そんなことはともかくとしまして。

 もう少し、いろいろな意味で、自分たちが今持っているこの仕組みがどんなに、先ほど○○先生(F委員)おっしゃいましたように、恵まれた仕組みか。健康保険証1枚持っていれば、日本中どこへ行っても、どんなお医者様にでもいつでもかかれて、その負担というのはこの程度で済むということ、こんなのは世界中にそんなにあるわけではないので、その維持が本当に大変なんだと。

 一方でコンビニ診療、コンビニ受診というような言い方がされますけれども、自分の都合のいい時間に飛び込んで診ていただける、それが当たり前だと。そして、おれは保険料を払っているんだから、医者が診るのは当たり前だと。私、親しいお医者さんから、このごろ診てもらったあとで、「ありがとうございました」なんて言うやつは、このごろ少なくなっているんだという、ちょっとこれは、すみません、私の親しい飲み友だちの医者の、酔っ払っての雑言悪語ですから、どのぐらい正しいかわかりません。わかりませんが、そんな話まで聞くようになりますと、これはちょっとえらいことだなと、正直言って思っております。

 実は子宮頸がんのワクチンの問題につきまして、私は一部の市町村が補助を行うことになりましてから、県もやれというお話が出てきているんですが、だんだん聞いてみますと、これにつきましては100%効くという保証があるわけではない。それよりもさまざまな意味での啓発でございますとか、何といいますか、今、お話のございました検診ですとか、そういうことのほうがずっと大切であるようで、より効果的であるようでありまして。どうも100%ではないが、予防効果があるワクチンが出てきたということが、少し何か過大に報道されているように私は受けとりました。間違っているかもしれません。そこは自信ございませんけれども。

 そんなことも含めて、いろいろな意味で、できるだけ正確な情報をきちんと県民にお出ししていく、これは県としても非常に大事なことだと思っております。今日はいろいろ、大変大事なお話を聞かせていただきました。

 それからもう一つ、私は○○先生(F委員)のお話に関連して、高度医療の専門の病院というものをつくりましたら、やっぱりこれは紹介に基づいて、紹介によって診るということを原則にするというような形で専門化を図っていかないと、これは持つわけがないと思っております。そこにあるから便利だということで、何でもかんでも駆け込まれたのでは、多分、期待する機能を発揮できないだろうと思います。

 そういう意味では、何といいますか、どこへ行ってもいいんだというルールを、事実、変えている病院もあります、診療機関もありますけれども、それはやっぱり考えなければならないことだろうと思っております。

 

【渡辺会長】

 ありがとうございました。それではここからの進行を、青木広報県民課長にお願いいたします。

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【司会】

 それでは、これから会場の皆さん方からもご意見をお受けする時間を設けたいと思っております。ご発言を希望されます方は、手を挙げていただければ、私のほうからご指名をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 差し支えない範囲でお住まいの場所とか所属とかお話しいただいて、お名前をおっしゃっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、いかがでございましょうか。

(以下、司会の発言は省略)

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1. 女性医師支援に係る大学教育について

【男性】

 今日は本当にありがとうございました。非常に勉強になりました。私、○○大学医学部○○学講座の○○と申します。

 まず女性医師の支援ということで先生方のお話を聞かせていただきまして、○○先生(B委員)おっしゃったように、これ根本にはやはり女性医師の問題が解決するということは、これはイコール現在の日本の医療の問題である貴重な医療資源というか、貴重な社会資源である、こういった医療者の方々をどうやって、不足の状況においてこういった医療を守っていくかという、これ根本につながる課題だと思うということ。

 あともう1点、女性医師の支援ということになりましても、今日、篠ノ井総合病院が非常に、手厚いテーラーメイドの支援をされているということを初めて知ったんですが、ただ、支援ということがあっても、やはり個々の先生方が日々やりくりをしながらやっていくということを考えますと、やはり私たち男性医師が、ある意味、そういうやりくりをしている女性医師の先生方が、もうこれフルタイムだという感覚で見る必要が一番あるのではないかなという感じがしました。

 それにはやはり、私、大学のほうで教育ということにもかかわっておるんですけれども、何というんでしょうか、こういった状況をやはり学生の段階において、大学の学生の段階においても、こういった問題があるし、これってどういうふうに考えていこう、あるいはどういった相談の窓口があるかとか、システムとして こういうふうにやっていく必要があるのではないかと。いざ、卒業して10年ぐらいたって突然こういった問題に立ち向かっても、やはりそこで右往左往する場も当然あると思うんですね。

 そうなりますと、やはり学生時代の段階から、やはり、私たちの講座そのものも一応システムとしてちょっといろいろ考えている面はあるんですが、サポートでき、もちろん県内の先生方にご相談をしてご意見を聞いた上で、ということになりますけれども、そういったシステムを立ち上げて、これは女性だけではなく、男性の学生に関しても一緒に考えてもらうという、こういったことが大事ではないかなと考えました。

 また何かいろいろなことを先生方にもお聞きするかと思いますけれども、そのときには、またぜひご意見をいただければと思います。今日はどうもありがとうございました。 

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2. 勤務医の勤務体系等について
【男性】

 ○○病院の院長の○○と申します。今の話の、女性医師ということとちょっと関係があるのかないのかわかりませんが勤務医としてとらえた場合に、やはり勤務医というのは、当直、あるいは科によってはオンコール(on call)、呼ばれると。家にいるけれども呼ばれる。あるいは救急の患者さんが来る救急病院であるかどうか。それから、あるいは病棟の患者さんが急変したときに呼ばれるとか、そういうようなことがあるわけで。それぞれの科によって大分違うと思うんです、大変か大変でないかというのは。

 そして、私たちの病院のほうでは、採用すると、公的な病院というのは大体卒業年度でみんな給与は同じなんですね。違いは時間外手当がどれだけあるか、ないかだけというのが大体なんですが 、私たち病院では、そういう人に、例えば時間が朝9時から5時で帰りますと、昼間だけ診ますと、例えばドッグの患者さんを診るだけでという場合には、一応そういう人には、契約として、あなたは9時から5時という形での採用形態をとるというような給与体系、あるいは採用形態が自由にできるというのも一つの方法ではないかと、そういうふうに思っていますし、また、これから各科で違うという場合があると思うんですが、例えば内科の場合なんかは、主治医は2人制にするとか、夜呼ばれるのはこっちとか決めておくとか 、あるいはオンコール代員というようなものをつけるとか、そういうものを考えていかなければいけないのではないかなと思っています。

 結局、勤務がはっきりとめり張りがつくように、オンとオフがどこなのかというのに応じて給与、あるいは勤務条件、勤務体系等も考えていかなければいけないのではないかというふうに思っています。それはとりもなおさず、女性医師に関しても同じことが当てはまるのではないかなと思うんです。 

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. 常勤医師として働き続けることについて

【女性】

 私は、今、○○病院で産婦人科医をしています○○と申します。

 私は平成19年に○○病院で産婦人科医をしているときに、子供を出産しました。○○病院にいたころは、産休、育休をとる女性医師というのは私が初めてでして、そのころから○○病院が閉鎖するということで、非常に産婦人科医が不足している中で、私は産休、育休をいただきまして、○○病院に6カ月、7カ月ぐらいで復職しまして、働くことができました。

 そのときの産婦人科の部長をはじめ病院全体で、院長先生から事務の方まで非常に皆さん心配してくださって、いろいろ工夫をいただきまして、7カ月から子供が1歳になるまでは、週3日、常勤でありながら3日で働けるようにいろいろ工夫をいただきまして、そのあと、1歳からはほとんどフルで、あとファーストコールもするような状況で、主人が結構協力してくれましたので、そういう状況で働くことができました。

 それともう一つ、知り合いの小児科の医師の奥様が非常にお子様が好きでいらっしゃいまして、うちの子供をベビーシッターかわりに見てくれるような状況がありましたので、緊急の患者さんがいらっしゃって、どうしても主人も私も迎えに行けないようなときなど、かわりに保育園まで迎えに行ってくださって、夕食もお風呂も入れてもう寝かせるだけのような状態にしてくださるというような、そういう親切な方がいらっしゃったので、○○病院では非常に充実して医師としての仕事をすることができました。

 ○○病院のほうに来まして、院内保育所がありますので保育園を探す手間から省けまして、今も常勤で働いています。今は当直は月に1回ぐらいに免除してもらってやっていますが、やはりちょっとそういう、土曜日に私は当直をしているんですが、主人の休みのときにやっていますが、できれば、やはり24時間保育ですとか、休日も保育園で見ていただけるような体制がいただければよりいいかなというふうに感じているようなところです。

 やはり女性医師としてモチベーションを持ってやっていくことが重要かなというふうに私は感じていて、私も、やはりやめてしまうとなかなか戻りにくくなってしまうと思うんですね。なので、なるべくわがままを言いながらですが、産休、育休とかはしっかりとりながらも、ちゃんと常勤として続けていけるように努力していきたいと思っています。

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4.医療の啓発について
【男性】 

 私は○○大学医学部医学科の1年の○○です。よろしくお願いします。

 今日は女性医師の方々と、あと知事と厚生労働省の方ですか・・・部長ですか、すみません、部長の話を聞かせていただいて、大変参考になりました。

 ぼくは医学生になってまだ2カ月くらいしかたっていなくて、医師、医療に関する知識とか問題とか、よくわからない状態で今日も参加させていただいたんですけれども。

 現場の声というのを聞いて、改めてやっぱり問題が結構あるなと思って、それで、先ほども先生方の話に、患者のマナーということが挙がって、患者のマナーというのも、やっぱり民間の人に医療の問題というのが十分に伝わっていないからこそ起こり得るものだと思うし、そういった面も含めて、一般の人にもっと医療のことを知ってもらうということは大事だと思います。

 最近のドラマで「コード・ブルー」というのがあったじゃないですか、そのコード・ブルーでは救急現場を描いたドラマで、実際にドクターヘリがそのドラマの影響によって増えたということもあって、何か非常に影響力としては大きいものだったと思うんです。そういう影響というのは、 やっぱり民間人にとってみればすごく大きいもので、わかりやすく問題というのが伝わるなと思うので、今後も何かそういったものを通して、また違う形でもいいので、そういう問題の、何か表示じゃないですけれども、提示の仕方というのも十分に考えて、具体的な何か、今後の医療の方針というのを決めていってくれたらいいと思いました。

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健康福祉部長 桑島昭文

 やはり一般の住民の方々にとって、医療のことというのはなかなか見えてこない部分というのがたくさんあろうと思います。そういう意味では、私どもも10の 長野県は医療圏がありますけれども、毎年2カ所ずつ地域医療を考えるシンポジウムというものを開催させていただいて、地域のいろいろな病院の実情をお知らせをしている。その中で、病院のことであったり、先生方の現場の話であったり、いろいろなことを題材に取り上げながら、住民の皆さん方に、本当に医療資源、病院というのは財産なんだということをぜひわかってもらいたいということを訴えてやらせていただいております。

 そういう中で、場所によっては病院を守る会というものが立ち上がっていったり、さまざまな動きにつながっていっていることは、本当にうれしく思っておりますけれども。ぜひ、そういうことをもっと広げていこうというふうに考えてございますので、皆さん方のお力をまたいただきながら、やらせていただきたいと思ってございます。以上です。ありがとうございました。

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【司会】

 それでは、まだご発言の方もあろうかと思いますが、一応、お約束の時間になってまいりました。遠路から、遠いところから駆けつけていただいた方もございますので、これで時間どおりの進行とさせていただければ大変ありがたく思っております。ありがとうございました。それでは最後に、知事からごあいさつを申し上げたいと思います。

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知事あいさつ
【長野県知事 村井仁】

 今日は大変有益なお話、私にとりましては、ある程度承知している状況もございましたけれども、生々しいお話を先生方からそれぞれお伺いさせていただくことができ、また、ずっとお聞きいただきました中でも、それぞれにコメントをいただきました。大変ありがとうございました。

 日本はこれから少子高齢社会というのはもう避けて通ることができない宿命でございます。その日本の活力を維持していくためには、これはもう男女の間の違いというものは認めながらも、やっぱり専門の仕事に、あるいは大変高いレベルの仕事にどんどんもう女性に入っていっていただかなければどうしようもない。それによってのみ日本の活力を維持できるというふうに固く信じている一人でございます。

 実際、子供のときのことを考えてみますと、学校のときに女子のほうが絶対よくできたんです。それはもう私は初めからかなわないと思いまして、頭を下げておりましたので、そういう意味では当然のことでありまして、女医、女性医師という女性という言葉が早くとれるといいということを、渡辺前衛生部長が、元衛生部長がリレーエッセイにお書きになりました。私もそれはそうだなと、しみじみ感じたものでございます。

 そういう意味で、先生方から今日いろいろ頂戴しましたことをしっかりまた受けとめて、頑張ってまいらなければいけないと思っておりますが、県に期待されるものは、いろいろな啓発でありましたり、さまざまのサポートだろうと思います。これにつきましても、いろいろな形でしっかり目配りもしてまいりたいと存じますが、私は実は8月31日でやめるということをはっきり言ってしまっているものですから、あまりいろいろ言いましても迫力がなくなりかけているので申し訳ございませんが。

 私はずっと一生懸命この役所の中で言ってまいりましたことは、ともかく自由闊達な議論をやってくれと、こう決まっているからこれで行くんだというのは、しゃくし定規な話は絶対だめだということを始終言ってまいりました。

 最近、私がちょっと庁内に文句を言いました一件は、乳がんの検診につきまして、あれは市町村でやっていただくことになっているんですが、ある市に住んでいて、それでその検診を受けるということで手を挙げた方が、たまたま転居して別の市へ行ってしまったんですね。そうしましたら、前の市では、確かに手を挙げてあなたは対象になっていたけれども、もういないんだからだめと。新しいところでは、申し込みをもう締め切ってしまったからだめと言われて宙ぶらりんになってしまった。県が何とかできないのかというメールが、知事へのメールで来まして、ちゃんと何か返事を書けと言って投げましたら、いや、そうなっているからだめなんですというメールが出そうになったものですから、何を言っているんだということで文句を申しましたら、割合にちゃんとした答弁が出てまいりまして、それならいいやというようなことで。決まっているからだめだなんていう答弁をしているのでは私はいかんと思っているんです。どういうふうに説明したら、どういうふうにしたら何とかなるかという工夫をしろというようなことを一生懸命口を酸っぱくして言ってまいりました。こういうものは多少は残るんだろうと思っております。

 そんなことを申し上げました上で、いずれにしましても、これは県のみではなくて、日本全体としてもう考えなければならない大変な主題になっておりますし、女性医師のいろいろな問題ということで、今日はご議論をいただきましたけれども、まさに我々が議論したのは、日本の医療の問題であります。

 私は非常に高い水準にまで行っている日本の医療を、日本国民が十全に受けることができないというのは本当に残念なことだと思っております。それは簡単に言えば、負担と福祉の関係というものをきちんと整理をしてこなかった、これが一番いけないことだと私は思っております。簡単に言えば、財政の対応というものが非常におかしい。要するに、もうちょっときちんと払うべきものを払って、それできちんと成果を得るような形にしていかなければいけない、こういう典型的な問題だと、私は思っております。

 そんなことを申し上げました上で、先生方にまずお礼を申し上げ、それから○○大学の医学部の1年生の○○君がここへ来てくれた。今日のすごい話を聞いて、医者になるのをやめようなんていうことを考えないで、しっかり勉強して立派なドクターになって、そして長野県で勤務してください。お願いを申し上げまして、私のお礼のごあいさつにさせていただきます。今日は本当にありがとうございました。

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